監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
外回りをせずに営業活動を進められる点から、導入する企業が増えています。
具体的な業務内容と、求められるスキルを整理します。

インサイドセールスの業務内容を、ヒアリングや購買意欲の向上、見込み客の見極め、連携、問い合わせ対応の5つで解説。テレアポやカスタマーサクセスとの違い、必要な5つのスキルも紹介します。

インサイドセールスとは内勤営業とも呼ばれており、顧客と直接対面せずに営業活動を行うことです。
近年は、以下のような理由によってインサイドセールスが注目を集めています。
それぞれについて解説します。
インサイドセールスを導入すると、業務の効率化につながります。
直接顧客先を訪問する場合、物理的な距離が離れていると移動時間が長くなります。
すると他の営業先を回れない、または1つの顧客につき十分な商談時間が確保できないといった不都合が生じるでしょう。
しかし、インサイドセールスであれば移動時間を確保しなくて済むため、効率よく営業活動を進められます。
インサイドセールスは顧客を訪問しなくて済む分、交通費をはじめとするコストを削減できます。
さらには、飛行機や新幹線、滞在ホテルなどを手配する事務作業もなくなるため、雑務を減らせるでしょう。
特に全国展開している企業であれば、あらゆる地域に出張する必要がなくなるため、大幅なコストダウンが望めます。
インサイドセールスなら自社内や在宅での勤務も可能になるため、従業員に合わせた働き方を提案できます。
例えば、育児や介護などの都合によって、会社に出社するのが困難な従業員もいるでしょう。
インサイドセールスの業務なら、このような従業員も自宅から戦力となることが可能です。
働き方改革によって従業員の働き方を見直している企業にとっては、インサイドセールスの導入が大きな影響を与えるでしょう。

インサイドセールスは電話やWeb会議ツールなどを用いて、顧客先を訪問することなく営業活動を行います。
具体的には、以下の5つの業務を任されることが多いです。
それぞれの業務内容について解説します。
インサイドセールスにとって基本となる業務内容は、顧客の情報を聞き出すことです。
例えば、今顧客はどのようなことに困っているのか、何に注目しているのか、などを聞き出すことで見込み客となり得るかを判断します。
聞き出した情報を基に適切な提案を行えば、顧客のニーズを満たせるでしょう。
なお、インサイドセールスがヒアリングに力を入れる目的は、適切な顧客情報の入手と、見込み客の見極めの2つです。
見込み客の見極めについては後述します。
見込み客の購買意欲を高めるのも、インサイドセールスの業務です。
例えば、見込み客の関心事に応じて適切な情報提供を行えば、顧客の購買意欲は高まります。
購買意欲を高めるためには、いつ・どのような情報を提供するかが重要です。
商品やサービスへの認知度や理解度が低いまま契約を促しても、よい結果は得られないでしょう。
そのため、見込み客の状態を把握した上で、適切な情報を伝えていく必要があります。
また、見込み客に「今は必要ない」と思われると、受注の可能性は低くなります。
見込み客が抱えている課題を解決したいと考えたタイミングで、接触するのが重要です。
見込み客がメールのリンクをクリックしたときや関連資料をダウンロードしたときなど、何かアクションを起こした瞬間に、商品の導入メリットをアプローチするのがおすすめです。
インサイドセールスでは、見込み客を見極めるのも業務の一環です。
見込み客の見極めとは、成約の可能性があるかどうかを判断することです。
例えば、見込み客の見極めを行わないまま、フィールドセールスに顧客情報を提供すると、不要な訪問が生まれやすくなります。
フィールドセールスはインサイドセールスとは異なり、移動を伴うため極力無駄な営業活動を避けるべきです。
インサイドセールスで見込み客の見極めを行っておくと、成約の可能性が高い顧客を優先的に訪問できるため営業成績も向上しやすいでしょう。
そのため、インサイドセールスは顧客からさまざまな情報を取得し、成約の可能性を判断する必要があります。
インサイドセールスのチームは、さまざまな部署との連携が必要不可欠です。
特にフィールドセールスは、インサイドセールスで得た情報を活用しながら商談を進めていくため、顧客情報を抜け漏れなく共有する必要があります。
なお、あらかじめインサイドセールスからフィールドセールスに引き渡す条件を決めておくのも重要です。
引き渡し条件が不明瞭な場合、なかなか成約につながらない、情報が共有されないといったトラブルの元になります。
効率よく営業活動を進めるための基準を設けておくと、フィールドセールスとの連携もうまくいくでしょう。
ホームページなどに設置されている問合せフォームから連絡があった場合、インサイドセールスが初期対応を行います。
問合せへの対応は、顧客との関係構築の出発点ともいえる重要な業務です。
そのため、丁寧に相手からの問合せ内容を把握し、抱えている課題を解決できる情報を提供する必要があります。
インサイドセールスと似た役割の以下の部署があります。
それぞれの違いを見ていきましょう。
テレフォンアポインターは、電話を使ってアポイントを取る仕事です。
とにかく多くの顧客に電話をかけて、アポイントを取るのが業務内容です。
インサイドセールスのように顧客がどのような悩みを抱えているのか、受注につながりそうな顧客かなどを考える必要はありません。
一方、インサイドセールスは顧客に応じた提案を行い、優先度の高い顧客から順にフィールドセールスへと情報を共有していく仕事です。
成約の高い顧客を見極めて、商談へと持ち込むのが主な目的です。
カスタマーサクセスとは、顧客を成功へと導く仕事です。
例えば、サブスクリプション型のツールを導入している企業に対して、ツールのさらなる活用方法を提案するのが、カスタマーサクセスの役割です。
既に契約している顧客に対して、相手がより快適にサービスを利用できるような具体的なアクションを示します。
一方、インサイドセールスは、成約する前の見込み客と関わりを持つ部署です。
どの顧客が見込み客となり得るか、また成約の可能性が高い見込み客は誰かなどを判断して、商談につなげていきます。
フィールドセールスとは、顧客先に訪問して対面式で行う営業活動のことです。
顧客と直接顔を合わせることから表情や仕草なども見えるため、より多くの情報を入手できます。
その一方で、1日の顧客先への訪問数が限られていたり、滞在時間を長く取れなかったりというデメリットもあります。
その点、内勤で営業を行うインサイドセールスは移動する必要がないため、効率よく営業を進められるでしょう。

インサイドセールスを導入するメリットは、主に以下の4つです。
それぞれのメリットについて解説します。
インサイドセールスを導入すると、1日あたりのアポイント数を増やせます。
フィールドセールスの場合、商談と商談の間に移動時間を確保しなければいけないため、1日の訪問数には限度があります。
特に地方を訪問する場合、1日に複数の会社を回るのは難しいでしょう。
一方、インサイドセールスは顧客先に訪問する必要がないため、訪問日時を決めたり移動時間を確保したりする必要がありません。
その結果、多くの顧客にアプローチできるため、効率よく営業活動を進められます。
なお、インサイドセールスで見込み度の高い顧客を抽出できると、フィールドセールスが効率的に商談できるのもメリットです。
成約する可能性の高い顧客から優先的に商談すると、効率よく営業成績を上げられます。
インサイドセールスはITツールを活用しながら営業活動を進めたり、顧客情報を共有したりするため、属人化を防ぎやすいのが特徴です。
1人の営業担当者がすべてを担っていた場合、さまざまな情報が共有されておらず、異動や休職、離職したときの引き継ぎに苦労します。
顧客との関係性も一から構築する必要があるため、成約への道のりも遠くなるでしょう。
しかし、インサイドセールスにおいてはすべての情報が社内で共有されているため、顧客のことを把握しやすいです。
その結果、顧客との関係性に影響を与えることなく、商談を続けられます。
インサイドセールスでは、メールや電話などを活用した継続的なアプローチが可能です。
例えば、顧客のニーズや状況に合わせて必要な情報を提供すると、顧客からの信頼も獲得しやすくなるため商談に進みやすくなります。
今何に困っているのか、それらを解消するためにはどうすべきかなどを考えて、必要なタイミングで有益な情報を提供できるのがインサイドセールスの魅力です。
近年の日本は、少子高齢化によって労働人口が減少しています。
その結果、営業の人員不足に陥っている企業も多いでしょう。
インサイドセールスを導入すると1日に行える営業数が増えるため、人員を新しく補充しなくても効率よく営業を進められます。
さらにITツールを活かして業務の効率化を図れば、少人数の人材を確保するだけで成果を出せるようになるでしょう。

インサイドセールスは、実際に会わない顧客から情報を得たり、働きかけたりする必要があります。
そのため、以下のようなスキルが求められます。
それぞれのスキルについて解説します。
インサイドセールスは電話などを用いて営業を行うため、非対面での商談スキルは欠かせません。
フィールドセールスのように相手の表情や仕草などを直接見れないので、顧客の反応の変化に気付きにくいでしょう。
そのため、会話の中から得られた情報を手がかりに、相手の感情を察知し、臨機応変に対応する力が必要です。
インサイドセールスは、相手との信頼関係を築くことが大切です。
顧客が契約をする際、この相手なら信用できる、この企業であれば買っても損はないだろうなどと判断し、契約に至ります。
そのため、顧客との信頼関係を構築できなければ、受注につなげるのは困難です。
特に、インサイドセールスは顧客と直接顔を合わせる機会も少ないため、フィールドセールス以上に信頼関係を構築するのは難しいでしょう。
レスポンスの速さや丁寧さなど、相手との関係をうまく構築できるスキルがなければ、なかなか成果は残せません。
インサイドセールスが求められる成果を出すためには、得た結果を分析する必要があります。
例えば、受注につながらなかった場合、なぜうまくいかなかったのか、どうすればよかったのかなど分析することにより、次の営業に活かせます。
反対に失敗をそのままにしておき、何も改善しなければ大きな成果を残すのは難しいでしょう。
得た結果を分析して、そこから改善策を導き出す力のある人はインサイドセールスに向いているといえます。
インサイドセールスは顧客が抱える悩みを見つけ出し、自社の商品やサービスがどのように役立つかを提案しなければいけません。
例えば、何も課題を抱えていない顧客に対して、自社の商品やサービスを勧めても必要性を感じてもらえないでしょう。
顧客が抱える不満や問題点を聞き出せれば、その解決案を提案することも可能になります。
特に顧客自身も自覚していない潜在的なニーズを見い出せた場合、より提案も通りやすくなるでしょう。
インサイドセールスには、仕事を効率よく進めるスキルが求められます。
インサイドセールスの抱えている業務は多岐にわたるため、1つの業務に多くの時間をかけていては他の業務がおろそかになる可能性が高いです。
ツールの導入や優先順位づけにより、業務は効率化できます。
限られた時間の中で見込み客を見極めて、優先度の高い見込み客に重点的にアプローチしつつ、適切なタイミングで必要な情報をフィールドセールスへ引き渡しましょう。
インサイドセールスを導入する際の注意点は、以下の通りです。
それぞれの注意点について解説します。
インサイドセールスは、フィールドセールスとの連携は欠かせません。
商談を成功させるためには、抜けや漏れのない情報共有が必須だからです。
例えば、インサイドセールスで細かな顧客情報を聞き出していても、フィールドセールスに共有がされていないと商談のときに活用できません。
担当者が変更した際に自社社員から同じ質問を繰り返してしまうと、顧客からの印象も悪くなるでしょう。
そのため、インサイドセールスとフィールドセールスを分けて営業活動を行う際は、担当者の入れ替わりによる支障をなくすために、商談に活かせる形ですべての顧客情報を共有することが大切です。
インサイドセールスで得た顧客情報を管理する体制は、しっかりと構築しておきましょう。
個人情報の取り扱いが厳しくなっている現代において、インサイドセールスが持つ情報を安全に共有できなければ会社全体の評価が下がってしまいます。
安全な情報管理のためには、顧客情報を一括で管理できるCRMを導入するのがおすすめです。
必要に応じて、情報を管理する人材を確保するのも1つの手段でしょう。

ここでは、インサイドセールスの業務内容に関する質問をまとめました。
それぞれの回答を参考にしながら、インサイドセールスに取り組んでみてください。
A. インサイドセールスの業務を遂行する上で必要な資格はありません。
しかし、ITやソフトウェアなどを扱う場合は、最低限の使用スキルがあると業務を遂行しやすくなるでしょう。
資格よりも、顧客の話を聞き出す力や扱う商材への理解が成果を左右します。
A. やりがいを感じるポイントは個人差があるものの、インサイドセールスの活動が受注につながったときに喜びを感じる人は多いでしょう。
受注という結果を得るまでには顧客との対話を重ねて課題を導き出し、コツコツと関係性を構築しているはずです。
そのため自分のやり方は間違っていなかったという自信へとつなげられるでしょう。
A. テレアポはアポイント獲得の件数を重視します。
インサイドセールスは情報提供を重ねて購買意欲を高め、商談の質を高める役割です。
そのため、アポの件数だけでなく、商談につながった割合もあわせて評価しましょう。
A. フィールドセールスとの情報共有の仕組みと、顧客情報を安全に扱う管理体制です。
ツールと運用ルールをあわせて整えます。
インサイドセールスは、電話やWeb会議ツールなどを活用して内勤のまま営業活動を行うことです。
具体的な業務内容は以下の通りです。
インサイドセールスは直接顧客と顔を合わせる機会はないものの、会話の中から情報を引き出して商談につなげる重要な役割を担っています。
フィールドセールスと情報を共有しながら、より多くの成果を出していきましょう。
インサイドセールスでメール営業やテレアポを行っても、なかなか成果が出ないという場合もあります。
そんなときには、決裁者に直接アプローチすると、商談や契約の機会を得られる可能性があるでしょう。
弊社では、決裁者に限定したマッチングサービス「チラCEO」を提供しています。
会いたい決裁者を見つけたら、メッセージで想いを伝えてアポイントを獲得する仕組みです。
他にもCS(カスタマーサクセス)が企業に合う決裁者を直接紹介してくれる機能もあるため、思いがけない出会いも期待できるでしょう。
新規顧客を開拓していきたい場合、ぜひチラCEOを活用して多くの決裁者と出会ってみてください。
引き継ぎの基準を事前に決めておくと、部門間の連携がスムーズになります。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。