株式会社AMS

村井 眞一

店舗とECの一体経営を目指して。

小売業の課題解決を徹底サポート
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今回のインタビューはオンラインとオフラインによるモノと情報の効率的な管理統合により、小売業の利益向上に取り組む株式会社AMS代表取締役会長、村井氏にお話を伺います。

「ECフルフィルメント事業とオムニチャネルソリューション事業を通して、小売事業者様の課題解決をサポートすることが私たちの使命。」そう語る村井氏に、同社の事業概略と今後の方向性などについて語っていただきました。

株式会社AMS 代表取締役会長 村井 眞一氏のONLY STORY


神奈川県横須賀市生まれ
日本大学経済学部卒業
1979年株式会社鈴屋に入社
1983年増田宗昭、伊東康史と共に「蔦屋書店」を創業
1985年カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を共同設立
1998年株式会社ディレク・ティービー・ジャパン取締役就任
2000年ニューコ・ワン株式会社代表取締役に就任
2008年株式会社ISホールディングスを共同設立
2012年株式会社AMS代表取締役(現在)に就任

店舗とECの一体経営を目指して業界を改革する


–はじめに、株式会社AMSの事業内容をお聞かせください。

村井氏:弊社は「店舗とECの一体経営」を目指して、ECフルフィルメントサービスとその先にあるオムニチャネルソリューション事業の展開をしています。

–ありがとうございます。まずは今お話にありましたECフルフィルメントサービスについて説明していただけますか。

村井氏:はい、そもそもフルフィルメントというのは、ECサイトで商品が注文されてからエンドユーザーに商品が届くまでに必要な全ての業務のことで、私たちはそれら業務の提供やそのサポートをおこなっています。

お客様がECサイト上で商品を購入された後、ネット通販の裏側では在庫管理や梱包、発送や決済関連の手続きをはじめとした様々な業務が存在します。

弊社にはそれら業務におけるスペシャリストが在籍しているため、システム開発や在庫管理、物流業務などはもちろんのこと、各商品を正確にお客様に伝達し理解納得され、購入されるような魅力的な文章ライティングや写真撮影、カスタマーサポート体制の充実までを、社内リソースによって全ての支援提供が可能です。

–ECフルフィルメントサービスの延長線上にあるオムニチャネルソリューション事業についてもお伺いできますか。

村井氏:企業から消費者への販路には、実店舗やカタログ通販、ECサイトなどのいくつかの形態がありますよね。それら販路を「チャネル」というのですが、その全チャネル統合させ、シームレスに商品を提供出来るようにするのがオムニチャネルソリューション事業です。

そのため、先ほどお話ししたECフルフィルメントというのは、あくまでもオムニチャネルの一部となります。

各チャネル同士のモノや情報についての連携が上手く取れていないと、業務が重複してしまったり、販売機会を損失するなど、企業にとって負担や損失になるような状況が頻発することになります。私たちはそのような負担の軽減や機会損失を無くす仕組みを提供することで事業者様の利益創出に貢献しています。

例えば、店舗に商品の注文があったけれどその商品が欠品している場合、担当者がバックヤードの在庫を探したり、複数店舗に電話で問い合わせたり、商品を取り寄せる為に伝票やFAXを書いたりしているんですね。これではチャネル間での連携が上手く取れているとは言えませんし、手配や連絡の手間だけでなく、最終的な商品の提供まで時間がかかり、全体のサービスの質も落ちてしまう。

こうした負担や機会損失を防ぐため、タブレット画面に各店舗や倉庫の在庫情報を一覧で表示したり、伝票の記入などの手数がなく、在庫の確保が可能となるようなアプリケーションを開発し提供しています。実店舗・ECともにシームレスな状態がオムニチャネルというものであり、その状態に向けて業務・システムの環境を整備・改善することが弊社の企業としての使命だと考えています。

–御社の強みはどういったところにあるとお考えでしょうか。

村井氏:店舗やECサイトといった各販路の業務内容と、本社・店舗・ECサイトのそれぞれで使用されるシステムの仕様や相関関係を熟知しているところです。というのも、やはり現場の業務経験や知識がないと、実際に店舗やECで運用することを想定したものが提供できないからです。

その点、弊社はECの経験がある人材だけでなく、元ショップ店員や店長、本社スタッフなど多様な経歴の人材が在籍しています。そのため、多面的、俯瞰的な視点から事業者様の業務の全容を把握した上で、サービスを設計し開発提供できるところが弊社の強みだと考えています。

–どういった想いで事業を展開されていらっしゃいますか。

村井氏:独自の調査ではありますが、ファッション業界全体は9兆円の売上があるにも関わらず利益総額は3000億円しかないんですね。これは他の業界と比べるとかなり少ないのですが、原因は企業の業務フローが複雑で無駄な部分が多いことが一因であると考えられます。

そういった複雑な業務フローが存在する企業に弊社のサービスソリューションを提供することで効率化を進め、業務だけでなくファッション業界全体をより良くしていきたいですね。

多くのチャンスロスの経験から気づいた小売業の課題


–AMSの経営に携わった経緯について教えてください。

村井氏:私は大学卒業後ファッション販売チェーンに就職したのですが、接客の際に「たった今、売り切れてしまいました…」「色違いならあるんですが…」といった言葉をお客様にかけなけらばならない悔しい機会損失を数多く経験しました。

仕入れ担当になった後も、やはり購買現場でのお客様からのニーズと仕入れの際に立てた予測のギャップは解消しきれませんでした。

その後、会社を辞めて蔦屋書店を仲間と共に創業したのですが、そのころにやっとPOSシステムが世に現れ、商品管理が飛躍的に向上しました。それにより煩わしい作業をせずとも、在庫把握が出来るようになったのです。

POSシステムによって店舗の在庫把握は上手くいくようになったのですが、インターネットが発達した時代になった今、ECに目を向けると在庫管理や配送の問題などを中心に無駄が多く、クリアすべき課題が散見されていました。それら課題を解決しない限り、EC業界の本質的な価値創出はないと思っていました。

そして2012年にECフルフィルメントサービスを提供するAMSの経営に参画しました。当初は社外役員という形だったのですが、2015年からは代表取締役となり、本格的にオムニチャネルソリューション事業の展開に舵を切り始めました。

社会に必要不可欠な流通を維持・発展させる


–今後の展望をお尋ねします。

村井氏:日本の流通業界のシステム面は、諸外国と比べてまだまだ不合理な部分が多く、ほんの一部しか修正する必要がない場合でも、全体から修正部分を見つけ出して紐解いていかなければいけないような構造になっているんですね。

そのため今後は、マイクロサービス化とサーバーの仮想化で、サーバーもソフトも必要なときにだけ機能させられるような環境でのサービス提供をしていきたいと思います。業界全体としても、コストが下がることで、より良い事業展開に繋がると思います。

–社会にとって、AMSがどういう存在でありたいと考えていますか。

村井氏:流通業界やファッション業界に存在する様々な課題を解決しない限り、10年後、20年後には百貨店やスーパーをはじめ、小売業界全体も利益が出しにくくなると考えられます。

小売事業は、消費者の方による購買という単一的な行為だけでなく、演劇やコンサートなどと同様に「街に出て買い物する」という“体験”を通じた楽しみを提供しているので、明るく楽しい社会にとって必要不可欠な存在です。

AMSのソリューションによって業界全体を発展させることで、アパレル・ファッションはもとより小売事業に活気と夢が今の何倍もあった時代を取り戻したいと思っています。

–読者へ、特に学生に伝えたいメッセージはありますか。

村井氏:私は30年ほど経営に携わってきたこともあり、学生の皆さんには起業をお勧めしたいと思っています。起業をするためには様々なものが必要となりますが、その中でも「情報」は重要なものだと思うんですね。

だからこそ常に人と交わり、話を聞き、想いを発信することが大切だと考えています。そうやって多方面から情報を得て、自分のものになった情報と情報が組み合わさったときに新たなチャンスが生まれるんです。

そういったチャンスに巡り合うためにも、積極的に情報を集め、学ぶ姿勢を大切にして欲しいです。


執筆=増田
校正=笠原・亀井

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