監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
大手企業向けの営業は、決裁者の特定もリード獲得も難易度が高い領域です。
代行サービスのメリットと注意点、選び方のポイントをまとめました。

自社だけでエンタープライズセールスを行う難しさを整理し、代行サービスを利用するメリットとデメリットを解説します。実績や対応エリアなど選定時の4つのポイントと、おすすめの代行会社も紹介します。
エンタープライズセールス代行サービスを利用することは、自社だけで解決できない課題の解決につながります。
自社でエンタープライズセールスを行う際、課題となる点は主に以下の2つです。
それぞれ詳しく解説します。
大手企業は、決裁者が誰なのか判断しにくい傾向があります。
決裁者とは、商品やサービスの購入を決定する権利を持つ人のことです。
中小企業であれば社長が決裁者である場合が多く、アプローチしやすいでしょう。
しかし、大手企業の場合は役員や担当部署の部長などが決裁者になっているケースもあります。
そのため、どの部署の誰にアプローチすべきなのか慎重に判断する必要があります。
一般的に、大手企業の見込み客(リード)を獲得するのは難しいとされています。
なぜなら、大手企業は日本にある企業全体の約0.3%、数にして約11,000社と言われており、リード数が少なく接点を持つことすら難しいからです。
また、大手企業と一度契約すると安定的な売上が見込めることから、競合他社も常にアプローチをしており、競争率が高い傾向があります。
さらに、大手企業は社員数が多いため、既に導入したサービスを変更することによる社内への影響が大きく、一度購入したら簡単に解約できません。
そのため、商品やサービスを導入するときは慎重に見極める必要があり、リードタイムが長い傾向にあります。
つまり、大手企業への営業は担当者の時間的な負担が大きいと言えます。

エンタープライズセールス代行サービスを利用するメリットは、主に以下の3つです。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
エンタープライズセールス代行サービスを活用すれば、効率よく営業できます。
自社内で営業担当者を育成しようとした場合、どうしても時間やコストがかかってしまいます。
また、昨今は少子化の影響で若い人材を確保するのが難しい企業も多いでしょう。
しかし、エンタープライズセールス代行サービスを利用すれば、人材やノウハウが不足している企業であってもすぐにアプローチを開始できます。
エンタープライズセールス代行サービスを活用すると、営業のプロに大手企業へアプローチしてもらえます。
代行会社には、営業に関する知識や経験を豊富に持ったプロが集まっています。
今まで培ってきた営業スキルを元に、大手企業との関係性を築き、効果的な提案を行ってもらえる点が代行サービスを利用するメリットといえるでしょう。
エンタープライズセールス代行サービスを活用すると、代行サービスが持つノウハウや人脈を使って大手企業にアプローチできます。
代行サービスに所属する営業担当者は、今までの経験から豊富な人脈を持っている可能性が高いです。
そのため、自社の営業担当者では参入できない業界へも挑戦できます。
また、決裁者に直接アプローチできる場合もあり、商談をスムーズに進められます。
新規開拓の可能性も広がるため、大手企業とのつながりがなく成約はハードルが高いと感じている企業におすすめです。
エンタープライズセールス代行サービスを利用するデメリットは、主に以下の2つです。
それぞれのデメリットについて解説します。
エンタープライズセールス代行サービスを利用する際には、情報漏洩に注意すべきです。
代行サービスを利用する際に守秘義務についての取り決めがあるものの、情報が漏洩するリスクはゼロにはなりません。
また、自社の商材の特徴や機能などのさまざまな情報を共有することになります。
そのため、代行サービスを選ぶときは、どのように情報を取り扱っているかも確認しておくことが重要です。
エンタープライズセールス代行サービスを活用すると、自社の営業力が落ちる可能性があります。
代行サービスを導入する目的は、短期的に外部の手を借りながら営業スキルを構築することです。
契約期間が終わった後は、自社内にいるメンバーで営業業務を行わなければいけません。
しかし、長期的に利用をすると、自社だけで営業をこなすスキルが落ちる恐れがあります。
、代行サービスから得た営業に関するノウハウを自社に蓄積し、社内のモチベーションを維持していくことにより、営業力を向上させましょう。

エンタープライズセールス代行サービスを選ぶときのポイントは、主に以下の4つです。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
エンタープライズセールス代行サービスを選ぶときは、 実績のある代行サービスであるかどうかをチェックしましょう。
代行サービスのホームページを確認したり、 営業担当者に直接実績を問合せたりするとよいです。
他にも、過去に取引をした企業の口コミをチェックすることによって、どのような成果が見込めるか予測できます。
自社の商品やサービスに類似した商材を扱う企業をサポートした実績があれば、より安心して依頼できるでしょう。
対応できるエリアや業務の範囲は代行サービスによって異なります。
そのため、ターゲットの企業が対応エリアに含まれているかも確認しておかなければいけません。
エリアについては、代行サービスが地域特性を理解しているかどうかで営業成績にも影響が出るため、あらかじめ確認することが重要です。
サービスも同様に得意不得意によって成果に影響が出るため、事前に確認しておくことによって失敗を防げます。
エンタープライズセールス代行サービスを選ぶときは、自社の抱える課題を解決してくれるかどうかをチェックしておきましょう。
「課題を解決するためにはどうするか」という解決策を提示してくれる代行サービスを選ぶと、自社の成長につながります。
一方、解決策を提示しないサービスを選ぶと、一時的に成果を上げられても、長期的によい結果を得ることは難しいでしょう。
そのため、 代行サービスを選ぶときは複数社と面談し、自社の課題解決に向けた納得感のある提案をしてくれる会社を選ぶことが重要です。
エンタープライズセールス代行サービスを選ぶときは、料金形態や価格が適正かもチェックしておきましょう。
代行サービスの多くは、成果に応じて報酬が決まる成果報酬型、もしくは毎月一定の報酬が発生する固定報酬型です。
料金形態によって毎月支払う報酬が変わるため、予算に合う価格のサービスを選びます。
成果報酬型は、予想以上によい結果が得られた場合、支払報酬額も高くなるため予算との兼ね合いが大切です。
また、固定報酬型の場合は、成果に関わらず報酬を支払う必要がある点に注意しましょう。
ここからは、おすすめのエンタープライズセールス代行サービスを紹介します。

ギグセールスは、BtoB・SaaSの新規開拓を得意とする代行サービス『DORIRU(ドリル)』を提供しています。
新規開拓のための施策の策定、アウトバウンド型のインサイドセールス、結果の分析と改善策の策定というプロセスで今まで接点のなかった企業への営業を行います。
プッシュ型施策にて潜在層へのリサーチを図っているため、新規開拓していきたい企業をターゲットにピンポイントでアプローチできるでしょう。
ギグセールス-DORIRU(ドリル)

株式会社コンフィデンスは、1998年に創業した営業代行業界のパイオニアです。
単なる営業の代行ではなく、体系化した独自のノウハウによって多くの実績を積み上げてきました。
テレアポやメールの代行など様々な業務に対応しているのが強みです。
また、営業戦略の立案も支援しているため、効率よく営業を行うノウハウを自社に蓄積できます。
取引実績は900社を超えており、安心して依頼できる点もポイントです。
なお、最近では営業の効率化を図るための売れる仕組みづくりへの支援にも注力しています。

株式会社カタセルは、手紙の活用に強い営業代行会社です。
ターゲットごとに手紙の内容をカスタマイズしているため、商談獲得率は高い水準を誇っています。
また、大手企業では決裁者を特定するのが難しいとされていますが、株式会社カタセルではリサーチ部隊がキーマンを特定した上で決裁者との商談を実現します。
そのため、手紙営業に力を入れたい企業におすすめです。

株式会社エグゼメディカルは、病院やクリニックに特化した営業代行会社です。
卓越した営業戦略によって高いアポ獲得率を記録しており、医療業界に参入したい企業におすすめの代行サービスです。
提供しているサービスはテレアポ代行やマーケティングリサーチ、コンテンツ制作など多岐に渡るため、解決したい悩みに合わせて依頼できます。
また、営業のコンサルティングも行っているため、自社にノウハウを蓄積して営業力をアップさせるのにも役立ちます。

株式会社セレブリックスは「誰もが売れる」を実現する営業代行会社です。
1,200社を超える営業実績を活かして「売れる営業」の仕組み化を支援します。
リードの獲得から受注まで幅広く支援してくれるため、営業力に不安がある企業でも安心です。
インサイドセールスやインバウンド対応など、幅広い業務をサポートしているのも強みです。
「オンライン商談にうまく対応できない」「認知獲得に苦戦している」といった様々な悩みを解決できます。

株式会社ウィルオブ・ワークは、人材派遣・紹介予定派遣事業、コンサルティング業などさまざまな事業を展開している企業です。
なかでも、BtoBに特化した営業代行サービス『セイヤク』は2,800社を超える実績を持っています。
人材会社ならではのメソッドを活かして、最適な人材を大手企業への営業にアサインできるのが強みです。
インサイドセールスやテレアポ、カスタマーサクセスなど、様々な業務の代行に対応している点も魅力です。
また、営業担当者の研修も行うため、営業ノウハウを蓄積したい企業にも役立ちます。

株式会社インバウンドテックは、営業代行とコンタクトセンターを柱にサービスを提供している企業です。
ビジネスの初動である企画・提案からプロジェクトの実行まで幅広く支援します。
単純な代行業務を行うのではなく、自社が抱える悩みを詳しくヒアリングし、最適な解決方法を提案してくれるため、自社では気づかなった課題までカバーしてもらえる可能性があります。
通信や金融などの専門知識が必要な営業にも対応できるのも魅力です。
また、コールセンター業務の代行に実績があるため、テレアポに力を入れたい企業におすすめです。
エンタープライズセールス代行サービスを活用することにより、営業のプロから大手企業へアプローチしてもらえます。
大手企業が相手だと困難である見込み顧客(リード)の獲得 も、代行サービスを利用すれば効率的に行えます。
A. 決裁者が誰か判断しにくいことと、母数の少ない大手企業のリード獲得が難しいことです。
そのため、外部の支援を活用したり、決裁者と直接つながれる手段を組み合わせたりする企業も増えています。
A. 効率よく営業でき、営業のプロによるアプローチとノウハウ・人脈の活用が可能になります。
代行を通じて得られた知見を社内で共有すると、自社の営業力の向上にもつながります。
A. 情報漏洩のリスクと、自社の営業力が育たなくなる可能性があります。
秘密保持契約を結び、定期的な振り返りで知見を共有してもらうことでリスクを抑えられます。
A. 実績、希望エリアやサービスへの対応可否、課題解決力、料金形態の4点です。
複数の会社と面談し、提案の内容や報告の方法も比べてから決めましょう。
A. 成果に応じて報酬が決まる成果報酬型と、毎月一定額が発生する形態が中心です。
想定する成果と予算から総額を試算し、自社に合う形態を選びましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。