株式会社デリ・アート

亀岡友幸

結婚式場の集客率向上に貢献する人材派遣事業とは

そこにしかない物語を作り、差別化の悩みを解決する
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今回のインタビューは株式会社デリ・アート執行役員の亀岡友幸氏に、同社の派遣事業や事業に対しての想い、今後の展望などをお聞きしました。

株式会社デリ・アート 執行役員 亀岡友幸氏のONLY STORY


1977年生まれ、岩手県一関市出身。大学在学時にジャズに目覚め、トランペットを選ぶ。大学卒業後首都圏のジャズクラブやポップスバンドでの全国ツアーを経験。2001年にはアメリカモントレーのジャズフェスティバルに出演。2007年M&IレコードよりDISPORTのメンバーとしてメジャーレーベルデビュー。その後演奏活動やバンド活動はパッとせず、30代になったのを機に家業が写真屋だったこともあり、写真のアルバムメーカーへ就職。

2011年の東日本大震災で死生観が変わり、裏方でも良いから音楽の仕事に携わりたいと思い現在の会社へ入社。アーティスト経験を活かした企画提案で取引先の拡大に貢献し、2019年より執行役員兼営業統括本部長として既存事業の拡大と、会社の未来づくりの責任者を行っています。

式場の強みを照らし、ストーリーを作る


––株式会社デリ・アートの事業内容からお尋ねします。

亀岡氏:クライアントである結婚式場やホテルへ、音楽家や司会者などの技術者を派遣する事業です。

日本には2000ほどの結婚式場があり、多くの式場が集客に課題を感じ「どうすれば差別化ができるのか」「他者にここが勝てない」といった悩みを抱えています。それに対し、「弊社の人材が○○をすることで、この悩みを解消できます」と解決策を提案しています。

人を手配するのは手段であって、目的は式場だけの強味を見つけて、他の式場にはないストーリーを作ることです。課題に対して解決策を提案しているため、ソリューション系の事業とも言えますね。

––どのような形でストーリーを作り上げていくのでしょうか。

亀岡氏:国内市場の特徴として、挙式そのものより、そのあとの披露宴に重きを置くカップルが増えています。その場合、結婚式は披露宴をメインにして、そこにカップルの楽しみを詰め込んだ形になります。

そうした希望を叶える式場は多いのですが、挙式の内容を訴求し、差別化を図るところはほとんどありません。

しかし、私は結婚式は二人が誓い合う神聖な場であり、挙式こそが重要であると思うんです。弊社では挙式そのもので差別化が図れるようなストーリーを作っています。

––これまで御社が手掛けてきた、差別化の一例を教えてください。

亀岡氏:分かりやすい例をあげると、ある絆をテーマにした式場に対して絆を表現できるシーンや音楽の提案をしたことがあります。具体的には、家族との絆をテーマに両親へ感謝を伝えるシーンを企画したり、この地域に住んでいる方に馴染みのある音楽を取り入れたりしました。

音楽を例にすると、多くの会社は施設の雰囲気に合わせた楽曲や楽器の提案をしますが、弊社はその地域やそこで生きる人たちの想いなどをバックグラウンドにしたストーリーを作り、そこにマッチする音楽を選定しています。


また、西洋風のチャペルでは宗教的な要素が絡むため、挙式の内容は変えてはいけないと考えられており、その結果画一的なものになることが多いんです。

弊社の場合、チャペルの特徴や式のコンセプトに合わせ、またキリスト教のイメージから逸脱しない範囲で、オリジナルなストーリーの挙式を提案し差別化を図っています。

––結婚式当日ではどのような工夫をされているのでしょうか。

亀岡氏:例えばディズニーランドにはアトラクションごとにストーリーがありますよね。アトラクション周辺にいるスタッフの衣装や装飾はそのストーリーへ導くイントロダクションとも言え、見てるだけで期待に胸がふくらみます。

それと同様に、結婚式ではストーリーのイントロダクションの時間を設けています。はじめに挙式の参列者にストーリーを聞いていただくことでその結婚式の世界観を意識してもらい、世界観通りの式を進めて行くのが弊社の狙いなんです。

そして、式を単なる儀式に終わらせず、感動を伴う挙式にするための提案を欠くことはありません。ストーリーによる世界観、これが弊社の差別化であり、最大の強みです。

大震災をきっかけにメーカーから現職へ


––亀岡さんがデリ・アートに入社した経緯をお聞かせください。

亀岡氏:20代は好きな音楽を仕事にしていましたが、30過ぎに音楽の道を諦め、家業の影響もありアルバムメーカーに就職しました。その後、東日本大震災を体験し人生の価値観が大きく変わりました。

自分は岩手出身で、幸い近しい親族では大きな被害はありませんでしたが、それでも友人の身内が亡くなったことを聞くにつれ、人の命の儚さを思うようになりました。「いつか死ぬ日がくるのなら自分が本気になれることに取り組んでおかないともったいない」と感じて、裏方でもいいから好きな音楽で生きようと決心しました。


アルバム会社時代にホテルや式場に出入りしたことや演奏家の仲間から聞いたことでデリ・アートのことは入社前から知っていました。演奏家の派遣事業で音楽に関われればと思い、入社することにしました。

––御社のサービスを利用した式場からの喜びの声を教えてください。

亀岡氏:弊社のプレゼンを聴いたプランナーの接客トークが変わったことによく驚かれます。今まで椅子や備品にといった設備のスペックを語っていた方が、「このチャペルにはこういう想いが込められていて」とストーリーを語るようになるそうです。それが他の式場との差別化、受注率向上につながったという喜びの声をよくいただきます。           

新たなクロスセル商品を育て売上向上目指す


––将来的な事業目標は何でしょうか。

亀岡氏:国内約2000施設ある式場のうち、現在弊社は500施設と提携しています。この数字を5年以内に1000まで伸ばしたいと思っています。


また、強みを持っているストーリー作りにクロスセルできるような商品や提案を育て上げることで売上向上を目指したいですね。

その他にも、企業パーティー、レセプション、銀婚式とかでの生演奏や司会など、登録スタッフの活躍場所の確保、開拓にも注力していきたいです。そして私達がブライダル業界で行ってきたアート思考による差別化の提案をブライダル業界以外の商品でも活かせるようにしたいと考えています。

––最後に、読者へのメッセージをお願いします。

亀岡氏:コロナ禍でよく感じることは、衣食住があれば最低限の生活はできるけれど、豊かな時間を得ることはできないということです。豊かな時間を得て、人間らしく生きる人生には、音楽であったり、芝居であったり、自分の心が動く「何か」があると思っています。

弊社はその「何か」を表現する者として、人の心を豊かにすることに価値があると信じ、この価値観を共有できる人たちと知り合えることを願っています。





執筆=増田
校正=笠原

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