新規事業を立ち上げる際に課題となるのが、集客です。集客の方法がわからない、集客がうまくいかないと、集客について悩んでいる事業責任者やセールス責任者は多いでしょう。
集客は1つの方法で成功するとは限らず、複数の施策を試していく必要があります。そのため、多くの方法を知っておかなければなりません。
この記事では、新規事業における集客について、複数の方法を紹介します。また、BtoB企業の集客の特徴や成功するためのコツも解説しますので、参考にしてください。
新規事業を立ち上げる際に課題となるのが、集客です。集客の方法がわからない、集客がうまくいかないと、集客について悩んでいる事業責任者やセールス責任者は多いでしょう。
集客は1つの方法で成功するとは限らず、複数の施策を試していく必要があります。そのため、多くの方法を知っておかなければなりません。
この記事では、新規事業における集客について、複数の方法を紹介します。また、BtoB企業の集客の特徴や成功するためのコツも解説しますので、参考にしてください。
集客する方法は、主に以下の2つに分類できます。
オンライン集客はインターネット上で行われ、オフライン集客はインターネットを介しません。どちらが自社に適しているかは、商材やマーケティング施策によって変わります。また、どちらかに限定することなく、複数の方法を組み合わせて行われることも多くあります。
ここではオンライン集客の方法を5つ紹介します。
以下で、それぞれについて解説します。
Web広告を出稿することにより、あるキーワードについて検索するユーザーや年齢・性別の属性に絞ったユーザーなど、特定のユーザーに向けて広告を配信できます。
Web広告にはリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などの種類があります。
リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンの検索結果ページに掲載する広告です。ディスプレイ広告は、Webサイトの広告枠に掲載され、テキストに加え画像や動画なども用いて視覚的に訴求できる点が利点です。また、SNS広告は、FacebookやInstagramなどSNSのタイムラインに表示されます。
Web広告はクリック単価が数十円のものからあるため、小額から出稿できます。うまくいけば短期間で成果が得られるでしょう。ただし、運用には経験やノウハウが必要です。また、Web広告を出稿する際は、広告をクリックしたユーザーを特定のサイトに誘導することになるため、自社サイトやLP、オウンドメディアなどのサイト運営も不可欠です。
コンテンツマーケティングとは、ターゲット層にとって有益なコンテンツをWebサイトで発信し、見込み顧客を囲い込む方法です。自社サイトのページが検索結果に上位表示されるようになれば、広告費をかけずに集客できます。
ニーズが顕在化していない見込み顧客に対してもアプローチでき、長期にわたって顧客と接点を持てるのが特徴です。有益な情報を発信できれば、見込み顧客と良好な関係を構築できます。一方で、Webのコンテンツを育てていく期間が必要なため、成果を得られるまでに時間がかかる方法です。
想定するターゲットにアプローチできると予想されるWebメディアに、記事広告を掲載することによって集客できます。
自社サービスと相性のいいWebメディアを選定できれば、認知拡大を目指せます。また、第三者の目線でサービスを紹介してもらえるため、Webメディアのユーザーに信頼感を持ってもらいやすい方法です。
SNSの運用に力を入れる法人も増えています。SNSの運用は、認知度を上げ自社のファンを増やしたい場合におすすめです。商材に興味を持ってもらえるような情報を発信することによって、潜在的な顧客の獲得を目指せます。
集客に効果的なSNSは主に以下の5つです。
それぞれユーザー層が異なり、テキストや写真、動画などアップロードできる情報の形式も異なります。SNSの特徴を理解し、商材と相性がいいものを選定し運用しましょう。
ウェビナーとは、Web上で行うセミナー、つまりオンラインセミナーを意味する言葉です。
ウェビナーの魅力は、会場の準備が不要でインターネット環境とパソコンなどのデバイスがあればどこでも誰でも参加できる点です。低コストで大人数へ向けた発信ができるだけではなく、参加する場所が限定されないため商圏を全国に拡大できるという利点もあります。
ウェビナーを開催する場合、通信環境により音声や画面が乱れる可能性があるため、事前にテストを行ないましょう。
ここではオフライン集客の方法を6つ紹介します。
以下で、それぞれについて解説します。
イベントやセミナーを開催することにより、自社商品に興味のある企業の担当者と接点を持つことが可能です。直接話ができ、担当者の表情や温度感などを確認できるため、状況に応じて伝え方を変え詳細に魅力を伝えられる利点があります。
直接コミュニケーションを取ることによって、こちらからアプローチするだけではなく、顧客の課題や悩みを聞き出すこともできます。自社商品で解決できることをその場で伝えられれば、商談につながる可能性があります。
自社の商材を紹介する展示会へ出展することにより、認知度を高められます。来場者と直接コミュニケーションを取って反応を確認しながら、商材の強みなどを伝えられます。
また、展示会はテーマや業種が決まっているため、来場者は出展する商品やサービスに興味・関心がある企業です。そのため、その場で名刺交換しアプローチを継続することにより、受注につなげられる可能性が高いです。
FAXやDMの送付は、視覚的な印象を残せます。また、受け取り手がその時は必要性を感じていなくても、時期を改めて読み返してもらえる可能性があります。
DM送付ではサンプルも送付できるため、画像や文章だけでは魅力を伝えづらい商材の場合は特にメリットが大きいです。
DMを送付する際には、確実に目を通してもらえるよう企業宛ではなく担当者宛にしましょう。企業の担当者は異動などで変更となることもあるため、送付先リストは常に最新にしておく必要があります。
電話営業は「テレアポ」とも言われ、顧客リストをもとに電話で営業する方法です。台本となるトークスクリプトを用意しておけば、経験の少ない担当者でもアポイントを獲得しやすいです。
担当者のトークスキルに頼ったテレアポは、担当者によってアポイントの獲得率にばらつきが生じます。そのため、安定的にアポイントを獲得するには、トークスクリプトを常にアップデートしておくことが大切です。相手からの質問を想定し回答を用意しておいたり、話の展開に合わせて複数のパターンを用意しておいたりと、どのレベルの担当者も顧客との会話に対応できるよう準備しておきましょう。
紹介営業は既存顧客に新規顧客を紹介してもらう方法で、「リファラルマーケティング」とも言われます。新規顧客に不信感を持たれづらく、早い段階で信頼関係を構築しやすい方法です。そのため、成約につながりやすく、新規事業の集客として効率的な方法と言えます。
とはいえ、新規顧客に対して悪い印象を与えてしまうと、紹介元の既存顧客との関係にも悪影響が及ぶ可能性があります。大事な取引先からの紹介だということを念頭に置き、新規の顧客に対して失礼のないよう特に丁寧に対応しましょう。
飛び込み営業は、事前にアポイントを取らずに直接企業に営業に赴く方法です。タイミングが合えば、その日のうちに担当者にアプローチできます。
しかし、営業先の都合やタイミングを考慮せず訪問すると、悪い印象を与える可能性があります。そのため、極力相手に負担をかけないよう、自社の商品やサービスについては短時間で端的に説明することをおすすめします。飛び込み営業では、次回のアポイント獲得を目的とし、2回目以降のアポイント時に詳細を説明するとよいでしょう。
また、飛び込み営業の前には訪問する企業の公式サイトやSNSなどを確認し、可能な限り情報収集しておきましょう。担当者の興味を引きつける話の展開ができれば、次回のアポイントが獲得できる可能性が上がります。
ここでは、新規事業における集客を成功に導くために必要なポイントを5つ紹介します。
以下でそれぞれについて解説します。
新規事業における集客において、ターゲットの明確化は大切です。それによって、自社商品を必要とする見込み顧客に対して、適切な情報を効果的な方法で届けられるようになります。また、自社の商材が提供する価値とターゲットのニーズが合致すれば、効果的な訴求が可能です。
ターゲットが求めているものを追求することにより、集客方法を選定しやすくなります。ターゲットと相性のいい集客方法を選ぶことができれば、施策の精度が高まりアポイントの獲得や成約の確率を上げられます。
ターゲットを明確にできたら、具体的に複数のペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、集団ではなく個人の顧客像のことです。ペルソナを設定して具体的な1人の顧客をイメージすることにより、ニーズや行動が理解でき、プロジェクトに関わる部署や担当者間で認識を共有できます。
BtoB営業では、担当者だけでなく承認者や決裁者など多くの人が購入の決定に関わります。そのため、契約獲得のプロセスで関わる複数のペルソナを設定することをおすすめします。また、企業の課題を解決する目的で新たなサービスの導入、または既存サービスの変更が決定されるため、人物のペルソナだけでなく、企業のペルソナも設定しましょう。
企業のペルソナにおいては、以下のような項目を参考にするとよいでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成は、BtoB営業において有効です。顧客が製品・サービスと出会い、そこから購入や契約に至るまでの道筋のことをカスタマージャーニーといいます。カスタマージャーニーマップとは、顧客の感情や思考を含めて道筋を可視化したものです。
BtoB営業では購入の意思決定において複数の人が関わります。それぞれのカスタマージャーニーマップを作成しておくことにより、キーパーソンに合わせた効果的な施策立案が可能になります。自社商材と接した際の感情など、行動だけでなく思考や感情に寄り添った施策ができるでしょう。
また、カスタマージャーニーマップがあれば、部署を超えて深いレベルで顧客を理解できるようになります。部署間の連携も強まり、スピーディな施策の実行につなげられるでしょう。
Webサイトを活用した集客においては、顧客目線のコンテンツ制作が欠かせません。まず顧客視点で顧客企業の課題を把握します。その後、課題を解消する解決策を提示し、商材の選定に必要な情報を整理して伝えましょう。
BtoBでは、一般的に以下のようなプロセスで意思決定されます。
このうち、Webサイトが活用されるのは「1.問題の認識」と「2.情報収集、商材選定」においてだと考えられます。この2つのプロセスで必要とされることを意識し、コンテンツを用意しましょう。
広告効果測定ツールとは、広告の成果や費用対効果を計測し、分析するツールです。効果測定の業務を効率化できるため、PDCAサイクルを素早く回せるようになります。
PDCAとは以下の言葉の頭文字をとったものです。
PDCAサイクルを回すとは、ゴールを決めて計画を立て施策を実行、結果を振り返り改善するといった一連の流れを繰り返すことです。Web広告の運用においては、どの施策でWebへの流入数が増えたのか、コンバージョンしたのかなどを計測・分析し施策の改善を繰り返すことになります。
広告効果測定ツールを活用すると、複数の広告の効果やコストの一元管理が可能です。それにより施策の実施データが可視化され、PDCAサイクルを回しやすくなります。
ここでは、BtoBの新規事業の集客において押さえておくべき2つのポイントと、解決方法を3つ紹介します。
BtoBの新規事業の集客にて課題となりやすい特徴を、知っておきましょう。ここではポイントを2つ紹介します。
BtoBでは、情報収集や商材の評価を行う担当者と、購入の意思決定者が異なることがほとんどです。企業や組織において導入の決定は、実際に商材を使う現場の従業員ではなく、決裁権のある経営層が行います。また、購入決定までの過程で複数の役職や部門の承認も必要です。この点は、問題の認識から購入の決定まで1人の消費者が行うBtoCとの大きな違いです。
担当者、承認者、決裁者と複数の人が関わるBtoB営業においては、誰がどの情報をもとにどのような決定をするかを把握しておきましょう。購入や導入に関する意思決定者を特定し、担当者だけではなく決裁者が魅力を感じるようなアプローチをしなければなりません。
購入決定までのプロセスが多く、検討期間が長いこともポイントとして押さえておきましょう。
意思決定に複数の役職者や部門責任者などが関わるため、複数のプロセスを踏む必要があり、検討期間が長期化します。
顧客企業の担当者は、営業担当者からの情報だけでなく自ら収集した情報も含めて判断します。提案商品の評判や競合商品との比較など、インターネットで多くの検討材料が入手できるためです。このことも検討期間を長期化する理由と考えられます。
また、法人向けとなるBtoB商材は、BtoC商材と比較すると金額が高額である傾向があり、衝動的に購入に至ることはほとんどありません。そのため、顧客企業の課題や担当者の悩みなどを把握し、適切な情報を適切なタイミングで伝える必要があります。
ここでは、前述した2つのポイントにおける解決方法を3つ紹介します。
BtoB商材は高額になることがほとんどのため、予算が下りるタイミングを見極めることが大切です。
タイミングを見極めるには、見込み顧客の決算月を調べるとよいでしょう。上場企業であれば、IR情報を確認することによって決算月を把握できます。予算は、一般的に決算月の半年前から1ヶ月前までに組まれるため、その前に提案活動を行い、予算を確保してもらうことを目指しましょう。
また、担当者との良好な関係構築も重要です。担当者から得た情報をもとに、予算編成前から提案活動を行い、予算を確保してもらえるように働きかけましょう。その際、稟議や契約までのフローも把握しておくと、アプローチしやすくなります。
BtoB営業では、自社商材によって顧客企業の課題を解決することを目指します。そのため、顧客の抱える課題や悩みを把握することが大切です。
まずは担当者と接点を持ち、信頼関係を築く必要があります。多くの接点を持つことにより、悩みを引き出しやすくなります。
また、担当者が社内稟議を通すための提案資料を作る際は、作成にあたって必要となるデータなどをまとめ、企画が通るようサポートするとよいでしょう。
決裁者に直接アプローチできれば、社内確認が少なくなるため必要最低限のプロセスで成約を獲得できます。そのため、決裁者とのマッチングサービスの利用をおすすめします。
BtoB営業では決裁者と接触することは難易度が高いでしょう。見込み客の企業に電話やメールでアプローチしても担当者から断られてしまうことが少なくありません。決済者マッチングサービスを利用することにより、決裁権のある役職者や経営者層に直接アプローチできます。
ここでは、BtoB向け新規事業の集客について、以下の3つのコツを紹介します。
ニーズが顕在化している顧客層から集客することをおすすめします。顕在層の顧客は成約につながりやすいためです。
自社商材と出会っていない顧客層は、顕在層と潜在層に分けられます。顕在層はニーズやその解決方法をわかっている顧客層です。自社商材について知らないものの他社サービスを利用しているなど、ニーズと解決方法を知っており情報収集していることが考えられます。そのため、顕在層の顧客が取る行動や求める情報を想定し、集客方法を選定しましょう。
対して、潜在層は不安や悩みがあるものの、具体的なニーズには気付いていなかったり解決方法を知らなかったりする顧客層です。潜在層へのアプローチは、ニーズを認識するきっかけを与えることから始める必要があるため、顕在層と比較すると購入や導入までのプロセスが長くなります。そのため、潜在層へのアプローチは顕在層の集客後に行うとよいでしょう。
集客するターゲット層に合わせて媒体を選ぶことも大切です。
例えば、担当者の年齢が比較的若く外出も多いためインターネットで情報収集する層であれば、Web広告やコンテンツマーケティングの実施、SNSの運用などのオンライン集客と相性がよいでしょう。ターゲット層にあった集客方法を行うことによって、効率的に集客できます。
適切な集客方法を選定するには、ターゲット層を明確にし設定したペルソナが、どのような行動をするのかを把握することから始めましょう。
集客施策は、目標を設定しPDCAサイクルを回すことが重要になります。施策は実施して終わりではなく見直しを行い改善することによって、より高い成果へとつなげられます。
目標は、弱みを克服する、強みをさらに強化するなどが考えられますが、達成できたのか未達だったのかを明確にするために数値化することがポイントです。
PDCAサイクルを回して課題を特定し改善を繰り返すことにより、集客の精度を上げていけます。
集客施策はマーケティングプロセスの一部であり、売上げ拡大につなげるための重要なプロセスです。集客方法はオンライン集客とオフライン集客に分類でき、それぞれ複数の方法があります。新規事業への集客効果を最大にするためには、1つの方法に限定するのではなく、いくつかの方法を組み合わせて集客を行うことも検討しましょう。
また、BtoBの商談が制約に至るまでには、意思決定に複数の人が関わり検討期間が長いなどの特徴があります。特徴を理解し、記事でご紹介したような集客のコツを踏まえた施策を実施しましょう。