最終更新日: 2023.09.01

商談とは、契約の獲得を最終目的とした提案や交渉プロセスのことです。新規顧客獲得や事業拡大のためには、多くの顧客や見込み顧客と商談を行い、商談を成功させなければなりません。しかし、商談で思うように話せない、契約が獲得できないというケースはよく見られます。

商談を成功させるために、全体の流れを理解し、商談前、商談、商談後のポイントを押さえておきましょう。

この記事では、商談の流れ、準備や進め方、成約につなげるためのポイントやコツなどを解説します。

商談とは

商談とは、顧客に利益を与える提案を行い、取引関係を構築することを言います。契約に至る一連の過程も商談に含まれます。契約締結後に行う打ち合わせは商談に含まれませんが、アップセルを目的とした提案は商談に含まれます。

商談の最終目的は契約を獲得することです。一回の商談で契約が決まることもあれば、契約に至るまでに交渉や提案、相談を重ねることも少なくありません。

また、商談は、多くの場合売り手側が主導権を握って進めます。顧客の悩みや課題をヒアリングし、課題解決方法として自社商材を紹介するプロセスが一般的です。価格や納期について相談し、双方が納得すれば契約を交わすことになります。

商談の流れ

商談当日の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 挨拶・アイスブレイク
  2. ヒアリングによる課題やニーズの共有
  3. 商材の提案
  4. クロージング

商談ではまず挨拶をし、名刺交換や会社紹介を行います。お互いの緊張を解くためにアイスブレイクで軽く雑談することもあります。次に、相手企業の課題やニーズについてヒアリングを行い、解決策として自社の商材を提案します。最後に商材の導入を促し、商談を終えます。

成約につながる商談の進め方

商談を成功させるためには、商談当日だけでなく、事前準備やフォローも大切です。ここでは以下の3つのパートに分けて、それぞれにおけるポイントを解説します。

  • 商談前
  • 商談
  • 商談後

商談前のポイント

商談は、相手の貴重な時間をもらう大切な機会です。商談相手について少しでも多く理解する必要があり、準備の質によって結果が変わります。

そこでここでは、商談前の事前準備でやるべきこととして以下の3つについて解説します。

  • 情報収集と分析
  • 資料作成
  • ロールプレイング

情報収集と分析

商談する企業や担当者について事前に調べておくことはもちろんですが、企業が属する業界について情報収集し分析しておくと、商談をスムーズに進められます。課題やニーズについて仮説を立て、商材を訴求しやすくなるためです。

相手企業が仮説どおりの課題を抱えていれば、自信を持ってプレゼンできるでしょう。また、課題やニーズを想定することにより、質問や疑問も想定しやすくなり、相手が納得する回答を準備しておけます。

加えて、競合他社の同じような商品の特徴も把握し、自社商品を明確に差別化しておくことも大切です。業界について把握していることが相手に伝わると、好印象を与えられます。

商談相手はネットやSNSなどですでに自社商材の情報を収集していることが考えられます。期待以上の情報や新しい気づきを与えられるよう心掛けましょう。

資料作成

口頭だけで商材の特徴を理解してもらうのには限界があります。視覚的な情報で理解を促すことも大切なため、プレゼン資料を作成しておきましょう。

メリットやポイントが把握しやすいように箇条書きでまとめると、わかりやすい資料になります。購入・導入後に想定できる数値的な変化をグラフ化して示すこともおすすめです。また、担当者が後日見返したり、資料を使って上長に説明したりすることも考えられるため、課題やニーズが解消できることをしっかり明示しておきましょう。加えて、テキストの詰め込み過ぎに注意し、1ページに1メッセージを意識しましょう。

視認性の高い簡潔な資料を準備しておくと、営業スキルのバラつきによって成果が左右されづらくなるメリットもあります。

ロールプレイング

商談前に、商談内容を想定したロールプレイングをしておくのがおすすめです。

ロールプレイングとは営業担当者役と商談相手の担当者役を決めて、実際の営業活動のシーンを再現し、擬似体験することです。トークの展開方法や提案の仕方を練習できるため、実際の商談で堂々と話せるようになります。情報収集・分析した内容をアウトプットし、本番でもスムーズに適切な情報を伝えられるよう準備しておきましょう。

また、ロールプレイングでは複数のパターンで練習しましょう。それにより、本番でうまく切り返せる自信が身につき、落ち着いて対応できます。

ロールプレイングにおいては、トークスクリプトの作成がおすすめです。営業トークの基準ができ、組織の営業レベルが一定になります。商材に対して情報や知識を統一できるため、営業品質の安定化が図れます。どの営業担当者でも同じ回答ができれば、トラブルも防げるでしょう。

商談時のポイント

ここでは商談を行う際のポイントを2つ解説します。

ヒアリングを重視する

商談では質問を重ねて相手の課題やニーズを深堀りすることを意識しましょう。自社や商材の特徴など伝えたいことを一方的に話す営業は避けるべきです。

商談は、商談相手の悩みや課題、ニーズを汲み取り、それを解消する手段として自社商材をプレゼンする場です。相手のニーズを十分理解した上で、商品やサービスの訴求を行う必要があります。ニーズから逸れた解決策を提示しても成約には至らないでしょう。

顧客に「話を聞いてほしい」と思ってもらい、悩みを打ち明けてもらえるように展開できるのが理想です。

目的やゴールの設定

商談では、目的やゴールを設定しておくことが重要です。

目的やゴールがあいまいだと、話す内容に一貫性がなくなり、商材の魅力を感じてもらいにくくなってしまいます。また、ダラダラと話してしまうと自社の印象が悪くなりかねません。

商談を行う際は、以下のようなゴールを設定するとよいでしょう。

  • 商材を導入してもらう
  • 商材の概要を理解してもらう
  • 課題やニーズに合わせた提案をする
  • 次の商談のアポイントをとる

最終的に契約を獲得するまでに相談を複数回重ねることも少なくなく、成約だけがゴールとは限りません。顧客の温度感や状況を考慮したゴール設定が大切です。

商談後のポイント

商談後のポイントは以下の2つです。

お礼メールを送る

商談後は、時間をいただいた御礼とともに商談の要点をまとめたメールを送りましょう。それによって提案した内容が伝わっているかどうかの確認もできます。必要であれば次回の商談日程もすり合わせておきましょう。こちらから候補日を提示するとスムーズです。

また、商談で回答ができなかったことがあれば迅速に対応し、信頼関係の構築に努めることが大切です。

アフターフォローを行う

商談が成功し成約に至った場合もアフターフォローが欠かせません。サービスの導入後、不具合がないかなどを確認するとともに、要望があれば対応可能か検討しましょう。それによって顧客満足度の向上が期待できます。

また、定期的にコミュニケーションを図ることにより、継続利用だけでなくアップセルやクロスセルの機会を得ることも可能です。将来的に見込み顧客を紹介してもらえることも期待できるため、継続的にフォローするとよいでしょう。

商談を成功させるための5つのコツ

ここでは、商談を成功させるために、以下の5つのコツを解説します。

  • 商談内容を社内で共有する
  • 営業力を身につける
  • 商品知識を深める
  • 各部門と連携する
  • ツールや社外サービスを利用する

商談内容を社内で共有する

商談内容を社内で共有できる体制作りを行いましょう。

社内での情報共有が円滑になると、商談がスムーズに進むようになります。また、成功要因や失注の原因などを把握しやすくなり、営業力を強化できます。

商談はフェーズごとに営業担当者が変わり複数の人材が関わります。そのため、提案内容や進捗状況が共有できていないと、同じ提案を繰り返してしまうなどのトラブルが起きかねません。

商談内容を管理する際にはSFAツールの導入がおすすめです。商談の進捗状況や提案内容を整理した上で可視化し、社内で共有できます。

個人の営業力を高める

成約率をアップさせるには、個人の営業力を高めることも大切です。経験が長い営業担当者の勘に頼るなど属人化すると、営業のノウハウを蓄積できません。人事異動や退職などで売り上げが大きく変わる恐れがあり、非常に不安定です。

営業力を強化するには、商談内容を振り返り、改善点を見つけることが重要です。商談を録音しておき、商品の提案タイミングやトークの展開に問題がなかったか振り返りましょう。また、成績の良い営業担当者の成功事例やナレッジを共有することもおすすめです。予算に余裕があれば、外部の研修サービスを使うことも有効です。

自社商品の理解を深める

組織として自社商品の理解を深めることもポイントです。

商談では自社商材を詳しく説明し、質問にも的確に答えなければなりません。単純に商品スペックを暗記しただけでは、メリットを感じてもらうことは難しいでしょう。競合との差別化はもちろん、どのように役立つかさまざまなケースを想定して特徴や強みを洗い出しておくことが重要です。

また、商品知識が豊富でも伝え方やタイミングを間違うと、興味関心を得られない可能性があります。相手が商材に興味を持ったタイミングで、課題解決の手段として紹介することが重要です。

各部門と連携する

商談を成功させるには、マーケティング部門やインサイドセールス部門との連携が不可欠です。

部門をまたぐことにより情報が分断されると、商談の進捗状況を把握しづらくなったり、提案内容が分からなくなったりするなどのトラブルが生じる恐れがあります。それによって、商談相手が不信感を持ち契約が不成立となる可能性は否定できません。

顧客情報を整理できるCRMツールなどを導入し、部門間で情報を共有できる体制を整えておきましょう。

ツールや社外サービスを利用する

商談を成功させるために、営業活動を支援するツールや社外サービスを利用するのもおすすめです。

商談の進捗状況や成約数などの数値を把握できるため、問題点の掘り起こしと改善策の実施が容易になります。

ツールや社外サービスには以下のような種類があります。

ツールやサービスの種類特徴
CRMツール顧客データを一元管理できることにより顧客との良好な関係を維持できる
SFAツール商談管理や営業報告の管理などにより営業活動を可視化できる
MAツール見込み顧客と適切なコミュニケーションを図ることにより見込み顧客の育成ができる
テレアポ代行サービスアポイント獲得を代行できるため営業担当者は商談に集中できる
営業コンサルサービス戦略やマーケティングを支援し、仕組みや組織づくりの支援が受けられる
決裁者マッチングサービス決裁権を持つ経営者などの決裁者とマッチングできる

それぞれ特徴が異なるため、自社のウィークポイントを明確にし、課題解決につながるツールやサービスを選びましょう。

効率よく商談相手を探すならチラCEOがおすすめ

チラCEOは、決裁者同士をつなぐビジネスマッチングのプラットフォームです。決裁権のある経営者層とマッチングできるため、意思決定のスピードを早められます。

BtoB営業においてアポイントをテレアポで獲得している企業が多くありますが、手間と時間がかかり角度が低いケースも少なくありません。また、BtoB営業では、意思決定までに複数部門が関わるため、商談が長期化することがほとんどです。

チラCEOを利用すると、テレアポや商談準備に関わるコストを削減でき効率的に商談を行えます。

商談におけるよくある質問

ここでは、商談におけるよくある質問を紹介します。

  • 商談と打合せとの違いとは?
  • 商談の時間はどのくらい?
  • 適切なクロージングのタイミングは?

Q.商談と打合せとの違いとは?

A.商談と打合せは目的が異なります。商談では、顧客に商材の購入や契約を決断してもらうことにより、契約の締結を目指します。一方の打合せは、進捗の確認やすり合わせ、締結後の細かい条件の確認を含むフォローなどが目的です。

Q.商談の時間はどのくらい?

A.1回の商談は2時間を目安に切り上げるとよいでしょう。それ以上長くなると集中力がなくなり、商談相手の自社商品に対する理解が深まらない可能性があります。一度の商談で提案やヒアリングが終わらなければ、複数回にわけて商談を行うようにしましょう。

Q.適切なクロージングのタイミングは?

A.商談相手が商材に興味を示していることがわかった段階で、クロージングに進みましょう。導入後の流れや契約後のサポート体制などについて質問されるタイミングが適切です。購買意欲がわからない段階でクロージングにかかると、失注する可能性があるため注意が必要です。

どうしても相手の興味を引けなければ、コミュニケーションを継続し、再度商談を実施しましょう。

まとめ:成約につなげるには商談の流れや進め方を理解することが大切

営業活動には、リード獲得、アポイント獲得、商談、アフターフォローといったプロセスがあります。それぞれにおける役割や進め方を理解することにより、総合的な営業力を高められます。成約率を上げるためには、この記事で解説した内容を把握しましょう。

  • 商談は挨拶とヒアリング、提案、クロージングのパートに分かれる
  • 商談では相手の課題を聞き出し、自社製品がどう解決できるかを伝えることが主な目的である
  • 事前に相手の企業について調査し、ロールプレイングなどを行って準備する

また、成績が伸び悩み営業活動の効率化を図りたい場合や新しい視点を取り入れたい場合は、営業支援ツールの導入や社外サービスの利用の検討をおすすめします。

決裁者同士のマッチングサービスである「チラCEO」は、決裁者とマッチングできるため、意思決定までのスピードが早まり効率的な商談が可能になります。また、さまざまな知識や経験が豊富な人材と出会えるため、組織強化など自社の課題について相談もできます。商談を効率的に行いたい、商談における課題を相談したいという場合は、お問い合わせください。

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