最終更新日: 2026.10.08
商談の母数を増やす方法|3つのレバーと施策10選

商談件数を増やす方法を、件数が伸びない4つの原因の特定から解説します。リード母数・転換率・営業稼働という3つの改善レバーごとの施策10選と、質を落とさないための注意点も紹介します。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

受注目標から逆算すると商談件数が足りない、という状況は多くの営業組織で起こります。

やみくもに架電数を増やすより、どこが詰まっているのかを構造から特定することが先決です。

この記事の要約

  • 必要な商談件数は受注目標と受注率から逆算でき、件数の不足は数か月後の受注減として表面化します。
  • 伸びない原因はリード母数の不足、転換率の低さ、営業稼働の圧迫、接点の使い捨ての4つです。
  • 商談件数はリード母数と転換率と営業稼働の掛け算で決まるため、ボトルネックを見極めて施策を選びます。

Table of Contents

商談件数がなぜ重要なのか?受注から逆算する考え方

商談件数を増やす施策の前に、まず自社に必要な商談件数を正しく把握しましょう。

必要商談件数は、受注目標から逆算することで明確になります。

たとえば四半期の受注目標が10件で、商談からの受注率が20%であれば、必要な商談件数は50件です。

さらに商談設定率が5%なら、必要なアプローチ数は1,000件と逆算できます。

このように受注目標、受注率、商談件数、アプローチ数をつなげて考えることで、「あとどれだけの商談が、いつまでに必要か」が数値で見えるようになります。

商談件数はパイプラインの先行指標であるため、件数の不足は2〜3カ月後の受注減として必ず表面化します。

だからこそ、受注が落ちてから慌てるのではなく、商談件数の段階で先手を打つことが営業マネジメントの鉄則なのです。

商談件数が増えない4つの原因

商談件数が伸び悩む原因は、大きく4つに分類できます。

自社がどのパターンに当てはまるかを特定することで、打つべき施策の優先順位が決まります。

原因1:アプローチできるリードの母数が足りない

そもそも接触対象となるリードが少なければ、どれだけ営業が頑張っても商談件数には上限があります。

リード獲得チャネルが1つか2つに偏っている企業は、母数不足に陥りやすい傾向があります。

原因2:リードから商談への転換率が低い

リードは十分あるのに商談件数が伸びない場合、アプローチのトークや文面、タイミングに問題があり、転換率がボトルネックになっています。

獲得したリードを放置し、フォローしきれていないケースもこのパターンに含まれます。

代表・平野のnote▼

オンリーストーリー代表の平野は、12年間BtoB営業を見てきたなかで、失注の多くは商品力や営業力ではなく「接点を維持できなかったこと」にあると考えています。

高単価で検討期間の長い商材ほど、予算や時期が合わずにタイミングで失注するケースが多いと指摘しています。

そのうえで、決裁者に「顔が浮かぶ会社」として覚えてもらう関係性資産を貯め続ける会社が長期で勝つと述べています。

今すぐ客だけを追うのではなく、半年後・1年後に思い出してもらえる接点づくりが、受注の取りこぼしを減らします。

代表・平野のnote▶ 「今すぐ客」ではない決裁者を半年後の受注に変える方法を代表が語ったnoteはこちら

原因3:営業の稼働が商談獲得以外に奪われている

資料作成や事務作業、既存顧客対応に時間を取られ、新規の商談獲得活動に使える時間そのものが不足しているパターンです。

営業の活動時間の内訳を計測すると、純粋な新規アプローチ時間が1日1〜2時間しかないことも珍しくありません。

原因4:一度接点を持った相手を使い捨てている

過去の失注先、展示会名刺、資料請求のみで終わった相手など、一度接点を持ったリードを掘り起こさず、常に新規ばかりを追っているパターンです。

接点のある相手は新規よりも商談化しやすいため、ここを放置するのは大きな機会損失です。

商談の母数とは

商談の母数とは、商談に変わる手前にある、働きかけの対象の総数を指します。

リストの件数、問い合わせの件数、名刺交換した相手の数などが母数にあたります。

転換率を上げる取り組みは、母数が小さいままでは効き目が頭打ちになります。

先に母数を増やし、そのあとで転換率を上げる順番にすると、施策の効果が見えやすくなります。

ただし母数だけを増やすと商談の質が下がるため、条件を緩めたかどうかは記録しておきます。

商談件数を増やす3つの改善レバー

商談件数は、「リード母数×商談転換率×営業稼働」という3つの要素の掛け算で決まります。

つまり、商談件数を増やすレバーはこの3つしかありません。

1つめは、アプローチ対象となるリードの母数を増やすことです。

2つめは、リードから商談への転換率を高めることです。

3つめは、商談獲得に使える営業稼働を増やす、あるいは外部の仕組みで補うことです。

重要なのは、自社のボトルネックがどのレバーにあるかを見極めてから施策を選ぶことです。

母数が足りない組織で転換率改善に取り組んでも効果は限定的ですし、逆もまた同様です。

次の章から、レバー別に具体的な施策を紹介します。

【レバー1:母数を増やす】商談件数を増やす施策4選

まずは、アプローチできるリードの母数を増やす施策です。

短期施策と中長期施策を組み合わせることで、安定したリード供給体制を作れます。

施策1:アウトバウンドの対象リストを拡張する

ターゲット条件を再定義し、これまで接触していなかった業種や規模のリストを追加します。

企業データベースサービスを活用すれば、条件に合う企業リストを短期間で拡充できます。

施策2:ウェビナー・セミナーで新規接点を作る

課題解決型のテーマでウェビナーを開催すれば、広告やテレアポでは接触できなかった層のリードを獲得できます。

共催ウェビナーにすれば、パートナー企業の集客リストにもリーチでき、母数拡大の効率が上がります。

施策3:コンテンツと広告でインバウンドを増やす

ホワイトペーパーやオウンドメディア記事、Web広告により、見込み顧客側から接触してくる導線を増やします。

即効性なら広告、資産性ならコンテンツと、時間軸の異なる施策を並行させるのがポイントです。

施策4:紹介・パートナー経由のリードを仕組み化する

既存顧客への紹介依頼や、販売パートナーとの連携をルール化し、偶発的だった紹介リードを継続的な供給源に変えます。

紹介経由のリードは商談転換率も受注率も高いため、母数と質を同時に高められる施策です。

【レバー2:転換率を上げる】商談件数を増やす施策3選

次に、保有リードから商談への転換率を高める施策です。

母数を増やすよりもコストがかからないため、多くの企業でまず着手すべきレバーといえます。

施策5:アプローチの文面・トークを相手起点に改善する

自社紹介から始まる文面を、相手の課題仮説と商談で得られる価値から始まる構成に書き換えます。

架電やメールのタイミングも、資料請求直後や役職者の在席時間帯など、反応率の高い瞬間に寄せましょう。

施策6:休眠リード・失注リードを掘り起こす

過去に接点があったものの商談化しなかったリードに対し、新しい事例や情報を添えて再アプローチします。

失注理由の多くはタイミングの問題であるため、一定期間を置いた掘り起こしは新規開拓よりも高い転換率が期待できます。

施策7:インサイドセールスでリードを育成する

すぐに商談化しないリードにも、メールやコンテンツで継続的に情報提供を行い、検討度が高まった瞬間を捉えて商談を打診します。

リードを「今すぐ客」と「そのうち客」に分類し、そのうち客を切り捨てずに育てる体制が、中長期の商談件数を底上げします。

【レバー3:稼働を増やす・補う】商談件数を増やす施策3選

最後に、商談獲得に使える営業稼働を増やす、または外部の力で補う施策です。

社内リソースに限界がある場合は、このレバーが最も効果的です。

施策8:営業の付帯業務を削減・自動化する

日程調整ツール、SFA/CRMの入力自動化、資料テンプレートの整備により、営業が商談獲得活動に使える時間を捻出します。

1人あたり1日30分の捻出でも、10人の組織なら月間100時間分の商談獲得稼働が生まれます。

施策9:営業代行・アポ獲得代行を活用する

テレアポやフォーム営業といった初期アプローチを外部に委託し、社内の営業は商談以降の工程に集中させます。

短期間で商談件数を積み増したい場合に有効ですが、獲得される商談の質を担保するため、ターゲット条件と商談化基準のすり合わせが不可欠です。

施策10:決裁者マッチングサービスを導入する

決裁者マッチングサービスを使えば、社内の稼働をほとんど使わずに、経営者・役員クラスとの商談を計画的に増やせます。

単に件数が増えるだけでなく、1件あたりの受注期待値が高い商談が増える点が、他の施策との決定的な違いです。

詳しくは後の章で解説します。

短期・中期・長期で考える商談件数の増やし方

10の施策を紹介しましたが、施策ごとに効果が出るまでの時間軸が異なる点にも注意が必要です。

時間軸を無視して施策を選ぶと、「今月の商談が足りないのにSEOを始める」といったミスマッチが起こります。

今月から件数を増やしたい短期の局面では、休眠リードの掘り起こし、アプローチ文面の改善、営業代行や決裁者マッチングといった、既存資源と外部の仕組みを使う施策が適しています。

四半期単位の中期では、ウェビナー開催、リスト拡張、インサイドセールス体制の整備など、商談の供給プロセスそのものを強化する施策が効果を発揮します。

半年から1年の長期では、コンテンツマーケティングや紹介の仕組み化、決裁者との関係性資産の蓄積といった、持続的に商談を生む資産づくりに投資しましょう。

理想は、短期施策で足元の件数を確保しながら、中長期施策を並行して仕込み、時間の経過とともに商談件数のベースラインが自然と上がっていく状態を作ることです。

このとき、短期の件数上積みと長期の関係性資産づくりを1つの施策で兼ねられる決裁者マッチングは、時間軸の観点でも投資効率の高い選択肢といえます。

商談件数を増やすときの注意点:「質」を犠牲にしない

商談件数を増やす取り組みには、ひとつ大きな落とし穴があります。

それは、件数をKPIにするあまり、受注につながらない低質な商談が量産されてしまうことです。

情報収集目的の相手や決裁に関与しない担当者との商談がいくら増えても、受注は増えず、営業の稼働だけが消費されます。

これを防ぐには、商談件数と併せて、商談からの受注率と決裁者商談比率を必ずモニタリングしましょう。

商談件数を増やしながら受注率を維持できているなら、施策は正しく機能しています。

逆に件数増と引き換えに受注率が落ちているなら、リストの質かアプローチ対象の役職に問題があるサインです。

目指すべきは「件数×質」の最大化であり、その両立に最も適した手法が決裁者マッチングです。

商談件数を増やすなら決裁者マッチングがおすすめな理由

決裁者マッチングサービスとは、経営者・役員などの決裁者が多数登録するプラットフォーム上で、条件の合う決裁者との商談を計画的に生み出せるサービスです。

商談件数を増やしたい企業に決裁者マッチングをおすすめする理由を4つ紹介します。

オンリーストーリーの事例▼

ある企業では、主な商談獲得手法だったテレアポが、リモートワークの広がりで「電話をかけてもオフィスに人がいない」状態になっていました。

テレアポでは決裁権を持つ人とつながりにくいことも、以前からの課題でした。

決裁者マッチングでは、決裁者同士がお互いの事業を紹介し合う形で商談が進み、受注につながりやすくなりました。

利用2年目には毎月受注が出るようになり、ROIは8倍に達しています。

導入事例▶ テレアポに代わる商談獲得手法でROI8倍を実現した事例はこちら

理由1:社内稼働を増やさずに商談件数を上積みできる

決裁者マッチングでは、ターゲット条件に合う決裁者の探索からアポイント調整までをプラットフォームや運営がサポートします。

テレアポ部隊を増員することなく商談件数を積み増せるため、リソース不足に悩む企業でもすぐに実行できます。

理由2:1件あたりの受注期待値が高い商談が増える

増える商談の相手が最初から決裁者であるため、稟議での停滞や伝言ゲームがなく、商談からの受注率が高くなります。

「件数は増えたが受注が増えない」という量重視施策の典型的な失敗を避けながら、件数を伸ばせるのが最大の特長です。

理由3:新規リードに依存せず商談を生み出せる

決裁者マッチングは、広告やテレアポのようにリード母数を消費する手法ではなく、プラットフォーム上のつながりから商談が生まれる仕組みです。

リード獲得施策と並行して導入することで、商談の供給源を複線化し、特定チャネル依存のリスクを減らせます。

理由4:商談にならなくても関係性資産として蓄積される

決裁者とのつながりは、すぐに商談化しなくても、情報交換や相互紹介を通じて将来の商談の種になります。

今期の件数を追いながら、来期以降の商談を生む関係性資産も同時に積み上がるため、商談件数の増加が一過性で終わりません。

まとめ:商談件数を増やす鍵は「正しいレバー」と「決裁者接点」

本記事では、商談件数が増えない原因、3つの改善レバー、レバー別の施策10選、そして件数を増やす際の注意点を解説しました。

商談件数は「リード母数×転換率×営業稼働」で決まるため、自社のボトルネックを特定し、該当するレバーに施策を集中させることが最短の改善ルートです。

そして、件数を追う際は必ず質の指標を併せて管理し、「受注につながる商談」を増やすことを見失わないようにしましょう。

決裁者マッチングサービスを活用すれば、社内リソースを増やさずに、受注期待値の高い決裁者商談を計画的に上積みでき、件数と質の両立という最難関の課題を一気に解決できます。

まずは受注目標から必要商談件数を逆算し、その不足分を埋める打ち手のひとつとして、決裁者マッチングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


よくある質問

Q. 必要な商談件数はどう計算しますか?

A. 受注目標から逆算します。

たとえば四半期の受注目標が10件で商談からの受注率が20%なら、必要な商談件数は50件です。

さらに商談設定率が5%であれば、必要なアプローチ数は1,000件と算出できます。

目標から逆算した数字を追いながら、受注率が下がっていないかもあわせて確認すると、件数の増加が成果につながっているか判断できます。

Q. 商談件数が増えない原因は何ですか?

A. アプローチできるリードの母数が足りない、リードから商談への転換率が低い、営業の稼働が商談獲得以外に奪われている、一度接点を持った相手を掘り起こしていないという4つです。

自社がどれに当てはまるかで打つべき施策が変わります。

Q. まず何から着手すべきですか?

A. 母数を増やすよりコストがかからない転換率の改善から着手するのが一般的です。

アプローチの文面を自社紹介ではなく相手の課題仮説から始まる構成に変えたり、休眠リードや失注リードを掘り起こしたりする施策が挙げられます。

Q. 件数を増やすときの注意点はありますか?

A. 件数だけをKPIにすると、受注につながらない低質な商談が量産されてしまいます。

商談件数と併せて、商談からの受注率と決裁者商談比率をモニタリングしましょう。

件数増と引き換えに受注率が落ちているなら、リストの質かアプローチ対象の役職に問題があります。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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