佐々木 雅士

「中小企業の社長って孤独なものなんですよ。
銀行が助けてくれるのは景気の良い時だけだし、
税理士には社長ではなく税務署側に立つ人もいたりする。

社長がやらなきゃいけない仕事は、
税務・財務・採用・人事評価・ウェブ戦略・管理やマーケティングなど、
非常に多岐にわたるし、難しいことばかりです。

難しいから、3年で約8割の会社が倒産してしまう。
誰かが本気で社長側に立ってサポートしてあげるべき。
そう考えるに至ってインフォランスを立ち上げたんです。」

そう語るのは、企業向けに総合的にコンサルティング事業を展開する
株式会社インフォランスの佐々木雅士社長だ。
インフォランスは、税務・財務面などの本業以外の側面部分を幅広くサポートし、
企業の力や資源を本業に集中できる環境づくりを提案している。

「中小企業の社長は、もともと自分の得意分野が強くて起業された方が多い。
その得意分野で卓越した知識や技術を持っている一流のプレイヤーです。
ですから、本業については誰よりも詳しい。

けれども、会社を経営するとなると、
これまで関わったことがない広範囲な知識が必要となります。
社長は必ずしも経営のプロとは限りませんから、
本業以外の側面部分のサポートが必要なんです。」

インフォランスのコンサルティング事業には、

・役員報酬適正化コンサルティング
・企業保険コンサルティング
・税理士紹介事業
・出版メディア戦略コンサルティング
・新卒採用支援事業

の5つの柱がある。

企業経営という広範な活動をサポートするため、
展開する事業も幅広いものとなっているが、
これらの事業を展開していく上でインフォランスは全く営業活動を行っていないという。
それは一体どういうことか、佐々木社長にお話を伺った。

「私たちが事業を展開していく上で大切にしていることは『インバウンド』です。
インバウンドとは、こちらから営業活動をしなくても顧客が集まってくる状態を言います。
そのためには、顧客にとって本当に価値の高いものを提供しなくてはなりません。

私たちはただ単に経営者の負担を減らすだけでなく、
税務・財務面でのサポートを通して、
現在の経営状態やこれからの経営戦略に対する
的確なアドバイスをするように心がけています」

『インバウンド』展開をモットーとするインフォランスのクオリティ志向は、
同社の運営する
「就活アワード（http://shukatsu-award.com/）」
にも現れている。

このサイトでは、成長企業に社長取材や社員取材やアンケート調査を行って、
企業の中身を正しく評価して、
その調査結果を「企業調査報告書」という形にして一般公開している。

これによって、そこで働く人たちの「ナマ」の声や想いを知ることができる。
社員アンケートの実施項目も、
社長力・働きがい・働きやすさ・グローバル性など幅広く、
その評価や声をまったく修正することなく、
すべてそのまま掲載してしまっている。

「インターネット上にも企業に関する声は書かれていますが、
それらは誰が発信したのかも分からない不平不満であることがほとんどです。

そこで私たちは、その企業内でいきいきと働いている人の、
本当のナマの声を責任をもって発信し、
企業と働きたい人との最適なマッチングを促し、
成長企業の新卒採用面での支援につなげていきたいと考えています」

佐々木社長はこのように語る。

最後に、これから社会に出る若者に向けてメッセージをいただいた。

「若い時にこれがしたいとか、これが正しいとか、決めつけてしまうのは
あまりお勧めできません。
自分の本当にやりたいことや、やるべきことというのは、
社会に出て様々な経験を積んでいく中で見えてくるものです。

たとえ、将来にやりたいことや、やるべきことが見えてきたとしても、
その時にその道を進むための能力が備わっていなければ何も選べないままでしょう。
それまでにどれだけ基礎能力を上げることができるかが勝負です。

効率とか有利だとかせせこましく考えず、
どんな仕事でも選り好みせずに最後までやりきる王道を進むことが、
最終的には自分にとって大切だったし有利なことだったと知る時期がきます。」

佐々木社長は大変刺激的な方で、楽しくお話を伺うことが出来ました。
また、経営側面支援やインバウンド展開についても強い理念を感じて圧倒されました。
インフォランスがこれからの日本の中小企業経営に
どのような影響を与えていくのかとても楽しみです。

http://www.inforance.co.jp/