薄井 隆博

口コミだけで仕事が増え続けている営業代行の会社がある。
『きっかけとチャンス』を企業理念に掲げる、
株式会社グローバルステージの薄井隆博社長に
インタビューを行なった。

「起業当時、若者にとって、きっかけとチャンスの場が少ないと
感じていました。そこで、無料のビジネススクールを作りたいと
思ったんです。

世の中には多くのビジネススクールがありますが、
多くは大金が必要です。私たちがターゲットにしたのは、
夢や目標に向かってお金を払える人ではなく、
夢や目標はあるけどお金を払うのが難しい人でした。

そこで、今のビジネススクールができていない領域で、
きっかけとチャンスをつくることにしました。最初は
無料教育を考えましたが、一歩進んで『学びながら稼げる』場を
つくることにしたんです。」

最適な形が営業代行だった。本来お金を払って学ぶことを
実践しながら覚え、結果として報酬も得る。
特に大切にしているのは、基礎の徹底だ。

「とにかく、泥臭くて地味な営業をします。例えば
１日で飛び込み営業２００件とか、テレアポ架電３００件とかです。」

薄井社長自身、基礎をやることが好きで楽しいという。
起業前に経験した保険や飲食業でも、人が嫌がるようなことを
率先してやったという。多くの人が避けたくなる基礎を徹底する
姿勢が、成功につながるスキルを生み出す。

薄井社長はひょんなことから、資本金１円で会社を立ち上げた。

「２４歳の時、それまで会ったことがないような凄い同世代と出会い、
その方を代表として起業することになりました。しかし、その方が
勉強する事になり途中で交代。私が代表となりました。」

人柄やサラリーマン時代の実績から、メンバーは集まった。
しかし、自らが先頭に立つタイプではないと悩んでいた薄井社長は、
ある人の言葉で人生が変わったという。

「ある方から理念が一番・社長は二番という言葉をもらったんです。
常に理念が先にあり、実現のために自分が舵をとっているだけ
なんだと。そう思うと、立場の重荷はなくなりましたね。」

常に理念が先にあることは、ある実績にもつながっていた。
設立３年以内に倒産する企業が９割を超える中、すべての
グループ会社が倒産どころか、事業借り入れもなく継続しているという。

「私たちGSgroupはホールディングスでも子会社でもなく、
自由度の高いコミュニティーと位置付けています。その中で、
数少ないルールの一つとして定めているのが、過去に投資した
会社が持っているリソースのすべてを、次のグループ会社へ
無償もしくは格安で引き継いでしまうことです。

ここが、私たちGSgroup最大の特徴です。
人・モノ・お金・情報・経験など、すべてのリソースは
未来の会社へ還元していくのです。」

平均して３年ほどかけて皆起業していくが、泥臭い営業活動を
やり抜いた社員は間違いなく同じ想いをもっている。これが、
GSgroupの強みであり、グループ全体として共存共栄できる
理由である。

薄井社長は、今後どんな展開を考えているのだろうか。

「このまま、きっかけとチャンスの場を増やしていくだけですね。
GSgroupとしては、グループ会社１００社を目指します。
そこまでいくと事業内容に関わらず、より多くの夢や目標を
持つ人の応援ができるようになるからです。」

最後に、私たちへのメッセージを伺った。

「夢や目標があるのなら、一度説明会（面接）にご参加下さい。
私たちの説明会は相談会のようなもので、一度話すだけでも
何かヒントが得られるかもしれません。

もし目指すところが一緒なら共に活動すれば良いと思うし、
違えば別の道に行けば良いという簡単なことなので。」

あくまでもきっかけとチャンスの場を提供し、あとは本人に任せる。
薄井社長の発言は、一貫してブレがない。

「今あるリソースを未来につないでいく。今ある会社だって、
GSgroup先輩企業からたくさんのものを受け取ってきたからです。」
という言葉に感銘を受けました。

『持ってない時は先人から受け取り、持ってからは
次の人たちへつないでいく。』この考え方は、ビジネスに
関わらず『何かを継続する』という点において、
大きなヒントになっています。