最終更新日: 2026.10.02
新規事業のアイデアを出す方法は?ポイントやフレームワークを紹介

新規事業のアイデアに求められる新規性・収益性・解決性の3要素を整理し、量を優先するなどアイデア出しの5つのポイントを解説。マンダラートやSCAMPER法など6つのフレームワークも紹介します。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

良いアイデアが出せなければ、新規事業を成功させるのは難しくなります。

発想の広げ方と、使えるフレームワークを整理します。

この記事の要約

  • 新規事業のアイデアには、新規性・収益性・解決性の3要素が求められます。
  • 完璧なアイデアを目指さず質より量を意識し、客観的な視点も取り入れます。
  • マンダラートやKJ法など、目的に応じてフレームワークを使い分けましょう。

新規事業のアイデアに求められる3つの要素

新規事業を立ち上げるためには、どのような領域で事業を展開するのか、ビジネスモデルはどうするのかなど、アイデアを出す必要があります。

事業として成立させるためには、以下の3つの要素を満たすアイデアを考えましょう。

  • 新規性
  • 収益性
  • 解決性

ここでは、新規事業のアイデアに求められる3つの要素を解説します。

新規性

新規事業のアイデアでは、新規性が欠かせません。

既存の事業や競合他社の商品・サービスに類似したアイデアを出しても、事業を成功させることは困難でしょう。

価格による差別化は取り組みやすいものである一方、価格競争で利益が圧迫され、組織の弱体化を招くことがあります。

これまでの事業や商品・サービスにはない、新規性や独創性があるアイデアを生み出すことが大切です。

収益性

新規事業をビジネスとして成立させるためには、収益性があるアイデアかも重要なポイントです。

収益性は、アイデアを経営層にプレゼンして承認を得る際にも、厳しくチェックされるポイントです。

いくら目新しいアイデアであっても、十分な需要を見込めない、コストがかかりすぎる場合は、利益につながらないため事業として成立しません。

新規事業は黒字化するまでに時間がかかります。

中長期的に収益を得られる仕組みを考え、説明できるよう事前に準備しておきましょう。

解決性

顧客の課題を解決できるかどうかも、顧客のニーズに関わる重要なポイントです。

新規性と収益性を追求するだけでは、誰からも求められない商品やサービスになり、顧客からの支持は得られないでしょう。

顧客が抱える課題や悩みを解決できるアイデアであれば、多くの顧客から選んでもらえるため、新規事業を成功させやすくなります。

新規事業のアイデア出しに使えるブレインストーミングとは

新規事業のアイデア出しの際は、ブレインストーミングを活用するのがおすすめです。

ブレインストーミングとは、新しいアイデアを出すために会議で用いられる「集団発想法」の1つです。

複数人で自由にアイデアを出し合うことで、効率よく多くのアイデアを集められます。

ブレインストーミングは、立場や性格が異なる10人以下のグループで行うのが理想的です。

アイデアを書き出せるよう、ホワイトボードや付箋、筆記用具を用意しましょう。

まずはテーマを設定し、10分程度の時間制限を設けて、参加者から自由にアイデアを出してもらいます。

アイデア出しの時間が長すぎると、参加者の集中力が切れてしまいます。

時間を意識することで、効率的にアイデアを出すことができます。

アイデアを出してもらった後は、15〜20分ほどかけてアイデアをまとめます。

ここで使えるのがKJ法です。

KJ法については、記事後半で紹介します。

新規事業のアイデアを出すための5つのポイント

ここでは、新規事業のアイデアを出すためのポイントを5つ解説します。

  • 質より量を意識する
  • 客観的な目線で考える
  • 既存事業やアイデアをベースに考えてみる
  • 日頃から不満や不便をメモしておく
  • 他社の成功事例を参考にする

質より量を意識する

アイデアを出す際は、質より量を意識しましょう。

事業として成り立つか、成功するかなどを考えて完璧なアイデアを出そうとすると、難航してしまうためです。

少数の質の高いアイデアから考えるよりも、まずは多くのアイデアを集めてブラッシュアップする方が成果は得られやすくなります。

質より量を意識して、思いつくままにアイデアを出しましょう。

客観的な目線で考える

自社目線だけではなく、客観的に考えることも大切です。

新規事業について考える際、どうしても自社目線で考えてしまいがちです。

もちろん、自社の成長につながるか、自社にとって利益があるかなどを意識してアイデアを出すことも欠かせません。

しかし、視点が偏ってしまうと、同じようなアイデアばかりが集まってしまう恐れがあります。

顧客や競合企業、業界外など、客観的な目線で考えることで、これまでとは違うアウトプットを出せるでしょう。

既存事業やアイデアをベースに考えてみる

既存事業やアイデアをベースに考えることもポイントです。

新規事業のアイデアというと、完全に新しいものを生み出さなければならないと考えている方も多いでしょう。

しかし、既存のアイデアを組み合わせ、既存事業に新たな要素を付け加えることで、新たなアイデアにつながるケースも多く見られます。

ゼロから新しいものを生み出すことは難しいため、まずは既存の事業やアイデアをベースに考えましょう。

日頃から不満や不便をメモしておく

価値を提供できるアイデアを出すためには、日頃から感じている不満や不便をメモしておくのがおすすめです。

「こうであったらよいのに」「どうにかならないのかな」と感じているものがあれば、その解決策を考えることで、新規事業のアイデアにつながることがあります。

他社の成功事例を参考にする

他社の成功事例から、新規事業のアイデアにつながる発想を得られることもあります。

もちろん、他社の事例をそのまま真似するだけでは不十分です。

事例の中で足りない部分や弱点がないかを分析し、それをカバーできるアイデアを考え、差別化を図る必要があります

また、他社が成功した要因を分析し、ビジネスモデルの設計に役立てることも大切です。

新規事業のアイデアを出す際に役立つフレームワーク6選

ここでは、新規事業のアイデアを出す際に使えるフレームワークを6つ紹介します。

  1. マンダラート
  2. SCAMPER(スキャンパー)法
  3. KJ法
  4. マインドマップ
  5. リーンキャンバス
  6. ロジックツリー

代表・平野のnote▼

オンリーストーリー代表の平野は、創業時に「やりたいこと・できること・求められること」が重なる事業なら成功すると信じ、経営者の無料インタビューサイトを始めました。

しかし半年ほどで預金残高が底をつく事態になったと振り返っています。

その後も収益の仕組みを作っては新たな課題に直面し、一度でうまくいく「一撃必殺」の型はないと語っています。

成功事例やフレームワークは参考にしつつ、検証と改善を繰り返す前提で事業を組み立てることが大切です。

代表・平野のnote▶ ビジネスモデル論を実践してしくじった経験を代表が語ったnoteはこちら

1.マンダラート

マンダラートは、9×9のマスにキーワードを記入し、マスを埋めていくことで発想を広げていくフレームワークです。

マス目が仏教に登場する曼荼羅(マンダラ)模様に似ていることから、マンダラートと名付けられました。

マンダラートでは、中央のマスに達成したい大目標や解決したい課題などを記載します。

そして、周囲の8マスすべてに関連する語句(中目標)を思いつくままに記載しましょう。

これで、中心の9マスが完成します。

中目標1中目標2中目標3
中目標4大目標(テーマ)中目標5
中目標6中目標7中目標8

次に、周囲の8マスに記載した中目標の中から1つを選択し、別の9マスの中心に記載します。

そして、その周囲に中目標に関連する小目標(具体施策)を記載してください。

小目標(具体施策)小目標(具体施策)小目標(具体施策)
小目標(具体施策)中目標1小目標(具体施策)
小目標(具体施策)小目標(具体施策)小目標(具体施策)

これらを繰り返すことで、達成したい目標や解決したい課題から、具体的なアクションにまで落とし込んで考えられるため、思考がまとまりアイデアが思いつきやすくなります。

編集部のおすすめポイント

マンダラートは、以下のようなケースに適したフレームワークです。

  • 複雑な情報や思考を整理したい
  • 最終目標を達成するために、具体的に何をこなしていくべきかを明らかにしたい
  • アイデアをブラッシュアップしたい
  • 複数人で共有してブレインストーミングに活用したい

最近では、マンダラートのアプリも登場しています。

アプリなら、テンプレートを利用して簡単にマンダラートに取り組めます。

アイデアを思いついた時に、すぐに入力できるのも便利です。

2.SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER(スキャンパー)法は、アイデア発想法として有名な「オズボーンのチェックリスト」を改良したフレームワークです。

7つの質問に回答していくことで、既存のアイデアを膨らませたり、そこから派生して新たなアイデアを量産できたりします。

SCAMPER法における7つの質問は、以下の通りです。

項目質問例
1Substitute(代用する)何かで代用できないか?
2Combine(組み合わせる)何かを組み合わせて新しい価値を生み出せないか?
3Adapt(応用する)既存のアイデアや成功事例をほかに応用できないか?
4Modify(修正する)既存の商品やサービスを修正して、新たな価値を生み出せないか?
5Put to other uses(転用する)ほかの使い方はできないか?
6Eliminate(取り除く)あえて機能やプロセスを削除することで、新たな体験につながらないか?
7Reverse,Rearrange(組み替える・再構成する)順番やパターンを入れ替えて新たなものが作れないか?

編集部のおすすめポイント

SCAMPER法は、もとにしたい既存のアイデアがある際に役立つフレームワークです。

核となるアイデアをいくつか用意した状態で取り組み、アイデアを発展させましょう。

一方、ゼロからアイデアを生み出すのには適していません。

3.KJ法

KJ法は、アイデアをカードや付箋に書き、それをグルーピングすることで、アイデアを整理・言語化する手法です。

まずはブレインストーミングを実施し、そこで出た意見やアイデアをカードや付箋に書き出していきます。

それをグルーピングし、グループの関係性を明らかにできるよう、グループごとに位置関係を並び替えましょう。

グループごとに丸で囲ったり、矢印を使って相関性を表したりすることで、視覚的にわかりやすく整理できます。

編集部のおすすめポイント

KJ法は、新たなアイデアを出すというよりは、アイデアを整理する際に活用できる手法です。

また、膨大な情報を論理的かつ視覚的にわかりやすく整理できるため、チーム内で情報を共有する際にも役立ちます。

KJ法によって大量のアイデアを整理することで、そこからさらに画期的な新たなアイデアや、課題の解決方法が見えてくることもあります。

4.マインドマップ

マインドマップは、1つのテーマを設定し、そこから派生するようにアイデアを書き出していく手法です。

マインドマップを用いることで、テーマを深掘りしてアイデアを広げられます。

自分の思考をマインドマップとして表すことで、思考を可視化し、スムーズに考えられるようになるのもメリットです。

編集部のおすすめポイント

マインドマップは、SCAMPER法と同様に、1つのアイデアから発展的にアイデアを量産するのに適した手法です。

一方、ゼロからアイデアを出したい場合や、既存の事業やアイデアにとらわれない、斬新なアイデアを出したい際にはあまり向いていません。

5.リーンキャンバス

リーンキャンバス(Lean Canvas)は、アイデアを9つの要素ごとに分析し、検証できるフレームワークです。

ビジネスモデル分析に使われる「ビジネスモデルキャンバス」を、新規事業向けに作り直したものです。

以下の9つについて分析し、アイデアを検証しましょう。

  • 顧客セグメント・アーリーアダプター(最初の顧客)
  • 顧客の課題や代替品
  • 独自の価値
  • 解決策
  • チャネル
  • 収益の流れ
  • 主要指標
  • コスト構造
  • 圧倒的な優位性

編集部のおすすめポイント

リーンキャンバスは、すでに出ているアイデアの中から良いものを選ぶ、あるいは、アイデアをブラッシュアップさせたい方におすすめのフレームワークです。1つのアイデアを9つの視点から分析することで、より優れたアイデアはどれか、ビジネスとして成立させるためには何を改良しなければならないか、などが明らかになるでしょう。

6.ロジックツリー

ロジックツリーは、課題をツリー状に分解していくことで、課題の全体像を把握し、原因や解決策を特定するためのフレームワークです。

ロジックツリーには、以下の3つがあります。

  • 要素を網羅的に把握する「Whatツリー」
  • 原因を掘り下げる「「Whyツリー」
  • 解決策を掘り下げる「Howツリー」

編集部のおすすめポイント

ロジックツリーは、新規事業によって解決したい課題がある時に効果的なフレームワークです。

課題を解決するためにはどのような商品やサービスを提供すればよいか、そのアイデアで本当に顧客の課題は解決できるのか、などを論理的に考えられるため、アイデア出しやアイデアの選定などに役立ちます。

よくある質問

最後に、新規事業のアイデアについてよくある質問を2つ紹介します。

Q. アイデアが思いつかない時にやるべきことは?

A. アイデアがなかなか思いつかない時は、セミナーや講演会、経営者が集まるコミュニティに参加するのがおすすめです。

さまざまなジャンルのセミナーや講演会に参加することで、新規事業のヒントになる新たな知識を吸収できる可能性が期待できます。

講師やほかの参加者と知り合いになれば、そこからビジネスチャンスを広げられることもあるでしょう。

また、経営者が集まるコミュニティに参加して情報交換をすることで、新規事業のアイデアをもらえる場合もあります。

自社のメンバーとだけ話し合っていても、既存事業にとらわれない、革新的なアイデアを出すことは難しいでしょう。

アイデア出しに行き詰まったら、積極的に外部の力を借りるのが有効です。

Q. ブレインストーミングを成功させるためのポイントは?

A. ブレインストーミングを成功させるためには、出てきたアイデアをほかのメンバーが批判しないことがポイントです。

アイデアを批判してしまうと、発表者が萎縮してしまい、自由にアイデアを出せない雰囲気になってしまいます。

どのようなアイデアも歓迎する姿勢を見せ、活発に発言できる場を作り出すことが大切です。

Q. フレームワークはどう選びますか

A. 発想を広げたいならマンダラートやマインドマップ、整理したいならKJ法、検証したいならリーンキャンバスが向きます。

目的に合わせて複数を組み合わせると、アイデアを出すところから検証まで一貫して進められます。

Q. 客観的な視点はどう取り入れますか

A. 自社の都合ではなく、顧客が感じている不満や不便から考えます。

他社の成功事例を調べることも判断材料になります。

良いアイデアを考案して新規事業を成功に導こう

新規事業立ち上げにあたって良いアイデアを出すためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 新規事業のアイデアには、新規性・収益性・解決性が求められる
  • アイデアを量産するためにはブレインストーミングを活用しよう
  • アイデアは質より量を意識し、自由な発想で多くのアイデアを出すことが大切
  • 既存事業やサービスに付加価値を与えられないかを考えるのも効果的
  • アイデアを出すためにはフレームワークを活用しよう

新規事業を成功させるためには、新規性はもちろん、十分な収益を確保でき、顧客の課題を解決できるアイデアを考案する必要があります。

アイデア出しに行き詰まったら、外部のセミナーや経営者コミュニティに参加するのもおすすめです。

特に、同じ経営者と積極的に交流することで、会話からアイデアが思い浮かぶ可能性が期待できます。

新規事業の立ち上げ経験が豊富な経営者から、アドバイスをもらえることもあるでしょう。

多くの経営者と交流して新規事業のヒントを得たい方は、経営者マッチングサービスの活用がおすすめです。

決裁者マッチングサービス「チラCEO」なら、オンライン上で気になる経営者とマッチングし、直接アプローチできます。

社外の人や実際の顧客に意見を聞く機会を作ると、自社だけでは気づかない視点を得られます。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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