監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
決裁者との初回商談で聞くべき質問が分からず、手応えを得られずに終わってしまったことはないでしょうか。
この記事では、質問の順番、場面別の質問例、失敗の避け方を解説します。
質問の組み立て方|現状から決裁の流れまで順に聞く
初回商談の質問は、聞く順番で答えやすさが変わります。
組み立ては3つのポイントで押さえます。
現状から決裁の流れまで4段階で聞く
初対面の決裁者は、いきなり課題を聞かれても答えにくいものです。
事実から聞き始めると、相手は答えやすくなります。
現状は事実なので話しやすく、課題や理想はその延長で出てきます。
質問は4段階に分けて、メモに書き出しておいてください。
30分の商談では質問を5問前後に絞る
決裁者との初回商談は、30分以内に収めるのが基本です。
質問を5問前後に絞り、1問ごとに深掘りする時間を残します。
質問を並べすぎると、聞き取りが尋問のようになり、相手の話が浅くなります。
聞きたい項目に優先順位をつけ、聞けなかった項目は次回に回してください。
調べた情報は確認の形で聞く
公式サイトや報道で分かる情報を質問すると、準備不足の印象を与えます。
調べた内容を先に伝え、「合っていますか」と確認する形に変えます。
たとえば「新規事業を始められたと拝見しました」と添えると、相手は補足から話し始められます。
確認で終わらせず、その背景を聞く質問につなげてください。
現状・課題・理想を聞く質問例|決裁者の考えを引き出す
決裁者が最も答えやすいのは、自社の現状とこれからの方向性です。
現状、課題、理想の3つに分けて質問例を並べます。
現状を聞く質問で事業の全体像をつかむ
現状の質問は、相手が事実で答えられるため、会話の入口に向いています。
事業の柱と注力している取り組みを聞き、相手の関心がどこにあるかを見極めます。
売上の細かな内訳まで初回で聞くと、警戒されやすくなります。
次の質問例から、1〜2問を選んで使ってください。
課題は優先順位まで確かめる
決裁者は、複数の課題を同時に抱えています。
課題を聞いたあとに、優先度が最も高いものを重ねて聞きます。
優先度が分かると、自社の提案が相手の課題の何番目に当たるのかが見えます。
解決を急がず、課題の背景と原因を聞き切ってください。
理想の状態と期限を聞いて目標を共有する
課題だけを聞いても、相手が目指す状態が分からなければ提案は絞れません。
「1年後にどうなっていれば成功ですか」と聞き、理想の状態を言葉にしてもらいます。
理想が具体的になるほど、提案の方向と優先順位が決まります。
相手の言葉をそのままメモに残し、次回の提案で使ってください。
決裁・予算・時期の質問|次の一歩を決める
決裁者との初回商談は、意思決定の条件を直接聞ける貴重な場です。
判断基準と決裁の流れ、予算と時期の2つの観点で聞きます。
判断基準と決裁の流れを聞く
決裁者でも、導入の可否を1人で決めるとは限りません。
必ず満たしたい条件と、1つでも該当すれば見送る条件を分けて聞きます。
「導入を決めるときの条件は何ですか」と聞くだけでは、条件の重さが分かりません。
あわせて、社内で誰に相談してから決めるのかも確認してください。
予算は「いつまでに」から聞く
予算の金額は、初回から直接聞くと身構えられやすい項目です。
先に「いつまでに解決したいか」を聞き、時期から予算の枠へ話を進めます。
時期が決まっていれば、その時期に合わせた予算の有無を確認できます。
「今期中の予算は確保されていますか」のように、枠の有無だけを聞いてください。
やりがちな失敗と次の約束につなげる視点
質問が的確でも、聞き方と終え方で商談の成果は変わります。
失敗の例と、次回につなげる終え方の2つを見ていきます。
答えを聞いてすぐ自社の説明に入らない
相手の答えを聞いた直後に、自社の説明を始める失敗があります。
相手が話し終えるまで提案を控え、答えを要約して確認してから次の質問に移ります。
説明を急ぐと、相手が本音を話す前に会話が終わってしまいます。
初回は聞くことに徹し、提案は2回目に回してください。
商談の終わりに次回の日時と議題を決める
初回商談の成果は、その場での受注ではなく、次の約束を取ることです。
終了5分前に聞いた内容を要約し、次回の日時と議題をその場で決めます。
要約で相手の理解を確かめれば、聞き違いも防げます。
次回に誰を同席させるかも、この場で確認してください。
決裁者と直接つながる場を併用する
質問の準備が整っても、決裁者と会えなければ初回商談は始まりません。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年の運営実績と8,000名以上の決裁者ネットワークがあり、初回から決裁者に質問できる商談の機会をつくれます。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
決裁者との初回商談では、現状、課題、理想、決裁の流れの順に質問します。
質問は30分で5問前後に絞り、調べた情報は確認の形で聞きます。
現状は事業の柱、課題は優先順位、理想は1年後の状態を聞きます。
判断基準は、必ず満たす条件と見送る条件に分けて確認します。
予算は時期から聞き、商談の終わりに次回の日時と議題を決めます。
決裁者と会う機会そのものが少ないなら、担当者を経由しない接点の作り方も考えてみてください。
よくある質問
Q. 決裁者との初回商談では何を聞けばよいですか
A. 現状、課題、理想、決裁の流れの順に聞きます。
質問は30分で5問前後に絞り、相手の答えを聞き切ることを優先してください。
Q. 初回商談で予算を聞いてもよいですか
A. 金額ではなく、時期と予算枠の有無から聞きます。
「いつまでに解決したいか」を先に聞くと、身構えられにくくなります。
金額は、具体的な提案とあわせて2回目以降に確認してください。
Q. 初回商談で質問しすぎないためにはどうすればよいですか
A. 質問に優先順位をつけ、5問前後に絞ります。
聞けなかった項目は次回に回し、終了前に次回の日時と議題を決めてください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



