監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
オンラインでの営業は既存顧客には進めやすい一方で、新規顧客との関係づくりは難しくなりがちです。
非対面で見込み客を育てるインサイドセールスの進め方を、手順に沿って確認しましょう。
(参考:コロナ禍に負けない営業力 – 中小企業診断協会https://www.j-smeca.jp/attach/article/article_2021_05_03-05.pdf)

インサイドセールスのやり方を、KPIの設定、業務シナリオの設計、実施と検証の3ステップで解説しています。導入のメリット・デメリット、6つのタイプ、ツールや営業代行の活用方法もまとめました。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
オンラインでの営業は既存顧客には進めやすい一方で、新規顧客との関係づくりは難しくなりがちです。
非対面で見込み客を育てるインサイドセールスの進め方を、手順に沿って確認しましょう。
(参考:コロナ禍に負けない営業力 – 中小企業診断協会https://www.j-smeca.jp/attach/article/article_2021_05_03-05.pdf)

インサイドセールスとは顧客と対面せずに行う営業手法です。
電話やメール、オンライン商談システムなどを利用するため内勤営業とも呼ばれます。
顧客の獲得や育成、クロージング(顧客との成約)などを担い、電話やメールを使って営業活動をするためテレアポと似ていますが目的が異なります。
テレアポは電話を使い、訪問や商談などのアポイント獲得を主な目的とするのに対し、インサイドセールスは電話だけでなくメール、Web会議システムなどを使用して、アポイント獲得以外にもリードナーチャリング(見込み顧客の教育)、クロージングなどを行います。
特に、見込み顧客の育成が重視されるほか、顧客情報の整理やコミュニケーション履歴の記録などの管理業務を担うこともあります。
受注に至るための営業活動を多様な手法でサポートするのがインサイドセールスの役目です。
フィールドセールスとは、顧客の元へ訪問し商品の提案や販売、契約などを行う営業手法で、訪問営業とも呼ばれます。
インサイドセールスが育成した顧客を最後にフィールドセールスが受注につなげることが一般的です。
対面でコミュニケーションを取りながら、相手のニーズを汲んで対応することにより信頼関係を構築しやすいのが利点です。
一方、企業を訪問するための交通費や移動時間が課題となります。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いは以下のようになります。
| インサイドセールス(内勤営業) | フィールドセールス(外勤営業) | |
| 営業手法 | 電話・メール・オンライン商談 | 訪問 |
| 目的 | アポイント獲得・ナーチャリング・クロージング営業 | クロージング営業 |
| 対応顧客数 | 多い | 少ない |
| メリット | 業務効率の向上・コスト削減など | 信頼関係の構築ができる |
| デメリット | 信頼関係の構築・クロージングが難しい | 交通費・時間にコストがかかる |
インサイドセールスを導入すると、4つのメリットが得られます。
メリットを把握し、自社の課題に合うかを見定めてから導入を検討しましょう。
インサイドセールスは、少人数でも効率的な営業活動が可能です。
電話やメール、オンライン商談などを活用した非対面での営業活動により、移動時間がかからないためです。
従来のフィールドセールスでは数多くの人員を投入し、アポイントの獲得を図っていました。
しかし、顧客先への訪問に移動時間がかかり1日の商談件数が限られるうえ、商談化に至る確率が少ない場合があるなど、非効率的な営業活動が課題とされていました。
また、訪問するエリアが限られるため、都心部などに拠点を構えなければ多くの顧客へアプローチできませんでした。
インサイドセールスを導入すればエリアにかかわらず時間を有効活用して、フィールドセールスではアプローチできなかった多くの顧客にコンタクトを取れます。
営業担当者が顧客にどのような対応を行っているかを可視化し、属人化を防止できます。
顧客との接触情報などを記録して、ほかの営業担当者に共有するからです。
具体的には、営業管理ツールなどを使い、提案内容や担当者の情報を部署内で共有することにより、提案内容や営業の進捗状況が把握しやすくなります。
また、優秀な営業担当者の手法も共有できるため、ノウハウを蓄積して自社の営業担当者の教育にもつながります。
インサイドセールスを導入することにより受注率の向上につながります。
顧客育成を目的とするインサイドセールスは、ヒアリングにより顧客の課題を聞き出し、自社サービスの知識、購買意欲を高めたうえでフィールドセールスに引き渡します。
たとえば、メルマガやWebセミナーなどで自社サービスの訴求を行います。
購買意欲が高まり顕在化した顧客の受注率は、通常の顧客よりも受注率が高くなる傾向があります。
インサイドセールスを導入すれば、顧客とのやり取りや接触履歴など、営業活動の履歴管理が正確におこなえます。
顧客関係管理ツールや営業支援ツール、マーケティング支援ツールなどを活用することにより、電話やメール、オンライン商談など、顧客へアプローチした活動履歴や顧客データを記録できるからです。
これにより、マーケティング部門やフィールドセールス部門と連携しやすくなり、顧客へのアプローチ漏れや重複した提案などを防げます。
インサイドセールスの導入によって得られるのはメリットだけではありません。
導入前には次のデメリットを事前に把握し、対策しておきましょう。
それぞれについて解説します。
親交のある既存顧客であれば問題ありませんが、新規顧客との信頼の構築が難しいことがあります。
顧客の元を訪れ、実際にコミュニケーションをとれないことが原因です。
相手の表情や空気感がわかりにくく、思うように会話が進まずにニーズに沿った提案ができないことも少なくありません。
顧客にアプローチする前に詳しく事前調査をして、自社商材についてよりわかりやすく説明できるように資料などを準備しておきます。
顧客管理や営業支援に必要な専門のツールが必要になることもあります。
対象となる顧客の増加により既存のシステムでは対応できない可能性があるためです。
たとえば顧客リストをエクセルなど手入力で管理する場合、顧客数の多い営業担当者がその都度情報を更新するのは難しいこともあります。
効率的に業務を遂行するためには、顧客管理や営業支援のツールを導入しなければならず、結果的にコストがかかるのです。
フィールドセールスやマーケティング部門との連携が上手くとれない場合、情報の共有が難しくなります。
提案の進捗を把握できなかったり、スケジュールを間違えたりする可能性があります。
また、顧客のニーズや温度感が把握できず、訴求力のある提案がしづらくなることもあるでしょう。
インサイドセールスが行う業務範囲を明確に区分して、フィールドセールスやマーケティング部門と密に連携を取るか、ツールを導入して常に互いの情報を把握することが必要です。

インサイドセールスは次の3つの手順で進行していきます。
KPI(Key Performance Indicator)とは、目標に対する達成度合いを測るための指標で、重要業績評価指標とも呼ばれます。
目標となる指標を明確にして、達成までに必要な工程を正確に把握しましょう。
インサイドセールスにおいてのKPIは、主に次のような項目が設定されます。
架電数・通話時間にKPIを定めることにより、営業担当者の行動量や電話対応の品質を測れます。
架電数は多いが通話時間が極端に短い場合、説明する内容や通話対応に改善の余地があります。
電話の解析ツールやAIの解析を用いて架電数・通話時間などを自動で計測したり、通話内容をして評価したりすることで改善につながるでしょう。
メルマガ配信におけるメール開封率をKPIに設定することがあります。
メールの内容が顧客に訴求する内容かを判断するため、開封数ではなく開封率をKPIとするのが一般的です。
メルマガの開封率は内容のほか、件名や送付する日時、ターゲットの状況によって異なるため、ABテストなどを繰り返しながら開封率の高い条件を探ります。
アポイント獲得数は営業活動において重要なKPIです。
最終的な目標である「受注」に至るためのプロセスのため、できるだけ多くのアポイントを獲得する必要があります。
アポイント獲得数を設定し分析することで、インサイドセールスが担う、顧客との信頼関係の度合いを測ります。
アポイント獲得数が伸び悩んでいる場合は、ターゲットの選定や顧客の育成戦略などを新たに見直す必要があります。
受注率・受注数はフィールドセールスの評価基準でもありますが、インサイドセールスでも重要視されます。
受注数・受注率をKPIに設定することにより、受注確度を意識したアポイントの獲得のための活動をするようになるため、顧客へのヒアリングなどコミュニケーション精度の向上につながります。
ヒアリングの精度が上がれば、ニーズの合わない顧客との商談を回避し、確度の高い顧客との商談につながるでしょう。
また商談の際、顧客の購買意欲や状況に合わせた提案を準備できます。
KPIを設定しなければ、各プロセスにおける目標指標が不明確になり、質の高い営業がおこないづらくなるので注意しましょう。
業務シナリオ設計では、インサイドセールスの営業活動の方向性を明確にします。
リードの購買プロセスを想定し、どのタイミングでどのような資料や情報を提供するのかを定めます。
提供する資料や情報には以下のようなものがあります。
シナリオを設計する際、顧客の行動や心理変化を細かく分析すると、精度の高い内容になるでしょう。
リードの反応を伺いながら、これらの資料や情報の中から適切なものを選択します。
たとえば、購買意欲の低い潜在顧客に対しては、お役立ち情報やセミナー情報で訴求します。
一方、購買意欲の高い顕在顧客には、キャンペーンの案内などを送り自社サービスをアピールし受注につなげます。
業務シナリオを設計する際、各プロセスでの期間やフィールドセールスとの連携についても定めておくと運用しやすくなるでしょう。
設定したKPIや業務シナリオに基づき、実施と検証を繰り返します。
運用しながら課題となる点を洗い出したり、KPIや業務シナリオを設定し直したりして体制を見直すことが重要です。
成果につながらない場合、各部門の情報共有が円滑にできていない、個々の業務負担が大きいなど、業務効率が悪くなっている可能性があります。
インサイドセールスで顧客獲得数の向上を実現するには、PDCAを繰り返し課題の改善に努めましょう。
企業はインサイドセールスを営業活動のどこに導入するのか、範囲を明確にする必要があります。
企業体系や取扱商材、課題などを考慮し、各部門との連携がとれるやり方をタイプ別に紹介します。
それぞれのタイプに合う企業の特徴を踏まえて解説します。
リード(見込み顧客)の獲得に特化したインサイドセールスのやり方です。
顧客リストをもとに、電話やメール、広告を用いてリード獲得を目指します。
また、Webセミナーの参加者や資料をダウンロードした企業をリスト化する業務も担当します。
既存の営業方法でリード獲得ができていない、またはマーケティング担当者がいない企業におすすめです。
市場調査や分析による潜在ニーズの把握に特化していますが、既存のテレアポ部門がある場合は、インサイドセールスとの差別化が難しいこともあります。
導入前には役割を明確にしておきましょう。
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客を育成することです。
リードの購買意欲を高めて、商談から受注へつながりやすくします。
獲得したリード全てが、自社商品やサービスに興味があるわけではありません。
そういった潜在層を顕在化することが目的です。
顧客のニーズに応じて段階的なメール配信を配信したり、Webセミナーをおこなったりして接触機会を増やし、購買意欲を高めます。
一定のリード数が確保できてはいるが、商談アポイントの獲得率や受注率が低い場合におすすめです。
リードナーチャリングには時間がかかるため、ある程度の予算を確保しておく必要があり、尚且つ低価格な商材には不向きです。
取扱い商材の価格やニーズを考慮して導入を検討しましょう。
フィールドセールス協業型は、フィールドセールスとインサイドセールスで役割分担をして協力しながら受注率の向上を目指します。
インサイドセールスによって購買意欲が高まったリードに対して、フィールドセールスが商談やヒアリングを実施するのが、一般的な手法です。
見込みの低い顧客はインサイドセールスに戻し、再度ナーチャリングを行うなど、役割を細分化して営業活動を効率化できます。
取り扱う商材が高額な場合や顧客単価アップに悩んでいる場合におすすめです。
ただし、営業プロセスで担当者が変更し顧客が戸惑う可能性があるため、各部門で連携が重要になります。
それぞれが得意分野で力を発揮できるように、業務範囲を定めておくことや情報共有のシステムを構築することが必要です。
顧客分担型は、エリアや企業属性に基づいて担当する企業を区分するため、顧客セグメントとも呼ばれます。
インサイドセールスとフィールドセールスを分担せず、まとめて1人の担当者や1つの部署で業務を遂行します。
小・中規模の企業や営業組織におすすめです。
リード獲得からクロージングまで一貫して行うため、情報共有がしやすく顧客管理が容易におこなえます。
一方で、向き不向きがはっきりしている商材の場合、各営業担当者の能力が問われることもあり受注につながりにくくなる可能性もあります。
個別チーム型は、インサイドセールスとフィールドセールスが1つのチームとなり、リード獲得からクロージングまで請け負います。
顧客対応する際、顧客の企業属性や規模、その時の状況などに応じて柔軟に対応します。
小・中規模の企業が外注に頼らず、自らインサイドセールスを行う場合に適しているでしょう。
情報が共有しやすいうえ、顧客側がプロセスの途中で困惑せずに信頼関係を構築できます。
しかし、チーム内で役割分担を明確にしなければ業務が複雑化し、業務効率の低下やトラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
単独型は、インサイドセールスがアポ獲得から成約まですべてを請け負います。
自社でインサイドセールスを始める場合、業務プロセスや顧客管理、人材教育など、事業や組織構築に時間がかかります。
短期間で成果が出ないことも少なくありません。
インサイドセールスを外注すれば、即戦力の人材によって効率的な営業活動がおこなえるだけでなく、コスト削減が可能です。
ただし、低価格な商材など向いていない場合もあるため、適性を考慮しましょう。

営業ツールやインサイドセールスに特化した営業代行を活用すれば、インサイドセールスを効率的におこなえます。
それぞれの概要や特徴などを踏まえて解説します。
営業ツールは、営業活動に関わる業務プロセスをサポートしてくれます。
顧客リストの管理や、事務処理、商談やプレゼンの資料作成など、さまざまな機能のあるツールが存在します。
各ツールの機能や特徴を把握し自社に最適なツールの導入を検討するため、それぞれの特徴や機能を把握しておきましょう。
MAとは、マーケティングの効率化に役立つツールです。
主に以下のような機能で営業をサポートします。
これらの機能の活用により、メールや広告、キャンペーンなどから取得したリード情報をまとめて管理できます。
これまで把握しきれなかったリードの検討状況や購入意欲を明確にし、業務効率化を図れます。
SFAとは、営業支援ツールです。
案件管理や商談管理、営業プロセス管理、予算・実績管理機能などで、営業活動が効率的に行えるようサポートします。
フィールドセールスとインサイドセールスが区分されている場合など、進捗状況を確認する手間が省け、適切かつスムーズに営業活動が実施できます。
CRMツールとは、顧客管理ツールです。
顧客満足度や信頼度を向上し、各顧客から得る収益(顧客生涯価値)の最大化を目的とします。
主に次のような機能で営業活動をサポートします。
これらの機能により優良顧客をデータ分析して、顧客像を絞り込んだ高確度のマーケティング、休眠顧客の掘り起こし、取引後のフォローを効率的に行います。
営業部門であれば、最新の情報を基にした顧客へのスピーディーなアプローチだけでなく、クレームにもスムーズに対応できます。
営業代行とは、顧客獲得などの営業業務を代わりに行うことです。
インサイドセールスに特化した営業代行会社に依頼すれば、即戦力の人材で効率的な営業活動がおこなえます。
たとえば電話やメール、オンライン商談システム、マーケティング調査、DM作成、コンサルティングなどを行い、営業販路の拡大や売上促進をサポートします。
営業代行会社に依頼すれば、新たな人材の確保や教育にコストや時間をかけずに済みます。また、確度の高いアポイント獲得や受注率の向上につながります。
営業活動の効率化を図りたい、受注率を向上させたいといった場合は、インサイドセールスに特化した営業代行会社がおすすめです。
インサイドセールスが注目されるようになり、近年では、数多くのツールや営業代行会社が存在します。
インサイドセールス導入するにあたり、どのツール、及び営業代行会社を選択していいかわからない方も少なくないでしょう。
そのような悩みがあれば、大手アポ獲りにご相談ください。
大手アポ獲りは、大手企業からのアポイント獲得に特化したサービスです。
電話やメール、Webでのアポ取り方法や決裁者とのアポイント獲得など、インサイドセールスに特化した施策でサポートします。
受注数が伸び悩んでいる、ナーチャリングからの引き上げ方が分からない、営業担当者が足りないなどの悩みがあれば、ぜひご相談ください。
ここまで、インサイドセールスのメリット・デメリット、やり方、成功へ導くポイントなどを解説してきました。
非対面で営業を行うインサイドセールスは、業務効率化やコスト削減、顧客獲得数の向上につながる営業手法です。
信頼関係や情報共有の難しさはありますが、ツールの活用やインサイドセールス導入のやり方を明確にすれば効率的な営業活動ができます。
KPIや業務シナリオを設定し実施と検証を繰り返しおこないましょう。
MAやSFA、CRMツール、インサイドセールスに特化した営業代行会社を活用することで、質の高いインサイドセールスができ、受注率の向上につながります。
A. 架電数・通話時間、メール開封率、アポイント獲得数、受注率・受注数などがあります。
行動量と成果の両方を追えるように、複数の指標を組み合わせて設定します。
指標は定期的に振り返り、事業の状況に合わせて見直しましょう。
A. インサイドセールスは電話やメール、オンライン商談で非対面の営業を行います。
フィールドセールスは顧客を訪問し、提案や契約を対面で行う営業手法です。
両者が顧客情報を共有することで、顧客に一貫した対応ができます。
A. 新規顧客との信頼関係を築きにくいことや、専門のツールが必要になることがあります。
他部門との連携に失敗すると情報共有が難しくなる点にも注意が必要です。
連絡の内容を記録して共有することで、非対面でも信頼関係を築きやすくなります。
A. MAやSFA、CRMなどの営業ツールを活用するほか、インサイドセールスに特化した営業代行会社に依頼する方法があります。
自社のリソースに合わせて選びましょう。
外部に任せる場合も、得られた知見を社内で共有する仕組みを用意しておきましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。