最終更新日: 2026.10.02
新規事業における市場調査とは?主な手法と具体的なステップを解説

新規事業における市場調査の手法を解説します。定量調査と定性調査の違い、アンケート・モニター・SNS・文献・AI・自社内という6つの手法、目的設定から分析までの4ステップ、実施時のポイントをまとめました。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

市場調査は、顧客のニーズを把握して求められる商品やサービスを設計するための土台です。

定量・定性の違いと6つの調査手法、実施の4ステップをまとめました。

この記事の要約

  • 市場調査は数値で全体像を掴む定量調査と、生の声を掘り下げる定性調査に大別されます。
  • 手法はアンケート、モニター、SNS、文献、AI、自社内調査などから目的に応じて選びます。
  • 進め方は目的の明確化、手法の選定、実施、結果の分析という4ステップです。

新規事業における市場調査とは?

新規事業における市場調査とは、市場に関するさまざまな情報を収集して、分析・活用することです。

そもそも新規事業を始めるとき、顧客のニーズを満たせる商品やサービスを提供できなければ世の中に広められません。

そのため、最初に市場調査で顧客のニーズを把握して、求められる商品やサービスを開発することが大切です。

なお、市場調査は大きく分けると「定量調査」と「定性調査」の2種類があります。

それぞれ、どのような違いがあるのかを詳しく解説します。

1.定量調査

定量調査とは、人数や割合といった数字のデータを元にして顧客ニーズを分析することです。

代表的な手法には、郵送や街頭などで行われるアンケート調査があります。

定量調査はデータを数値化できるため、市場の全体像を客観的に把握しやすいのがメリットです。

ただし、正確な結果を得るためには、数値を読むための専門的な知識が必要です。

統計データを正しく読み解く力がなければ、事実誤認を招く原因となるでしょう。

2.定性調査

定性調査とは、顧客の発言や行動といった数字で示すことができないデータから、新規事業に活かせるヒントを導き出すことです。

代表的な手法には、インタビューやアンケートがあります。

定性調査は、定量調査ではわからない顧客の生の声を聞けるのがメリットです。

質問に対する回答だけではなく、会話の中から新規事業に関するヒントを得られる可能性もあります。

ニーズを深掘りしたいときに活用するといいでしょう。

ただし、定性調査は数値化できないため客観性が乏しく、調査する人によって受け取り方に差が生まれます。

間違った思い込みをすると、新規事業にも悪影響を及ぼす可能性がある点に注意しましょう。

新規事業における市場調査の具体的な手法6選

新規事業における市場調査の具体的な手法は、主に以下の6つです。

  1. アンケート調査
  2. モニター調査
  3. SNS調査
  4. 文献調査
  5. AI調査
  6. 自社内調査

それぞれの調査方法について解説します。

1.アンケート調査

アンケート調査は、対象者に質問を投げ、回答をもらう方式の調査方法です。

顧客のニーズを把握するために有効な手法です。

インターネットが普及した現代では、以前よりも手軽に行えるようになりました。

なお、アンケートはすべての人を対象者として行う全数調査と、対象者を絞って行うサンプル調査の2種類があります。

新規事業の内容によってうまく使い分けすることにより、開発に必要な情報を効率よく得られるでしょう。

2.モニター調査

モニター調査とは、検討中の商品やサービスを実際に体験してもらって、意見や感想を聞く手法です。

アンケート調査のようにインターネットを活用できないため、サンプルを試してくれる顧客を現地に集めたり、調査を行う場所を確保したりといった手間が発生します。

しかし、顧客の具体的な意見を直接把握できるため、新規事業の参考となる可能性が高いでしょう。

自社内では思いもつかない意見から、新たな発見が得られるかもしれません。

3.SNS調査

SNS調査とは、X(旧Twitter)やInstagramといったSNSを活用する手法です。

アンケート調査と似ているものの、SNSで具体的な顧客ニーズを把握するのは困難です。

とはいえ、SNSにはさまざまな層の顧客が生の声を投稿しており、率直な意見を集めやすいのが魅力といえます。

なお、SNSは種類によって検索やアンケートなどの機能が異なります。

市場調査を行う際は、各SNSの特徴を理解した上で活用すると、より新規事業に活かせる声を集められるでしょう。

4.文献調査

文献調査とは、一般的に公開されている文献から、情報を収集する手法です。

例えば、公的な機関が出している統計データや資料などが該当します。

文献を調査するのは時間がかかる一方、コストを抑えながら正確な情報を集められるのがメリットです。

5.AI調査

AI調査とは、ChatGPTをはじめとするAIツールを用いた調査方法です。

従来は人が手や足を使って集めていた情報を、AIが代わりとなって集めてくれるため、調査時間を大幅に短縮できます。

ただし、AI調査は必ずしも正解が導き出されるわけではありません。

そのため、AI調査で集まった情報を参考にしながら、顧客ニーズを深掘りしていく必要があります。

6.自社内調査

自社内調査とは、自社にいる従業員からヒアリングして生の声を集める手法のことです。

例えば、今までの営業活動の中に、新規事業に役立つヒントが眠っているかもしれません。

顧客との打ち合わせの中で感じ取ったニーズもあるでしょう。

今まで展開してきた事業の中で社員たちが得た知識を新規事業に活かせば、より効率的に成果を得られます。

また、顧客目線に立って商品やサービスを購入すると、開発者視点では見えなかった気付きがあるかもしれません。

試供品のようにお金を支払わずに利用するのではなく、実際に購入することにより、顧客と同じ目線で商品やサービスを評価できます。

新規事業を立ち上げる際に行う市場調査のステップ

新規事業を立ち上げる際に行う市場調査のステップは、主に以下の通りです。

  1. 調査の目的を明確にする
  2. 目的を達成できる調査方法を決める
  3. 実際に市場調査を行う
  4. 得られた結果を分析する

それぞれのステップについて解説します。

1.調査の目的を明確にする

まず、市場調査の目的を明確にしましょう。

市場調査を開始するとさまざまなデータに触れるため、目的を明確にしていないと軸がブレる可能性があります。

特に今まで考えていなかったような事実が発覚すると、そちらに目が行ってしまい目的を見失う可能性も考えられます。

市場調査の目的をあらかじめ明確にしておけば、どのようなデータが集まったとしても目的に基づきデータを分析・活用できるでしょう。

2.目的を達成できる調査方法を決める

市場調査の目的を決めたら、その目標を達成できる調査方法を検討しましょう。

市場調査には、その手法ごとに特色があります。

例えば、商品やサービスのアイデアを集めるためには、インタビューで現在抱える不満を聞き出すのも効果的です。

多くの顧客の不安を解消できる商品やサービスを開発できれば、ヒット商品となる可能性があります。

3.実際に市場調査を行う

どの市場調査を実施するか決めたら実行しましょう。

市場調査を行うときは、顧客のニーズを深掘りできる担当者を配置します。

なぜなら、顧客からアイデアを引き出す際、顧客自身も気付いていない潜在的な悩みや不安なども聞き出す必要があるからです。

うまく顧客ニーズを引き出せない人が担当者になってしまうと、ありきたりな答えしか集められないでしょう。

また、商品やサービスに対してネガティブな意見も含めて調査することが重要です。

さまざまな角度から新規事業を分析でき、より成功へと導きやすくなるでしょう。

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4.得られた結果を分析する

市場調査を行ったら、得られた結果をまとめて分析しましょう。

結果から得られた分析結果を元に新しい商品やサービスを企画するなど、次のアクションを検討します。

新規事業で市場調査を行うときのポイント

新規事業で市場調査を行うときのポイントは、以下の通りです。

  • ターゲットを明確にしておく
  • 新規事業の方向性を定めておく
  • 複数の調査を組み合わせて行う
  • 費用対効果を意識する

それぞれについて解説します。

ターゲットを明確にしておく

市場調査を行うときは、ターゲットを明確にしておきましょう。

例えば、同じサービスを利用した場合、10代の男性と40代の女性では感じ方が異なります。

また、結婚歴の有無や世帯収入、家族構成などでも得られる回答は違ってくるでしょう。

そのため、新規事業のターゲットを詳細に設定しておき、そのターゲット層に対して調査を実施しなくてはいけません。

新規事業の方向性を定めておく

新規事業の方向性を定めておくのも、大事なポイントです。

新規事業を展開していく上で、ここだけは譲れない、もしくは変えたくない想いを明確にしておけば、大きく軸がブレる心配はありません。

方向性がはっきりしていれば、顧客への質問内容や調査方法なども、おのずと決まっていきます。

なお、新規事業への方向性を決める際には、自社のビジョンやミッションを振り返って企業としての原点を見つめ直すのがおすすめです。

複数の調査を組み合わせて行う

市場調査を行う際は、複数の手法を組み合わせましょう。

1つの調査方法だけでは顧客のニーズを深掘りするのは難しく、得られる結果も信憑性に欠けます。

複数の調査方法を活用して、あらゆる角度から分析することによって、顧客ニーズを満たせる新規事業を展開できます。

費用対効果を意識する

複数の調査が必要であるものの、費用対効果は意識しなければいけません。

例えば、膨大な調査時間をかけてさまざまな情報を集めても、それがすべて不必要な情報であれば、時間とコストが無駄になります。

そのため市場調査を行うときは、時間とコストがかかっていることを念頭に置き、その上でどの程度のサンプル数があれば正確なデータを得られるかを検証します。

統計学の知識に基づいて調査方法を計画することにより、無駄なく必要な情報を集められるでしょう。

よくある質問

ここでは、新規事業の市場調査について、よくある質問をまとめました。

市場調査を行う前の参考にしてください。

Q. 市場調査とマーケティングの違いは?

A. 市場調査とは、数字やデータによって市場の現状を把握することです。

一方、マーケティングとはこれから先の未来へ向けてのニーズを予測することです。

つまり市場調査では現状のニーズを、マーケティングでは未来のニーズを深掘りしています。

Q. 新規事業に向けて市場調査を行った場合、どのような情報が得られるのか?

A. 得られる情報は調査方法によって異なるものの、一般的には以下のような情報を集められます。

  • 商品やサービスに対する認知度
  • 適正価格
  • 自社が開発しようとしている商品やサービスのプロモーション方法
  • 顧客が抱いている不満
  • 顧客が使用している商品やサービスを購入した理由

あらかじめほしい情報を明確にしておくと、必然的に質問内容が決まります。

例えば、価格を設定したい場合、似たような商品やサービスを購入した顧客に、適正価格だと感じるかどうかを調査すると参考になるでしょう。

もし高いと感じるようであれば、それはなぜなのかを深掘りすると、よりニーズを理解できます。

Q. 定量調査と定性調査はどう使い分けますか?

A. 市場の全体像を客観的に把握したいなら定量調査、ニーズを深掘りしたいなら定性調査が向きます。

両方を組み合わせることで、市場の全体像と顧客の本音をあわせて把握できます。

Q. 調査はひとつの手法だけでよいですか?

A. 1つでは深掘りが難しく信憑性にも欠けるため、複数の手法を組み合わせることが推奨されます。

調査の目的を先に決めておくと、組み合わせる手法を選びやすくなります。

Q. AIを使った調査に注意点はありますか?

A. 必ずしも正解が得られるわけではないため、集まった情報を参考に顧客ニーズを深掘りする必要があります。

新規事業を始める前にしっかりと市場調査を実施しよう!

新規事業を成功させるためには、市場を適切に把握しなければいけません。

そのためには、以下のような手法を実践するといいでしょう。

  1. アンケート調査
  2. モニター調査
  3. SNS調査
  4. 文献調査
  5. AI調査
  6. 自社内調査

これらの調査方法は、組み合わせることでより精度の高い情報を集められます。

1つの調査方法にこだわらずに、さまざまな角度から分析してみましょう。

新規事業の展開には、自社にはないノウハウを持った企業との協業や、新しい取引先の開拓などが必要となる場合が多いです。

新たな企業と契約を結ぶ場合は、決定権を持った決裁者と直接やりとりをするとスムーズに話が進みます。

なお、弊社では決裁者と出会える「チラCEO」を提供しています。

会いたい決裁者を見つけたらメッセージを送信でき、気になる企業と交流を持てるのが特徴です。

他にもCS(カスタマーサクセス)が自社に合う決裁者を紹介してくれるため、自分で見つけられない企業との出会いもあるでしょう。

また意思決定者の生の声を聞けるため、新規事業を行う際の市場調査にも役立てられます。

より多くの決裁者と出会いたい人は、ぜひチラCEOの利用を検討してください。

AIで得た情報は、出典を確認したうえで実際の顧客の声と照らし合わせて判断しましょう。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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