株式会社リアリニット
澤柳智明
POSTED | 2019.04.16 Tue |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:研修・コンサル 創立:9〜10年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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営業の負担を減らす3次元データサービスを展開
VRの可能性を世の中に広く知ってもらうためにTopics
今回のインタビューは、3次元データシステム「デバイスレイアウタ」を開発・提供する株式会社リアリニットの澤柳氏にお話を伺いました。まずは形が見えないIT技術の可能性を、幅広い世代に普及させたいという想いで展開する同社の取り組みについて語っていただきます。
株式会社リアリニット 代表取締役 澤柳 智明氏のONLYSTORY
【経歴】
1971年 東京都板橋区出身。1997年早稲田大学大学院理工学研究科修了。大手メーカーにてシステム開発に従事したのち、2000年より外資系ソフトウェアベンダーにて語学を使った客先提案などに取り組む。リーマンショックの影響で短期間での転職を何度か繰り返したのち、2015年に株式会社リアリニット設立。3次元データを幅広く活用できるシステムを開発し、様々な業界への提案活動を行っている。
ネット環境があればどこでも使える3次元システム
–株式会社リアリニットの事業内容を教えてください。
澤柳氏:株式会社リアリニットは、3次元データを活用したシステム「デバイスレイアウタ」やAI技術の開発・提供をしています。
デバイスレイアウタはソフトを入れなくてもインターネット上で3次元データを作成できるサービスです。なので遠方のお客様とも、情報共有がスムーズにでき、例えば企業の営業訪問数を減らし、負担を軽減するような使い方ができます。
インターネット環境さえあれば使用可能なサービスで、端末の制限もなくパソコンやスマートフォン、タブレットなどで操作ができます。
そのほかにも最近は、AI技術への取り組みも始めました。
–実際にはどのように活用されることが多いのでしょうか。
澤柳氏:例えば大きな商品を購入する時には、部屋の中にその商品が収まるかどうかが懸念点になり得ます。そういったときに、営業担当者が客先の3次元データをお客様の前で作り、部屋のなかに商品が入るかの検証をする。このように営業の場で使用されることが多いですね。
逆に、大型機材の導入を考えている企業様から、その配置を3次元データで確認してみたいという要望をいただくこともあります。
現在は大型の商品に対する利用が多いのですが、商品のサイズに関係なく、さまざまな分野で活用してもらえるサービスだと思いますね。
‒事業を進めるにあたって最も重要視していることは何ですか。
澤柳氏:IT技術の活用方法をきちんと普及していくことです。
というのも、私は以前外資系の会社に勤めていたのですが、そのときから外国のIT企業の話を耳にすることが多くありました。話していくうちに、外国の方が圧倒的に技術が進んでいることを知り、特にVRの活用方法が全く違うことに衝撃を受けました。
どうしても日本では、VRと聞くとゲームを連想してしまうのですが、それ以外の使い道もたくさんあり、海外ではビジネスのさまざまな分野に幅広く取り入れられているんですね。この技術がビジネスにも活用できるということとその用途を国内でも広めていきたいと思います。そのためにも株式会社リアリニットのシステムを活かしていきたいと思っていますね。
リーマンショックに翻弄された末に起業
‒起業に至ったきっかけについて教えてください。
澤柳氏:会社を作るときって「こういうことがやりたい」という夢を持って起業する方が多いと思うのですが、株式会社リアリニットの起業のきっかけは、リーマンショックでした。
私はリーマンショックのほんの数ヶ月前に、ある外資系企業に転職したのですが、当時は、注文すら入ってこない状況だったため、仕事が全くもらえなかったんですね。そして、人件費削減のため入社間もない私も職場を離れることになりました。
その後も、リーマンショックの影響で、転職はスムーズに進みませんでした。ようやく見つけた転職先でも数ヶ月でクビになることが続いて、同じようなことを3回経験したときに、もう自分で事業を始めた方が良いのではないかという考えに至りました。
短期間で退職した経歴が続くと、応募した会社から履歴書を見て不採用の返事がくる。そうやって追い詰められた末に、次はないと思い、会社を立ち上げることにしました。
‒そこからどのようにして、今の3次元データサービスにたどり着いたのでしょうか。
澤柳氏:3次元データのサービスに着手したのは、前職でVRを中心とした3次元システムに関わったことがきっかけです。私が自分の状況と会社を立ち上げる決意を固めたとき、そのとき知り合った方の支援もあってこの事業を進めることになりました。
VRは新しい技術なので保守的な人になかなか受け入れられないという課題がありますが、世の中がこの技術に目を向けてくれるように、幅広く提案を進めていきたいと思っています。
新しい技術を追いかけていきたい
‒今後の目標を教えてください。
澤柳氏:現在は私一人で仕事を回しているので、まず開発担当者を雇用することが目標ですね。従業員を増やす環境も整え、1年以内には数人採用したいと考えています。
以前、ある大学の授業の一環で、学生へ事業内容を説明する機会があったのですが、弊社のサービスに興味を持ってくれた学生が何人もいたのです。そういった新しい技術に関心のある若い方と一緒に仕事をして、私自身も勉強していきたいと思いますね。
‒短期的な目標をお伺いしましたが、その後の長期的な目標も何かお持ちですか。
澤柳氏:はい。弊社はもともと3次元サービスからスタートした会社なのですが、ITの分野は進みがとても速いので、ずっと同じサービスに注力していくのは難しいと考えています。
なのでこれまで培ってきたものをベースにしつつ、そのときどきで新しいものを追い、お客様の評価を得られるようなサービスを作り続けていく、それが長期的な目標ですね。
‒最後に、読者にメッセージをお願いいたします。
澤柳氏:ITの技術は形がないのでわかりにくい部分はあると思うのですが、とても夢のある分野です。なので若い力を雇って新しい技術をどんどん開発し、上の世代の方にも幅広くIT技術を知ってもらって、お客様に喜ばれるものを作り続けていきたいと考えています。
弊社の取り組みにご興味のある方はぜひご連絡ください。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原