株式会社NextNinja
山岸 聖幸
POSTED | 2020.12.22 Tue |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:IT・情報通信業 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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『グラサマ』や『東方LostWord』を手がける制作会社
SNSでユーザーの生の声を聞きながら、ゲームを作るTopics
今回のインタビューは、『グランドサマナーズ』や『東方LostWord』など世界中から評価されるスマホRPGを作り、自分たちの手で届けることを理念とする株式会社NextNinjaの山岸氏にお話を伺います。現在の事業内容をはじめ、起業した経緯やこれからのビジョンについて語っていただきました。
株式会社NextNinja 代表取締役CEO 山岸 聖幸氏のONLY STORY
株式会社NextNinja 代表取締役CEO。1977年大阪生まれ。2003年早稲田大学理工学部大学院在学中にNextNinjaを起業。
モバイルコンテンツの開発・運用を皮切りに、ソーシャルゲーム黎明期より数々のゲームタイトルを世に送り出す。
35カ国で配信され世界中で大人気のRPG『グランドサマナーズ』と『東方ロストワード』ではプロデューサーも務める。
ユーザーと近いから、満足されるゲームが作れる
-株式会社NextNinjaの事業内容をお聞かせください。
山岸氏:NextNinjaは、スマホRPGを中心に自分たちでゲームを作り、それらを自分たちで世界中に届ける会社です。
代表作には超本格王道RPG『グランドサマナーズ(グラサマ)』や東方Projectの世界観を舞台にしたRPG『東方LostWord』などが挙げられます。
『東方LostWord』は、今年4月に国内向けにリリースしたものなんですが、すでに200万ダウンロードを突破し、Google Play ベスト オブ2020では「エキサイティング部門」で受賞しました。『東方LostWord』は、来年世界150カ国での配信を予定しているのですが、このゲームに限らず海外進出を前提としたゲーム制作を行っています。
-御社は海外に支社を置かず、日本国内で制作を行っていると伺いました。その理由を教えてください。
山岸氏:ゲームは場所や言葉の壁がないため、支社を置かなければならない理由もありません。
まず、場所に関してお話しすると、ゲームや音楽などのデジタルコンテンツは、サーバーにアップをすれば全世界のお客さまに届けられるので、物理的な制約がありません。加えて配信国の言語に長けている方を自社のメンバーにすれば、言葉の壁も突破できます。
-ありがとうございます。
様々なスマホゲームがリリースされ、スマホゲームの開発企業も多数あるかと思いますが、その中で御社ならではの特徴はどこにあるとお考えですか。
山岸氏:国内外のユーザーコミュニティに対して代表兼プロデューサーの私自ら情報発信を行っている点ですね。例えばFacebookやTwitterなどのSNSを使って「次はこういうアップデートをします」といった情報を配信しています。
このような形でコミュニケーションをとることで、ユーザーの喜びの声だけでなくご意見やクレームを直接いただくことができます。そういった意見の中から改善が必要なものを見つけたり、全体の意見の中で優先順位をつけたりして、今取り組むべき課題を明確にしていき、ユーザーに近い視点で開発を行っています。
代表とプロデューサー、広報は並立できる
-確かに代表自らがプロモーションまで行っているゲームはあまり聞いたことがないです。
山岸氏:そうですよね。私が情報発信をしているため、私は世界中の人から「◯◯を作っている山岸だ」と認知されていると思います。
世界的なプロダクトを見てわかる通り、プロダクトは「誰が軸となっているか」がとても重要なんです。例えばFacebookでいえばマーク・ザッカーバーグ、Amazonでいえばジェフ・ベゾス。ゲームもプロダクトの1つなので私が軸となり、皆さんに楽しんでいただけるものを作ろうと日々試行錯誤しています。
-その上プロデューサーもされているのはすごいと感じました……。
山岸氏:プロデューサーは各種KPI達成のための施策を出したり、制作予算や納期、スケジュールの管理したり、ゲームのデザインまですべてを調整する大事な役割です。しかしそのプロデューサーがゲームに関しての知識が浅いと100%プロジェクトはうまくいきません。そのため弊社では私がプロデューサーとなりすべてを意思決定できる状況を作っています。
たくさんのファンができるゲームを1つ作れれば経営はうまくいきますので、そこに集中するだけです。なので私は代表取締役とプロデューサー、広報は並立できると思っています。
-続いて、NextNinjaを立ち上げた経緯を教えてください。
山岸氏:NextNinjaは、早稲田大学の大学院在籍中に立ち上げた会社です。「IT」「バイオテクノロジー」「環境」の3つが伸びる市場だと思い、その中のどの業界で起業しようか考えた結果、ITを選びました。
当初は占いや絵文字変換サービスといったものを作っていましたが、スマホブラウザゲームの波が来たときに、「自分たちもやってみよう」と思いゲームを作ったのが現在の事業の始まりです。
-もともと起業をしようと思っていたのですか。
山岸氏:父は寿司屋を経営していますし、祖父は眼鏡工場を営んでいましたので、むしろ学生の頃から会社に勤めるという考えはありませんでした。そのため就職活動はせず、卒業するまでに会社を作ろうと始めから決めていたんです。
中学の頃からお寿司の配達をしてお客さまからチップをもらったり、上京した時には自分で集客して家庭教師の仕事をしたりと、学生時代から商売をしていたことも原点になっていると思います。
-NextNinjaのこれまでの実績を教えていただけますか。
山岸氏:国内のゲームアプリランキングでは『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』や『モンスターストライク(モンスト)』が上位を占めていますが、欧州では弊社の『グランドサマナーズ』が人気でランキングの上位に入っています。日本企業が海外支社を持たずにオリジナルゲームで勝っている例は非常に珍しいですね。
新しい職業を創造する会社を目指して
-短期的な目標を教えてください。
山岸氏:ユーザーが楽しめる面白いゲームを作り、世界中に広めていくことです。
今は日本と海外の売上が半々になりつつあるので、今後は日本、欧米、中国それぞれ1対1対1の売上になるように海外に展開していきたいと思っています。
-社会的にどういった企業になりたいとお考えですか。
山岸氏:新しい職業を作る会社にしたいです。例えばコンサルタントや投資銀行などは、ここ100年や200年でできた新しい職業ですが、これらのような職業が生まれる会社にしたいんです。
その1つが社名にもあるニンジャです。私のニンジャの定義は、「その時代の最新技術を使ってビジネスを行う集団」つまり現代で言えば、ITを使ってビジネスを行う集団ですね。いつか「職業はニンジャです」と言えば「いいご職業ですね、ぜひ結婚してください」って言われる時代がくるように、ニンジャの活躍の場所を広げていきたいと思います(笑)
-ありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。
山岸氏:SNSにて常時メッセージを受け付けています。こちらの記事を読んで気になった方はお気軽にお問い合わせください。
執筆=山田
校正=笠原