生まれたばかりの発想に、叡智とアイディアをプラス

ひと・地球・科学が調和した豊かで明るい未来へ
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メーカー企業や大学及び研究機関の依頼を受け、主に実験装置及び治具の設計製作を行っているニイガタ株式会社。多くの研究者や開発者から頼られ、その発想や構想の実現に貢献し続ける同社だが、もともとはどこにでもあるような家族・親族経営体制の町工場から始まったのだというから驚きである。

その成長の転機と要因はどこにあったのか。

代表取締役社長を務める渡辺氏と第一線で活躍する社員2名にお話を伺うと、その答えが見えてきた。

ニイガタ株式会社

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代表取締役社長
渡辺 学


製販統括部 技術営業課 主任
黒田 実弥


製販統括部 技術営業課
橋本 真

ニイガタ株式会社の成長を支えてきた経営理念の存在


前身となる会社は渡辺氏の実の父や職人と3人で経営していた町工場だったが、現在では従業員20名以上を抱えるまでに成長したニイガタ株式会社。その成長の裏側には、経営理念の存在が大きかったのだという。

「私たちは、次のような経営理念を掲げています。

『私たちは、叡智と正義をもって、最先端技術を創造し、ひと・地球・科学が調和した豊かで明るい未来を創ります』

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この経営理念を作ったのは、ちょうど10年前。当時、人手を必要としていて採用をしていきたかったのですが、思うように採用活動が進まなかったんです。その原因の1つとして考えたのは、私たちに単年度計画や経営理念がなかったこと。

会社として目指すところや拠り所となるものは、採用に限らず今後の会社の成長に必要不可欠であるということで、経営理念の策定に着手しました。」

経営理念に込められた想いを伺うと、渡辺氏はこう続けた。

「叡智というのは、要するに皆の“知恵”ですね。社員全員の知恵、お客様の知恵、協力会社様の知恵、世間一般にある様々な知恵…。そして、正義が指しているのは日本、日本の社会にとっての正義に則した上で、私たちが思う正義。

『叡智と正義をもって、最先端技術を創造し…』の後に、『ひと・地球・科学が調和した豊かで明るい未来を創る』と続きます。ここでは、人の暮らしの変化に応じて移り変わる地球において、私たちは知恵と正義を携えながら地球の調和に貢献する技術の革新・進歩のそばにいて、調和のとれた未来の実現に貢献できる会社でありたいという想いが込められているのです。」

この経営理念を企業としての在り方の中心に据え、ニイガタ株式会社はメーカー企業や大学と協力し、主に実験装置及び治具の設計製作を行っている。先述の経営理念とこの事業内容がどのようにリンクしているのか、もう少し伺ってみる。

「新しい技術を創造しようとする人たちがいた時、私たちは頭の中でアイディアを生み出す側と手を動かして形作る側とをつなぐインターフェースになれるのです。

よかったら、当社の社員にも話を聞いてみてください。そうすれば、もう少しイメージがつきやすいんじゃないかな。」

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生まれたばかりの発想を、社会・未来と繋がるアイディアへ


渡辺氏の勧めもあり、今回は異なる役割を担う2名の社員にお時間をいただくことができた。

まずお話を伺うのは、製販統括部 技術営業課に所属する橋本氏。ニイガタ株式会社と関わるお客様と一番最初に接する部門を担っており、現状20〜30社ほどのお客様と日々向き合い続けている。

「私の仕事は、一番初めに当社へお問い合わせいただいた個人・法人・大学などのお客様と接し、まずは皆様が形にしたい構想や計画についてお話を伺うことから始まります。そこからその場で深まる意見を活かしつつ、1時間〜2時間で具体的な絵やイメージに落とし込んでいきます。」

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橋本氏はさらっとこう答えるが、多くの経験と確かなコミュニケーション能力を要する高度な仕事だろう。なぜなら、20社には20通りのニーズやアイディア、リソース状況等があるため、ほぼオーダーメイド的なコミュニケーションや提案が必要とされるからだ。

入社当初の頃について伺うと、苦笑いをしながら当時の苦労について明かしてくれた。

「お客様のニーズを伺いながらほぼ同時に頭の中で完成イメージを作り上げていく作業が、やはり当初は難しかったですね。なかなか要領よく立ち回れず、最初のヒアリング段階でお客様のご要望を的確に汲み取れなかったり確認すべき項目の確認作業が漏れてしまったりということもありました。ここだけの話、そのミスを取り返すのが本当に大変で、心身ともに削られる想いでした(苦笑)。

その後、担当させていただくお客様が徐々に増え、今では20〜30社ほどのお客様とお仕事をさせていただいているのですが、そのお客様の数だけご要望が多様にあり、それぞれに対して向き合い、考え続けなければならない仕事であるということもまたハードかもしれません。」

こうして取材をさせていただいている最中にも、きっとお客様からの連絡が届いていることだろう。耳や目、頭がいくつあっても足らないのではないかと思えてくるほど、橋本氏は常にお客様と向き合い続けている。

そうした大変な中でも技術営業職を続けている理由は、なんなのだろうか。

「最後に形になり、お客様の元へ届き、『問題なく使えました』『すごく助かりました』といったお声を伺えると、やはり嬉しいですね。加えて、一番最初にお客様の生の声を伺っていますので、納品されて一通り仕事を完了できたときには安堵感と達成感もあります。

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加えて、私自身が純粋にものづくりが好きだということも大きな理由かと思います。昔、プラモデルにハマっていた時期があったのですが、当時はうまく組み立てられる時だけではなく試行錯誤している過程も含めて楽しんでいた姿勢は、今の仕事への姿勢や取り組み方につながっているように思います。」

生まれたばかりの発想の種は、橋本氏とお客様との間で社会・未来とつながる可能性を秘めたアイディアへと形を変えていく。そして、そのアイディアは目に見え、手に取れる製品として形作るプロフェッショナルの元へ。

「お客様のご要望」を最後まで見失わない設計を


続いてお話を伺うのは、製販統括部 技術営業課で主任を務める黒田氏。橋本氏が描いたイメージ図やお客様との間で可視化されたアイディアは、この黒田氏の元へ渡る。

「お客様からいただく仕様書や橋本から預かったラフを参考に、まずはそのイメージをさらに具体的なものへと磨いていきます。お客様とコミュニケーションをとりながらある程度の形にしていった後、さらに具体的な設計に入っていく。ご要望や予算感の中で最適な製作方法を探っていきます。」

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ニイガタ株式会社に寄せられる相談や要望が多様であればあるほど、黒田氏に求められるものも多様化する。案件ごとに異なる課題や困難をそれぞれクリアしていかなければならないのだ。

「もともと経験があった分野の設計以外の知識やスキルを求められる案件が少なくないので、その都度まずは調べる。調べてわからない部分は、周囲の社員や協力会社様の社員と相談する。そういった形で、それぞれの案件における課題点を1つ1つ解決していきながら設計をしてきました。

本当にありとあらゆることを学んでいかなければならないので、初めの頃は大変でしたね。」

そうした中で、黒田氏には仕事上大切にしていることがあるという。

「当たり前ではありますが、意識しているのは『お客様のご要望を最後まで見失わないこと』。

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作り手としては最高のものを納品したいと思っているのですが、それによってお客様からいただいた予算や期間を超えてしまったりご要望からそれてしまってはいけませんよね。コミュニケーションの中でお客様にご満足いただけるラインを探し続け、そこに的確に合わせていくような設計をしたいと思っています。

そうした中では、お客様の思った以上のものをご提供できたりそれによってお客様の実験や研究が良い方向へ進んでいったりした時にやりがいを感じますね。」


ここまでお話を伺っていて着目したのは、役割や職種は違えど橋本氏と黒田氏に共通する姿勢。お客様とその意向、要望、そこから生まれるアイディアに寄り添い、その実現に役割を全うするその姿勢である。

ここで、思い出してみてほしい。冒頭で触れた渡辺社長の言葉を。

『新しい技術を創造しようとする人たちがいた時、私たちは頭の中でアイディアを生み出す側と手を動かして形作る側とをつなぐインターフェースになれるのです。』

大学や研究機関等で飛び交うアカデミックな発想や言葉、概念を受け止め、それを確かな技術と経験を持つ協力企業と自社社員とともに形にしていく。まさに、異なる世界と役割の人たちをつなぐインターフェースとなっている。

豊かな未来の創造に貢献できるアイディアも、長年の経験と熟練の技で構築した技術も、それぞれにただ存在するだけでは何も起こせない。そこをつなぐインターフェースがあることで、それらは互いの役割を発揮し、世界がまた一歩前に進んでいくのだ。

集まる叡智を最大限に活かし、より豊かな未来へ


経営者として、渡辺氏は今後のニイガタ株式会社の成長の鍵はどこにあるのかと考えた。

そして、このインターフェース的なポジションをとるニイガタ株式会社に集結している様々な知恵とアイディア=叡智に『知的財産』としての大きな価値と可能性を見出したのだという。

「これまではご相談をいただく構想や計画、発想を形にしていくものづくりという点に対して、主には価値を感じていただき、対価をいただいてきました。ただ、これからは形にしていく段階のアイディアやそこにある知恵といった点に対して価値を感じていただき、対価をいただけるような企業へ成長していきたいのです。

そうすると、その発想を生み出す方々や当社社員のようにそれを形にしようと一生懸命に打ち込む人たちがより評価され、今よりももっと豊かな未来につながる技術が生み出されていくと思っています。」

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ものづくりを追求してきた先に行き着いた、渡辺氏ならではの着眼点だ。おそらく、一般的に言えば知的財産やアイディアに対してお金を払うという感覚はあまり馴染みがないだろう。

渡辺氏自身、いつ頃からそのような想いを抱えていたのだろうか。

「アイディアに価値があるに違いない、と思い始めたのは15年くらい前ですかね。まずは、このような仕事をしている中で、研究者や大学の講師、企業の開発担当者など、あらゆる角度から知恵やアイディアが集まってくることに気づきはじめました。

そして、また同時に『Aという研究者のそれ(発想やアイディア)をBという開発担当者は知らない。逆に、Aという研究者もまた、Bという開発担当者のそれ(発想やアイディア)を知らない。しかし、私たちはどちらも知っている』という状況にあることにも気づきました。

ここで、叡智を集められる存在である私たちだからこそできることがあるのではないかと思い始めました。」

ここから、今まさにその叡智を最大限に活かすための新たな構想が生まれようとしている。

「こうした中で当社のアイディアとなった知的財産は眠らせることなく、今後の研究開発サービスを通じて世の中の役立てたい、社会に還元していきたいと考えています。

例えば、お客様のニーズに迅速にお応えするために培った製品製作ノウハウを全社にて共有し、お客様の機密情報に関する事は徹底的に管理した上で、ニイガタ独自の工夫やノウハウ、情報を取り出しやすくするためのデータベースを構築していくようなことができるでしょう。

ゆくゆくは、研究開発といったら『ニイガタ』という名前を頭に思い浮かべてもらえるような存在になりたいですね。未だ開拓されていない分野も切り拓いていけたら、私たちもそのような存在になれると信じています。」

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取材・執筆・編集・校正=山崎
撮影=吉田

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