株式会社大山コーポレーション
許 逎筠
POSTED | 2019.04.01 Mon |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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玄関と窓の防犯錠で一般家庭の安全を強化する
手軽に始められる防犯対策で家を守るTopics
スマホを使った「外から見えない電子錠」と、100円の価格でうっかりした窓の閉め忘れをカバーする「窓ロック」の2製品で、日本の安全に貢献する株式会社大山コーポレーション。今回は代表取締役の許氏に、防犯に対する意識、2製品が誕生した経緯などをお聞きしました。
株式会社大山コーポレーション 代表者 許 逎筠氏のONLY STORY
泥棒の侵入は、玄関と窓からが75%
–株式会社大山コーポレーションの取扱商品がどういうものかお伺いします。
許氏:いろいろある中で、現在特に力を入れているのは防犯錠2種です。ひとつは「外から見えない電子錠」という玄関ドアに使用するものです。これはスマホが使え、取り付けも簡単で便利、しっかりと防犯ができます。
2年ほど前にスマートロックが日本で注目されたことがあり、当社も製作を検討しましたが、大手が特許を持っているために、一旦は断念しました。しかし、防犯の必要性を考え、なんとかより良いものをと、研究して作り上げたのが「外から見えない電子錠」なんです。
一般にはあまり知られていませんが、スマホや携帯電話でも電波を出す商品は、総務省の許可を得て技適マークを取得しないと電波法違反となり、「一年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。この罰則は業者へ向けたものではなく、使用者への適応なので、お客さまが罪に問われてしまいます。
実際に検挙された話は聞きませんが、お客さまに法令違反の商品を売るわけにはいきませんから、もちろん「外から見えない電子錠」は技適マークを取得しています。
–もう一つの防犯錠はどのようなものでしょうか。
許氏:電子錠は玄関ドアですが、防犯の観点からは窓の備えも重要です。そこで考えたのがもうひとつの商品「窓ロック」です。
侵入犯罪の75%は玄関や窓からの侵入なので、玄関だけの防犯では不十分です。それぞれの窓に電子錠をつけるには高額になりすぎるし、見た目も芳しくないので、手軽で安く、それでいてしっかり防犯できるようにと考えたのが、この「窓ロック」なんです。
これは窓を開けた状態でも使えて、しかも100円という値段ですから、取引先の担当者からもたいへんな好評を得ています。
この100円という値段も重要で、みなさん、防犯意識を持ってはいても、高額だったり、面倒だったりで、実際には何もやっていない人がほとんどです。この「窓ロック」は100円ショップで買えて、両面テープでパッと貼るだけの防犯グッズという手軽さなので防犯対策が億劫になっている人にも手に取っていただきやすいと思います。
–この防犯にかかわる事業をしていく上で、重要視していることは何でしょう。
許氏:防犯を謳う商品ですから、100%の安心、安全を保証しなくてはなりませんが、残念ながら100%というのは難しいことです。しかし、簡単で便利を念頭に、限りなく100%に近づける努力は続けていくつもりでいます。
電子錠のセキュリティ強化で物件価値も回復
–どういう想いから、玄関の電子錠を事業化したのでしょう。
許氏:当社は昭和63年設立の貿易商社ですが、貿易商社はいち早く商品をお客さまに紹介し、採用してもらうことで成り立つので、情報を売る業者といった側面があります。
しかし今はインターネットの普及で情報のほとんどがオープンになっているため、顔と顔で情報をやり取りして利益を得る商売の時代は終わっています。お客さま自身がネット検索すれば、いくらでも似たような商品を見ることができてしまうんですね。
この流れに対抗するためには、何かで差別化した商品が必要で、電子錠のように特許を取ったり、技適マークを取得することで、模倣や追随を許さない独自性を保持した商品を開発しています。そうしたことでお客さまとウインウインの関係が築けるような土台を固めてきているところですね。
電子錠の需要が一気に広がるとは思いませんが、不動産屋さんやテナントさんが5万、10万円の投資で、電子錠を設置してセキュリティ強化をすれば、古くなった物件の価値も盛り返すことができるのではないかと思っています。それが口コミで広がって、少しずつでも浸透していけばいいと思います。
–では、窓ロックについてもお聞かせください。
許氏:先程、玄関と窓で75%と言いましたが、風通しをした後の閉め忘れなどが理由で、窓からの侵入されるケースのほうが多いんですね。そのうっかりをカバーするために「窓ロック」を考えました。
検挙された泥棒の取り調べによると、窓のロックを外すのに5分かかれば半分は侵入をあきらめ、10分かかるようならリスクが高すぎて、ほとんどの泥棒が断念するそうです。こういったデータも参考にして、より良い防犯グッズを提供していきたいですね。
「電子錠」と「窓ロック」でより安全な日本に貢献
–今後の長期的な目標は何でしょうか。
許氏:今は防犯関係の商品に力を入れていますが、これをきっかけにして、これからはもっと多くのアイデア商品を売り出していきたいと考えています。
当社は「あなたのアイデアを形にする、手伝いをする会社です」というテーマを掲げています。お客さまのアイデアを製品化し、販売する展開を目指していますから、ぜひアイデアをお寄せいただきたいと思います。
–短期的にはどうでしょうか。
許氏:「外から見えない電子錠」と「窓ロック」をまだ見たことがないというお客さまも多いでしょうから、この2つを積極的に売り込むことが当面の目標になります。
防犯グッズは開発が難しい商品ですが、半面、競合があまりない市場なので売りやすい面もあって、商品の特長を説明すればかなりの興味を持ってもらえると思っています。
「窓ロック」は100円ですが、高額でもいいとするお客さまもいるので、今後はレーザーや高価な材質を使った、より頑丈で、さらに機能を強化した製品も開発したいと考えています。
–販売店様や不動産屋様へのメッセージはありますか。
許氏:実際に、この2つを手に取って見てもらえば、優れた商品であって、売りやすいとわかってもらえるはずです。これが日本中に広く使われることで、一般家庭の防犯という面でもっと安心、安全な日本にしたいと思っています。そのために皆さんの力をお借りできればと思っています。
執筆=増田
校正=勝野