サクシード株式会社
斉藤丈真
POSTED | 2017.06.28 Wed |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:その他 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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どんな人でも働ける。デザインで日本の雇用を増やす!
「日本のためになる」ことを幅広い分野で、実践するTopics
サクシード株式会社 社長 斉藤 丈真氏のONLY STORY
路上生活で芽生えた社会への思い
サクシード株式会社の事業内容は、ゲームや漫画、WEB製作、派遣などで事業を展開しております。
サクシードのミッションは、「常に向上心と目的意識を持って働ける場を提供する。個の能力の可能性を見いだし、提示することによって人生の選択肢を増やす。性別、国籍、年齢に関係なく働ける場を提供し、人材に流動性を持たせる。」です。換言すれば、「雇用のインフラを作り、社会貢献をすること、日本国家に寄与できること」を使命としております。サクシードで上記のミッションを持つきっかけとなり、私がこの会社の設立を固く決意することになった、過去の経緯からお話しします。
私は大学1年のとき、自転車で日本1周旅行をしました。高校時代まで大学受験と部活動ばかりで、自分には何ができるか全く分かりませんでした。今後、どのような事をしたいかが分からない状態でした。大きな夢を持つことは、何もわからない状態ですので、おこがましいと思っていました。
しかし、当時TV放送されていた電波少年にて、猿岩石がヒッチハイクをしている姿を拝見し、「あ、これなら自分も旅ができるかも。自転車で日本1周をして自分の可能性をみたい」と思い、自転車を持っていなかったので、自転車を買いに行きました。1週間後、5万円をもって旅に出ました。色々な人と振りあいたいと思い、路上生活を中心に旅をしました。 この路上生活の中で出会った方たちが、私の決意の原点です。
しかし、突如の思い付きを親に話したところ、父親からは「お前が死んでも、お前の骨は拾わないからな。勝手にしろ。」と怒鳴られましたが、旅をすることは決断しました。
旅は、金銭的に余裕がなく、100円のアンパンを朝、昼、晩を区分けして食べ、飲み物も最初はジュースやペットボトルを買って飲んでいたのですが、お金が無くなり、山でとった脇水や公園の水やトイレの水(下水道の水)を飲んで過ごす日々をおくりました。また、山で寝袋をひいたところ、夜に虫が寝袋に入り、雨が降ると服から靴まですべて濡れっぱなしで、ビショビショになって肌がふやけながら毎日を過ごしていました。
更に、食べ物も節約しようと思い、ヨモギや雑草を取って食べました。食べ物にたんぱく質がなく疲弊をしていた中で、いつも通り公園で住んでいそうな方に挨拶をし、野宿をしようとしました。
やせ細った私を心配して頂き、お金もなく見ず知らずの私のために廃棄のコンビニ弁当を探していただきました。お金がない状態にもかかわらず、私に優しくしてくれたことは、深く感銘を受けました。その時、この恩はいつか絶対に返したいと思いました。
このような生活をしている中で、同じように別の公園で暮らしている方が、色々と旅の話をし、お金をもっていないとの話をしたところ、出店のお手伝いや、飲食店のお店の仕事を紹介していただいてアルバイトをさせていただきました。
しかし、「このような優しい方たちがなぜ路上生活をすることになったのか?」と疑問がございました。路上に住まれている方にきっかけをお伺いすると、「工事現場で仕事をしていたら足が動かなくなって仕事ができなってしまった」、「やりたい仕事だけをすればいいと思って仕事をしていなかったら奥さんから家を追い出されてしまった」、「パチンコや競馬にはまって借金をしたら、公園で住んでいた。」、「会社を解散させてしまい、借金を負いすぎた」それぞれにいろいろな悩みを持ち、路上生活をしておりました。
その話をお伺いしてから、私は「日本人にまたチャンスが訪れるような社会インフラを作りたい、年を取っても安心をして生きていけるセーフティーネットを作りたい」と強く思うようになりました。
社会インフラを作るためには、公務員や政治家で社会を変えることができるかもしれません。
しかし、社会インフラを赤字国債に頼ってしまうと、日本は将来借金地獄になってしまうので、今すぐ社会インフラを作り、借金に頼らない国づくりをするためには会社を作るしかない。失敗したらまた路上でどうとでも生きていけるし、それで失敗をしたら天を神に任せて死んでもいい覚悟を持ちました。
そう思った私は、サクシード株式会社を設立しました。そして、一人でも無職の人を減らし、年をとっても、体を壊しても働いていける社会を作りたいと思いました。
誰もやっていない方法で、日本の役に立ちたい
会社を設立後ミッションに基づき、サクシード株式会社では、WEB制作事業、ゲーム開発事業、漫画制作事業、広告企画事業、セールスプロモーション業を行っております。現在の事業を展開しようと考えたのは、デザイン、イラスト、漫画等、学歴や経験よりいいものがしっかり作れるかどうかと言うことが重要であり、持ち帰りの仕事ができる産業だったからです。
また、打ち合わせにお伺いをすると、ISOの概念が薄く、イラスト・デザイン制作の効率化、マニュアル化、ブランドの構築化、海外展開、新規事業の展開など様々な部分が未成熟だと感じ、成長する可能性があると思いました。
そこで、お客様が企業のブランド化やイメージアップを図りたい内容をお伺いし、具体的に企業の方針に合わせデザイン化をし、社内で制作および在宅でも可能な場合は、在宅ワーカー・全国にいるデザイナーに仕事を依頼する、という仕組みを作りました。
現在、日本は低価格で高品質なものを求める傾向にあり、更に無料のアプリなどで、今までの産業がお金を払っていたものが、無料で見ることができる時代になってきました。そのことは、今までのコストやビジネスモデルでは事業の継続化は図れず、更に海外に仕事が流れていく傾向にあります。クールジャパンなどとよく言われる中で、実態はコストの安い中国や台湾、タイ、インドネシアに仕事が流れ、価格競争に負けて産業が衰退していました。
その中で、日本のイラストやデザインなどを海外から日本に取り戻したい。一人でも雇用を作り出したいと思った際に、在宅ワークに日本の産業を守るための活路があると感じました。
そこで、全国でも仕事ができるように、主婦、障害者、定年退職者、地方に仕事がない方など、予算をつぎ込んで募集をしました。また、お客様の多種多様化の要望、短納期、ハイクオリティーにお役に立てられるように多数のデザイナー・イラストレーターを募集しました。また、人財が足りない場合は、家庭教師的に教育を行っていきました。
そういった規模の原理を図ったところ、弊社の強みは3つあります。
1つ目は、在宅ワーカーや地方在住者にも雇用を生み出せること。
弊社の在宅ワーカーの中には障害を持つ人やお子さんのいる主婦さん、介護従事者、離島に住まれている方、北海道から沖縄まで様々な方が多数います。そのような方でも働ける環境が、弊社にはございます。
2つ目は、イラストレーター様の所属人数が3000名以上おりますので、
クオリティ、スピード、価格競争力が強いところです。
今までタイや中国に流れてしまっていた仕事をいかにして日本に戻すことが重要かと思います。
価格競争に打ち勝てなければ、仕事が海外に流れ日本の雇用がなくなってしまう。これは変えようのない事実です。日本は海外のように石油や石炭、ゴムなどの資源がない中、加工産業としてなりたっておりますので、中国やタイに流れてしまっていた仕事をいかにして日本に戻すかが重要です。
クオリティやスピードなどの付加価値をつけて、皆さんに選んでもらえる会社であり続けたいです。
3つ目は、海外展開です。
おそらく、世界で初めてイラストなどで中国や台湾に営業をかけたのは弊社だと思います。中国に発注ならほかの会社もされていますが、中国へ下請けとして営業しに行ったのは弊社が初めてだと複数の中国や台湾の会社様よりお話をいただきました。もちろん、ただ海外展開するだけではなくて、中国の方を日本で雇って中国で営業をしていくことにより、日本の雇用が生み出せるかと思います。
「誰もやっていない方法で」を意識して事業を展開していく。
誰かのやり方を真似してビジネスをする戦略もありますが、それだけでは日本の国力はアップせず、雇用は増やせないかと思います。しかし、他社がやらないことを行うことが、弊社の強みかと思います。
事業にはこだわらず、「思い」を大切に働く
今後は、引き続き日本の雇用を生み出せていけるように、海外展開を進めていきたいです。
現状の事業の拡大化と現在の海外にはないものを新しく作り出していきたいです。
例えば、日本の企業が中国や台湾に発注をすることはありますが、現在日本の物価より 中国や台湾などの物価が高くなってきております。
逆に日本が下請け企業として展開をしてくことも価値があるかと思います。
結局、お客様が思い描いた以上に喜んでくれるものを作り出し、
事業の継続性を出すために利益を生み出すことが大事です。
商品が、陳腐化した場合、さらにお客様が喜んでもらえるように、より良いものを提供していければと思っております。
国内ですと、外国人の方向けにデザインを使って何かを生み出してみたいです。お寺や美術館でもプロモーションが全くされておりませんので、「現代の方」に振り向いていただき、伝わるものにしたいです。
武家屋敷においても、歴史や由来を動画や漫画を使用して説明ができると、面白いのではないかと考えていたり、アイディアはまだまだ沢山ございます。
これからも日本人の一人一人のやさしさは強みかと思いますし、若いころに受けた恩義を、何かしら社会に還元したいと考えております。
☆取材・記事作成・構成=上村、工藤、佐久間