善里 信哉

高校時代、通学時間が長かったので、枚方のTSUTAYAでCDをレンタルしてはカセットテープにダビングし、毎日のように新しい音楽を聴いていました。それからベース楽器に興味を持ち、バンド活動を始めるようになったのが、私の音楽体験のはじまりです。

大学に進学してからは、ゲーム開発会社で仕様書づくりのアルバイトを始め、そこでコンピューターを使った音楽制作（DAW）の世界を知りました。バンド活動での知識と仕事が繋がる気がして、そこからDAWに夢中になって傾倒していきました。

大学卒業後、フリーランスとしてサウンドクリエイターの仕事をはじめてみたものの、早々に食べていけないという現実にぶつかりました。そこでサウンドクリエイターを募集している就職先を探して応募したところ、運良くパチンコメーカーに就職することができました。それが今の仕事のきっかけです。

その就職は私にとって非常に良い経験となりました。当時はパチンコ台の演出技術が大きく進化し、それまで効果音中心のシンプルな構成だったものが目覚ましい変化を遂げた時代。実写やアニメのテーマソングが流れ、声優のボイスが入り、光の演出効果が緻密になり、日々新たなアイデアと演出でお客様を驚かせ、楽しませしていく。仕事はハードでしたが、毎日がすごく充実していました。

また、音の演出について力を入れ始めて間もない業界だったので、自分がすべての先駆者でいられる環境だったことも恵まれていたと思います。新しいチャレンジを自由に追求させていただける環境は、本当に感謝していて、私自身をも大きく成長させてくれました。

仕事を通じて、外部の第一線のクリエイターの方々と御一緒できる機会も増えていきました。そういった業務をこなすうちに強く抱くようになったのが、「もっと外の世界に出て自分の力を試したい」「ひとりで完結させず、世の中の多彩な才能を自由に活かして、もっといい仕事がしたい」という思いでした。

独立への不安はもちろんありましたが、悩む時間が勿体ないと感じ、決意を固めました。

ソレモは、音をデザインする会社です。

私たちの強みは、楽曲制作、効果音制作、ボイス収録など、新しい音を生み出すための全プロセスが統合されていること。各領域の精鋭がリアルタイムに連携しながら、コンテンツに寄り添った、新しい音を生み出し続けています。

音楽事務所、音響制作会社、声優事務所など、それぞれの領域で専門特化した会社はすでに沢山あります。でも、インタラクティブなコンテンツの音について限ると、そもそもバラバラでは、そのニーズに応えていくことは難しい。

世の中にスマホが登場する前、電話とインターネット端末と携帯音楽機器はバラバラにあった。けれどスマホに慣れると、便利で、より多くの方々が利用しやすいですよね。それと同じ感じの利便性があります。

Webメディア、VR、アプリ、体験アトラクション…様々な領域で、コンテンツは溢れています。けど音はまだまだ玉石混合。サービスが追いついていない。「音をちゃんとデザインしたら、コンテンツはもっと良くなるのに…。」そう感じることは日常茶飯事です。

コンテンツ制作に携わる方とお話しして常々思うのは、「音をちゃんとデザインする」ことは、まだまだ敷居が高い取り組みになってしまっているということです。御客様に専門知識を強いてしまったり、制作過程が見えにくかったり…。お任せしにくく感じる不安要素がまだまだあります。そういうところを改善し、まずは、どなたでも簡単に安心してサービスを利用できるようにしたいですね。その次は、実直に御客様満足を積み重ねていきたいです。

そうして、「コンテンツに寄り添った音をデザインする取り組みには価値があり、有益である。」ということがあたりまえになる。そうしたよりより社会に変えていく一端を担えたらと思っています。

時代とともにニーズは変わり、様々なプラットフォームとメディアは新陳代謝を繰り返してきました。でも”音をデザインする”というサービスは唯一、一過性のものではなく、ずっと社会に求められる領域。

ソレモは、音の可能性を広げ、その価値を高めていく活動を続けていきます。この活動に共に取り組んで頂ける、さらなる出会いを楽しみにしています。