監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
インサイドセールスは、非対面で見込み客との関係を築き商談につなげる役割です。
求められるスキルと成果を上げるコツ、役立つツールをまとめました。

インサイドセールスに求められる4つのスキルと、成果を上げるためのコツを解説します。カスタマージャーニーの把握やBANTCH情報のヒアリング、SPIN話法の活用、役立つデジタルツールも紹介します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
インサイドセールスは、非対面で見込み客との関係を築き商談につなげる役割です。
求められるスキルと成果を上げるコツ、役立つツールをまとめました。

ここでは、インサイドセールスに求められる以下の4つのスキルについて解説します。
インサイドセールスは、商材を売り込むことよりも、ヒアリング能力が求められます。
リード(見込み客)の現状や課題を知り、ニーズを把握できるかどうかが重要なためです。
インサイドセールスが顧客のニーズを掴めないと、その後を引き継ぐフィールドセールスが適切な提案を行えず、長期的な関係性構築が難しくなります。
そのため、インサイドセールスには、潜在的な顧客が抱えている課題を正確に把握できる、高度なヒアリング能力が求められます。
インサイドセールスは、毎日地道な業務をコツコツ繰り返す必要があります。
インサイドセールスは顧客との関係性構築を目的に動くチームです。
フィールドセールスとは異なり、成果がわかりにくいという特徴があります。
人によっては、やりがいを感じづらい場合もあるでしょう。
そのため、インサイドセールスの担当者は、モチベーションを維持し、実行し続ける力が求められます。
インサイドセールスは、リードとの関係性を構築し、フィールドセールスにつなげる役割を担います。
そのため、リードからヒアリングした内容を正しく記録し、フィールドセールスに正しく伝える必要があります。
インサイドセールスは中長期的な関係性の構築を目的にアプローチを行うため、次のアプローチまで期間が空くケースも多くあります。
また、インサイドセールス内で担当者が変わることもあるため、インサイドセールスには正確性が求められます。
売上目標の達成という1つの目標に向けて取り組むためには、組織全体で協力し合うチームワークが重要です。
インサイドセールスは、マーケティングとフィールドセールスの中間の役割を担います。
顧客にアプローチしてから受注につなげるためには、3部門が共通の目標を見据えて協力し合い、各部門がそれぞれのミッションを達成する必要があります。
インサイドセールスは、3部門が共通して掲げる目標にズレが生じていないかを確認し、ズレが生じている場合には、インサイドセールスチームが調整します。
また、インサイドセールスチームは、マーケティングチームから情報を引き継ぎ、フィールドセールスにトスアップするという架け橋のような役割を果たします。
そのため、インサイドセールスチームが中心となって、部門間の目標統一や認識のすり合わせといった調整作業を行い、チームワークを高める必要があります。

ここでは、インサイドセールスで成功するためのコツとして、以下のポイントを解説します。
インサイドセールスがカスタマージャーニーを理解することにより、リードのニーズにあった提案が可能になります。
カスタマージャーニーとは、購買プロセスに基づくリードの行動や思考のことです。
BtoB商材のカスタマージャーニーでは、以下のようなステップを踏みます。
BtoB商材の場合、企業内で予算の承認が必要であり、決裁者の承認を得ることが求められます。
そのため、購入・契約に至るまで長いステップが必要です。
カスタマージャーニーを把握したうえでこのステップを理解するとニーズに適した提案が可能になり、顧客からの信頼獲得と関係性構築につながります。
インサイドセールスでは、事前にトークスクリプトやシナリオを作成すると効果的です。
トークスクリプトを用意することによってセールストークを標準化でき、成果が出る営業担当者のトークの傾向が掴めます。
成果につながるトークの特徴を理解できると、組織全体として商談数や受注数をアップできるようになります。
また、想定される場面に対して切り返しをいくつか用意しておくと、焦らずに対応できます。
さらに、どこで断られたか、どこで電話を切られたかなどをトークスクリプトにメモすれば、トークのどの部分を改善すべきかが明確になり、次に活かせます。
例えば、担当者にアポイントの依頼を断られてしまった場合、商材の魅力を十分にアピールできなかったと考えられます。
そのため、商材の紹介部分を改善する必要があると分かります。
インサイドセールスは電話やメールで営業提案を行いますが、その時の提案書は課題ごとに複数用意しておくと成果に繋がりやすいです。
見込み客の課題や導入検討調査で得たい情報はさまざまですが、どの企業にも、受注につながりやすい提案パターンというものがいくつか存在します。
そのパターンの中から見込み客に共通している課題を類推し、課題ごとの提案書を作成するのが定番の方法です。
もともと、成功パターンから抽出した課題なので成約率が高くなり、同じ課題を抱える見込み客にアプローチする際に使い回しができるため効率的です。
これをインサイドセールスチーム全体で実施することで、指数関数的にナレッジが溜まり、さらに精度が増すという好循環ができあがります。
インサイドセールスでは、顧客や顧客の業界への理解を深めることが重要です。
営業は、基本的には迷惑だと感じられることが多いでしょう。
柔軟性が求められる部分は、マニュアル化しづらく、経験を積まないと上達するのが難しいで、成果に繋がりにくい傾向があります。
顧客や同業他社、業界に関する知識や動向、事例などを調べて説明できるようにすると、他社の営業と差別化でき、話を聞いてもらえる可能性が高まります。
顧客にとって有益な情報を提供できるようにするためには、日頃からターゲットの業界に関する情報を積極的に収集したり、テレアポや過去の面談で聞いた内容をメモしたりすることが効果的です。
電話でアプローチする場合、トークスクリプトも重要ですが、咄嗟の対応や切り返しが求められることも多いです。
そのような柔軟性が求められる部分は、マニュアル化しづらく、経験を積まないと上達するのが難しいでしょう。
ロールプレイング方式で練習することにより、テレアポの全体的な流れを把握できるだけでなく、想定外の質問にも臨機応変に対応できるようになります。
また、客観的な視点から自分では気づかない課題が明らかになり、実践に活かせます。
リードに効果的にアプローチし、商談のセッティング率や受注数などの成果を上げるためには、KGIだけでなくKPIを設定し、行動を適宜見直せるようにすることが大切です。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。
最終的な目標を達成するために必要な指標のことであり、インサイドセールスでは主に以下のような指標がKPIとして設定されます。
KPIを設定して目標の達成具合を適宜確認し、必要に応じてKPIの見直しを行うと、最終的な目標を達成しやすくなります。
インサイドセールスにおいて顧客との関係性を構築するには、現状と課題のヒアリングが重要です。
そのためには、BANTCH情報を聞き出すと良いです。
BANTCH情報とは、以下の5つの要素のことを指します。
これらをヒアリングすることで、顧客の現状や課題を網羅的に把握できます。
また、有望な見込み客であるかどうかをスコアリングできるのもメリットです。
ニーズの高さや導入スピードなどに基づいて顧客をスコアリングすると、すぐに商材を導入してくれそうな顧客、ニーズはあるが継続的なフォローが必要な顧客、ニーズがないため見込みがない顧客などに分類でき、営業活動を効率的に行うのに役立ちます。
顧客の現状とニーズをヒアリングしたら、それを元に提案を行いましょう。
提案の際は、SPIN話法を活用するのが有効です。
SPIN話法とは、状況質問(Situation Questions)・問題質問(Ploblem Questions)・示唆質問(Implication Questions)・解決質問(Need-payoff Questions)の4つの質問をすることで、相手が抱えている課題を解決したときの効果に気づきやすくなるよう導く話法のことを指します。
SPIN話法に基づく提案の流れは以下のとおりです。
提案の際は、一方的に解決策を提案してしまいがちですが、相手にとって負担となったり説得力が不足したりするため、逆効果になってしまうリスクがあります。
SPIN話法を活用し、顧客が課題を解決する必要性に気づき、顧客自身が解決策に気づくよう誘導しましょう。
インサイドセールスでは、多くのリードを獲得し、情報を収集してフィールドセールスに引き継ぐことが重要です。
そのためには、活動やそこで得た情報を記録できる仕組みづくりが求められます。
仕組みづくりの際は、必要な情報を素早く簡単に記録できる工夫をしましょう。
必ず入力する事項はテンプレート化する、記述ではなくプルダウンで選択できるようにする、などの工夫が考えられます。
また、効率良く記録するには、記事の後半で紹介するデジタルツールの導入もおすすめです。
インサイドセールスの成果を上げるためには、振り返りが重要です。
インサイドセールス単体の業務だけでなく、フィールドセールスに引き継いだ後の結果まで含めて分析することが重要です。
受注できた事例と失注してしまった事例を振り返り、成功のポイントや失敗の原因を分析して改善につなげましょう。
失注した案件の中には、将来的に復活受注につながる可能性があります。
そのため、失注案件についても放置せず、半年〜1年後に再度アプローチすると良いでしょう。
メルマガやニュースレターなどを定期的に送付し、関係を構築し続けることが大切です。

インサイドセールスに向いている人材の特徴は、以下のとおりです。
インサイドセールスでは、顧客と対面せず、電話やメールなど、オンラインでコミュニケーションを取ります。
オンラインでは相手の顔が見えないため、オフラインとは違った難しさがあります。
そのため、オンラインでのコミュニケーションスキルが高い方は、インサイドセールスに向いていると言えるでしょう。
具体的には、相手と会話のテンポを合わせる力や、伝えたい内容を簡潔に伝える能力がある方に向いています。
Web面談の場合、電話に比べると顔が見えるためハードルは低いですが、画面越しでも相手に好感を持ってもらえるような表情や声のトーンが大切です。
相手に受け入れてもらいやすい第一印象づくりができる方も、インサイドセールスに適しています。
インサイドセールスには、チャレンジ精神と継続力が求められます。
最終的な受注はフィールドセールスが担当するため、インサイドセールスは成果が見えにくいという特徴があります。
また、受注まで長い時間がかかることも多く、長期にわたって地道な作業を繰り返す必要があります。
時には、相手からクレームを受ける、途中で相手と連絡が取れなくなるなどの困難にぶつかることもあるでしょう。
成果が見えづらく困難が多い中でもめげずに業務に取り組めるチャレンジ精神と継続力がある方は、インサイドセールスに向いているのです。
インサイドセールスでは、以下のように多岐にわたる業務を行う必要があります。
そのため、複数業務を効率よくこなせるマルチタスク能力に優れている方は、インサイドセールスに適しています。
インサイドセールスでは、リードの情報を関係部署に伝える必要があります。
リードの情報を正確に伝えてフィールドセールスにスムーズに引き継ぐためには、事実ベースでの報告が重要です。
また、インサイドセールス内で得た情報をほかの部署に共有することで、組織全体で協力し、目標達成に向けた取り組みを行えます。
例えば、リードから掴んだニーズをマーケティング部門に共有すれば、より効果的な施策を実施できるでしょう。
担当者の趣味のようなプライベートな情報をフィールドセールスに共有すれば、より信頼関係を構築しやすくなります。
このように、インサイドセールスはリードの情報をさまざまな関係者に報告する機会が多い役割です。
そのため、情報を事実ベースで正しく報告できる伝達能力に優れている方は、インサイドセールスに向いています。
インサイドセールスで成果を上げるためには、デジタルツールの活用が有効です。
ここでは、インサイドセールスで導入したいデジタルツールについて、以下の3つを紹介します。
MA(Marketing Automation)ツールとは、マーケティングの最適化ツールのことです。
リードの獲得から商談までのマーケティング活動を一括で管理できます。
顧客の属性や興味関心に合わせたナーチャリングメールやDMなどの自動送付、リードの管理やスコアリング、アクセスログ収集などが可能です。
MAツールを導入することにより、顧客の行動に合った適切なアプローチ・施策の検討が可能になるほか、既存顧客の定期的なフォローにも役立ちます。
マーケティング部門とインサイドセールスの連携に役立つため、効果的なツールの1つです。
SFA(Sales Force Automation)ツールとは、営業支援システムのことです。
営業部門における情報や業務プロセスを自動化し、行動を記録したり、顧客の情報を蓄積・分析できたりします。
顧客情報や各営業担当者の営業内容を一元管理できるため、営業活動において非常に便利です。
また、営業手法を組織で統一し、全体で成果を上げるためにも活用できます。
CRM(Customer Relationship Management)ツールとは、顧客関係管理システムのことです。
顧客情報や、アプローチから受注に至るまでの顧客とのコミュニケーションに関するデータなどを一元管理できます。
顧客に関するさまざまなデータを蓄積できるため、受注に向けた効果的な提案や、クロスセル・アップセルに向けたアプローチ方法を検討・分析するのに役立つツールです。
また、顧客が関心を持っている事項を記録して分析することで、需要の傾向をつかみやすくなり、新規開拓型営業にも活かせます。
インサイドセールスでは、顧客と長期的な関係を築いて現状やニーズを正しく把握し、フィールドセールスに引き継ぐことが重要です。
インサイドセールスを上手に活用すれば、組織全体で営業の成果を上げられます。
A. ヒアリング能力、実行し続ける力、正確性、チームワークを高める力の4つです。
学んだことを実際の通話で試し、結果を振り返ることで身につきやすくなります。
A. 現状と課題を把握するために聞き出す、予算や決裁権などの要素をまとめたものです。
ヒアリングで確認した内容を記録しておくと、商談の準備や引き継ぎに生かせます。
A. 状況質問、問題質問などを組み合わせて相手の課題を引き出す提案手法です。
相手の反応を見ながら、必要に応じて前の段階の質問に戻ることも大切です。
A. 放置せず、半年から1年後に再度アプローチすると受注につながる可能性があります。
失注の理由と時期を記録しておくと、再アプローチの内容とタイミングを判断しやすくなります。
A. MAツール、SFAツール、CRMツールの3つが代表的です。
自社の課題に合うものから導入し、使い方をチームで統一することが定着のコツです。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。