インブルーム株式会社
野村洋子
POSTED | 2019.10.25 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:人材(採用・派遣) 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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結婚・出産で職場を離れた女性の復帰をサポートする
主婦専門の人材派遣業・保育園運営・整理収納事業を営むTopics
今回のインタビューは、主婦専門の人材派遣・人材紹介をメイン事業とするインブルーム株式会社の野村氏にお話を伺います。働きたいママの声や時代背景から生まれた事業の内容はもちろん、起業時の問題意識、今後の展望についても語っていただきました。
インブルーム株式会社 社長 野村 洋子氏のONLY STORY
【経歴】
大阪市出身、食品メーカーの情報システム部門にてシステム開発に携わり,IT関連企業に転職後、カスタマーサービス部門にてインストラクター職に就く、その後、PCに関するインストラクターとしてフリーで活躍、主人の転勤で東京に移動、ベンチャー系の広告代理店にて営業職を経験、女性の活用に悩む経営者との出会いから、インブルームを創業
女性の再就職を応援する人材ビジネス
–インブルーム株式会社が手がけている事業について、お聞かせください。
野村氏:弊社の事業は大別して3つあり、1つ目が主婦&ママ専門の人材派遣・人材紹介、2つ目が整理収納事業、3つ目が保育事業です。その中でもメインとなっているのが人材事業になります。
–ありがとうございます。まずメイン事業であると伺った人材事業について教えていただけますか。
野村氏:はい。まず紹介する人材が主婦やママに特化している点です。そして一般的な紹介会社であればメディアを使ったオンラインな方法で登録者を集めるのに対し、メディアだけでなくオフラインなネットワークを活かして人を集めている点がインブルームの人材事業の特徴です。
そもそも働きたいけど今は無理だと諦めている人は、求人広告を見ること自体が少ないんです。そのためどんなに募集をかけても集まってこない層があります。
そういった層を例えばランチ会に集めて、すぐには無理でも1年後、2年後に働きたいと思ったときにすぐ働けるようなサポートをしています。
–続いて整理収納事業、保育事業についても教えていただけますか。
野村氏:整理収納事業は収納コンサルティングという形で、弊社専属のスタッフがお客様のご自宅に伺い、収納のお手伝いをします。事業として始めたのが早く、その上法人として取り組んでいるのところも少ないため、圧倒的な歴史と規模、そして実績があります。
保育事業では現在、保育園きのねとえみのき保育園の2つの保育園を運営しており、それぞれにこだわりがあります。保育園きのねは大人が手を貸すのではなく見守ることにこだわっており、例えば子供が木に登ろうとした時、すぐに手を差し伸べられる状態にはしておくけれど、自分の力で昇らせて降りさせる。見守って子供が自分で学んで成長していくような環境を作っています。
女性の現場復帰が難しい現実を変えたかった
–起業時に抱いていた問題意識や起業の経緯について教えて下さい。
野村氏:13年前の日本では今よりも、現場を離れた女性の職場復帰は厳しかったんです。当時と比べれば今は多少緩んできましたが、現在も人材ビジネスの中では35歳を超えると役に立たない人とされてしまうことも少なくはありません。企業がその年齢までの人材を取りたがる文化なので、どんなに優秀な人であっても落とされてしまいます。
仕事ができる、できない以外のところで評価されることが理解できず、私はそんな環境を変えたいとずっと思っており、そういった主婦やママが働くためのサポートをするためにインブルーム株式会社を立ち上げました。
–そこから、どのようにして他の2つの事業を始められたのでしょうか。
野村氏:保育事業に関して言えば、始めたきっかけは会社を立ち上げたばかりの頃に働きたいママたちから聞いた悩みです。私のもとに訪れた4割のママが同じ悩みを抱えていたんです。
それは何かというと、働きたくて保育園に子どもを預けようとしたら、「仕事が決まっていない人は子どもを預けることができない」と言われてしまった。そこで今度は仕事を探しに行ったけれど企業からは「保育園も決まっていないのにどうやって働くんですか」と言われてしまった。そうなるとどの道も塞がれて、働くことができない、そういう方がたくさん相談に来られたんです。
その状況を聞き、保育園の大切さを知り、私たちの手で作ろうと思ったのですが、許認可事業ということもありとても事業化は難しく、約10年かけて3年前ようやく参入できました。
女性が働きやすい環境を提供する会社へ
–今後の展望について教えてください。
野村氏:働く女性、特にママたちが働きやすい環境を作りたいと思っています。
例えば保育園をつくった川崎の生田あたりは子どもが多い街で、働きたいママもたくさんいるのですが、青山一丁目に良い仕事があるといったところで、なかなか行くことは難しい。4~5時間の仕事なのに、往復2時間ということになってしまうと現実的ではありません。
それならば家から近い場所で働けるよう、シェアオフィスを増やせば良いと考え、そのための取り組みを始めている段階です。今後はそのように働く場所だけでなく働きやすい環境を提供していきたいです。
–社会に対してどんな影響を与えていきたいと考えていますか。
野村氏:私の場合は社会的意義があるから起業したわけではなく、私のやりたいことがたまたま社会的意義のあることでした。人手不足もあり、女性が活躍している会社も増えてはいますが、まだまだ少ないので、そういう会社さんをどんどん増やしていき、もっと世の中の人に私たちの取り組みを知ってもらいたいですね。
–ありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。
野村氏:人材不足が叫ばれる中、主婦やママたちは貴重な人材です。その辺りを、もっとたくさんの経営者に理解してもらえればと思います。この領域において私たちは多くの情報を持っていますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原