ぜんち共済株式会社
榎本 重秋
POSTED | 2016.03.17 Thu |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:医療・介護・健康 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoC |
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障がいのあるすべての方に安心の保障を
契約数4万件日本唯一の知的障がい者向け専門保険会社Topics
ぜんち共済株式会社 社長 榎本 重秋氏のONLY STORY
人生を変えたキーパーソンとの出会いを通し、障がい者専門保険の必要性を悟る
私たち、ぜんち共済株式会社は知的障がいのある方専門の保険サービスを提供しています。はじめに、私のこれまでの歩みからお話させていただきます。
私が保険業界に足を踏み入れたのは、丁度バブルの時期でデベロッパーや銀行をはじめ、社会全体が沸き立っている時代でした。その中でも、特に先輩社員がイキイキとかっこ良く働いていた、AIU損害保険株式会社に入社したのです。
不思議と小さな頃からリーダー気質でしたから、AIUでも若くして代理店の育成業務といった会社の中枢業務を任されました。理想のリーダー像を求めて試行錯誤し、色々勉強した時期でしたね。やがて、転勤先で保険代理店担当となり、そこで初めて障がい者保険を扱う代理店の存在を知り、人生のキーパーソンである、永田仁司氏と出会うことになります。
保険会社は会社の利益も追求しなくてはなりませんから、知的障がいのある方など、保険金支払いリスクの高い方々は保険に入れないという現実があります。そこに風穴を開けたのが、「知的障がい者保険」の生みの親、永田氏でした。
彼は50歳にして保険業界に入り、親の会(育成会)の方々や、特別支援学校の先生方の想いを受けて、AIUに日参して交渉し続け、障がいのある方々の引受けを実現させたのです。
彼のことは今でも尊敬してやみません。私もそんな彼に同行し、特別支援学校や施設などを回るようになりました。
全国にはそのような保険を心待ちにしている方がたくさんいるので、保険制度をご案内すると本当に喜ばれるのです。あるお母さまから涙ながらにお礼を言われたこともありました。その時は心の底から揺さぶられましたね。保険は障がいのある方にこそ本当に役立つもの。その想いが強くなっていったのです。
2000年、知的障がい者の親御さまたちがぜんち共済の前身となる「全国知的障害者共済会」を立ち上げる事となり、私は保険会社の社員として商品設計などに携わりました。この経験を機に、私の保険の知識や経験などを通して障がいのある人々を支えていくことを生涯の仕事にしようと決意し、今に至ります。
お客さまの希望を叶え、本当に必要とされるサービスを届けたい
弊社は、障がいがある方のための専門保険を提供する、日本でも数少ない保険会社です。知的障がい、発達障がい、ダウン症、てんかんのある方のための総合保険「ぜんちのあんしん保険」と、特別支援教育を必要とされる児童・生徒のための「ぜんちのこども傷害保険」を提供しています。
「ぜんちのあんしん保険」は、現在契約数が4万件を超え、平成28年度は約6億円、年間5600件の保険金お支払実績があります。この数字からも障がいのある方へのお支払頻度の高さをご理解いただけるでしょう。
知的障がいのある方は、自分の病状や状況をきちんと説明ができずに病気が重症化して入院することがあります。入院の際には、病院から個室の入院や付き添いを求められます。そうすると、差額ベット代や付き添いのための諸費用も負担しなければなりません。パニックになって他人の物を壊したり、逆に虐待を受けたりなどの事故もあります。
こうした方々のために、弊社の「ぜんちのあんしん保険」では様々な保障を備えています。
このたび「ぜんちのあんしん保険」の商品改定を行い、2018年1月1日より販売を開始しました。この改定で東京海上日動と提携し、支払限度額5億円の個人賠償責任補償がセットされ高額な賠償事案にも対応することが可能となりました。この個人賠償責任補償には示談交渉サービスが付帯されています。損害賠償事故は加害者・被害者双方の感情が複雑に絡み、当事者同士で示談交渉することが困難な場合が多く、大変な労力と精神的な負担がかかります。この示談交渉サービスは、障がいのある方の家族や障がい者福祉に携わる方からの長年にわたる要望にお応えしたものです。
その他、更新契約の引受年齢の引き上げによる高齢者対応、インターネットによる加入申し込みや保険料払込方法の充実など、お客様の利便性向上に向けた取り組みも行っています。
たくさんの人の想いとつながりから生まれた商品が、彼らの安心につながっていくと思うと嬉しいですし、応援してくださる方々とのご縁にも心から感謝しています。
会社を取り巻く全ての人を幸せにし、100年企業へ向けて歩み続ける
私たちのような障がい者専門の保険会社は世の中に絶対に必要ですし、なくなってはいけないものだと確信しています。この信念のもと、私たちはこのぜんち共済株式会社を、今後100年以上にわたって存続させていくつもりです。
そのためにも、利益を追い求め過ぎるのではなく、社会保険労務士の小林秀司先生の書籍「人本経営」にある「年輪」という言葉のように、少しずつ、ゆっくりと成長させていけたらと思っています。
また、一緒に働いてくれる社員のみんなもお客さまと同じくらい大切にしていかなければなりません。彼らとその家族を幸せにすることは、経営者としての私の使命です。
社員が幸せになれる会社は、お客さまにも優しい会社です。先日、弊社は設立10周年を迎えることができました。その際の記念式典には、本当にたくさんのお客さまに足をお運びいただき、喜びの声をかけていただきました。私たちが皆さまに必要とされていること、愛されていることを改めて確認でき、こうしたお客さまを絶対に裏切ってはいけないと、身が引き締まる思いです。
やがては、あらゆる保険会社が、堂々と障がい者の方の保険を引き受ける時代がやってくることを心から祈っております。そのような社会をつくるため、今後とも、共に働いてくれる社員と私たちを信じてくれるお客さまを大切にし、進み続けていきます。