最終更新日: 2024.11.11

営業実績が低迷している原因がわからない、または原因がわかっていても解決策が見つからない、といった悩みをお持ちの企業担当者も少なくないでしょう。営業戦略や営業手法、人材育成など、さまざまな企業の課題を解決するには、営業顧問の導入がおすすめです。

しかし、営業顧問が担う実際の業務内容などといった詳細については、あまり知られていないのではないでしょうか。そこでこの記事では、営業顧問の概要や導入することで得られるメリット、契約形態、料金体系など、具体的な内容を解説します。

自社の営業課題を解決し営業実績を伸ばしたい、より効率的な営業活動を行いたいという企業担当者は、ぜひ参考にしてください。

営業顧問とは

営業顧問とは、企業の営業活動を支える役職を指します。自身の経験や知識、人脈を活かし、企業のために営業実績を全体的に向上させることを目的とした業務を行います。顧客の獲得や成約率の向上につなげるため営業顧問がおこなう業務は、主に以下の3つです。

  • 販路開拓
  • 営業戦略の策定
  • 営業担当者の指導・補佐

自社での営業活動に限界を感じている企業も、営業顧問を活用することにより新規顧客の獲得や営業担当者の育成、自社ノウハウの蓄積ができます。

相談役との違い

営業顧問と類似した役職に相談役があります。両者の違いは業務範囲です。営業顧問は名前の通り、営業分野に関して専門的にサポートする一方、相談役は営業分野だけに限らず企業経営に関して包括したサポートをおこないます。

営業分野以外にも幅広い知識が必要なため、社長や会長が退任した後に相談役として就任するケースが多く見られます。

営業代行との違い

営業代行とは、依頼した企業の営業担当者の代わりに営業活動をおこなうサービスです。営業活動をサポートするという点では営業顧問と同じですが、営業手法が異なります。

営業代行は、通常の営業活動を代行します。具体的にはテレアポやメール、問い合わせフォーム営業などの基本的な営業手法を代行し、商談アポイントの獲得を目指します。代行会社によっては成約まで担当することもあります。

一方、内部顧問は、社内の元管理職や役員経験者から選出される。培ってきた豊富な経験や知識だけでなく独自の人脈を駆使するため、営業代行と比較すると報酬相場も高い傾向があります。

内部顧問と外部顧問

営業顧問は内部顧問と外部顧問の大きく2種類に分けられます。内部顧問は、社内の元管理職や役員経験者から選出されるため企業の特徴や内情を十分理解できており、就任した後すぐに的確な指導や助言が行えます。経験や知識、人脈など、企業の営業に必要な要素を兼ね備えていることに加えて、内情への理解があるため、内部顧問を採用する企業は多いです。

外部顧問は、知識や経験、実績を持つプロを外部から顧問として雇うことを指します。自社にない営業ノウハウや販路、独自の人脈を持った外部顧問を導入することにより、新規顧客の獲得や販路拡大、営業ノウハウの蓄積ができます。

また、外部の目を入れることにより、閉鎖的な組織で起こりがちなパワハラや不正などの重大な問題を防ぐ効果も期待されています。外部顧問には、コンサルタントや弁護士、外部企業の元役員などが選出されることが多いです。

営業顧問を活用する3つのメリット

営業顧問の活用によって得られるメリットは次の通りです。

  1. 確度の高い商談アポイント獲得をできる
  2. 営業ノウハウを蓄積できる
  3. 費用対効果が高い

それぞれについて解説します。

確度の高い商談アポイントを獲得できる

営業顧問を導入することによって、確度の高い商談アポイントを獲得できます。企業との信頼関係や人脈により、決裁者に直接アプローチできるためです。

決裁者との商談は成約率が高いうえ、担当者やその上司に承認を得るプロセスが省略されるので、効率的な営業活動ができます。また、営業顧問の人脈を活かせばアプローチできる企業が増え、販路の拡大にもつながるでしょう。

テレアポや訪問営業、メール営業など、通常の営業をおこなった場合、決裁者とのアポイントを獲得するのは容易ではありません。アポイントが獲得できたとしても、商談相手は決裁権のない担当者であることが多く、成約に至るのは困難です。担当者との商談で魅力的な提案をおこなったとしても、決裁者に内容がうまく伝わらないケースもあります。

営業ノウハウを蓄積できる

営業顧問を務めるのは、豊富な経験や知識、営業ノウハウを持つ営業のプロです。営業顧問から営業担当者に経験や知識を共有することにより、自社にも営業ノウハウが蓄積できます。また、第三者として自社の営業戦略や営業手法を客観視してもらい、課題を見つけて改善できます。

たとえば、これまで中小企業が主な営業先であった営業担当者は、大企業の決裁者との商談に慣れておらず、商談から成約に至るプロセスを把握できていない場合があります。しかし、営業顧問に指導・補佐してもらうことにより、大企業との商談がスムーズに進行できるようになるでしょう。営業顧問は豊富な経験により、状況に応じた柔軟な営業方法や現状の課題を考慮し、企業および営業担当者をサポートします。

自社だけで営業活動をおこなう場合、知識やノウハウが属人化しやすく、担当者が持つ情報を部署内で把握していないといった課題があります。営業顧問を活用すれば、新たな知識やノウハウが得られることに加えて、営業活動の現場を可視化し分析できます。

費用対効果が高い

企業にとって、即戦力の人材である営業顧問は費用対効果が高いと言えます。自社で新規雇用した営業担当者が1人前になるまでには時間や費用がかかり、なおかつ人手が足りない状態であれば、教育も十分に実施できない可能性があります。

営業顧問を活用すれば、育成に手間や時間のかからない即戦力となる人材とすぐに契約できます。また、営業顧問にノウハウを共有してもらうことにより、自社で雇用している営業担当者の営業スキルも向上します。

営業顧問を活用する注意点

営業顧問を活用する際は前項で解説したメリットだけでなく、以下の注意点も把握することが重要です。

  • 選定が難しい
  • 内情を理解しにくい

それぞれについて解説します。

選定が難しい

自社に合う営業顧問を見つけるのはそう簡単ではありません。例え実績のある営業顧問でも、その経験や知識が自社のサービスに適しているかはわからないためです。ニッチなサービスを取り扱っている企業であれば、なおさらです。

営業顧問とはいえ、企業の特徴や内情を完璧に理解しているわけではありません。そのため、営業顧問を依頼する際には企業と顧問の間でミスマッチがないように、自社のサービス内容や課題などを明確にして、要望を伝えることが重要です。具体的な方法については、後の項目で解説します。

内情の把握が難しい

外部顧問を活用する場合、新しい販路の開拓などが期待できる反面、自社や紹介企業の内情を完璧に把握することが難しいという課題があります。

顧問とはいえどあくまで第三者で、企業の体質など、細部まで理解するには時間がかかります。顧問と契約したから紹介先企業と必ずしも取引が開始できる訳ではないということを理解しておきましょう。

営業顧問の契約形態

営業顧問の契約形態は、内部顧問、外部顧問にかかわらず委任契約を交わすのが一般的です。委任契約は、特定の業務を遂行する対価として報酬を支払います。営業顧問の業務の範囲は、専門家として企業の営業課題の解決や営業成績の向上などを目的にサポートするため、成果物の完成などは請け負わないことが多いです。

外部顧問は期間を決めて委任契約を交わすことが一般的です。契約期間に関しては、課題をピンポイントで解決するためにスポットで契約するか、期間を定めて長期契約を交わすかを決めます。内部顧問の場合も雇用契約ではなく委任契約を結ぶことが一般的ですが、他の役職と兼任したり、正社員として雇用契約を交したりする場合もあります。

営業顧問の報酬体系

営業顧問と委任契約を交わす場合、報酬体系は固定報酬型と成果報酬型、2つを合わせたハイブリッド型の3種類に分けられるのが通例です。この項目では、それぞれについての報酬相場も含めて解説します。

固定報酬型

固定報酬型は営業顧問と企業で、契約時に合意した報酬額を毎月支払う仕組みです。目標の売上やアポイント獲得数を高く設定している場合に向いています。

報酬相場はそれぞれの営業顧問のスキルや能力、労働量などによって異なるため、契約時にはすり合わせが必要です。また、成果に関わらず報酬を支払うため、依頼相手は慎重に選ぶ必要があります。

成果報酬型

成果報酬型は、具体的な営業成果によって報酬を支払う仕組みです。商談アポイント獲得件数や成約数、売上などに応じて報酬額を定めます。

成果が上がらなければ報酬額を支払う必要がなく、短期で集中して成果を上げたい場合に用いることが多いです。たとえば、決算までに目標の売上を達成したい場合などには成果報酬型で契約するとよいでしょう。ただし、成果が予想よりも上がった場合、高額な支払いが発生するため注意が必要です。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、固定報酬に加え、成果が発生した場合にその分の報酬をプラスで支払う仕組みです。成果が数値として現れづらい営業戦略の策定や営業担当者の指導・補佐に加え、商談アポイントの獲得などの数値化しやすい業務を重ねて依頼する場合に向いています。

報酬相場は営業顧問に依頼する業務内容や労働量、それぞれの能力によって異なるため、契約時に相談します。

紹介した3種類の報酬体系以外にも、稼働時間の上限を設定し、超えた部分を実費精算する時間契約などもあります。業種や取り扱うサービスによって、最適な報酬形態を選択しましょう。

営業顧問に依頼する方法

営業顧問に依頼する方法は、個人への直接依頼と顧問サービスの利用の2種類があります。この項目では、それぞれについて解説します。

個人への直接依頼

企業関係者や知人などを通じて、個人に直接依頼します。直接契約できるため仲介手数料が発生せず、契約内容も柔軟に対応してもらえます。また、依頼相手の知識やスキルを考慮し、自社のニーズに合うか判断できる利点があります。

ただし、自社に最適な人材を探すのに手間や労力が伴う懸念点があります。また、報酬面でトラブルが発生することも少なくないため、契約時には業務内容を明確にした状態で委任契約を結ぶ必要があります。

顧問サービスの利用

顧問サービスとは、顧問を探す企業と顧問とをマッチングするサービスです。仲介手数料はかかりますが、条件に合う顧問を容易に探せる機能があったり、知識が豊富な仲介会社が適した顧問をおすすめしてくれたりするため、人材を探す手間や労力を省けます。

また、仲介業者が間に入ることにより、企業と顧客間での契約に関する認識の相違が起きないよう公平な契約が交わせます。

顧問サービスによっては、自社で直接営業顧問を選択できず仲介会社が選定した人材を紹介される制度もあるため、仲介業者にしっかりと要望が伝わっていなければミスマッチが起こるリスクがあります。自社の特徴や取扱い商材などについて事前にしっかり伝えて、適した顧問を紹介してもらえるようにしましょう。

おすすめの顧問サービス3選

この項目ではおすすめの顧問サービス3選を紹介します。

  1. 顧問バンク
  2. マイナビ顧問
  3. i-common(アイコモン)

顧問バンク

顧問バンクは、8,000人を超える人材の中から自社の課題に合わせて営業顧問を自由に選択できるサービスです。自社の課題を提示しての公募や提案のあった専門家からの選択、登録顧問のプロフィールを検索し、直接アプローチもできます。

スポット契約や成果報酬型契約も相談次第で可能なうえ、仲介手数料がかからないため、コストを抑えながら最適な営業顧問を見つけられます。

顧問バンク

マイナビ顧問

マイナビ顧問には元大手上場企業役員や取締役、海外事業責任者など、多種多様な顧問が在籍しているサービスです。営業戦略や営業教育、組織体制、商品企画などに関してのサポートをおこないます。

企業の経営課題をヒアリングし、予算や期間、目標などを設定後、営業顧問とマッチングします。そのため、企業の課題を考慮して顧問を紹介できることが強みです。また、専門分野の異なる複数の顧問でチームを組成することもできます。

マイナビ顧問

i-common(アイコモン)

i-common(アイコモン)は、人材教育に関する課題を持つ企業を「人材開発支援サービス」によりサポートします。「人材開発支援サービス」は、人材育成・研修講師のプロが企業の営業担当者に対しておこなう研修プログラムです。現場で培った知識や経験、ノウハウを駆使した実務型の研修により、営業担当者の成長を促します。

研修後は受講者や組織が持続的に成長できるよう、講師を顧問として継続活用できます。自社の営業担当者を教育することに重きを置いている場合に、おすすめのサービスです。

i-common

営業顧問を活用し企業の課題を解決しよう

ここまで、営業顧問について解説しました。営業顧問とは、自身の経験やノウハウを活かし、企業の課題解決や営業実績の向上を目的とする役職です。営業顧問を活用すれば、確度の高い商談アポイントの獲得や営業ノウハウの蓄積ができます。

営業担当者を一人前になるまで教育することに比べると、営業顧問を導入する費用対効果は高いですが、選定が難しく探すのに手間もかかります。依頼する際には、報酬面などのトラブルに対処できるよう、成果基準を定めた契約書を交わすことが重要です。営業顧問に依頼するためには、個人へ直接依頼するか顧問サービスを利用しましょう。

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