最終更新日: 2023.10.13

BtoB営業において、商品・サービスの受注後は、お礼メールの送信が不可欠です。しかし、どのようにお礼メールを送信すればいいのかわからないという方もいるでしょう。

今回は、受注後のお礼メールの役割と送信時に意識すべきポイント、さらにシチュエーション別の例文を紹介します。営業の質を高め、契約の継続やさらなる受注につなげたい方は、ぜひ参考にしてください。

受注のお礼メールの役割

受注のお礼メールには以下の4つの役割があります。

  • 信頼関係の構築
  • 担当者の挨拶
  • 業務プロセスの共有
  • 疑問点の再確認

それぞれについて解説します。

信頼関係の構築

受注のお礼メールを通して、取引先との信頼関係の土台を築けます。

迅速かつ丁寧な応対を通して、取引先の安心感を醸成できるためです。顧客と信頼関係を構築できれば、サービスの解約率の低下や継続購入などにつなげられます。また、新たなサービスの契約が獲得できる可能性もあります。既存顧客から追加受注があれば、新規顧客を開拓するよりも効率よく利益を増やせるため、お礼メールは欠かさず送付しましょう。

担当者の挨拶

商談と受注後のサポートで担当者が変わる場合、お礼メールは感謝の意を伝えるだけでなく、担当者の挨拶を含む内容であることが一般的です。早い段階で新しい担当者とのコンタクトを取れれば、取引先はより安心して取引を進められます。

また、引き継ぎのタイミングで先方から問合せがあると、対応漏れが発生するリスクが高いです。担当者の変更を早めに伝えておくことにより、先方の質問や疑問点にも、すぐに対応できます。

業務プロセスの共有

受注のお礼メールの中で、業務のプロセスや進行状況を共有しておけば、顧客の不安を取り除けます。

例えば、商品の発送やサービスの提供に関する手順を明記しておけば、取引先は商品やサービスが提供されるプロセスを理解できます。事前に状況を共有すれば、商品はもう発送されたのかと取引先が不安に思うことはなくなるでしょう。ストレスなく取引ができた経験は、今後の取引にもいい影響を与えます。

疑問点の再確認

取引先への疑問点の再確認も重要なプロセスです。BtoBの取引では、契約内容が複雑になることが多いです。そのため、お礼メールを通じて相手に疑問点がないかを再確認しておくと、両者間の誤解や認識の不一致を最小限に抑えられます。思わぬトラブルを回避するためにも、認識のすり合わせをしておきましょう。

受注のお礼メール送信時のポイント

受注のお礼メールで注意すべき、以下の7つのポイントについて解説します。

  • 受注後すぐに送信する
  • 受注内容を再確認する
  • 具体的に何へのお礼か述べる
  • 件名は具体的に書く
  • 受注後の予定について記す
  • 疑問点がないか尋ねる
  • 丁寧な表現を使う

受注後すぐに送信する

メールは受注後すぐに送信しましょう。取引先からの注文や依頼に対する素早い反応は、相手との信頼関係を築いたり、スムーズに業務を進めたりする上で重要だからです。

受注したその日、遅くとも翌日には、メールを送信しましょう。自分でメールを送れない場合は、代理人を用意しすぐに送ってもらいましょう。また、メールにて受注する仕組みになっている場合は、先方はちゃんと発注できているのか不安に思う可能性があります。受注したら自動返信でメールが送られるようにしておき、改めてお礼のメールを送る流れにしておくとよいでしょう。

受注内容を再確認する

受注内容を再確認することも重要です。

受注内容には、商品の数量やサービスの詳細、納期や価格など、多くの要素が含まれています。これらの内容についてお互いの理解がズレていると、後々の業務進行でトラブルが生じる可能性が高まります。お礼メールに受注内容を明記し、認識をすり合わせておくと、リスク回避につながります。

また、万が一この時点で受注内容にミスが生じていた場合でも、早期発見と修正が可能となります。大きなトラブルを防ぐ点でも、お礼メールにて受注内容を確認することは重要です。

具体的に何へのお礼か明記する

受注メールにはお礼を書くだけでなく、具体的に何に対して感謝しているのか明記しましょう。対象を具体的に記せば、相手に対する感謝の意を明確に伝えられます。以下はお礼の対象となるものの一例です。

  • 受けた注文や依頼
  • 提案やアドバイスをしてくれた点
  • 商談に時間を割いてくれた点

上記に加えて、商談の内容に言及することや先方の営業担当者への感謝の意を伝達することも有用です。具体的な話をすれば、テンプレートを使い回しているのではなく、相手を想って書いたメールだと伝わります。このような丁寧な対応は取引先との関係性を深め、長期的な関係の構築につながります。

件名は具体的に書く

メールにおいて件名は特に重要な要素です。件名が曖昧であると、メール自体を見逃されるリスクが増えます。逆に件名が具体的であれば、取引先にメールの内容を予測させ、開封率を上げられます。

例えば、「お礼」とだけ記載するのではなく「◯◯商品のご注文へのお礼」と具体的な件名にすれば、受取人はそのメールが受注に関するものであるとすぐに理解できます。

また、相手の返信にメールを送る場合は、「Re:」をつけ前回と同じ件名にしましょう。過去のやり取りの続きだとすぐに判断できるため、見逃されることを防げます。

受注後の予定について記す

受注のお礼メールでは、感謝の言葉に加え受注後の予定を伝えることが必要です。特にサービスの契約の場合は、この先のプロセスを伝えておくと、効率的かつ円滑にサービス導入を進められます。

今後の予定とは、以下のような情報のことです。

  • 今後の打ち合わせ内容と日程
  • 商品の発送日、到着日
  • サービスの開始日
  • 契約の終了時期

また、次回の打ち合わせがある場合は、メールで日程調整をしておきましょう。候補日を出して、取引先の都合がよい日時を確認しましょう。

疑問点がないか尋ねる

取引先の疑問点もメールで確認しましょう。取引先の疑問点や不明点を早期に解消すれば、誤解や間違いを未然に防ぎ、双方のコミュニケーションがスムーズになります。また、取引先が疑問や不安を感じている場合、信頼関係が築けない危険性があります。早い段階での解決が重要です。具体的には、文末に以下のような文言を記すとよいでしょう。

  • ご注文内容や納期等に関して、何か不明点や疑問点はございませんか?
  • 私たちの提供するサービスや商品について、追加で知りたいことや不安に思うことはありますか?
  • これまでのやり取りに関して、何か確認したい点や気になる部分はございますか?

取引先の疑問点に答えることは、不安を解決するだけでなく、さらなるビジネスチャンスにつながる場合もあります。メールの文末で、疑問点がないかを忘れずに記載しましょう。

丁寧な表現を使う

メールは丁寧な表現で執筆しましょう。ビジネスメールは、言葉の一つ一つが取引先に与える印象を形成します。受注のお礼メールの文面は、取引先との信頼関係に関わるため、正しい表現に注意しましょう。具体的に気をつけるポイントは以下の3つです。

  • 正しい敬語を使えているか
  • 短縮形や口語を記していないか
  • 誤字脱字がないか

取引先の事情や立場の尊重も重要です。例えば、納期や商品に関する要望があった場合、「できるだけ早く対応いたします」と添えることによって、相手の要望や状況を理解し対応しようとする姿勢を示せます。

受注のお礼メール送信時の例文

次に商談のメール返信について、以下の5つの例文を紹介します。

  • 受注直後のメール返信
  • オンラインで受注した場合のメール返信
  • 追加のサービスを受注した場合のお礼メール返信
  • 入金後のメール返信
  • 商品・サービスのカスタマーサポート提案のメール返信

実際にメールを作成する際には、例文を参考にしてください。

受注直後のメール返信

商談後に受注した際には、すぐにメールを返信することが重要です。商談で築き上げた取引先との信頼関係を壊さないためです。商談後の受注メールには、商談に時間を割いてくれたことへのお礼も必ず記載しておきましょう。

件名: 【◯◯株式会社】商品◯◯の受注確認とお礼

◯◯株式会社〇〇部〇〇様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯(名前)です。

先日の商談では大変お世話になりました。
お忙しい中、時間を割いていただき、誠にありがとうございます。
また、商談に続き、貴社より◯◯商品のご発注をいただき、心より感謝申し上げます。

【受注内容の再確認】
・商品名: ◯◯
・数量: ◯◯個
・希望納期: 20◯◯年◯◯月◯◯日
・配送先: 〒◯◯◯-◯◯◯◯ ◯◯県◯◯市◯◯◯◯◯◯貴社 ◯◯部 ◯◯様宛

受注内容に誤りや変更点がございましたら、お手数ですが◯月◯日◯時までにご連絡いただけますと幸いです。
商品発送の準備を進めており、予定通りの納品を目指しております。


何らかの変更や遅延が発生する場合は、改めてご連絡させていただきます。
ご不明点や疑問点、またご要望などがございましたら、何なりとお知らせください。
今後とも、◯◯株式会社をよろしくお願い申し上げます。

オンラインで受注した場合のメール返信

オンラインでの取引の場合、多くは初めての取引となるため、冒頭に自己紹介を入れることが重要です。また、必ず販売サイト名も記しましょう。取引先はサイト名だけを確認している場合も多く、企業名だけの記載では怪しまれる可能性があるためです。

件名: 【◯◯株式会社】商品◯◯の受注確認とお礼

◯◯株式会社〇〇部〇〇様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯(名前)と申します。

このたびは、弊社WEBサイト〇〇(サイト名)より◯◯(商品・サービス)のご発注を賜り、誠にありがとうございます。
下記の内容での受注を確認いたしましたので、ご連絡申し上げます。

【受注内容】
・商品名: ◯◯
・数量: ◯◯個
・希望納期: 20◯◯年◯◯月◯◯日
・配送先: 〒◯◯◯-◯◯◯◯ ◯◯県◯◯市◯◯◯◯◯◯貴社 ◯◯部 ◯◯様宛

受注内容に誤りや変更点がございましたら、お手数をお掛けいたしますが、速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます。

また、ただいま発送の準備を進めております。
発送いたしましたら、到着予定日のご連絡をいたしますのでお待ちください。
納期等につきまして、変更が生じる場合は、改めてご連絡させていただきます。

今後とも、◯◯株式会社を何卒よろしくお願い申し上げます。

追加のサービスを受注した場合のお礼メール返信

追加受注の場合は、すでに関係を構築している取引先が対象になります。再度購入してくれたこと、より取引先との関係を深められることへのお礼の記載が重要です。また、追加の契約である旨を記載しましょう。

件名: 【◯◯サービス】追加受注のお礼と詳細の確認

◯◯株式会社〇〇部〇〇様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯(名前)です。

この度は、◯◯サービスの追加受注を賜り、誠にありがとうございます。
発注内容のご確認と今後の予定についてご連絡させていただきました。

【受注内容の再確認】
・サービス名: ◯◯サービス(追加部分)
・開始期間: 20◯◯年◯◯月◯◯日
・費用: ◯◯◯円

上記の内容での受注を承りました。
何か誤りや変更点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
現在、追加の◯◯サービスに関して、必要な手続きや準備を進めております。
上記月日にサービスの提供を開始する予定です。
何らかの変更や遅延が生じた場合には、速やかにご一報申し上げます。

もし、何かご不明な点や疑問点がございましたら、どうぞご遠慮なくご連絡ください。
貴社とのご縁をさらに深めることができ、大変嬉しく思っております。
今後も貴社のご期待に応えられるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

入金後のメール送信

まず、取引先の迅速な入金対応への感謝を伝えましょう。その上で再度契約内容と今後の予定について記載し、改めて取引内容に間違いや認識のズレがないか確認しましょう。また、注文後に時間が経ってから疑問が生じる可能性もあるので、「疑問点があれば気軽に問合せてほしい」と伝えることも重要です。

件名: 【◯◯サービス】入金確認のお知らせと次の手続きについて

◯◯株式会社〇〇部〇〇様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯(名前)です。

先日のご発注に引き続き、早速のご対応、誠にありがとうございます。
ご入金を確認させていただきました。
只今、サービスの準備を進めております。

打ち合わせの際に決定した通り、サービス開始日は◯月◯日の予定です。
何らかの変更や遅延が生じた場合には、速やかにご一報申し上げます。
何かご不明な点や疑問点がございましたら、どうぞご遠慮なくお問合せください。

引き続き、貴社とお付き合いできることを、大変うれしく思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

商品・サービスのカスタマーサポート提案のメール送信

カスタマーサポートを提案する場合、メールを送るに至った背景を記しましょう。内容は「他の取引先からカスタマーサポートの要望が多かった」と記すのがおすすめです。スムーズに商談に移るためには、日程の提案もしましょう。具体的な日時をあげて、都合のいいタイミングを尋ねるとよいでしょう。

件名: 【◯◯株式会社】商品◯◯の受注確認とお礼

◯◯株式会社〇〇部〇〇様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯(名前)です。

先日は弊社の◯◯を契約いただき、誠にありがとうございます。

この度は、購入内容の確認と追加サポートのご提案のご連絡をさせていただきます。

【受注内容の再確認】
・商品・サービス名: ◯◯商品・サービス
・開始期間: 20◯◯年◯◯月◯◯日
・費用: ◯◯◯円

近頃、弊社には以下のようなお問合せやご要望をいただくことが増えてまいりました。
『もっと業務を効率化する方法があれば教えてほしい。』
『他のサービスと連携方法がわからない。』
『〇〇パラメータの設置方法がわからない。』

これらのお客様の声を真摯に受け止め、お客様によりよい体験をご提供できるように、1to1でのサポートを実施しております。
ご興味がございましたら、貴社専用のサポートをご提案させていただきたく存じます。

以下の日程にて、ご都合のよい時間帯はございますか?
20◯◯年◯◯月◯◯日◯◯時
20◯◯年◯◯月◯◯日◯◯時
20◯◯年◯◯月◯◯日◯◯時
20◯◯年◯◯月◯◯日◯◯時

何かご不明点や疑問点がございましたら、お気軽にお知らせください。
弊社としても、貴社のご要望やご質問に誠心誠意お答えさせていただきます。
引き続き、貴社との長いお付き合いを楽しみにしております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

受注のお礼メール送信に関するQ&A

受注のお礼メール送信に関してよくある質問を3つまとめました。

  • 入金がまだの場合にも受注のお礼メールは送るべきですか?
  • 即日返信ができなかった場合はどうすればいいですか?
  • メールはテンプレートをそのまま送ってもよいですか?

Q.入金がまだの場合にも受注のお礼メールは送るべきですか?

A.入金が未だに完了していない場合でも、受注のお礼メールはすぐに送るべきです。

受注のお礼メールのタイミングは、取引先との関係性を築く上での鍵となる要素です。

入金が遅れている状況においても、受注に対する感謝の気持ちは忘れずに伝えましょう。

一方で入金に関する情報もきちんと伝える必要があります。

受注のお礼メールに入金期限を明記し、入金が確認できた際には改めてその旨を伝えるメールを送りましょう。

Q.即日返信ができなかった場合はどうすればいいですか?

A.急を要する内容でない限り、営業時間外の返信は避けましょう。

理由として、夜遅くにメールを送ると、相手に対する配慮が足りないと感じさせる恐れがあるためです。

即日返信が難しい場合、次の日の朝に返信を行ってください。

可能な限り早くお礼メールを送信すれば、誠意を示せます。

また、先方がその日の業務を始める際にメールを目にすることとなり、開封率も高くなります。

また、何らかの事情で受注のお礼メールの返信ができない場合は、事前に別の担当者に代わって返信してもらいましょう。

Q.メールはテンプレートをそのまま送ってもよいですか?

A.テンプレートそのままではなく、取引先ごとに適切に修正して送信しましょう。

お礼の対象や受注の内容の明確化は、特別感を演出するのに効果的な方法です。

ただし、メールのテンプレート化そのものは、業務効率化が図れるのでぜひ取り組みましょう。

1度テンプレートを作成すれば、その後の受注のたびに利用できます。作業時間の短縮やミスの低減など、さまざまなメリットがあります。テンプレートをそのまま使用せず、取引先ごとの特性や要望に合わせて適切に修正・調整し、効率化と特別感の演出を両立しましょう。

決裁者とのアポイントを獲得したい場合にはチラCEOがおすすめ

ここまで、受注後のお礼メールの送り方について紹介してきました。しかし、受注するためには、まずアポイントの獲得が重要になります。

決裁者とのアポイント獲得に悩んでいるなら、オンリーストーリーが提供する「チラCEO」がおすすめです。

「チラCEO」は、BtoBの営業担当者が直接ターゲット企業の決裁者にアプローチするマッチングサービスです。「チラCEO」の年間マッチング件数は10,000件を超え、その80%以上の登録者が取締役以上です。オンラインで全てが完結するため、リードタイム短縮と受注率の向上を図れます。導入することにより、決裁者へ直接メッセージを送ったり、専任の担当者から直接紹介してもらえたりできます。また、決裁者限定のオンラインイベントも開催され、さまざまな形で決裁者との接触が可能です。

受注のお礼メールを通して、取引先との信頼関係を築こう

今回は受注のお礼メールの送り方について解説しました。記事の主な内容は以下の通りです。

  • 受注後はすぐにメールを送信しよう
  • お礼メールには、業務を効率的かつ効果的に進める上でさまざまなメリットがある
  • 具体的に何に対するお礼か記載したり、丁寧な表現を使ったりすれば、取引先への印象をよくすることができる
  • 入金がまだの場合も受注後は即座にメールを送付し、入金後にも再度メールを送ろう

受注後すぐにお礼のメールを速やかに送付すれば、取引先へ誠実な印象を与え、スムーズに業務を進行できます。また、カスタマーサポートの打診によるビジネスの促進や、商談内容の再確認によるミスの防止にも有効です。このようにさまざまなメリットがありますので、受注後のお礼メールは欠かさず送りましょう。

また、受注より前段階、決裁者へのアポイント獲得で悩んでいる方は、チラCEOの利用も検討してください。チラCEOを利用すれば登録されている決裁者の検索、システムからの紹介、マッチングイベントなどを通して、自社が求める企業の決裁者に直接アプローチできます。

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