ベリテワークス株式会社
浅賀 桃子
POSTED | 2014.10.19 Sun |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:研修・コンサル 創立:9〜10年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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日本初のスヌーピーカウンセラー
スヌーピーを扱いカウンセリングの敷居を下げる会社Topics
ベリテワークス株式会社 社長 浅賀 桃子氏のONLY STORY
気軽にカウンセリングに行くような社会を作りたい
ベリテワークス株式会社はメンタルヘルスのカウンセリングとECサイトのシステム開発を事業の2本柱としている。浅賀代表は2つの事業にかける想いを自身の経験から語ってくれた。「起業する前はIT企業の人事として働いていていました。その中で、カウンセリングの大切さを強く感じて、カウンセラーの資格を取って社内で活動していました。しかし次第に社内での業務に限界を感じて、第三者的なポジションにて活動していきたいと思い、カウンセラーとして独立起業することを決意しました。
もう一つの事業としてIT関連を始めたのは、ITとカウンセリングを組み合わせれば、自分がIT企業にいた経験も活かして何か面白い相乗効果を生めるんじゃないかと思ったからです。私自身がIT業界に長くいたことからも十分すぎるほど実感していますが、この業界は一般的に休職や退職をする人が多いです。その問題をITとカウンセリングの組み合わせを通して解決していこうと思いました」
カウンセリングの文化を日本にもっと広めたい
「カウンセリングとメンタルヘルスの分野で、日本は欧米をはじめとする海外に遅れをとっていると感じています。前職で働いていたときに感じていたのですが、日本のサラリーマンの大半は病んでしまってから会社に報告をする人が殆どです。ですが、実際は病んでしまう以前に少し調子が悪かったり、前兆のようなものがあったりします。その時に相談できる場を持つべきだと私たちは考えています。
でも、それをやってしまうと、会社内で周りからの見え方が気になってしまうため、どうしても本音で話をすることができなくなってしまうことが多いように感じます。そこで人事は普段の業務に集中してもらって、カウンセリングは第三者に任せる方がいいと感じました。そのような体制を広げて、それが当たり前になる環境を実現したいと思っています。そうすればよりよい職場環境が実現できるのではないでしょうか?」
スヌーピーを使ってもっと気軽なカウンセリングを
「そもそもカウンセリング自体に興味を持ってもらえないと、いくら大事なことを言っても聞く耳を持ってもらえません。そこで、私自身が20年来研究している大好きな漫画のキャラクターで、普段から多くの人に親しまれているスヌーピーをカウンセリングに使うことにしました。スヌーピーの漫画には、こんな風にすれば悩まなくて済むということが抽象的に書いてあるので、カウンセリングの内容が伝わりやすくなります。
直接悩みを解決するというより、自分似ているキャラクターに自己投影をしてもらって、悩みに気づくきっかけにしてもらっています。この漫画は著者自身の体験をもとに作られた作品なので、それがより分かりやすく感じることができます。難しい専門用語を使ってカウンセリングをするのではなく、スヌーピーの漫画を使って柔らかくその意図を伝える。そうすることで、もっと多くの人にカウンセリングが広まって欲しいと思っています」
「カウンセリングは1回やって終わる人もいますが、定期的に長期間利用する人もいます。中には休職と復職を繰り返しながら経過を見るという人もいます。その休職して復職に向かって頑張ろうとしている人が復職出来たり、転職した方がいいかもって感じている人がうまく転職できた人の話を聞くとカウンセリングをしてよかったなと強く思いますね。」
「今後も当面は普及活動をして、認知度を上げていきたいです。来年から法律の改正によって従業員が50人以上いる会社・事業所はストレスチェックの実施が義務化されます。体調が悪くなる前兆がある人や調子を崩しそうな人を事前に発見することに役立てられると思います。
そしてこのストレスチェックの結果は、従業員の同意なしで会社・事業所に伝えてはならないという規定があるので、自社の人に知られずにカウンセラーなどの専門家に相談することも可能ですし、そのような要望も今まで以上に出てくると思います。これでメンタルヘルスというものに否応なく関心を持ってくれると思うので、これをきっかけに外部のカウンセラーに相談できるような体制整備を行ってもらえるように、企業にも積極的に関わっていきたいと思っています。そして会社にカウンセリングの考えを取り入れたらいいということを広めていければと思っています。」
カウンセラーの経験を活かした、その人にとって働きやすい環境
「カウンセリングと並ぶ事業の柱であるIT部門は少ない人数でやっています。ITの納期が迫って残業になることが続くと、結果的に退職に繋がることが多いことは経験上分かっているので出来るだけそのようなことにならないようにしていきたいと思っています。メンタルヘルスを扱っている会社なので、社員にとって働きやすい環境を作っていくということは特に意識しています。同じ量働いても意識の問題でとらえ方が全然変わってくるので、仕事に対して主体的になれるように考えています。また、社内に常にカウンセラーが1人いる状態なので些細な変化にも気づいていきたいと考えています。」
~大学生へのメッセージ~
「私自身も起業するまでの間にIT系で人事をするだけでなく、よく驚かれるのですが眼科にいた経験もあります。その中で人材育成に興味を持ってカウンセリングにも興味を持ったので、自分の視野は狭めすぎない方がいいと思います。何の経験が今に生きるかということは全く分かりません。大学生でも自分のやりたいことが決まっていて、それに向かって突き進むのもいいと思いますが、決まってない人もいるでしょう。自分の人生は自分で決めるべきだと思うので、納得したうえで選んでほしいと思います。色んな社会に出ている人を見て、色んな事を考えて納得して決めていってほしいと思います。」
従業員の声
西さん 1年目
私は元々プログラマーで独立していました。でも、個人事業だとしんどいと感じるようになりました。、そんなあるとき代表の浅賀さんとお話をして意気投合して、この会社で一緒にやっていくことを決めました。
現在はネットショップの構築、制作、出来上がったシステムに対して追加のサポートやサーバーが落ちていないかをチェックする仕事をしています。人数が少ない会社だからこそ、主体性が求められるので、毎日大変ですがその分仕事の楽しみも多くあると感じています。カウンセリングに直接関係するお手伝いはしていませんが、システム開発に比べるとカウンセリング関連の仕事はやはりアナログな面が大きいと感じているので、自分のエンジニアの知識を生かして、業務改善のアドバイスをしています。システム的な部分でこれからもっと絡んでいければと思っています。
心理学の観点から言うと、社長が現場感のあるカウンセラーだなと感じます。カウンセラーの中には心理学を専攻しているが現場を見ないままカウンセリングをしている人もいます。うちの場合はそんなことはないかなと思いますね。また、元々が人事担当者なので人事の目線とカウンセラーの視点を持って、その両方向から物事を見ることが出来ます。
やりがいのある瞬間はお客様から感謝されるときです。自分がシステムにかかわったお客様から「ありがとうございました」「助かりました」「業務の効率化がはかられました」「売り上げが上がりました」といった言葉をいただけることが一番嬉しいし、この仕事を続けてきてよかったと感じる瞬間だと思います。
編集後記
カウンセリングを通し、世の中をもっとよくしていきたいという想いが伝わりました。その中でスヌーピーという非常にポピュラーな題材を使ったサービスを提供されている所が非常に面白く感じました。
編集者自身も何かあった際にはカウンセリングを使ってみたいと思いました。