最終更新日: 2026.02.19
アライアンス契約書の雛形と書き方|必須条項と作成時の注意点を解説 

他社との業務提携を進めたいが、アライアンス契約書をどう作ればよいかわからないと悩む方は少なくありません。 本記事ではアライアンス契約書の雛形をベースに、盛り込むべき必須条項や作成時の注意点、印紙税の扱いまで網羅的に解説します。

アライアンス契約書とは?基本を正しく理解しよう

アライアンス契約書とは、複数の企業が互いの経営資源を活用し、共同で事業を進めるために締結する契約書です。 業務提携契約書とも呼ばれ、販売網の共有や技術の共同開発、生産体制の相互活用など幅広い協業の土台となります。

アライアンス(業務提携)の3つの類型

アライアンスは提携内容によって大きく3つの類型に分けられます。 自社がどの類型に該当するかを把握することが、適切な契約書作成の第一歩です。

1つ目は販売提携です。 一方の企業が持つ商品やサービスを、もう一方の企業の販売チャネルを活用して販売する形態です。 代理店契約、販売店契約、フランチャイズ契約のほか、顧客リストの共有による共同営業なども販売提携に含まれます。

2つ目は技術提携です。 知的財産やノウハウなどの技術資源を共有し、共同で研究開発を行う形態です。 新商品の共同開発や特許のクロスライセンスなどがこれに該当します。

3つ目は生産提携です。 資材の調達や生産設備の共用、OEM生産の委託など、生産能力を相互に活用する形態です。 製造コストの削減や生産キャパシティの確保を目的とする場合に利用されます。

業務委託契約書・基本合意書(MOU)との違い

アライアンス契約書と混同されやすい文書に業務委託契約書と基本合意書があります。 それぞれの違いを正確に理解しておきましょう。

業務委託契約書は、一方の企業が他方に特定の業務を委託し、対価を支払う契約です。 委託者と受託者の関係が明確で、上下関係が存在します。 一方、アライアンス契約書は対等なパートナーとして互いの強みを出し合う関係であり、上下関係はありません。

基本合意書(MOU)は、正式な契約を締結する前段階で、提携の大枠を確認するための文書です。 法的拘束力が限定的な場合が多く、最終的にはアライアンス契約書で具体的な条件を定めて正式に合意します。

アライアンス契約のメリットとデメリット

アライアンス契約の最大のメリットは、自社にない経営資源を補完し、単独では実現できない事業展開が可能になることです。 M&Aと異なり資本の統合を伴わないため、比較的低リスクで迅速に提携を開始できます。 また、互いの独立性を保ちながら協業できるため、提携がうまくいかない場合でも解消しやすい点も利点です。

一方、デメリットとしては経営資源のコントロールが難しくなること、自社のノウハウや技術が流出するリスクがあること、方針の不一致が生じた場合に意思決定が遅れる可能性があることが挙げられます。 これらのリスクを軽減するために、契約書で詳細な取り決めを行うことが不可欠です。

アライアンス契約書の雛形と基本構成

ここではアライアンス契約書の基本的な構成を紹介します。 雛形をベースに自社の提携内容に合わせてカスタマイズしてご活用ください。

雛形の全体構成

アライアンス契約書の雛形は以下の構成で作成するのが一般的です。

前文では、甲(自社)と乙(提携先)が業務提携を行うにあたり契約を締結する旨を宣言します。 その後、第1条から順に各条項を定めていきます。

主要な条項の流れは、目的→業務内容・役割分担→費用負担・収益分配→知的財産権の帰属→秘密保持→競業避止→契約期間→解除→損害賠償→反社会的勢力の排除→協議事項→管轄裁判所の順です。

提携の規模や内容に応じて条項を追加・削除しますが、少なくとも上記の項目はすべて盛り込むことをおすすめします。 各条項の詳細な書き方は次章で解説します。

雛形を使う際の基本ルール

雛形はあくまで一般的なテンプレートであり、そのまま使用するだけでは自社の提携に最適な契約書にはなりません。 提携の内容、業界の商慣習、双方の力関係などに応じた修正が必要です。

特に業務提携契約はトラブルが生じやすい契約類型であるため、重要な提携では弁護士に作成やチェックを依頼することを強く推奨します。 雛形は自社でドラフトを作成する際のベースとして活用し、最終的な内容は法務担当者や顧問弁護士と確認するのが安全です。

また、提携先から契約書のドラフトが提示された場合は、自社に不利な条項がないかを必ずチェックしましょう。 相手が作成したドラフトには相手側に有利な条件が入っているのが通常であり、そのまま受け入れるのは避けるべきです。

アライアンス契約書に盛り込むべき10の必須条項

契約書の完成度はビジネスのリスクに直結します。 以下の10条項は必ず盛り込み、各条項の趣旨を理解したうえで自社の提携に合った内容に仕上げましょう。

第1条|目的

契約書の冒頭に置かれる「目的条項」は、提携の方向性を示す重要な条項です。 甲と乙が何のために業務提携を行うのか、協力して達成したい目標は何かを明確に記載します。

目的条項そのものに直接的な法的効果はありませんが、他の条項の解釈に疑義が生じた際の判断指針として機能します。 また、双方の意気込みや方向性を確認し合う意味でも、曖昧な表現を避けて具体的に記述しましょう。

第2条|業務内容と役割分担

提携する業務の内容と範囲を具体的に定め、各企業がどの業務を担当するかを明記します。 企画、開発、運営、販売、営業、広告宣伝などのビジネスプロセスを分解し、誰が何を担当するかを表に整理すると漏れがなくなります。

業務内容を明確にすることは、すなわち責任の所在を明らかにすることです。 トラブル発生時に「どちらの責任か」で揉めることを防ぐため、できるだけ詳細に記載しましょう。 契約書本文に収まりきらない場合は、別紙として業務分担表を添付する方法もあります。

第3条|費用負担と収益分配

提携に関連する費用の負担割合と、提携から生まれる収益の分配方法を定めます。 初期投資の負担割合、ランニングコストの分担、売上の分配比率、支払い方法と支払い時期を具体的に記載しましょう。

費用負担と収益分配は提携解消時のトラブルの最大の原因となる条項です。 想定されるコスト項目を洗い出し、それぞれの負担者を明確にしてください。 また、事業の進捗に応じて費用負担や分配比率を見直す仕組みを盛り込んでおくと柔軟な運用が可能になります。

第4条|知的財産権の帰属

共同開発で生まれた成果物や知的財産権の帰属を明確に定めます。 提携中に生じた発明、著作物、ノウハウなどの権利が甲乙どちらに帰属するか、共有の場合はその持分比率をどうするかを規定します。

知的財産権の取り決めが曖昧なまま提携を進めると、提携解消後に権利の帰属をめぐって深刻な紛争に発展するリスクがあります。 特に技術提携では最も重要な条項の一つであるため、慎重に検討しましょう。

第5条|秘密保持義務

業務提携に伴って相手方から開示された技術上、営業上の秘密について、第三者への開示や目的外使用を禁止する条項です。 秘密情報の定義、秘密保持義務の範囲、義務の例外事項、義務の存続期間を明記します。

秘密保持は契約終了後も一定期間継続させるのが一般的です。 提携の規模が大きい場合や開示される情報の機密性が高い場合は、アライアンス契約書とは別にNDA(秘密保持契約書)を締結することも多く行われています。

第6条|競業避止義務

提携期間中および提携終了後の一定期間、相手方と競合する事業を行うことを制限する条項です。 自社のノウハウや顧客情報が提携先を通じて競合に流出するリスクを防ぐために設けます。

ただし、競業避止の範囲が広すぎると独占禁止法に抵触する可能性があるため、制限する事業分野、地域、期間を合理的な範囲に設定する必要があります。 提携先との力関係によっては交渉が難航する条項でもあるため、事前に自社として譲れないラインを明確にしておきましょう。

第7条|契約期間と更新

契約の有効期間、更新の方法、自動更新の有無を定めます。 一般的には1年間の契約とし、双方の異議がなければ自動更新する形式が多く採用されています。

契約期間の設定は印紙税にも影響するため、期間と更新条件を慎重に設計する必要があります。 3ヶ月以内の契約で更新の定めがない場合は、印紙税の課税対象外となるケースもあります。

第8条|契約解除

どのような場合に契約を解除できるかを定めます。 契約違反、支払い遅延、信用不安、反社会的勢力との関係判明など、解除事由を具体的に列挙しましょう。

解除条項には、催告解除(相当期間を定めて是正を求め、改善されない場合に解除)と無催告解除(催告なしに即時解除)の2種類があります。 重大な契約違反については無催告解除を認める規定を設けておくのが一般的です。 解除時の精算方法や残存条項(秘密保持義務など解除後も効力を維持する条項)も忘れずに記載してください。

第9条|損害賠償

一方の契約違反によって相手方に損害が生じた場合の賠償責任を定めます。 損害賠償の範囲(直接損害のみか、逸失利益を含むか)、賠償額の上限の有無、請求期間を明記します。

提携の規模が大きいほど損害額も大きくなるため、自社の立場に応じた損害賠償条項を設計することが重要です。 賠償額に上限を設ける場合は契約金額や年間取引額を基準にするケースが多く見られます。

第10条|管轄裁判所と一般条項

紛争が発生した場合の管轄裁判所を定めます。 自社の本社所在地を管轄する裁判所を指定するのが一般的ですが、提携先との交渉で決まることも多い条項です。

その他の一般条項として、反社会的勢力の排除条項、権利義務の譲渡禁止、協議条項(契約書に定めのない事項は誠実に協議する旨)を盛り込みます。 支配権の変更条項(一方の企業がM&Aされた場合の取り扱い)を追加するケースも増えています。

提携類型別のアライアンス契約書のポイント

アライアンスの類型によって契約書で重視すべき条項は異なります。 自社の提携類型に合わせて条項の優先度を調整しましょう。

販売提携の契約書で重視すべき条項

販売提携では販売条件と収益分配の取り決めが最も重要です。 販売地域や販売対象の制限、最低販売数量の設定、販売価格の決定権の所在、手数料やマージンの計算方法を詳細に定めましょう。

また、相手先の販売チャネルを活用する場合、自社ブランドの管理に関する条項も必要です。 ブランドイメージを損なう販売方法を禁止する条項や、販売実績の報告義務を設けることで品質管理を担保できます。 独占販売権の付与については、独占禁止法との関係も考慮して慎重に判断してください。

技術提携の契約書で重視すべき条項

技術提携では知的財産権の帰属と秘密保持が最も重要な条項です。 共同開発の成果物の権利を共有するのか、それぞれの貢献度に応じて分割するのかを事前に明確にしておかなければ、提携解消後に深刻な紛争になります。

特許出願の方針(共同出願か単独出願か)、ライセンスの範囲、改良発明の取り扱いについても定めておきましょう。 また、開示する技術情報の範囲を明確にし、提携の目的外での使用を禁止する条項を厳格に設けることが技術流出の防止につながります。

生産提携の契約書で重視すべき条項

生産提携では品質管理と納入条件が最も重要です。 生産する製品の品質基準、検査方法、不良品の取り扱い、納入数量と納期、在庫リスクの分担を具体的に定めましょう。

OEM生産の場合は、製造物責任(PL法)に基づく責任分担も明確にしておく必要があります。 製品に欠陥があった場合にどちらが責任を負うのか、リコール費用の負担をどうするかを事前に取り決めることで、重大なトラブルを回避できます。

アライアンス契約書と印紙税の基礎知識

契約書に貼付する収入印紙の金額は契約内容によって異なります。 アライアンス契約書における印紙税の考え方を押さえておきましょう。

印紙税が課税されるケースと金額

アライアンス契約書(業務提携契約書)は、印紙税法上の「継続的取引の基本となる契約書」(第7号文書)に該当する場合があり、その場合は1通あたり4,000円の収入印紙が必要です。

具体的には、営業者間で売買や請負に関する取引条件を定める契約書、売買の業務を継続して委託する契約書、代理店契約のように業務の範囲や対価の支払い方法を定める契約書などが該当します。

ただし、契約期間が3ヶ月以内で更新の定めがないものは課税対象外です。 自社の契約書がどの課税文書に該当するかの判断は専門的な知識が必要なため、税理士や弁護士に確認することをおすすめします。

電子契約を活用した印紙税の節約

電子契約で締結する場合、印紙税は課税されません。 印紙税法が課税対象とするのは「文書」であり、電子データは文書に該当しないと解釈されているためです。

アライアンス契約書は提携先との間で2通作成するのが通常のため、書面契約では双方で合計8,000円の印紙税がかかります。 電子契約を導入すればこの費用をゼロにできるうえ、締結のスピードアップや保管コストの削減にもつながります。

アライアンス契約書を作成する際の5つの注意点

契約書の条項を整えるだけでなく、作成プロセス全体で注意すべきポイントがあります。 以下の5点を押さえて、トラブルを未然に防ぎましょう。

提携の目的と期待値を事前にすり合わせる

契約書の作成に入る前に、双方の目的と期待する成果を徹底的にすり合わせることが最重要ステップです。 「提携で何を実現したいのか」「成功の基準は何か」について認識のズレがある状態で契約書を作成すると、後から条項の解釈をめぐって対立が生じます。

経営層レベルでの方向性の合意、実務担当者レベルでの業務フローの確認、数値目標の共有の3つを契約締結前に完了させておくことで、契約書の内容もより具体的かつ実効性のあるものになります。

自社に不利な条項がないか徹底チェックする

提携先からドラフトが提示された場合は、自社に不利な条項が含まれていないかを入念に確認しましょう。 特に注意すべきは、収益分配の比率、知的財産権の帰属、競業避止の範囲、損害賠償の上限、解除条件の5項目です。

契約交渉では自社の利益を主張しつつも、提携先との長期的な信頼関係を損ねないバランス感覚が求められます。 譲れる条項と譲れない条項を事前に整理し、優先順位をつけて交渉に臨むことが効果的です。

秘密保持と知的財産の保護を厳格に定める

アライアンスでは互いの技術や営業情報を開示する機会が増えるため、情報漏洩のリスクが高まります。 秘密保持条項の設計が甘いと、自社の競争優位の源泉であるノウハウが提携先を通じて外部に流出する危険があります。

秘密情報の定義を明確にし、アクセスできる人員の範囲を限定すること、情報の返還・廃棄義務を定めること、違反時のペナルティを規定することの3点を徹底しましょう。

契約解消時の取り決めを事前に定めておく

提携がうまくいかなかった場合の出口戦略を契約段階で定めておくことは非常に重要です。 解除事由、解除通知の方法と猶予期間、解除後の精算方法、在庫や仕掛品の取り扱い、顧客の引き継ぎ方法などを具体的に規定しておきましょう。

提携開始時は双方の関係が良好なため「解消の話は縁起が悪い」と敬遠されがちですが、関係が良好なうちにこそ冷静な取り決めができます。 出口戦略が明確であれば、万が一の際にも円満に提携を解消できます。

締結後の定期的な見直しを仕組み化する

ビジネス環境は常に変化するため、契約締結時の前提条件がそのまま維持されるとは限りません。 半年に1回や年に1回のタイミングで契約内容を見直す定期レビューの仕組みを契約書に盛り込んでおきましょう。

見直しの対象となる主な項目は、業務範囲の拡大・縮小、収益分配比率の調整、費用負担の見直し、KPIの達成状況評価です。 定期的なコミュニケーションを通じて課題を早期に発見し、必要に応じて契約を改定することで、長期的に実りあるアライアンス関係を維持できます。

まとめ

アライアンス契約書は、企業間の業務提携を円滑に進め、トラブルを未然に防ぐための重要な文書です。 販売提携、技術提携、生産提携の類型に応じて重視すべき条項は異なりますが、目的、業務内容・役割分担、費用負担・収益分配、知的財産権の帰属、秘密保持、競業避止、契約期間、解除、損害賠償、管轄裁判所の10条項は必ず盛り込みましょう。

雛形やテンプレートは作成効率を高める有効なツールですが、そのまま使用するのではなく自社の提携内容に合わせたカスタマイズが不可欠です。 特に知的財産権の帰属や収益分配、契約解消時の精算方法は紛争の原因になりやすいため、入念に検討してください。

契約書の内容が提携の成否を左右するといっても過言ではありません。 重要なアライアンス契約については弁護士に作成やチェックを依頼し、双方にとって公平かつ実効性のある契約書を作成することをおすすめします。共有

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