最終更新日: 2023.10.30

闇雲に営業活動を行なっていると、受注確度の低い見込み客との商談が増えて、かえって受注率が低くなる場合があります。受注率を向上させるためには、きちんと受注確度を管理し、施策を講じることが重要です。

本記事では、受注率の管理が必要な理由や、低くなる原因について解説します。後半では、受注率を向上させるための施策も説明しているため、受注率がなかなか上がらないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

受注率とは

受注率は、実施した商談のうち、実際に受注した割合です。例えば、今月実施した商談50件のうちの10件が受注につながった場合、受注率は20%となります。

受注率を把握することにより、商談の質や営業効率を数値で捉えられます。営業戦略を考える上で、非常に有用な指標と言えるでしょう。

受注率の計算方法

受注率は、次の式で算出します。

受注率(%)=受注につながった商談の件数(受注金額)÷商談の件数(受注予定金額)×100

例えば、今月商談を50件実施し、そのうちの10件の商談で受注した場合の計算式は、以下の通りです。

【計算例】

10(件)÷50(件)×100=20(%)

なお、受注率の平均は業界や製品などによって異なります。そのため一概に目安はいくらとは言えませんが、30〜50%程度であることが多いです。

営業活動で受注率が重要な理由3つ

営業活動において、受注率は重要な要素です。その理由は、主に以下が挙げられます。

  • 営業活動の課題を発見できる
  • 購買意欲の高いセグメントがわかる
  • 売上予測が立てやすくなる

それぞれ説明します。

営業活動の課題を発見できる

受注率を見れば、営業活動の課題を発見できます。受注率によって、営業担当者や営業チーム全体のパフォーマンスが可視化されるからです。また、目標と現状とのギャップが明確になり、目標達成のためにどのようなアクションが必要か考える際の参考となります。

課題発見のためには、複数の切り口で受注率のデータを取得しましょう。例えば、取り組んだ施策の成果を計るには過去からの受注率の推移を、個々の営業担当者の成績の違いを確認する場合には担当者ごとの受注率を調べます。

購買意欲の高いセグメントがわかる

セグメント別に受注率を把握できるため、購買意欲の高いセグメントがわかり、営業リソースの分配を考える際に役立ちます。受注単価と受注率を組み合わせて、リソースの最適な配分を考えるとよいでしょう。また、セグメントごとに受注率の基準値を設定することも可能です。

売上予測が立てやすくなる

売上予測は、営業戦略の策定、予算の配分、人事管理を行う際に不可欠です。ただし、勘や経験だけで予測を行うと、正確性に欠け、キャッシュフローが滞るリスクがあります。

期初の商談数と過去の受注率を掛け合わせると、データに基づいた売上予測が可能です。より正確な売上予測を立てられれば、資金調達がしやすくなり、キャッシュフローの安定が期待できます。

受注率が低い原因6つ

受注率の向上を目指してさまざまな施策を実施しても、向上しない場合があります。受注率が低くなる主な原因は、以下6つです。

  • 受注確度を管理していない
  • 自社の商品・サービスの価値を伝えられていない
  • 失注した原因を分析していない
  • 決裁者にアプローチできていない
  • 売り込み過ぎている
  • 予算を把握できていない

それぞれ解説します。

受注確度を管理していない

受注確度を管理しておらず、購買意欲の低い見込み客に時間や人的リソースを使い過ぎているケースは少なくありません。その結果、多くの商談を行っても受注につながらず、受注率が下がってしまいます。

商談を実施する前には、各顧客の受注確度を把握しておきましょう。受注確度の高い見込み客から優先的に営業をかけることにより、受注率の改善が期待できます。

自社の商品・サービスの価値を伝えられていない

現代の市場は多くの商品・サービスで飽和しており、似ている商品・サービスが多く存在しています。そのような競争の激しい環境で契約を獲得するには、自社の商品・サービスならではの価値を明確に相手に伝えることが必要です。競合分析を行い、自社の優れた特性を明確にするとよいでしょう。

失注した原因を分析していない

失注した案件を振り返らないと、同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高いです。失注したら、必ず失注要因を明らかにして、具体的な改善策を講じましょう。

失注は精神的な負担が大きく、担当者のモチベーションが下がりやすいです。その要因を解明して次回以降の商談に活かすと、モチベーションを維持しやすくなるメリットもあります。

決裁者にアプローチできていない

決裁者に直接アプローチできていないと、営業活動が受注につながりにくくなります。決裁者でない相手にどれだけうまく自社の商品・サービスの魅力を伝えられても、最終的に契約するか決めるのは決裁者だからです。

一般的に、社内で決裁の稟議が通るまでには、複数人による承認が必要となります。窓口となる担当者に営業を行った後、改めて決裁者とも商談する場合もあり、受注までのリードタイムが長くなります。その場で契約するか判断できる決裁者に直接アプローチできれば、営業のリソースを他案件にも使えるため、受注率の向上につながるでしょう。

売り込み過ぎている

受注につなげたいがために自社のアピールばかり行ってしまうと、売り込まれるという印象を相手に与えてしまい、失注のリスクが高まります。

一般的に、顧客が商品・サービスの購入を検討する際には、どのようなメリットがあるのかを重視しています。顧客が魅力を感じない商品・サービスの特徴をアピールしても、購入する価値はないと判断されるでしょう。顧客のニーズを見極めた上で提案する必要があります。

顧客の予算を把握できていない

顧客の予算を大きく超えていれば、受注できない可能性があります。また、他社の商品・サービスの購入を検討している場合もあるため、早い段階で予算を把握しておく必要があります。

ただし、顧客から正確な予算の情報を得ることは、簡単ではありません。信頼関係がなければ、相手から予算の情報を引き出すのは困難です。そのため、信頼関係を構築した上で情報収集を行いましょう。

受注率を向上させる施策7つ

これまで受注率が低くなる原因について説明しました。ここでは、受注率を向上させる施策を7つ紹介します。

  • 売り上げ目標の設定
  • 見込み客の情報をデータで管理
  • 受注確度の基準を統一
  • 見込み客の課題を見極めて提案
  • 納品までのスケジュールを明確に提示
  • 価格を明確に提示
  • 受注確度の高い見込み客を優先

売り上げ目標の設定

具体的に売り上げ目標を設定すると、目標達成のための戦略的なアプローチが行えて、受注率が向上します。商談数といった目先の数字に追われて、受注確度の低い顧客との商談ばかり実施するという事態を防げるからです。

なお、売上目標を設定する際は、SMARTというワーフクレームの活用がおすすめです。SMARTは目標を設定するための以下の5つの要素の頭文字をとったものです。

  • Specific(明確):具体的な数字や成果を設定できているか
  • Measurable(測定可能):達成度が数値で評価できるものか
  • Achievable(達成可能):現実的に達成できるレベルであるか
  • Relevant(関連性):経営目標に関連しているか
  • Time-bound(期限設定):目標達成の期限が設定されているか

具体的な売上目標を設定したら、逆算して必要な商談件数や見込み客数、受注率を検討し、達成を目指しましょう。

見込み客の情報をデータで管理

受注率を向上させるためには、見込み客との過去のやり取りや反応をしっかり分析することが重要です。これを怠ると、顧客の購買意欲を正確に分析できず、最適な次の行動も見極められません。

このような情報管理には、ツールを活用すると効率的です。MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援ツール)などのツールを使用すると、見込み客の情報や過去のコミュニケーション履歴を一元管理できます。

受注確度の基準を統一

受注確度の基準は社内で統一しましょう。

受注確度の低い顧客にアプローチをしても、なかなか受注にはつながりません。さらには、受注確度が低い顧客を営業部門からマーケティング部門に戻す場合にも、手間や時間がかかりリソースが圧迫されます。

決済者が提案内容に興味を示せば受注確度が高いとするなど、基準を設けましょう。

見込み客の課題を見極めて提案

商談を受注につなげるには、見込み客の課題の理解と解決策の提案が必要です。顧客は自身の課題解決を求めて商品やサービスを購入するので、その課題に対する明確な解決策を提案できなければ、受注につながりません。

顧客との信頼関係を構築できないと、顧客は自社の課題やニーズを開示しない可能性が高いです。信頼関係を構築した上で、丁寧なヒアリングを通じて顧客の課題を把握し、顧客にとっての具体的なメリットを明示する提案を行いましょう。

納品までのスケジュールを明確に提示

スケジュールが不明確だと顧客を不安にさせ、契約の意思決定を先延ばしにされる可能性があります。契約後にいつ納品を行うのか、サービスはいつ開始されるのかといった期日を明示することが重要です。顧客から「○日までに納品して欲しい」という具体的な要望がある場合には、可能な限り柔軟に対応しましょう。

価格を明確に提示

商品・サービスの価格提示が曖昧の場合には、顧客に不信感を与え、受注の機会を逃す可能性が高いです。割引やオプションの説明を含んだ明瞭な価格説明を行うと、顧客は社内での承認プロセスをスムーズに進められます。

もし、自社の商品・サービスの価格が競合よりも高い場合には、その理由を説明しましょう。機能やサポートなど、価格に相応する価値があると伝えられれば、受注につながる可能性は高いです。

受注確度の高い見込み客を優先

受注率の向上には、受注確度の高い顧客を正確に見極め、優先的にアプローチすることが重要です。見込み客の購買意欲は時間の経過とともに低下する傾向にあるため、受注確度の高い見込み客はできるだけ早く対応しましょう。

受注確度の低い見込み客はリソースを割いたアプローチを行うのではなく、メルマガの配信など低コストな営業を行い購買意欲を育てていきます。見込み客の受注確度を把握し、段階ごとにアプローチを変えて、限られたリソースを有効活用しましょう。

受注率の向上を目指すなら決裁者マッチングサービスがおすすめ

前述した通り、決裁者に直接アプローチすることは、受注率の向上に効果的です。しかし、自社の営業担当者ではなかなか決裁者との接点を見出せないと悩んでいる人も多いでしょう。そのような場合には、決裁者マッチングサービスの活用がおすすめです。

弊社オンリーストーリーでは、決裁者限定のマッチングサービス「チラCEO」を提供しています。利用者は全員決裁者であり、相手が決裁者かどうか見極める必要はありません。

毎日おすすめ決裁者の表示、決裁者に直接プレゼンできるイベントの実施、カスタマーサクセスからの紹介など、決裁者とつながりを作れる機能が多く搭載されており、短期間で決裁者とのアポイントを獲得しやすいです。実際に、各社平均で月間6〜10件ほどの商談が実施されています。受注率を向上させたい方は、ぜひ利用してください。

受注率に関するよくある質問

ここでは、受注率に関するよくある質問を紹介していきます。

Q.受注率を管理するシステムはどのように選ぶ?

A.使用するツールを選ぶ際は、以下のポイントを確認するのがおすすめです。

  • 価格
  • 機能性
  • 操作性
  • サポート体制

ツールによっては無料体験やデモを用意しているものもあります。実際に使用する営業担当者に操作してもらい、操作性を確認するとよいです。

Q.業務委託を活用するメリットは?

A.自社の営業担当者では獲得できない企業とのアポイントを獲得できる場合があります。代行企業には営業のプロが在籍しており、自社にはない専門的なノウハウが蓄積しているからです。また、自社の営業担当者は他の業務を行えるため、業務負担を軽減でき、リソース不足の解消も期待できます。

決裁者マッチングサービスも活用して受注率を向上させよう

受注率を把握することには、営業活動の課題の発見、営業担当者の特性の分析、購買意欲の高いセグメントの判明など多くのメリットがあります。受注率の管理は少なからず手間はかかるものの、営業活動を行うのであれば必ず把握しておきましょう。

本記事では受注率を向上させる以下の7つの施策を紹介しました。

  • 売り上げ目標の設定
  • 見込み客の情報をデータで管理
  • 受注確度の基準を統一
  • 見込み客の課題を見極めて提案
  • 納品までのスケジュールを明確に提示
  • 価格を明確に提示
  • 受注確度の高い見込み客を優先

受注率が低いからと闇雲に営業活動を行うと、受注確度の低い見込み客との商談ばかりが増えてしまい、かえって受注率が下がってしまう場合があります。ぜひ本記事で紹介した施策を参考に、受注率の向上を目指しましょう。

なお、弊社オンリーストーリーでは決裁者マッチングサービス「チラCEO」を提供しています。決裁者とのアポイントをオンラインで獲得できるため、リソース不足の解消にもつながります。受注率がなかなか向上しない方やリソース不足にお悩みの方は、ぜひ利用を検討してください。

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