吉川 保男

株式会社Spice lifeは、オリジナルTシャツをインターネットで簡単に作成できるサービス「tmix(ティーミックス)」の運営を行っている。「このサービスは、デザイナーがいない状態であっても、いかに早く、簡単に、クオリティの高いTシャツを作るサービスを提供することができるか、ということにこだわっています。」サービスの内容を説明してくださった吉川社長。説明に続き、サービスを提供する上での想いを語ってくれた。「インターネットの技術を使って今の世の中にないものを作りたい、その技術が無いとできないことがやりたいという気持ちをずっと持っています。」

Spice lifeのオフィスには、サービスを利用したお客さんからの喜びや感謝のメッセージが送られてくるという。「サービスや商品が良ければお客様に感動していただけます。そしてそれは口コミで広がっていき、また新たな感動が生まれます。それは会社内でも同じです。ある人が持っている仕事に対する熱量が他の人にも伝わり、連鎖していく。それが結果としてチームに良い影響を与え、それはお客さんにも伝わります。」

Spice lifeでは他にも、誕生日などのお祝いに、Facebookを通して友達を集めてみんなで花束を贈るサービス「＼SPOTLIGHTS／(スポットライト)」も運営している。実はこのサービス、吉川社長がゲームからヒントを得て思いついたものだそうだ。「これからはFacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークサービスがインターネットを変えていく、と世の中で言われだした頃、それに関連した事業ができないかと考えていました。当時の日本ではまだそれほどソーシャルネットワークサービスは広まっていませんでしたが、ゲームではすでにユーザーを確保していました。そこで、ゲームの中にあった、招待制度とプレゼントを贈る制度に目をつけました。この２つの制度はインターネット上だけではなく、実際のサービスにすることができると考えたのです。」

「起業家になろうとは思っていませんでした。サラリーマンをしていた頃に、勤めていた会社にいくつか事業アイデアを出しましたが、実現することはありませんでした。そこで、会社でできないのであれば自分でやってみようと思ったのが、起業したきっかけです。いくつか考えた企画の中から、自分にできそうだと思うサービスを実際に始めてみました。」こうしてミニ名刺をWeb上で作成するサービスを立ち上げた。

起業家になった経緯を語ってくれた吉川社長。そんな吉川社長には自身の起業経験から、起業に対する自分なりの考え方があるという。「会社を立ち上げるにあたって、経営学などの勉強は意味がありません。経営は、実際にやってみないとわからないことが多い。知識から学べることは一般的なことだけ。実際の企業の経営は千差万別です。勉強だけしていると、学んだことの理解はできるけど納得は得られないということになります。経営をする人は、何かが起こった時に考えられる人になるべきだと思っています。それには知識より経験が必要です。」

学生へのメッセージをお願いすると、吉川社長は自分の経験も踏まえて「あること」を薦めてくださった。
「私は旅が好きで、よく旅に出ていました。旅で得た経験は今に生きていると思いますね。感受性の豊かな若いうちに旅に行くことで、自分の知らない世界に触れ、自分の幅を広げることができます。特に海外に行って異文化に触れてみてください。新しい世界を経験することは今まで気づかなかった自分を知ることにもつながります。」

２年目
藤原裕也さん

「現在はエンジニアとして、システムの運用や開発を行っています。基本的に全社員が完全裁量労働制で働いているので、とても自由に働ける職場です。最近は社員が増えてきたので、情報共有には特に気をつけています。自社サービスを作ることが好きな人にとっては楽しい職場だと思います。

学生の皆さんには、楽しい学生生活を送ってほしいですね。学生の時に学んだ知識を仕事に役立てることも大切なことかもしれませんが、学生時代を楽しく過ごすことができた、その経験そのものが仕事に活かされてくると思っています。私も学生時代には、電気系やプログラミングなど色々な勉強をしました。そこで得た知識が仕事で役立つこともたまにありますが、楽しく勉強できたということが一番だと今でも思います。」

良い商品・サービスを提供しようという熱量や、笑いの絶えない明るい職場の雰囲気がお客さんからの感謝の言葉や信頼につながっているのだと感じました。社内制度も充実しており、とても働きやすい職場であると思います。吉川社長の経験から語られる言葉にはとても感銘を受けました。