株式会社てんとうむし

伊藤 信和

空洞化した職業・業界に、未来を拓く外国人人材の力を

言葉も技能も生活も、ワンストップでトータルサポート
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労働人口が減少する最中、不安と期待が入り混じった視線を向けられている外国人人材。新たな働き手になりうると言われて歓迎されている反面、外国人であるがゆえの困難・障害 –– 言葉の壁や文化の壁 –– が人材と企業との間に立ちはだかる。

今回は、よりスムーズな外国人採用・定着を実現し、日本の人手不足問題の解決に取り組む株式会社てんとうむしの代表取締役・伊藤信和氏にお話を伺った。

株式会社てんとうむし 代表取締役 伊藤信和氏

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【経歴】
1989年6月福井県生まれ、大学生時代はフルコミッション営業に没頭し、営業の基礎を学ぶ。その後、新卒でITベンチャー企業へ入社。
WEBメディアビジネスを中心にWEBマーケティングへの知見を深め、2015年に独立。
オウンドメディアによる広告ビジネスを中心に事業を展開し、2019年ウーマンエンパワーメント中小企業部門グランプリ受賞。
現在はIT広告代理事業、外国人人材事業を展開し、4期連続の増収増益を目指し奮闘中。

空洞化した人手不足業界・職場を救う紹介、派遣


株式会社てんとうむし。一言で言うと、人手不足問題を抱える企業に対して外国人人材の派遣や紹介を行うサービスを主に提供している企業である。人口減少社会に突入した日本において、人手不足は多くの企業が頭を悩ます共通の問題だ。どのような企業が同社のサービスを利用しているのだろうか。

― 伊藤氏 ―
「業種・業界の隔たり無く、お問い合わせをいただいていますね。もともと利用企業には飲食業や宿泊業を営む企業が多かったんですが、今は業界を問わず、主に軽作業の働き手を求めるお問い合わせが増えてきています。

例えば首都圏の工場などでは百人、千人単位の規模感で毎週のように人手が足りていないというケースもあるんです。」

人手不足の規模は、百人、千人単位。リアルな人手不足の現状が見てとれる。この深刻な問題についてさらに伺うと、人手不足問題の裏側が見えてくる。

― 伊藤氏 ―
「この人手不足問題の原因は、人口減少だけではありません。世の中にはあらゆる仕事がありますが、『日本人がやりたがらない仕事』がたくさんあるんです。

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人手不足問題が深刻な業界や職場のなかの多くは、『日本人がやりたがらない仕事』に当てはまるもの。

今、こうした業界・職場で活躍しているのが、日本での正社員雇用を目指して働きに来た外国人人材の方たちです。

しかしながら、正直なところ、外国人人材を初めて雇用される企業にとっては、多くの不安や懸念点があるでしょう。一方で、外国人人材としても言語や文化、暮らしへの不安を抱えながら来日します。
当社では、そうした両者の間にある問題を解決することで、企業はよりスムーズに人材を確保でき、外国人人材はより快適に働くことができるよう、工夫と配慮を凝らしたサービスを展開しています。」

言葉も技能も生活も、ワンストップでトータル支援


外国人人材を採用する場合、多くの企業が懸念としてあげるのが言語の壁。同社の人材派遣・紹介サービスでは、どのような方法で言語問題をクリアにしているのだろうか。派遣事業・紹介事業それぞれに施す工夫について伺う。

― 伊藤氏 ―
「まず、派遣業務においては、日本語の話せるスタッフと日本語の苦手なスタッフを一緒に派遣する形をとっています。このようなユニット制を導入することで、日本語の話せるスタッフが日本語の苦手なスタッフをフォローすることができ、周囲とのコミュニケーションを取りやすくなります。」

通訳のできるスタッフが一緒にいてくれることは、派遣される側、受け入れる企業側の両者にとって非常に心強い取り組みである。

一方で、人材紹介の場合にも言葉や業務の技能レベルを担保する取り組みを行っているという。

― 伊藤氏 ―
「人材紹介の場合、日本の語学学校を卒業した方を紹介しているので、日常会話はできます。そのうえで、ホテルや飲食店には当社が運営する技能試験の対策スクールに通っていただいた人材を紹介しています。そのスクール内で接客業務や飲食業界の専門用語や基礎知識を学ぶので、十分な言語・業務レベルを携えた人材を紹介することができる仕組みになっているんです。

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具体的には食器の置く位置やお辞儀の種類、肉の部位名まで教えていくので、業界未経験の方でも活躍できる人材レベルまで成長することができます。」

こうした育成過程は日本で働くために必要なビザの取得に関わる特定技能の試験対策でもあり、この試験をパスして初めて日本で働くために必要なビザの取得ができる仕組み。そのため、スクールを卒業し、特定技能の試験を合格した人材の質の高さは保障されている。

派遣、紹介の免許を持ち、特定技能の試験対策まで施す同社だが、手厚いフォローはそれで終わりではない。

― 伊藤氏 ―
「特定技能の試験に合格し、日本で働くためのビザを取得した人を採用する企業は、その人の生活のサポートを義務づけられていることをご存知でしょうか。賃貸、銀行周りをはじめ、空港からの送迎や進路相談のレポート提出まで、非常に細かく義務項目が設定されているんです。対応が難しい場合は、国から認可を受けた登録支援機関に対して特定技能人材の生活サポートを依頼する義務もある。

しかしながら、企業側からすると『日頃の業務だけでも忙しいのにそこまで対応するのはかなり難しい』というのが本音だと思います。そのような時、当社は登録支援機関の免許も持っていますので、紹介後のサポートまでワンストップで対応することができます」

外国人人材の採用・定着の裏側がこれほどまでに大変なものだったとは驚きだったが、仕組みや制度を理解した上で徹底した同社の仕組みにもまた驚いた。

派遣・紹介する人材は、直接会って関係を築いた人材のみ


これまで伺ったなかで触れた言語、スキルの壁。こうした壁を避けることはできないが、同社の徹底したサポートと受け入れ先の心がけがあれば解決できるものばかりだ。

その壁を乗り越えていけば、外国人人材ほど頼りになる人材はいない。現在、多くの外国人人材が活躍する軽作業の働き手が不足している業界・職場では、大きな役割を担っている。

― 伊藤氏 ―
「派遣先でいえば、通販会社の梱包や倉庫内作業などの軽作業が多いですね。工場は24時間365日稼働しているため、深夜の時間帯などは人が足りなくなることがよくあるんです。
紹介先でいいますと、先ほどホテルや飲食店の話を挙げましたが、他にカラオケボックスの正社員などもありますよ」

目立ちはしないかもしれないが、外国人人材が日本の日常を支えてくれていることがよくわかる。

― 伊藤氏 ―
「人材が不足する場面というのは、緊急性が高いことが多いですよね。今すぐほしい、来週からほしい、というお問い合わせもよくあります。当社では、1週間で何千人というのは難しいですが、1週間あれば100人は確保することができます。

『どうしてそんなに早く人を集められるのか』と聞かれることもあるんですが、まず当社にはインターネットを駆使して様々な国の人に広告を出して集めるノウハウがあることが大きな要因です。もともとインターネット広告代理店からスタートしているので、その時代に培ったウェブマーケティングのノウハウがここに活きています。

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さらに、当社では日本語と母国語が話せるスタッフを社内外に置いているので、彼らがSNSで告知したりアナログな募集を展開したりして集客を担ってくれるんです。

その他、当社は日本で正社員として働くことを望んでいる外国人の方たちと常に繋がりがあり、遊びに来る彼らを歓迎していたり就職対策をしてあげたりしています。このようにして日頃から信頼関係を築いていくと当社から声をかけるとすぐに連絡をくれますし、当社としても自信を持って紹介ができるというわけです。

ご紹介する方は、当社が一度は直接お会いしている方々なのでご安心ください」

伊藤氏が話す通り、人材の不足は突然起こることも少なくはない。痒いところに手がとどく、という表現がふさわしいサービスと言えるだろう。

その背景には、確かな信頼関係を築くための伊藤氏らの地道な努力があることも忘れずに伝えておきたい。

― 伊藤氏 ―
「日本人にも真面目に頑張る人もいればサボる人もいますよね。外国人の方も一緒です。国籍は関係ないかな、というのが正直なところ。それでも、やはり文化や習慣の違いを感じる場面はとても多いので、当社では日本人とのコミュニケーションの3倍時間をかけています。理解してくれたかなと思っても、念を押してさらにもう一度言うくらいに」

苦しい境遇にいたネパール人との出会いから始まった

同社の派遣・紹介サービスの魅力は十分すぎるほどに感じ取れたのだが、このビジネスの出発点はどのような機会、発想だったのだろうか。

― 伊藤氏 ―
「当社で正社員として活躍してくれているネパール人スタッフがいるのですが、彼がきっかけです。
彼とは知り合いを通じてうちのスタッフが知り合いました。もともと志が高く日本で働きたいと思っていたようなのですが、当時はうまく仕事に就けずにいました。その後、彼のビザが切れて母国へ帰らないといけないタイミングが迫ってきたとき、働き手として立派な志があるのにもかかわらず、それを果たせないまま日本を去らなければならない状況に立たされた彼の姿を見て思ったんです。日本人として彼の力になりたい、と。

その上で、日頃から見ていたニュースで外国人人材が置かれている環境においては様々な問題・課題があり、来日した外国人人材のなかには彼と同じような境遇の方やもっと厳しい状況に置かれている方がいることを知っていました。

そこで、彼には当社の正社員になってもらい、外国人人材の派遣・紹介の事業を始めようと声をかけました。そうして始まったのが、今回お話ししている事業です。これまで人材派遣・紹介の事業は行ったことがなかった当社にとっても、彼にとっても、大きなチャレンジでしたね。」

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ビジネスの世界では、たったひとりの人物との出会いがその後の展開を大きく変えることがある。この出会いが、まさしくそうだ。

― 伊藤氏 ―
「本当に様々な国の方が日本に来て就労していますが、彼がいてくれるおかげもあって、当社でお付き合いのある外国人の方は7割がネパールの方ですね。価値観のある方々同士、日頃からいいコミュニティとして機能しています。先ほどもお話ししましたが、このコミュニティが今では当社の集客起点にもなっていますね。

当社に新たな風を吹き込んでくれた彼は、現在日本で働いているネパール人のキャリアアドバイザーを務めています。仕事のことだけでなく、プライベートなことまで親切に気遣いをしている様子はとても信頼できますよ。

例えば、日本の法律が変わってこういう試験に合格しないとビザが取れないとか、いま日本人の間ではこういうサービスが流行っているとか…。日本で暮らし、働くネパール人にとって必要な情報を橋渡ししてくれたり、必要なサポートをしてくれたり、本当によく働いてくれています」

派遣する人材も、彼らを支えるスタッフも、みんなが大事にされていることが伺える。

外国人人材と日本企業が共存し、より豊かな日々を


最後に、今後に向けて描いている同社の展望を伺った。社会や企業、外国人人材からの期待を背負った同社のサービスは、これからどのような広がりを見せていくのだろうか。

― 伊藤氏 ―
「この事業はまだ立ち上げて1年に満たないものなのですが、これからの1年間でネパール人にとって『日本で一番信頼できる人材会社、サポート会社』と思ってもらえるような事業に成長させていきたいと思っています。」

目指すところは遠大だが、決して不可能ではない。たどり着くために何がポイントになるのだろうか。

― 伊藤氏 ―
「お伝えしたような会社になるためには、現地に学校を作りたいと考えています。無料で通えて、日本語や日本の文化が勉強できて、日本に就職先も用意できているという、そんな場所です。
そのような環境をネパールに作りつつ、彼らが就業できる仕事先も日本に多く確保していく取り組みを進めていきたいですね。スピード感を持って、どんどん進めていきたい。」

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ネパール人をはじめとする外国人人材に対する想いはもちろんのこと、その人材を受け入れる日本の企業側への想いも伺った。

― 伊藤氏 ―
「人手不足の課題を抱えている企業のなかでも外国人人材を採用したことのない企業がまだ多いと思いますね。そのような企業の方でも先入観を抜き、安心して外国人人材を採用することができ、さらなる企業の成長を実現できるよう、信頼できる情報提供をしていきたいと考えています。」

外国人人材と日本企業が共存し、より豊かな日々を実現できる未来はそう遠くないところまできているのかもしれない。



取材・編集:山崎
執筆:6483works
撮影:吉田

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