渡辺大介

京都大学在学中から、ベンチャー企業の立ち上げや大阪市の文化行政事業の企画制作といった活動に携わってきました。卒業後は、弁理士として働きましたが、面白い事がしたくて転職。複数の企業を経験した後、起業の道に入りました。美容業界に注目したのは、自分の体調を管理する上で接点が増えたのがきっかけです

美容業界は、様々な技術と知見が蓄積されていて、医療の前段階として有効なのですが、料金体系は不透明で、IT化も遅く、改善の余地がたくさんありました。人口の多い美容業界を変えられたら、日本の大きな部分を変えられるかもしれない。そうした思いで、２年半程前に店舗型エステサロンの経営を始めたんです。

日本の美容業界の構造は、経営者にとっても従業員にとっても良くありません。店舗型ビジネスですから初期投資が必要ですし、ベッド数や座席数といった施設要因で売上の上限が決まってしまいます。利益を上げるために、従業員はギリギリの人員に抑えられ、長時間労働、低賃金という労働環境を強いられるんです。しかも市場は飽和状態ですから、独立も簡単ではありません。

美容業界で働く人は、「きれいになってもらいたい」「元気になってもらいたい」といった、非常に高いモチベーションをもっている方がほとんどなのに、これではやりがいが持てません。

そうした美容業界の課題を解決するために始めたのが「careL」なんです。

「cureL」は、シェアリングエコノミーのモデルを活用した、美容・リラクゼーションのオンデマンド予約サービスです。

最大の特徴が、ネイルやヘアメイク、エステ、マッサージなどのプロを、好きな場所に、好きな時間に、出張で呼べること。美容サロンやフリーの方などの空き時間を提供していただき、位置と時間で最速・最短距離の施術者とマッチングを行いますので、効率よく予約ができます。

既存の予約サービスで美容系の施術を予約する場合、完了までに平均して15分かかると言われる中で、最短15分で施術を始めることができるんです。店舗へ行く必要もないので、マッサージ15分980円という低価格も実現しました。これは、日本初のビジネスモデルです。

私たちは、オンデマンドサービスを通じて、２つの発信をしたいと思っています。ひとつは、美容に関わる人へ新しい働き方の発信。もうひとつは、ユーザーへ新しい生き方の発信です。

アメリカの美容業界では、６〜７割がフリーランスで働いています。店に所属はしますが、自己裁量が高く、腕のいい施術者は給与水準も高いんです。日本でも、フリーランスのような自由で有意義な働き方を叶えて欲しい。そのためには、スキルに対する適正なフィードバックが必要ですから、弊社では、時給単価約3000円、「careL」だけでも月30〜40万円の収入を得られる水準で設定しています。

一方、お客様の中には、出産や仕事など、ちょっとしたきっかけで美容サービスから離れてしまった方も多いので、出張サービスを活用して、もう一度美容やリラクゼーションをお楽しみいただきたいです。また、個人的にプライベートとビジネスは、近ければ近い程効率的になると思っています。

現代は仕事のためにプライベートを犠牲にしがちですから、企業様にも弊社のサービスをお勧めしています。従業員が「疲れたな」と思った時に、社内にプロを呼び、マッサージを受けられれば、従業員のプライベートとビジネスの両立ができ、生産性も向上します。低価格で、法人割引もありますから、従業員の自己負担額も小額で済みますし、企業様にとっては、本来企業負担である福利厚生費の軽減にもつながりますよ。

今後は、国内企業様の利用数増加と、東南アジアのマーケットへの進出を目指しています。国内については、おかげさまで、法人営業開始から１ケ月で、数十件の企業様にご契約いただいています。

また、近々スタートアップ企業の代表者様向けに「１ケ月間サービス使い放題キャンペーン」を実施する予定ですので、トップ自ら利便性や使い心地を実感していただければと思っています。

海外進出については、2016年内の達成が目標です。将来的に、海外で働きたい美容師さんなどの窓口になれたらと思っています。また、規制緩和が進めば、看護師やドクターなどの派遣も可能になります。美容業界で培ったビジネスモデルをスライドして、医療業界にも新事業をどんどん立ち上げていきたいですね。

社名にもあるように、一見「MOSO（妄想）」のようなことを、知恵と技術と実行力で形にし、世の中を変えていくというのが、私たちのミッションです。今後もありえない妄想を膨らませて、現実にしていきたいですね。

http://moso-mafia.com