監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
地域の経営者とつながる方法として商工会議所の交流会を検討しつつも、「どんな交流会があるのか」「参加して商談につながるのか」と迷う方は少なくありません。
この記事では、商工会議所の交流会の種類やメリット・注意点、探し方と成果を出すコツ、決裁者との商談を効率よく増やす方法まで解説します。
商工会議所の交流会とは
商工会議所の交流会とは、商工会議所が主催または運営に関わる、会員企業や地域の事業者同士の交流の場です。
名刺交換を中心とした異業種交流会から、業種ごとの部会活動、若手経営者の集まりまで、さまざまな形があります。
まずは、商工会議所という団体の特徴と、交流会の基本的な位置づけを押さえておきましょう。
商工会議所の役割と会員企業
商工会議所は、商工会議所法にもとづいて設立された地域の総合経済団体です。
主に市の区域ごとに設置されており、全国に500を超える商工会議所があります。
地域の商工業の発展を目的に、経営相談、セミナー、検定試験、政策提言、会員同士の交流促進などを行っています。
会員には、地元の中小企業や個人事業主から、地域に拠点を持つ大企業まで幅広い事業者が加入しています。
交流会は、こうした会員同士が互いを知り、取引や協力関係を生むきっかけとして開かれています。
商工会議所と商工会の違い
商工会議所とよく似た団体に「商工会」があります。
商工会は商工会法にもとづく団体で、主に町村の区域で小規模事業者の支援を中心に活動しています。
一方の商工会議所は、主に市の区域で、規模や業種を問わず幅広い事業者を対象にしています。
どちらも交流会や経営支援を行っていますが、自社の所在地によって加入先が異なる点に注意が必要です。
非会員でも参加できる交流会はあるのか
商工会議所の交流会の多くは、会員向けに開かれています。
ただし、商工会議所によっては、非会員でも参加できる交流会やセミナーを用意している場合があります。
非会員の場合は参加費が会員より高めに設定されていることもあるため、事前に案内を確認しておくと安心です。
入会を検討している段階なら、まず非会員でも参加できる催しに出て、雰囲気を確かめる方法もあります。
商工会議所で開かれる主な交流会の種類
商工会議所の交流会と一口にいっても、目的や参加者によっていくつかの種類があります。
自社の目的に合った場を選ぶために、代表的な交流会の形を知っておきましょう。
異業種交流会・名刺交換会
最も参加しやすいのが、業種を問わず会員が集まる異業種交流会や名刺交換会です。
立食形式やテーブルを回る形式で、短時間に多くの参加者と名刺交換ができます。
自社を知ってもらうきっかけづくりや、地域でのつながりを広げたい場合に向いています。
部会・委員会での活動
商工会議所には、業種別の部会や、テーマ別の委員会が設けられていることが多くあります。
部会では同じ業界の経営者と定期的に顔を合わせるため、業界の情報交換や関係づくりがしやすくなります。
継続して参加することで、単発の交流会よりも深い信頼関係を築きやすい点が特徴です。
青年部・女性会
多くの商工会議所には、若手経営者や後継者が集まる青年部や、女性経営者が集まる女性会があります。
年齢や立場の近い経営者同士で交流できるため、悩みを共有したり、事業のヒントを得たりしやすい場です。
入会できる年齢の上限などは商工会議所ごとに異なるため、地元の規約を確認しておきましょう。
商談会・ビジネスマッチング
商工会議所によっては、発注側と受注側を引き合わせる商談会やビジネスマッチングの場を設けています。
事前に希望する取引先の条件を伝え、個別に面談できる形式もあります。
名刺交換よりも具体的な取引の話につながりやすいため、新規の販路を探している企業に向いています。
賀詞交歓会などの年次行事
年始の賀詞交歓会や、周年記念の式典なども、会員同士が顔を合わせる大切な機会です。
地域の有力企業の経営者や行政関係者が参加することも多く、地域での人脈を広げるきっかけになります。
商工会議所の交流会に参加するメリット
商工会議所の交流会には、民間の交流会とは異なる良さがあります。
ここでは、参加することで得られる主なメリットを紹介します。
地域の経営者と信頼関係を築ける
商工会議所の交流会には、地元で長く事業を続けている経営者が多く参加しています。
同じ地域で事業をする者同士として、顔の見える関係を築きやすい点は大きな魅力です。
地域密着型の商材やサービスを扱う企業にとっては、紹介や口コミにつながる可能性もあります。
公的な団体ならではの安心感がある
商工会議所は法律にもとづく公的な団体であり、主催する交流会にも一定の安心感があります。
強引な勧誘や、目的の分からない集まりに巻き込まれるリスクが比較的低いと考えられます。
初めて交流会に参加する方でも、落ち着いて参加しやすい環境といえるでしょう。
セミナーや支援制度の情報も得られる
商工会議所では、交流会以外にも経営セミナーや補助金の説明会、経営相談などを行っています。
交流会をきっかけに職員や他の会員と話すことで、自社に役立つ支援制度の情報を得られることもあります。
人脈づくりと情報収集を同時に進められる点は、商工会議所ならではのメリットです。
費用を抑えて参加しやすい
商工会議所の交流会は、会員であれば無料や低額で参加できるものが多くあります。
年会費は地域や会員区分によって異なりますが、民間の会員制コミュニティと比べると負担を抑えやすい傾向があります。
まずは少ない費用で交流の機会を持ちたい企業にとって、始めやすい選択肢です。
商工会議所の交流会のデメリット・注意点
メリットがある一方で、商工会議所の交流会には注意しておきたい点もあります。
参加してから後悔しないよう、事前に把握しておきましょう。
参加者の業種や規模が自社と合うとは限らない
商工会議所の交流会には、さまざまな業種や規模の事業者が参加します。
幅広い出会いがある反面、自社の商材を必要とする相手に出会えるかどうかは運に左右されやすくなります。
特に、特定の業界や一定規模以上の企業を狙っている場合は、効率が上がりにくいことがあります。
すぐに商談につながりにくい
商工会議所の交流会は、地域の親睦や情報交換を目的としたものが多くあります。
その場で売り込みをすると敬遠されやすく、商談化までに時間がかかるのが一般的です。
短期間で売上につなげたい場合は、交流会だけに頼らない方法も検討する必要があります。
出会いが地域に限られる
商工会議所は地域ごとに運営されているため、出会える相手は基本的にその地域の事業者です。
全国の企業や、首都圏の成長企業と取引したい場合には、商工会議所だけでは接点が足りないこともあります。
継続参加には時間がかかる
部会や青年部などで関係を深めるには、定期的な会合や行事への参加が求められます。
役職を任されることもあり、本業が忙しい経営者にとっては時間の負担が大きくなる場合があります。
参加する前に、どの程度の頻度で関わるのかを確認しておきましょう。
商工会議所の交流会の探し方と参加方法
商工会議所の交流会に参加するには、まず自社の所在地を管轄する商工会議所を調べることから始めます。
ここでは、交流会の情報を見つける具体的な方法を紹介します。
地元の商工会議所のWebサイトで探す
多くの商工会議所は、Webサイトにイベントやセミナーの一覧を掲載しています。
「交流会」「異業種交流」「名刺交換会」などのキーワードで、開催予定を確認してみましょう。
参加条件や参加費、申し込み方法もあわせて掲載されていることが一般的です。
会報やメールマガジンを確認する
会員になると、会報誌やメールマガジンで交流会の案内が届くことが多くあります。
Webサイトには載らない部会や委員会の催しも、会員向けの案内で知ることができます。
入会前に見学や体験参加を相談する
入会を迷っている場合は、商工会議所の窓口に問い合わせて、見学や体験参加ができるか相談してみましょう。
実際の参加者の業種や雰囲気を確かめてから入会を決めれば、ミスマッチを防ぎやすくなります。
商工会議所の交流会で成果を出すコツ
交流会は、参加するだけで成果が出るものではありません。
ここでは、商工会議所の交流会を商談や協業につなげるためのコツを紹介します。
参加する目的と会いたい相手を決めておく
参加前に「地域の取引先を増やしたい」「協業できる企業を探したい」など、目的をはっきりさせておきましょう。
あわせて、どんな業種や立場の人と話したいのかを決めておくと、限られた時間を有効に使えます。
30秒で伝わる自己紹介を用意する
交流会では、一人と話せる時間が短いことがほとんどです。
「誰の、どんな課題を、どう解決しているのか」を30秒ほどで伝えられるよう準備しておきましょう。
相手が自分の知人を思い浮かべやすい伝え方をすると、紹介にもつながりやすくなります。
売り込みより相手の話を聞く
交流会の場でいきなり商品を売り込むと、警戒されてしまうことがあります。
まずは相手の事業や困りごとに関心を持ち、話を聞くことを意識しましょう。
相手の課題を理解したうえで役立つ提案をすれば、自然と次の面談につながりやすくなります。
交流会後は早めにフォローする
交流会で名刺交換をしただけでは、相手の記憶にはなかなか残りません。
当日中から2日以内を目安に、お礼の連絡とあわせて、話した内容に触れたメッセージを送りましょう。
次回の面談日程を具体的に提案すると、関係を一歩進めやすくなります。
継続して参加し顔を覚えてもらう
商工会議所の交流会では、何度も顔を合わせることで信頼が生まれやすくなります。
一度で成果を判断せず、一定期間は継続して参加してみることが大切です。
商工会議所の交流会とほかの出会いの場の違い
経営者と出会う方法は、商工会議所の交流会だけではありません。
民間の異業種交流会は、参加のハードルが低く多くの人と出会える一方で、参加者の質にばらつきが出やすい傾向があります。
会員制の経営者コミュニティは、深い関係を築きやすい反面、年会費や参加頻度の負担が大きくなることがあります。
オンラインの交流会は、地域を問わず参加できる手軽さがありますが、関係を深めるには工夫が必要です。
商工会議所の交流会は、地域でのつながりや安心感を重視する場合に適した場といえます。
一方で、特定のターゲットの決裁者と効率よく商談したい場合は、目的に合った別の手段を組み合わせるのが効果的です。
決裁者との商談を増やしたいなら決裁者マッチングがおすすめ
商工会議所の交流会は、地域の人脈づくりには役立ちますが、狙った決裁者と確実に出会えるとは限りません。
「商談につながる出会いを増やしたい」「自社のターゲットに合う経営者と話したい」という場合は、決裁者マッチングの活用がおすすめです。
決裁者マッチングとは
決裁者マッチングとは、経営者や役員など、意思決定の権限を持つ人同士をつなぐサービスです。
担当者を経由せずに決裁者と直接話せるため、商談の検討スピードが上がりやすい特徴があります。
自社の業種や商材、会いたい相手の条件をもとに紹介を受けられるため、交流会のように偶然の出会いに頼る必要がありません。
商工会議所の交流会との使い分け
商工会議所の交流会は、地域の経営者と長く付き合える関係を築く場として活用するのが向いています。
一方、決裁者マッチングは、地域を越えてターゲットに合う決裁者と効率よく商談の機会を作る手段として役立ちます。
両方を組み合わせれば、地域での信頼づくりと、新規の商談機会の確保を同時に進められます。
オンリーストーリーの決裁者マッチング
オンリーストーリーは、決裁者同士が出会える審査制の決裁者マッチングプラットフォームを運営しています。
登録には審査があるため、決裁権を持つ経営者や役員と出会いやすい環境が整っています。
専任の担当者が自社の事業や課題を丁寧にヒアリングし、相性の良い決裁者を紹介するため、商談の質を高めやすい点も特徴です。
全国の経営者とオンラインでもつながれるため、地域の交流会だけでは出会えない企業との接点づくりにも役立ちます。
商工会議所の交流会で成果が出にくいと感じている方は、決裁者マッチングもあわせて検討してみてください。
まとめ
商工会議所の交流会は、地域の経営者と信頼関係を築ける、公的な団体ならではの安心できる出会いの場です。
異業種交流会や部会、青年部、商談会など種類が多く、目的に合わせて選べる点も魅力です。
一方で、参加者の業種や規模が自社と合うとは限らず、商談につながるまでに時間がかかる点には注意が必要です。
交流会で成果を出すには、目的を決めて参加し、相手の話を聞き、早めにフォローすることが大切です。
狙った決裁者と効率よく商談の機会を作りたい場合は、決裁者マッチングを組み合わせるのがおすすめです。
地域でのつながりと、決裁者との新しい出会いの両方を活用して、自社の営業活動を前に進めていきましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



