株式会社Relic
北嶋 貴朗
POSTED | 2020.03.05 Thu |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:その他 創立:9〜10年 決裁者の年齢:30代 商材:その他 |
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新規事業やイノベーションを共創する
挑戦する人が報われる世界を作りたいTopics
今回は、日本企業の新規事業開発やイノベーション創出を支援する事業共創カンパニー・株式会社Relicの北嶋氏にお話を伺いました。
世界的にも類を見ない事業創出に特化したSaaS事業「インキュベーションテック」や、事業プロデュース/新規事業開発コンサルティング〜プロダクト開発やグロース支援、オープンイノベーションやベンチャー投資まで幅広く支援を行っている同社。自らもリスクを取って、顧客の企業とともに事業を立ち上げるという北嶋氏の「挑戦」にかける想いを伺います。
株式会社Relic 社長 北嶋 貴朗氏のONLYSTORY
新規事業開発やイノベーション創出を支援する事業共創カンパニー
–株式会社Relicの事業内容を教えてください。
北嶋氏:弊社は日本企業の新規事業開発やイノベーション創出を支援する事業共創カンパニーです。具体的には3つの事業を展開しています。
1つ目がインキュベーションテック事業です。新規事業開発やイノベーション開発に取り組んでいる企業向けのSaaS型のプロダクトですね。新規事業やイノベーションが創出されやすい仕組みづくりの構築を支援しています。
2つ目がソリューション事業で、いわゆる新規事業のプロデュースやコンサルティングなど、企業の新規事業開発に関する課題に合わせてオーダーメイドで支援をしています。アイデア〜事業構想のプランニングから、事業プランを実際に推進していく際のマーケティング、営業、プロダクト/サービス開発、クリエイティブデザインなどまで行います。事業開発に必要なファンクションは全て自社で内製しているので、それらを一括して提供しています。
3つ目がオープンイノベーション事業です。私たちが直接ベンチャー・スタートアップ企業に出資をし、経営支援を行ったり、レベニューシェアやジョイントベンチャーの形で大手企業と一緒に事業開発をしています。
–同業他社と比較した際の御社ならではの強みはどこにあるとお考えですか。
北嶋氏:部分的に事業が近しい企業はあっても、会社全体としての同業他社や競合というのは正直なところ存在しないと考えていますが、強いて言うならば新規事業開発に関わる支援を包括的に行える点です。新規事業開発を支援している会社は他にもあるかと思いますが、新規事業に特化した専業で、かつクライアントワークだけでなく、自社で投資もすれば事業開発もする、という点は特徴的だと思いますし、結果としてそのほうが提供できる価値が大きいのです。
加えて、多くの企業がコンセプトメイキングから事業構想の設計までを支援されているのですが、新規事業というのはほとんどが上手くいかないものなので、設計だけでなく推進させるための実行・実装の部分=エグゼキューションの支援にも入るべきだと考えています。そこまで支援できるのも弊社の強みの一つだと思います。
また、新規事業開発やイノベーション創出支援の領域に特化したSaaSは、おそらく弊社しかやっていないことだと思いますね。新規事業に特化した経営支援会社とベンチャーキャピタル、ITベンチャーの3つの側面を併せ持っているのは世界的に見ても弊社だけなのではないかと自負しています。
社会的なインパクトの大きい新規事業やイノベーションを共創したい
–起業のきっかけについて教えてください。
北嶋氏:私はもともと組織・人事系のコンサルティングファームや、新規事業開発専門のコンサルティングファームに勤務しており、様々な企業の新規事業のお手伝いをしていました。
ただ、コンサルタントという立場では支援の領域に限界があるため、段々と物足りなさを感じるようになったんですね。そんなタイミングで有り難いことにご縁があってITメガベンチャーであるDeNAからヘッドハンティングしていただいたのです。DeNAでは主にゲーム以外のEC事業などを中心に多くの新規事業開発や大企業とのオープンイノベーションを通じた事業立ち上げの責任者を務めさせていただき、事業リーダーの立場から経営や事業というものにコミットする良質な経験をさせていただきました。
事業リーダーとしての立場と支援する立場、両方を経験した中で、多様な企業やケースにおける新規事業の立ち上げ方が自分の中である程度網羅的に体系化されていきました。特に大企業が保有するアセットやリソースが上手く活かせたときの事業開発は、0から立ち上げるベンチャーやスタートアップとは比べ物にならないスピードと規模感の成長が実現できることを体験し、このような事業共創をもっとたくさん生み出していける仕事に専念できたら面白いと考えたことがきっかけです。また日本の大企業は本当に素晴らしい人材や技術、資産が多々あるにも関わらず、それを生かした事業開発ができていないもったいなさやもどかしさというものを数多く目の当たりにしてきたことから、日本経済全体にとっても非常に大きな課題だと感じていました。
日本の法人は99%が中小企業と言われていますが、大企業の下請けや孫請けとしての仕事で保っている企業も多いのが実情で、大企業が崩れると中小企業も崩れてしまうという構造があります。あらゆる経営資源が大企業に偏在している特殊な構造である日本経済においては、そこが活性化していかないと全体が成長していかないと考えています。鍵を握っているその大企業が今後も成長していくためには、縮小し続ける国内の既存市場における経営努力だけでは難しく、グローバル展開やイノベーション創出への取り組みが不可欠となります。しかし、ベンチャー・スタートアップのエコシステムが徐々にできつつあるのと比較して、大企業のイノベーション創出支援の仕組みについてはあまり充実していないと感じていました。
そこで、大企業を中心に新規事業開発やイノベーション創出を支援したほうが日本経済全体にとって大きな貢献を果たせるのではないかと考えました。
これらの理由から、大企業に眠っているアセットやリソースを活用しながら、リスクを取って伴走して事業開発をしていきたいと思い、Relicを創業しました。
リスクを取って挑戦する人が報われる世界へ
–今後の短期的な事業展開の目標を教えてください。
北嶋氏:弊社は数値的な目標はまったく定めていません。と言うのも、短期的に定量的な指標を追う経営の仕方は、Relicが目指しているイノベーション創出の足かせになるからです。例えば上場をすれば、資金調達がしやすくなりますが、一方で株主に対しての責任や合理的な説明の機会が必要になってきて、どうしても経営の自由度やスピード、リスクの取りやすさなど、イノベーション創出に不可欠な要素を阻害してしまいます。新規事業やイノベーション創出に挑む企業の在り方としてはなるべく避けたいものですよね。新規事業はもちろん論理的に考える部分もありますが、最後は直感や熱量、胆力が重要な場面がたくさんありますし、そもそも上場を目指していない我々にとってはそのようは目標を立てたり、その管理のために多大な工数やコストを費やす意味も義務もありません。
そのような側面から、顧客の期待や要望に応えるために組織を成長させたいとか、前年以上には成長したいとか、定性的な目標は定義していますが、数値的な目標をトップダウンで立てるということは一切していません。今の事業や提供価値をしっかり広げて行くことが短期的には重要だと考えています。一方で、「上場はしていないけど事業投資がたくさんできる資金がある」という状態を実現することで、イノベーティブな挑戦をし続けられる企業になりたいとも考えています。
そのような側面から、顧客の期待や要望に応えるために組織を成長させたいとか、前年以上には成長したいとか、定性的な目標は定義していますが、数値的な目標をトップダウンで立てるということは一切していません。今の事業や提供価値をしっかり広げて行くことが短期的には重要だと考えています。一方で、「上場はしていないけど事業投資がたくさんできる資金がある」という状態を実現することで、イノベーティブな挑戦をし続けられる企業になりたいとも考えています。
–その後の長期的な目標は何かありますか。
北嶋氏:創業時から変わらないのですが、やはり挑戦者が報われる国にしたいという想いがあります。個人的に、日本はまだまだリスクを取って挑戦する人が報われにくい国だと感じていますので。
そのために弊社で提供したい価値としては、1つ目が挑戦のハードルを下げること。2つ目が挑戦の成功確率を上げること。そして3つ目が、挑戦して失敗した際のセーフティーネットになることです。このような価値提供をあらゆる企業や人に対して行っていきたいですし、そのために今後も様々な事業を生み出していきたいと考えています。そうすることで世の中の挑戦者の課題をすべて解決できるようにしたいですね。
–ありがとうございます。最後に読者の方へメッセージをお願いします。
北嶋氏:何か新しい事業やサービス開発に挑戦したい、イノベーション創出に本気で取り組みたいという企業様がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原