株式会社JapanWork
鈴木悠人
POSTED | 2020.01.06 Mon |
---|
TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:人材(採用・派遣) 創立:7〜8年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
---|
外国人材のための求人チャットボットで就職サポート
ミスマッチを防ぎ、長期間就業で企業の人手不足を解消Topics
今回のインタビューは、外国人向けの求人チャットボットサービスを展開する株式会社JapanWorkの代表取締役の鈴木氏にお話を伺います。日本語がまだおぼつかない外国人の就業をどうサポートするのか、日本社会の受け入れ態勢の現状と課題などをお聞きしました。
株式会社JapanWork 社長 鈴木 悠人氏のONLY STORY
–まず御社が提供しているサービスからお伺いします。
鈴木氏:弊社は日本で働きたいと考えている外国人材と人手不足に悩む日本企業をつなぐ国内最大限規模のチャット求人サービス「JapanWork」を提供している会社です。
発展途上国から見れば、人手不足の日本はたくさんお金を稼げる国。そのため今後も外国人労働者が増加し続けることは間違いありません。しかし、増加するがゆえに、細かいサポートまでが行えず、今以上に採用後のミスマッチが大きな問題になると考えられます。その問題を解決するのが「JapanWork」であると考えています。
–続いて「JapanWork」の詳しいサポート内容を教えていただけますか。
鈴木氏:はい。「JapanWork」ができることとしては大きく2つあり、1つが求人情報のリコメンド、もう1つが面接前後のサポートです。
求人情報のリコメンドについては、チャットを活用して、外国人材のビザの種類や日本語をどの程度話せるか、どんな仕事を希望するのかなどをヒアリングし、それに見合う仕事を紹介しています。
面接前後のサポートについては、主にコミュニケーション面でのサポートを行っています。弊社が求人を紹介するような日本に長く住んでいる外国人は、日本語で日常会話はもちろん採用後であれば会社とのコミュニケーションも取ることができます。
しかし、少し早口で話されると会話についていけなかったり、漢字が読めない人が多いため求人誌を読めない人もいるんです。そのため、面接の要領や道順なども含めて、面接に至るまでのすべてをサポートしています。
また面接後は、外国人材のカウンセラーのような立ち位置で、実際に働いてからの悩みや不満を聞き、内容によっては日本企業に伝えて、より働きやすい環境づくりにも携わっています。
この紹介とサポートの2つがチャットボットの役割になります。
–ここまで主に外国人材に対するメリットを教えていただきましたが、日本企業にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
鈴木氏:やはり人材不足を解消できる点ですね。現在、ブルーカラーを中心に50社ほどと契約していますが、どこも日本人の募集では人手不足が解消できないため、外国人の採用に転換したいところ、あるいはすでに外国人を採用してはいるものの採用した留学生をはじめとする人材が辞めてしまい困っているところなんです。
その点、では10年以上日本に居住して、長期に渡って働ける人を紹介していますのでどちらの課題を感じている企業にとってもメリットを感じていただけると思います。
–同業他社と比較した際に御社の強みはどこにあるとお考えでしょうか。
鈴木氏:弊社の強みは2つあると考えています。まず1つ目は15万人と求職者のユーザー数が日本一多いという点です。これは競合他社を圧倒する数字です。
2つ目はいわばオンライン化したエージェントのようなサービスであること。多くの求人サイトがメディアであるのに対し、「JapanWork」はいつでも手軽に相談できるチャットサービスなので、そこがマッチングの高さにつながっていると感じています。
ユーザー数日本1のオンライン求職エージェント
多くの失敗から学んだ、熱意と準備の重要性
–2016年に初の法人化をされていますが、もともと起業したいという想いを持っていたということでしょうか。
鈴木氏:そうですね。私には「行動してチャレンジする人が世の中を変える」という信念があり、大学院時代には社会人と女子大生の合コンマッチングサービスや落ち込んでいる人を励ますサービス、外国人向けの日本語オンライン教室など、10以上のサービスをリリースしました。しかしどれもユーザー数が伸びず、失敗してしまったのですが、この経験から学んだことが2つあります。
–その2つをお聞かせください。
鈴木氏:まず、私が本当にやりたかったことはお金を稼ぐことではなく、困っている人を助け喜んでもらうことだと気がつきました。そして、そういう熱意がなければゼロからビジネスを立ち上げることはできないと学んだんです。
もうひとつですが、開発に6か月、リリースに6か月をかけた日本語を教えるオンラインサービス事業の失敗から、ユーザーの傾向や拡販方法など、事前のマーケティングリサーチの重要性も認識しました。この2つの学びがなければ、今日の成功はありませんでしたね。
全国展開、職種拡大、フォロー強化!
–今後の事業展開をどう考えていますか。
鈴木氏:今後は東京と神奈川だけに絞っている事業を全国に展開したいと思っており、ブルーカラーが主体の職種も飲食、介護などに広げ、就業後のフォローも一層強化したいと考えています。この地域、職種、フォローの3つの軸すべてで日本一の存在になることを目指しています。
最近はIT関連の需要も言われていますが、エンジニアはスキルを持っているので、そう職探しに困ることはないでしょうから、専門的なスキルを持っている人が少ないブルーカラーに注力したいと思います。
–その後の長期的な目標は何かありますか。
鈴木氏:ゆくゆくは外国人材ためのインフラを作りたいと思っています。今は就職の手伝いをしているだけですが、例えば、家探しや水道・電気などの手続きなどもサポートできたらと思います。
生活環境が改善され、長く働くことができるようになれば、外国人材であるという偏見もなくなります。すると、さらに仕事にも集中して取り組むことができ、成果を出せる…と、きっと良い循環が生まれるでしょう。
そういった外国人材の暮らしのサポートを弊社が行うことで、蓄積された外国人の就業データから「信用のスコア」を作ることができるとも考えています。例えば「Aさんは10年間も日本で働いているから〇〇点」と、Aさんの評価が可視化され誰でも分かるようになるんです。そうなれば世の中の外国人材見る目が変わり、日本人と対等に評価されるはず。そんな日本社会を作る一翼を担いたいと思っています。
–ありがとうございます。最後に読者へのメッセージをお願いします。
鈴木氏:外国人の採用経験がなくどうしていいのかわからない、マッチングが不適ですぐに辞められてしまう、そんな悩みを抱える企業さまは、ぜひ弊社までお問い合わせください。
執筆=増田
校正=笠原