監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
投資家の見つけ方が分からず、最初の1人に会えないことはないでしょうか。
この記事では、出会いの流れ、見極める6つの基準、相性の伝え方を解説します。
投資家と出会う流れ|紹介・メッセージ・改善
投資家との出会いは、1度の面談では決まりません。
オンリーストーリーが初回にたどった3つの動きを挙げます。
知人のつながりで投資家に会い、話を聞いてもらう
最初の1人は、知人や取引先のつながりで会える相手から始めました。
つながりを頼って投資家に会い、まず事業の話を聞いてもらうところから始めます。
初対面でいきなり出資を求めると、相手は判断材料が足りず、返事に困ります。
面談の最後に、ほかに会うべき相手を紹介してもらえないか尋ねてください。
紹介の依頼とVCへのメッセージで接点を増やす
つながりだけでは、会える投資家の数が限られます。
投資家の紹介を依頼し、VCにはメッセージを送って、接点を広げました。
メッセージは、事業の内容と会いたい理由を短く書くと、判断してもらいやすくなります。
送る相手は、自社と同じ分野や段階に投資している投資家に絞ってください。
面談のたびにアドバイスをもらいPDCAを回す
投資家との面談は、結果を待つ場であると同時に、改善の機会です。
面談のたびにアドバイスをもらい、資料や説明を直して、次の面談に生かしました。
反応が薄かった点や質問された点は、そのまま資料の弱点を示しています。
面談後は指摘を記録し、次の面談の前に資料へ反映してください。
2回目以降の探し方|興味を持つ相手からリストへ
初回の目標は、興味を持つ投資家を1人見つけることでした。
2回目以降の3つの動き方を挙げます。
初めて興味を持つ人が現れるまで続ける
面談を重ねるうちに、初めて興味を持ってくれる投資家が現れました。
興味を示す1人が現れるまで、面談と改善を止めずに続けます。
1人目が見つかると、ほかの投資家に説明するときの材料にもなります。
反応がない期間も、面談の数と改善の回数を記録し、続ける根拠にしてください。
2回目はリストを作って順番に当たる
2回目の調達では、紹介を待つ方式から動き方を変えました。
投資家のリストを作り、VCと一丸となって投資家にアプローチしました。
リストがあれば、どの投資家に当たり、誰が返答待ちかを、チームで共有できます。
投資家名、投資の分野、連絡の状況の3列から、リストを作り始めてください。
ビジネスコンテストで投資家と出会う
投資家と出会う場として、ビジネスコンテストも使いました。
投資家に会うことを目的にビジネスコンテストへ出て、直接出会いました。
受賞の有無にかかわらず、審査員や来場者とつながれる点が利点です。
出場前に、審査員や来場者に投資家がいるかを、主催者に確認してください。
良い投資家を見極める6つの基準
出資してくれる相手なら誰でもよい、とは考えませんでした。
オンリーストーリーが使った6つの基準を、3組に分けて挙げます。
| 基準 | 確認すること |
|---|---|
| 1. 理念 | 自社の理念を理解し、尊重し、評価してくれるか |
| 2. 金額とステージ | 金額を出せるか、事業のステージが合っているか |
| 3. 評価 | バリュエーション(企業価値の評価)に納得できるか |
| 4. リード | 調達のまとめ役(リード)をとれるか |
| 5. 担当者の熱量 | 担当者の興味、スピード感、ほかの案件との優先度 |
| 6. その他 | 投資後の支援、期待値、スタンス、顧客紹介体制、第6感 |
理念・金額・評価で土台を確かめる
最初に確かめるのは、自社と相手の土台が合っているかです。
理念への理解、金額とステージの一致、評価への納得の3つが、土台の基準です。
理念を尊重されても、出せる金額やステージが合わなければ、調達は進みません。
評価額に納得できない場合は、条件が合わない理由を、早い段階で確認してください。
リードをとれるかと担当者の熱量を見る
複数の投資家が入る調達では、まとめ役が必要です。
リードをとれる投資家か、担当者に興味とスピード感があるかを見ます。
担当者が前向きでも、ほかの案件が優先されると、面談の日程が後ろへ延びます。
担当者の返信の早さと、社内で判断が進む時期を、面談で聞いてください。
投資後の支援とスタンスを確かめる
投資家は、お金を出したあとも長く付き合う相手です。
投資後の支援、期待値、スタンス、顧客紹介体制を確かめ、最後は第6感も使います。
同じ金額でも、投資後に何をしてくれるかで、会社の伸び方が変わります。
投資先の経営者に、投資後の関わり方を聞いて確かめてください。
相性の良さを伝える視点|投資家ごとに言語化する
見極めは、こちらが選ぶだけでなく、相手に選ばれる準備でもあります。
3つの視点を挙げます。
相手ごとに相性の良い理由を書く
同じ資料を全員に送るだけでは、相手に選ぶ理由が伝わりません。
相手ごとに、相性が良いと思う理由をスライドに書いて伝えました。
実際のスライドでは、出資額の一致、リードの可否、投資分野の一致、投資先へのサービス提供の流れを挙げています。
理由を書けない相手は、相性が薄い可能性があるため、優先順位を下げてください。
紹介者の名前と担当者の対応も相性に含める
相性は、事業の相性だけでなく、人との信頼にも表れます。
信頼する人からの紹介であることと、担当者の対応の良さも、相性の理由として書きました。
担当者の対応が良ければ、投資後も良い関係を築けそうだという見立てにつながります。
紹介者がいる場合は、紹介者の名前と経緯を、資料か連絡文に書いてください。
決裁者と直接つながる場を併用する
投資家は、紹介や面談の機会だけでは、会える数が限られます。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年・8,000名以上の決裁者が集まる場で、出資や提携の相手とも出会えます。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
投資家との出会いは、知人の紹介、VCへのメッセージ、面談ごとの改善で広げます。
初めて興味を持つ投資家が現れるまで、面談と改善を続けます。
2回目の調達では、リストを作り、VCと一丸となって投資家に当たりました。
良い投資家は、理念、金額とステージ、評価、リード、担当者の熱量、投資後の支援の6つで見極めます。
相手ごとに相性の良い理由を書き、紹介者の名前と担当者の対応も伝えます。
出資や提携の相手を広く探すなら、決裁者と直接つながる場も考えてみてください。
よくある質問
Q. 投資家はどうやって見つければよいですか
A. 知人のつながりと紹介の依頼、VCへのメッセージ、ビジネスコンテストから接点を作ります。
面談のたびにアドバイスをもらい、資料を直しながら、会う数を増やしてください。
Q. 良い投資家はどう見極めればよいですか
A. 理念への理解、金額とステージの一致、評価への納得、リードの可否、担当者の熱量、投資後の支援の6つで見極めます。
数字に表れない部分は、最後に第6感も使って判断してください。
Q. 投資家に相性の良さはどう伝えればよいですか
A. 相手ごとに、相性が良いと思う理由をスライドに書いて伝えます。
出資額の一致や投資分野の一致に加え、紹介者の名前と担当者の対応への信頼も理由になります。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



