株式会社cart
橋本 雅治
POSTED | 2019.10.25 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:ECサイト運営 創立:7〜8年 決裁者の年齢:60代 商材:BtoC |
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世界のナチュラルオーガニックを日本のお客様に届ける
ウェルネス領域でイノベーションを産み続ける企業にTopics
今回のインタビューは、世界のナチュラル・オーガニック商品を日本に届ける「ナチュラカート」を運営する、株式会社cartの橋本氏にお話を伺います。事業内容はもちろん、日本におけるナチュラル・オーガニック業界の現状やそれを踏まえた今後の展望について語って頂きました。
株式会社cart 社長 橋本 雅治氏のONLY STORY
【経歴】
大分県出身、慶應義塾大学法学部卒業。大学ではパワーリフティング大学全日本選手権優勝。1984年Canonマーケティングジャパン入社、1993年株式会社マルマン取締役就任。1995 年にイデアインターナショナルを創業し、2008 年に東証 JASDAQ 上場。 2016 年に cart を創業。イデア時代に日本初のオーガニックブランドを立ち上げて以来、日本のオーガニック市場やウェルネス市場の課題解決に取り組んでいる。
世界のナチュラル・オーガニックを日本へ
–まずは株式会社cartが手がけている事業について、お聞かせください。
橋本氏:弊社は世界中のナチュラル・オーガニックな食品やサプリメント、コスメなどを日本にいながら購入できるボーダレスなECプラットフォーム「ナチュラカート(naturacart)」を運営している会社です。
ナチュラル・オーガニック商品がふんだんに手に入る欧米やオーストラリア、ニュージーランドの国々と比較して、日本は規制や利権などの影響でそういった商品が入りにくい環境になっています。そんな日本でもナチュラル・オーガニックの商品が簡単に手に入れられるよう作ったのがナチュラカートです。
出品者は海外在住の個人もしくは各国のメーカーで、形態としてはCtoCとBtoCの2つをハイブリッドした形になります。
さらに詳しくお話ししますと、CtoCでいえば日本で売られていないような海外の商品を海外に住んでいる個人の方が見つけて、依頼されたお客さんに販売しています。BtoCとしては日本にまだ入っていないブランドと私たちが直接契約して、そのブランドがお客さんに商品を販売しています。
–業界のなかでは、ナチュラカートはどのような強みを持っているとお考えですか。
橋本氏:ナチュラカートはオンリーワンのサービスであること、それ自体が強みだと考えています。
というのも、同じようにナチュラル・オーガニック商品を取り扱っているECサイトさんはほとんどいらっしゃらず、その上で海外から日本へという流れでCtoC・BtoCハイブリッド型eコマースをやっているところもほぼいらっしゃらないんです。
つまりほとんど市場にないサービス・モデルを組み合わせてたオンリーワンのサービスであることがナチュラカートの強みだと思います。
また 商品に関して言いますと、取り扱っている商品のほとんどが、国内の他ECでは出会えないような商品で、現地に出品者様や弊社スタッフがいることから海外の最新トレンド商品が出品されています。購入だけでなく、市場のリサーチ機能にも活用できます。
–橋本様が事業運営にあたって、一番重要視していることを教えてください。
橋本氏:なんでもあるスーパーマーケットのようなeコマースではなく、セレクトショップとしてのナチュラカートのあり方を大事にしています。
例えば20~30年前、店舗はスーパーマーケットやホームセンター、ディスカウントストアのような量販店ばかりでした。それが今はどんどん変化してきて、専門店という形でセレクトショップが増えています。そして専門店で売られているものがスーパーで売られているかというと、そうではありません。
しかしまだeコマースではそこが明確になっていない。アパレルならZOZOTOWNはそういった差別化が上手く、ZOZOTOWNに集まるファッションブランドは他のところでは販売していないものも多いんです。
そういう観点から私たちはナチュラル・オーガニックのセレクトショップとして、見え方やデザイン、消費というところにこだわりたいと思っています。
97%を日本の消費者に商品を届ける
–起業を決意したきっかけについて教えてください。
橋本氏:私はもともと1995年に株式会社イデアインターナショナルを創業しており、そこでは日本初のオーガニックのコスメブランドを作りました。そしてそれをきっかけにナチュラルオーガニックの業界に関わるようになったんです。
しかし日本でもウェルネス意識の高まりとともにナチュラル・オーガニックニーズは高まってはいますが、薬機法や有機JASが障壁となり世界の3%程しか国内には商品が流通していないんです。私は常にその問題をどうにかしたいと感じていました。
そこで考えついたのがナチュラカートの仕組みです。海外からの個人輸入形式であれば日本の規制の適用外となり、さらにCtoCモデルにすることで効率的にたくさんの商品を取り扱うことができる。そこに目をつけ、事業として取り組むために株式会社cartを立ち上げました。
ウェルネス領域を中心に革新を起こしていく
–今後の展望について教えてください。
橋本氏:今後の短期的な目標は大きく2つあります。まず1つがナチュラカートを海外展開させることです。もう1つがプラットフォーム の中で集まってくる情報から、「いいな」と思ったもの、今ないものを弊社のが自社商品として販売していくことです。
–より長期的な目標はどのようなものですか。
橋本氏:日本のウェルネス業界の中で色々なジャンルに関わっていきたいと思っています。事業を展開していく過程で多様なアイディアが出てくると思いますので、そこから新しいウェルネス事業を次々に立ち上げていきたいと思います。
また日本はヘルスケアにおいては対症療法が当たり前で予防医療の考えや学問が未熟なため、病気の予防に関連する商品やサービスが非常に少ないんです。他国との健康格差をなくすためにも、ウェルネス領域を中心に世界中のアイデア・テクノロジー・デザインを掛け合わせ、ボーダレスで刺激的なイノベーションを生み出し続けていきたいと思います。
–ありがとうございます。最後に読者へのメッセージをお願いします。
橋本氏:ウェルネス意識の高い女性向けの事業やメディアをお持ちの企業様との連携には常にOPENです。相互層客や共同での商品開発など、色々な連携の形を共に考えましょう。
また、インターンシップの学生さんも常に募集しています。ヘルステック領域や、既存の古い価値観を壊していくことにチャレンジしたい方はお気軽にご連絡ください。共に新しい価値を生み出しましょう。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原