最終更新日: 2023.09.27

営業活動を効率的に行いたいと悩んでいるセールス責任者は多いことでしょう。生産性の高い営業活動を行うには、リード(見込み客)を効率的に集めることが重要です。リードはさまざまな施策を行って獲得しますが、施策を実施するには費用がかかります。

ポイントとなるのが、1つのリードを獲得するのにかかる「リード獲得単価」です。

BtoBセールスでは商材単価が高く成約までの検討期間が長いこともあり、成約数をアップさせるには多くのリードが必要です。そのためには、リード獲得単価をできるだけ抑えることが大切になります。

この記事では、リード獲得単価について詳細を確認し、算出方法や相場、リード獲得単価を抑えるコツ、注意点について解説します。

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リード獲得単価の算出方法

リード獲得単価はどのように算出するのでしょうか。ここでは、そもそもリード獲得単価とは何かを解説し、リード獲得単価の計算式や混同されることの多いCPAとの違いを説明します。

リード獲得単価とは

リード獲得単価はCPL(Cost Per Lead)とも呼ばれ、1つのリードを獲得するのに必要なコストのことをいいます。リードとは、将来自社商品・サービスを購入する可能性の高い見込み客を指します。

リードはマーケティング活動によって獲得されます。マーケティングとは商品・サービスが売れる仕組みのことです。具体的には、ユーザーのニーズを探る市場調査や分析、自社の商品・サービスを知ってもらうための宣伝活動などを行います。

リード獲得単価はマーケティングの施策によって変わるため、マーケティングの効果を測る指標(KPI)としてよく利用されます。

リードの獲得単価の計算式

リード獲得単価は、「リード獲得に必要なコスト」÷「リード獲得数」で算出します。

例えば、100万円のマーケティング施策で50件のリード獲得に至った場合、リード獲得単価は100万円÷50件で、2万円です。

また、リード獲得単価を算出するには正確なデータが必要です。獲得したリードの中にすでに取引のある顧客情報や競合担当者の情報が含まれている場合、本来の数より多くなってしまうため、正確なデータとはいえません。新規顧客となる可能性があるデータのみ、リードとしてカウントする必要があります。

CPAとの違い

CPLに似ていて混同されるマーケティング用語として、CPA(Cost Per Action)があります。CPAとは、1件のコンバージョン(CV)を獲得するのにかかる費用です。また、コンバージョンとはユーザーが問合せや申し込み、新規の契約など運営者が望むアクションを起こした状態をいいます。

CPAは「コンバージョンに必要なコスト」÷「コンバージョン数」で算出します。

CPLとCPAは混同されるとお伝えしましたが、CPLイコールCPAとなることもあります。リードの定義もコンバージョンも「新規問合せ」とした場合、リードとコンバージョンがイコールになるためCPLはCPAとイコールになります。

何をリードと定義するのかを必ず決めておきましょう。

リード獲得単価の相場

日本企業の平均的なリード獲得単価は8,000〜13,000円といわれています。ただし、リード獲得単価は以下の要素によって変わります。

  • リード獲得の定義による違い
  • リード獲得方法による違い
  • 業界による違い

以下でそれぞれについて解説します。

リード獲得の定義による違い

リード獲得の定義によってリード獲得単価は変わります。

例えば、展示会で交換した名刺の数をリード獲得の定義とする場合もあるでしょうし、その中から「サービスの詳細が知りたい」と問合せをもらった数とする場合もあるでしょう。この場合、リードの対象となる数が少なくなる後者の方がリード獲得単価は高くなります。

リード獲得方法による違い

リード獲得方法によってもリード獲得単価は変わります。リード獲得方法には、ファックスDMやメルマガ、セミナー・展示会、テレアポなどさまざまな方法があります。もともとある素材を使えるファックスDMやメルマガは比較的安く抑えられますが、セミナー・展示会は、会場費や出店費、販促物の用意や人件費などの多くのコストがかかります。施策によってコストは大きく変わります。

業界による違い

アメリカ・マサチューセッツ州ボストン市に拠点を置くネット広告分析会社・WordStream社のデータによると、リード獲得単価は業界によって大きく異なることがわかります。具体的には、以下のようになっています。

リード獲得単価が高い業界

業界リード獲得単価の相場
Attorneys & Legal Services(弁護士と法律サービス)80ドル強
Career & Employment(キャリアと雇用)80ドル強
Furniture(家具)75ドル強
Finance & Insurance(金融と保険)70ドル強
Business Services(ビジネスサービス)70ドル強

リード獲得単価が低い業界

業界リード獲得単価の相場
Animals & Pets(動物とペット)15ドル強
Automotive — Repair, Service & Parts(自動車修理サービスと部品)15ドル強
Restaurants & Food(レストラン & 食品)など25ドル強

引用元:WordStream https://www.datawrapper.de/_/5O2GL/

リード獲得単価のKPI設定の仕方

KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」のことです。目標を達成するプロセスにおける一つひとつの行動を評価する定量的な指標をいいます。リード獲得単価のKPIを設定する際は、以下が必要です。

  • リードの定義の決定
  • リード獲得数の決定
  • リードを獲得するために必要な費用の算出

各項目について社内で決定したら、先ほど紹介した以下の計算式に値を入れ、リード獲得単価のKPIを設定します。

「リード獲得に必要なコスト」÷「リード獲得数」

リードの定義の決定

まず、何をリード獲得とするかリードの定義を決める必要があります。

例えば、セミナーなどで名刺交換し担当者の連絡先がわかった段階とする、自社商品・サービスについて問合せをしてきた段階とするなどが考えられます。どの段階をリード獲得とするかでカウント数が変わるため、社内で認識のすり合わせをしなければなりません。

必要なリード獲得数の決定

次に、必要なリード獲得数を決めます。

1ヶ月で獲得する目標の成約数から逆算することで、必要なリード獲得数がわかります。そのためには、リード獲得単価以外の以下のようなKPIを知っておくことが必要です。

  • アポイント獲得率
  • 商談率

リードを獲得するために必要な費用の算出

リードを獲得する施策を決め、施策の実施にかかる費用を算出することも必要です。

イベントを開催する場合は、会場費、販促物の作成や印刷費、当日運営に携わる人件費などが必要な費用となり、全ての費用を計上し算出します。

リード獲得単価を抑えるコツ

営業活動においては売上を作ることはもちろんですが、できるだけコストを抑えて利益を上げることが大切です。リード獲得においても可能な限りコストを抑えて、効率的に獲得することを考えなければなりません。ここでは、リード獲得単価を抑えるポイントを紹介します。

効果測定と施策見直しを定期的に行う

リード獲得単価を抑えるには、施策の効果測定の見直しを定期的に行うことが欠かせません。

各施策ごとのリード獲得単価を算出し比較することで、自社商品やサービスと相性が良い施策がわかります。成果を得られたもの・得られなかったもの、それぞれの原因を分析することで、リード獲得単価を抑える施策が見つかる可能性が高まります。

また、獲得したリードから成約につながった割合である成約率も確認しましょう。リード獲得単価を抑えることは大切ですが、自社の利益につながっているかどうかが一番重要です。

分析の結果、自社商品・サービスとターゲット層があっていないことがわかる可能性もあるでしょう。その場合は、ターゲットの見直しが必要です。

インバウンドマーケティングに力を入れる

インバウンドマーケティングに力を入れることも1つの方法です。

マーケティングには、広告やテレアポなどで強制的に情報を届けるアウトバウンドマーケティングのほかに、サイトのコンテンツやSNSで情報を発信するインバウンドマーケティングがあります。

インバウンドマーケティングは、ユーザーに見つけてもらい興味を持つように仕掛ける手法です。ユーザーは、商品やサービスを購入する前にインターネットで情報収集することが多くなっているため、正しいコンテンツを作ることで資料請求や問合せへとつなげられます。

また、コンテンツは蓄積されるため、長期的なリード獲得が可能となり結果的にリード獲得単価を抑えられることが期待できます。

インバウンドマーケティングを行う媒体としては以下が考えられます。

  • 自社サイト
  • オウンドメディア
  • SNS
  • 他社メディア

ユーザーが問合せしやすいようにコンタクトフォームやチャット、問合せ電話番号などをわかりやすく設置しましょう。

インバウンドマーケティングは、アウトバウンドマーケティングよりもリードを獲得するまで時間がかかる傾向にあります。しかし、自ら商品やサービスの情報にたどり着いた時点で興味・関心が高く、成約につながる可能性が高いことも魅力です。

自社サイトのSEOを強化する

インバウンドマーケティングに力を入れる場合は、自社サイトのSEOの強化も意識しましょう。

SEOとは「Search Engine Optimization」のことで、「検索エンジン最適化」と訳されます。検索結果で上位表示を目指すことをSEO対策といい、SEOを強化すると検索からの流入が増え、ユーザーに認知が広がります。また、コンテンツを発信することによって自社の信頼性アップにもつながります。

インバウンドマーケティングを意識して、詳細なコンテンツを作っても検索したときに上位表示されなければ流入が見込めません。そのため、インバウンドマーケティングを行う際はSEOの強化もセットで行いましょう。

自社でウェビナーを行う

自社でウェビナーを開催する方法もリード獲得単価を抑えられる可能性があります。ウェビナーとは、オンライン上の展示会やセミナーをいいます。会議やミーティングがオンライン上で行われることが増えていますが、展示会やセミナーといったイベントもオンライン上で開催されることが増えています。

実際に展示会やセミナーを行うと会場を押さえる手間やコストがかかりますが、ウェビナーはオンライン開催のため参加者のために大きな会場を押さえる必要がありません。また、配布資料の準備も不要なため、コストを抑えられます。

インターネット回線とパソコンやスマートフォン、タブレットなどがあればどこからでも参加できるため集客しやすい方法です。また、リアルタイム配信だけでなく録画動画を視聴できるオンデマンド配信を利用すれば、さらに参加者が増える可能性があります。

ウェビナーの参加者はすでに自社商品・サービスに興味・関心を持っているため、成約率が高いリードの獲得が期待できます。

MAツールを利用する

MA(マーケティングオートメーション)ツールを利用すると、リード獲得単価を抑えられる可能性があります。MAツールとは、リード獲得や見込み客の育成なども含めたマーケティング施策を自動化してサポートするツールです。

MAツールを導入してデータ入力やリスト作成を自動化すれば、マーケティング担当者の業務負担を軽減できます。それによって、リード獲得の次の施策を考えたり実行した施策の振り返りをしたりするなど、必要な業務のための時間を確保できるようになります。

施策の提案や分析する時間を増やすことで、結果的にリード獲得単価を抑えることにつながるでしょう。

リード獲得単価を考える際の注意点

リード獲得単価を考える際の注意点を解説します。

獲得したリードには早めのアクションが必要

獲得したリードは放置しないようにしましょう。万一リードである見込み客と連絡がつかなくなると、リード獲得コストが無駄になってしまいます。

BtoBセールスの場合、リードの情報には企業名、電話番号、住所などのほか担当部署や担当者、担当者のメールアドレスなどが含まれます。担当者の情報は異動や退職、組織変更などで変わる可能性があるため、早めのアクションが必要です。リードからの問合せにはすぐ返信し、商談の日程調整を行いましょう。また、MAツールを利用してメールやDMには自動返信するなどの工夫をすることも効果的です。

リードナーチャリングも大切

リードを成約につなげるには、リード獲得後に顧客を育成する「リードナーチャリング」も大切です。リードナーチャリングとは、獲得したリードに対してメールや電話などで情報を提供するなどコミュニケーションを継続し、中長期的にリードの購買意欲を高めていく活動のことです。

BtoB商材は検討期間が長期化する場合が多いため、リードを獲得後長期に渡ってコミュニケーションを取り続けることが重要とされます。リードナーチャリングによってリードの購買意欲を高め、成約率を上げられる可能性があるでしょう。

リード獲得単価だけでなく、成約に至る全体の営業活動の最適化を考えることも意識することをおすすめします。

リード獲得単価は安ければいいわけではない

コストを抑えるためにリード獲得単価は安くしたいものですが、安い方がいいというわけではありません。リード獲得数を増やせばリード獲得単価は抑えられますが、その後のデータ管理の手間や、リードナーチャリングのコストがかかりすぎてしまうかもしれません。

リード獲得単価を抑えることで、全体的な営業コストが膨らんでしまう可能性がないか、考える必要があるでしょう。

また、成約につなげるには十分なリード数が必要ですが、リードの質も重要です。例えば、検討段階にいる人より資料請求をした人の方が成約に近いと考えられます。単価を安くすることを目標にすると、検討段階にいる人をリードの定義と決めることになるでしょう。この場合、リード数は集められても、成約率は低くなる可能性があります。

マーケティングファネルを考える

マーケティングファネルを考えることも大切です。マーケティングファネルとは、リードが商品・サービスを知ってから購入・成約に至るまでのプロセスをステップに分けて定義したものです。

リードが購入・成約に至るまでのプロセスには以下のようなステップがあります。

  • 商品・サービスを認知
  • 興味や関心を持つ
  • 他社の商品・サービスと比較・検討
  • 購入・成約

マーケティングファネルを活用して分析すれば、各ステップのうちどこに問題があるのか、どの施策が正しいあるいは間違っていたのかが認識できます。それにより、リード獲得単価の見直し以外に、着手すべき問題がわかる可能性もあるでしょう。

リード獲得単価は適切に設定して成約につなげよう

リード獲得単価は、効果的にリードを獲得するために重要な指標です。適切な設定を行うことで、成約率を高められます。

しかし、リード獲得単価を意識することは重要なものの、営業活動において最も重視すべきことは成約数を上げることです。日々の業務が忙しく、営業活動の改善がなかなか進まないという場合は、専門サービスを利用するのも良いでしょう。

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