監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
商談メモを取ろうとしても、話を聞くことに精一杯で断片的な記録のまま終わりがちです。
何をどう書き残すか決まっていないと、次の一手を考える段階で情報が足りなくなります。

商談メモの取り方を基礎から解説します。相手ごとの情報整理やタスクのチェックリスト管理、キーワードとポイントを押さえるコツ、BANTCや5W1Hを使ったテンプレートの作り方、ツール別の長所と短所まで紹介します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
商談メモを取ろうとしても、話を聞くことに精一杯で断片的な記録のまま終わりがちです。
何をどう書き残すか決まっていないと、次の一手を考える段階で情報が足りなくなります。

商談や営業活動では、相手から得た情報を正確に記録し、それを元に適切な対応を行うことが求められます。
ここでは、成約率の向上につながるメモの取り方を紹介します。
打ち合わせの際に頻繁に同じ質問を繰り返したり、以前決まった内容を忘れたりすることは、顧客からの信頼を失う原因となります。
これを避けるため、商談前にメモを見直し、情報を再確認することが有効です。
後から見返せるよう、商談相手ごとに打ち合わせの内容を詳細に記録します。
これにより、必要な過去の商談情報を手軽に見返せます。
忘れないようにするために、次回の打ち合わせまでに必要なタスクはチェックリストで管理します。
打ち合わせ当日にタスクが終わっていなければ、顧客からの信頼を失うことになるからです。
タスクをチェックリストで管理することにより、タスクのやり忘れ防止につながります。
チェックリストは毎日確認し、終わったタスクからチェックしましょう。
取ったメモは、商談が終わった後にデジタル化しましょう。
スマートフォンやタブレット、パソコンなどのデジタルデバイスを活用すれば、効率的に情報を整理・共有できます。
メモ帳やノートで情報をまとめると、情報を見つけるのに時間がかかります。
特に打ち合わせ中に情報がすぐ出てこないと、商談相手に不快感や仕事ができない印象を与え、失注につながる可能性があります。
デジタル端末の検索機能を活用して、必要な情報をすぐに引き出せるようにしておきましょう。
また、Google Driveなどのクラウドを利用すれば、情報の紛失リスクも減らせます。
商談でメモを取る際のコツを5つ解説します。
メモを効率的に取るためには、事前にメモのテンプレートを作っておくことが重要です。
商談で話す予定のテーマや項目をリスト化し、それぞれに対する具体的な情報や感想を追記していきます。
商談前にテンプレートを作っておくと、思考を中断して何をメモすべきか考える時間を減らせたり、情報が整理しやすくなったりするなどのメリットがあります。
メモ取りは、会話のキーワードとポイントを意識することが重要です。
顧客の会話をすべてメモしようとすると、相手の会話のスピードに手が追いつかず、会話に集中できません。
キーワードやポイントを意識することにより、要点を押さえたメモを取れます。
キーワードは固有名詞や日程など、会話の中で具体的に触れられた要素を指します。
例えば以下のようなキーワードを中心にメモを取ると、見返した際に商談内容を理解しやすくなります。
一方、ポイントとは、会話の流れを理解するための要素です。
全体のストーリー構成を理解しながら、話の要点や主題など会話のキーワードをメモしましょう。
キーワードとポイントを意識して記録することにより、相手の話をより深く理解できます。
メモを取る時は顧客が考え込んだり、沈黙している「話の間」を有効活用しましょう。
会話の最中にメモを書くため思考を巡らせると、相手の会話に集中できなくなります。
会話が止まる間は、商談の流れを整理し、キーワードやポイントを再確認する絶好の機会です。
話の間でメモを整理し、顧客のニーズや関心を再確認することによって、商談における提案の精度を高めることが可能です。
必要があれば、会話が再開した際に確認の質問を行うと、双方の理解を深められます。
BtoB営業での商談において、メモを取っていて一部が聞き取れなかった場合、その旨を正直に伝えることが重要です。
重要なポイントの見落としや誤認識は、後の対応や提案に影響を与える可能性があるためです。
ただし、相手に聞くタイミングや方法は工夫が必要です。
話を何度も中断させると相手に不快感を与える可能性があるので、適切なタイミングを見極めましょう。
メモの中身をわかりやすく色分けすることは、視覚的な整理と理解の促進に役立ちます。
特に、商談の流れが複雑な場合や、複数のテーマが混在する場合、色分けによる視覚的な区分けは、後でメモを見直す際の大きな助けとなります。
例えば、各テーマや要点に異なる色を割り当ててハイライトします。
疑問点、アクション項目、重要な情報など、情報の種類ごとに色を変えて記録してもよいでしょう。

事前に商談メモのテンプレートを作っておくと、商談中は内容を記載することに集中でき効率的です。
以下のポイントを意識して、テンプレートを作りましょう。
商談のメモ作成における重要なコツは、「フレームワークを元にメモを作る」ことです。
フレームワークとは、問題を整理し解決するための枠組みやモデルのことです。
フレームワークを用いてメモを作成することにより、情報を効率的に整理し、視覚的にわかりやすい表現ができます。
商談のメモを書き残すフレームワークには以下のようなものがあります。
| フレームワーク名 | 説明 |
| BANTC | 予算(Budget)、権限(Authority)、必要性(Needs)、時期(Timing)、競合(Competitor)の略で、商談を進める際のクライアントの状況を理解するための枠組み。予算、権限者、ニーズ、購入時期、競合と自社との比較を把握する。 |
| SWOT | 強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の略。企業やプロジェクトの戦略を考える際に使用される。強みや弱みは内部要因、機会や脅威は外部要因として分析。SWOTを利用すると、全体像の把握と、戦略立案のための情報を得られる。 |
| DMUマップ | Decision Making Unitの略で、意思決定構造を可視化するマップ。商談では、顧客組織内での意思決定者の影響力や関係性を理解することが重要となる。このマップによってDMUの構造を把握でき、効果的なアプローチ戦略を立てる手がかりとなる。 |
フレームワークを活用するには、フレームワークの目的と、どのような視点から情報を整理するのかを理解することが必要です。
例えば、BANTCフレームワークでは、顧客の予算、権限、ニーズ、タイミング、競合についての情報を整理します。
商談中、それぞれの項目に合致する情報を追加し、全体像を把握します。
とはいえ、フレームワークはあくまでツールの1つでしかありません。
話の展開に応じて構成を変えるなど、自由に使いこなしましょう。
情報を整理する上で、「5W1H」を意識することは非常に役立ちます。
5W1Hとは、「Who(誰が)」「What(何を)」「Where(どこで)」「When(いつ)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を指します。
5W1Hに基づいてメモを作成すると、商談の内容をわかりやすくまとめられます。
各要素は以下のように使うとよいでしょう。
また、顧客から気になる発言があったときには5W1Hを使った質問をすると、内容をより詳しくまとめられるでしょう。
| 要素 | 例 |
| Who(誰が) | 商談を行った相手の名前、役職、企業名。商談相手の部署や名前など具体的な人物情報。 |
| What(何を) | 商談の主題や議論した課題、要望、提案。具体的な製品やサービス名、プロジェクト名も含む。 |
| Where(どこで) | 商談が行われた場所やオンラインのプラットフォーム。場所の詳細は、後の商談の準備に役立つ。 |
| When(いつ) | 商談が行われた日時。期間や頻度、次回の商談の予定なども含む。 |
| Why(なぜ) | 商談を行った背景や理由、相手の要望や課題の根源。この理解は提案の質の向上に役立つ。 |
| How(どのように) | 商談で議論した解決策や行動計画。具体的な手順、方法、期限なども含む。 |
5W1Hは商談内容の全体像を俯瞰する上で有用です。
後から見返した際、後々の戦略策定や報告書作成、次回の商談準備に役立ちます。
例えばWho(誰が)の項目は、顧客企業内の人間関係の把握につながります。
商談の相手と、会話に出てきた人物の役職を記録すれば、相手の立場や視点を理解しやすくなります。
Whoの情報をもとに提案内容の調整や、次の商談の計画ができます。
メモには以下の内容を記入する欄を用意しておくと、使いやすいテンプレートになります。
商談で合意した項目や決定された事項はメモに残しましょう。
決定事項には、具体的な行動計画、期日、責任者など今後の商談に関わるあらゆる情報が含まれます。
メモを確認すれば、ネクストアクションと期日を知ることができ、商談の進行において混乱や誤解を避けることができます。
商談の経緯を見返すことにより、自社の提案のうち相手に受け入れられた点と、検討・再検討となった点を理解できます。
次の商談での提案内容に反映し、質の良い提案につなげられます。
顧客の悩みや課題をメモに記録し把握すると、自社の商材が彼らのニーズにマッチしているかの確認につながります。
加えて、顧客の課題を知り解決しようとする姿勢が、信頼関係の構築に役立ちます。
つまり、自社の商材を売り込むだけでなく、顧客の立場に立って考え、具体的な解決策を提供できれば、信頼を得やすくなります。
商談において、顧客が特に好反応を示した点も記録します。
顧客の実際のニーズに対して、適切な商品やサービスを提供することにつながるからです。
また、このような顧客の反応をメモに残すことは、相手と良好な関係構築にも有効です。
顧客が何に反応したのかを知ることにより、それにもとづいた話題を提供でき、顧客とのコミュニケーションがスムーズになります。
次回の打ち合わせに関する情報をメモに書き留めることは、商談の管理を効率化するために重要です。
メモには、次回の打ち合わせの日時、場所、参加者、主な議題などを記録します。
これにより、打ち合わせをスムーズに進め、忘れ物や遅刻を防止できます。
また、準備すべき資料や、確認事項、タスクもメモしましょう。
これらの情報は、次回の打ち合わせに向けて必要な行動を明確にし、タスクの進行状況の管理に役立ちます。
前述したような点を意識した商談メモのテンプレートを紹介します。
必要な項目を追加したり、不要な部分は削除したり、使いやすいようにアレンジして活用しましょう。
| 【企業名】: 【商談日時】:【商談場所】:【商談相手名】:【役職】: 予算(Budget):権限(Authority):必要性(Needs):時期(Timing):競合(Competitor): 意思決定者:影響力:関係性: 【商談の経緯】話し合った内容の概要:受け入れられた提案:再検討が必要だった提案: 【顧客の悩み】顧客の主な課題や悩み:それらに対する提案や解決策: 【その他】決定事項と詳細:好反応を示した提案や議論のポイント: 【次回商談予定】 |

どのツールを使用してメモを取るかも、さまざまな選択肢があります。
それぞれのツールの特徴を紹介しますので、参考にしてください。
メモ帳は相手にきちんとした印象を与えます。
仕事に対する前向きな姿勢を示し、年長者の前でも失礼になりません。
加えて、フォーマットを気にせず自由に書ける点もメモ帳のメリットと言えるでしょう。
記号や図形、イラストなど文字以外も使用できます。
一方、メモ帳はデジタルデータではないため、共有しにくい点がデメリットです。
情報を共有したり、保存したりする際には別途デジタル化する手間が発生します。
また、メモ帳は紙であるため、物理的に紛失する可能性があります。
メモ帳で取ったメモは、後でドキュメントとして保存することが重要です。
スマートフォンやタブレットは、アプリを利用して手軽にメモを取れる点がメリットです。
また、画面のフリック、外付けキーボードによるタイピング、音声の3種類の入力方法が選択できます。
さらに、クラウドの利用により、情報の共有や他のデバイスからのアクセスがスムーズです。
加えて、パソコンと比べて外出時に気軽に確認できる点もメリットです。
一方、電池切れが起こる点がデメリットです。
電池が切れた状態でメモ帳もパソコンも持っていないとメモを取れません。
また、商談中にスマートフォンを触ることをマナー違反と感じる担当者もいるため、事前に確認しましょう。
パソコンでメモを取ると、後から情報整理がしやすいのがメリットです。
メモを管理するフォルダを整理したり、グラフや画像を挿入したりと多様な作業ができる点も便利です。
さまざまなツールやクラウドソフトと連携すれば、情報の検索性も高まります。
メモは、効率的に成約につなげられるツールの1つです。
チーム内でメモの情報を共有すれば、受注までの戦略立案に活かせます。
商談でのメモ取りが習慣化していない企業は、ぜひ取り入れてみましょう。
今回の記事で紹介した内容は以下の通りです。
ただ、商談を工夫する前にアポイント獲得に苦戦している担当者の方もいるでしょう。
そのような方には、オンリーストーリーが提供する「チラCEO」がおすすめです。
決裁者限定でアポイントを獲得できるため質の高いマッチングが実現できます。
また、人員が足りない、他の作業に労力を使いたい等の理由で、案件獲得が難しい場合、営業代行を利用するとよいでしょう。
アポイントを獲得できない、決裁者となかなかつながれないという悩みをお持ちの方は、ぜひ「チラCEO」をお試しください。
(本文執筆・編集:オンリーストーリー編集部)
弊社の直近3年で約10億円、btobの投資をしてきました。また、弊社自体が営業代行会社として、多くの会社様の案件を受けてきました。その中で、再現性のある営業手法がないという話や、1社だけで満足できる営業支援の会社はなかなか見つからないという声を多く聞いています。本記事や、10億円のまとめを記載したホワイトペーパーを用意していますので、少しでも皆様の営業の一助になりましたら幸いです。
(コメント:代表平野)
A. 必ず取るべきとは限りません。
メモを取ること自体がコミュニケーションの妨げになる場合があるからです。
相手が感情を込めて話している最中にメモを取り始めると、会話の流れを遮ったり、注意が足りないと感じさせたりすることがあります。
顧客の様子を観察して判断しましょう。
A. 事前にテンプレートを作る、キーワードとポイントを意識する、話の間でメモを取る、聞き取れなかったときは正直に聞く、わかりやすく色分けするという5つのコツがあります。
会話をすべて書き取ろうとすると相手のスピードに手が追いつかず、会話に集中できなくなるため注意しましょう。
A. フレームワークを使う、5W1Hを使う、記録したい項目を事前に書き出すという3つのポイントを意識します。
フレームワークにはBANTC、SWOT、DMUマップなどがあり、5W1Hと組み合わせると商談内容をわかりやすくまとめられます。
記入欄には決定事項や顧客の悩みなどを用意しておきましょう。
A. 決定事項、商談の経緯、顧客の悩み、顧客の好反応だったポイント、次回の打ち合わせの詳細の5つを記入する欄を用意しておくと使いやすくなります。
決定事項には具体的な行動計画や期日、責任者を含め、次回の打ち合わせについては日時・場所・参加者・主な議題を記録します。
A. 不適切だと考える人もいるため、あらかじめメモを取ることを伝えておきましょう。
相手の話が大事だから記録したい、商談後に社内で共有したいなど意図を伝えると、マイナスの印象を払しょくできます。
相手が話している最中の操作は避け、話が一区切りついたタイミングを選ぶことも大切です。
A.メモは相手が話していない時にとりましょう。
相手が話している間メモを取り続けていると失礼にあたります。
会話の間は相手に視線を向け、相手の話が終わったタイミングでメモをまとめます。
重要な内容であれば「大変勉強になる内容でしたので、メモに残していいでしょうか」と断りを入れてもいいでしょう。
また、商談の前にテンプレートを作っておけば、手短にメモを取れ、商談後の情報整理の手間が省けます。
会話中は可能な範囲でメモを取り、最後に相手の話でわからない点があれば積極的に質問し、聞き取れなかったポイントを解決したり、情報を深掘りしたりしましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。