古徳 一暁

私は茨城県で生まれ、学生時代を茨城で過ごしました。高校では、修学旅行にしたあることが原因で休学処分を受けてしまいます。しかし当時流行っていた漫画の影響もあり、仲間と勉強で結果を出して教師を見返すことを決意します。それはもう必死で勉強しましたよ。

結果、アルファベットも危ういレベルから、全員が大学に合格できたのです。「自分も努力すれば成功できる」と、シンプルに思えるようになりました。短期間に猛勉強した経験は、今の仕事に対する集中力の礎にもなっています。大学入学後は、生活費を稼ぐために学習塾を立ち上げました。

しかし開業して2年ほど経った頃、答えが用意された「選択式」の教育に疑問を持つようになります。そこで、当時サイドビジネスとして行っていたマッチング系のサイト運営に経営の主軸を切り替え、学習塾と大学を辞めることを決意しました。

　そんなある日、人生を変える衝撃的な出来事があったのです。

ふと実家に帰ったら弟が家に居ませんでした。両親に聞いてみたら「統合失調症を発症して入院している」と。こんなことが起こるのかと、衝撃を受けたことを今でも覚えています。

しかし同時に、「この薬は弟に合っているのか？」「障がい者手帳の申請はどうしたらいいんだ」などと、今まで全く興味のなかった分野の問題に対しても考えを深められるようになりました。その後も弟と向き合ううちに、ネットビジネスこそ時代の流れを捉えており、弟も働くことができるのではないかと思い始めます。

　実は、日本の規定として、企業の従業員のうち2．2％は障害者の方を雇用するルールがあるのですが、この数値を守れている企業さんは少なく、雇用されても軽作業や事務作業などを任されがちです。既存事業の人材として積極的に採用したり、クリエイティブ系の部署に配置されることはほとんどないことが現状なのです。

障害者の方に対する仕事環境を変えていきたい。障害を持っていても優秀な人材はたくさんいることを伝えていきたい。そんな思いから、株式会社LOGZは立ち上がりました。

私たちは現在、ITを軸とした様々な事業を展開しています。特に、人材の育成及び企業さんへの人材紹介が主な事業です。

人材育成の分野では精神疾患や発達障害を持つ方々を対象に、通常の企業さんさんが行っている新人研修以上のレベルで就労支援を行っています。ディスカッションやディベートはもちろん、プレゼンは日常茶飯事です。また、一人一人に合わせた教育プログラムをご提案し、プログラミング・動画制作・Webデザイン・データ解析と非常にスキルを身につけることができます。就職への強みを持つことで、「即戦力になる優秀な人材」として企業で働くことができるのです。

しかし、障害を持つ方々が働くための会社がなければスキルを身につけても意味がありません。

そこで、人材紹介をさせて頂く企業さん向けの無料の勉強会や障害への偏見を軽減し、理解を促進する活動も行っています。

就労支援を行っている側の人間が、人材紹介を行うことで、企業さんのニーズと障害を持つ方々両者にとって、ベストマッチングさせられることも私たちの強みですね。インターンのように企業さんに出向いて見学を行い、体験を重ね、複数回面談をすることでミスマッチを減らしています。

このプロセスのおかげで、現在まで私たちがご紹介した方の離職率は０％を達成しています。