監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
経営者のメンタル不調は判断力を鈍らせ、業績や社内の雰囲気にまで影響が及びます。
不調が生じる原因と、日頃から取り入れたい5つのメンタルケアをまとめました。

経営者のメンタルケア5選を紹介します。思考力低下による業績悪化や社内の雰囲気悪化といった不調の影響、抱え込みやプレッシャーなどの原因を整理し、睡眠・息抜き・感情の記録・相談・カウンセリングの具体策を解説します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
経営者のメンタル不調は判断力を鈍らせ、業績や社内の雰囲気にまで影響が及びます。
不調が生じる原因と、日頃から取り入れたい5つのメンタルケアをまとめました。

経営者のメンタル不調は、本人や周囲にどのような問題を引き起こすのでしょうか。
ここでは、以下の4つの影響について解説します。
経営者のメンタルが不安定になると、業績の悪化につながる恐れがあります。
思考力と決断力に支障をきたすからです。
メンタルが不調になると、情報の収集や分析、状況判断などをする能力が鈍ります。
経営者の判断ミスは、組織全体の動きを鈍化させ、企業の競争力を低下させる要因となります。
企業の課題に対して決断するのが経営者の役割であるため、メンタルが不調だと役割が果たせなくなってしまうでしょう。
経営者のメンタルが不安定になると、その影響は社内の雰囲気にも及びます。
経営者に感情的な発言やネガティブな態度が現れると、従業員は経営者を不信に感じたり、従業員自身のメンタルも不調をきたしたりといった影響が出るでしょう。
その結果、社内の雰囲気の悪化につながります。
雰囲気の悪い職場では、従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなり、チームワークの低下やタスクの遅延が生じる恐れがあります。
このような環境では、従業員から経営者へ重要な情報や意見が上がってこず、組織として適切な意思決定ができなくなる可能性があります。
経営者の意向が明確でない、あるいは日々変わるような状態が続くと、外部のステークホルダーの不安を煽ることになります。
特に、投資家や取引先に対する信頼を損なうことは、企業にとって大きな損失です。
経営者の不安定な状態が露呈すると、投資家からの企業への信頼を失い、資金調達が困難になるなどの影響が出るでしょう。
メンタルの不調を放置すると、うつや適応障害など精神疾患への移行のリスクが高まります。
精神疾患を発症すると、経営者が職務を一時的、または長期的に休む必要が生じるかもしれません。
経営者が就業不能で経営から離れた場合、売上が減少するリスクも高く、企業への悪影響となります。
また、経営者の私生活においても、多大な支障をきたすこととなります。
体調不良や慢性的な疲れ、睡眠障害などの身体的な不調、家族や友人との関係悪化など、健康や人生に複数の悪影響が出るでしょう。
最悪の場合、過度なストレスや絶望感から希死念慮を抱えることも考えられます。

経営者のメンタルの不調は、どのような原因により引き起こされるのでしょうか。
ここでは4つの要因を挙げます。
メンタルの不調の原因として、仕事の抱え込みすぎが挙げられます。
経営者には、経営者しかできない業務が多く存在するため、仕事量の調整が難しく心身ともに疲れてしまう経営者は少なくありません。
特に案件や打ち合わせの数が多すぎて手が回らない場合や、仕事の水準が高すぎるあまり周囲に仕事を振ることができない場合には、強いストレスを感じる人も多いでしょう。
業績の悪化は、経営者のメンタルを悪化させる大きな原因です。
業績が悪化すると、経営者は今後の戦略や方針についての不安や焦燥感を抱くようになります。
また、経営者には固定給がない場合が多く、企業の赤字は経営者の収入源に直結し、生活にも大きく影響します。
状況を改善するために業務量を増やすも、不安や焦りからパフォーマンスが落ちているため業績が回復せず、よりメンタルの不調が悪化するという負のループに陥る場合もあります。
責任者としてのプレッシャーも、経営者がメンタルを崩す主な原因です。
最高責任者としての決定が会社の業績に影響を及ぼし、判断ミスによって会社が倒産する可能性もあります。
また、経営者は株主、取引先、そして従業員から常に評価され、彼らの期待に応えなければなりません。
公に顔を出す機会も多く、そのたびに経営者としての資質が問われます。
人から評価される立場であるため、ストレスを感じる場面は多いでしょう。
さらに、経営者は会社の健全な経営を通して、従業員及びその家族の生活を守ることも求められます。
従業員やその家族の生計が、会社の経営状況によって揺らぐことを考えれば、プレッシャーの大きさは計り知れません。
孤立感も、メンタルの不調を引き起こす要因です。
経営者の中には、自社の課題や自らの悩みについて知られることを避け、1人で問題解決を試みる人もいます。
その背景には周囲に弱さを見せることへのためらいや、経営者としての悩みを相談できる相手がいないことなどさまざまな事情があります。

経営者が心の健康を保つには、日頃からメンタルケアをしていくことが重要です。
効果的なメンタルケアの方法は以下の5つです。
それぞれの方法について解説します。
メンタルの調子を保つために、睡眠は極めて重要です。
睡眠は、脳や身体のリカバリー、情報の整理、記憶の定着など、多くの役割を持ちます。
十分な睡眠を確保すれば、判断力や集中力、そして日常のストレスへの対処能力が向上します。
しかし、メンタルに不調があると、うまく眠れない場合もあります。
経営者の立場上、完全にストレスを無くすことは不可能です。
そのため、日頃から以下のポイントを意識して、少しでも睡眠の質を上げ、ストレスに強い体質を作りましょう。
多忙な中でも、息抜きの時間を作りましょう。
息抜きの時間とは、業務から離れてリラックスしたり、自分の趣味に没頭したりする時間を指します。
特に自然の中での息抜きは効果的です。
都市の喧騒から離れ、森や海、山などの自然環境に身を置きましょう。
自然の中で過ごすと副交感神経の活動増加、心拍数の低下、ストレスホルモンの減少などのよい効果があると、多数の研究で示されています。
また、息抜きはストレスの軽減だけでなく、脳の働きがよくなりクリエイティブな発想が湧くことも期待できます。
経営者は振られた仕事をこなすのではなく、自ら仕事を生み出す必要があるため、アイディアや新鮮な視点は欠かせません。
そのため、息抜きの時間を確保することは、企業経営をする上でも重要です。
自身の感情をコントロールするには「感情を把握する」ことが基本です。
日々感じたことを、紙に書き出してみましょう。
特に、日記をつけることは有効です。
日々の出来事とそれに伴う感情を、ぜひ日記に記してみてください。
その際には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
| 具体的な出来事を記述する | 「今日は嫌な気分だった」と書くのではなく、「午後のミーティングで部下から批判が出て、落ち込んだ」といった具体的な出来事とそれに伴う感情を記述する。 |
| 感情のラベル付けを行う | 感じた感情に名前を付ける(例:怒り、喜び、不安など)ことにより、感情を認識しやすくなる。 |
| 感情に数値をつける | 感情の度合いを数値化することにより、何に対して強い感情を感じるのか理解できるようになる。 |
| 感情の対処法を記載する | 出来事や感情に対してどのように対処したか、または対処すべきだったかを記載することにより、将来的に同様の状況に直面した際に活かせる。 |
自分の感情を客観的に把握する習慣をつければ、マイナスの感情も客観視できるようになります。
経営者という職種は、多くの責任とプレッシャーに直面します。
部下や従業員に対しては、その全貌を明かすことが難しいです。
経営者同士であれば、同じような課題やプレッシャーに直面している可能性が高いです。
そのため、経営者となら、社員には言えないような悩みも共有し、理解しあえるはずです。
互いの経験や悩みを共有すれば、新たな視点や解決策を見つけられることもあるでしょう。
経営者のつながりを持つためには、経営者向けのセミナーや業界イベントなどで人脈を作るのが有効です。
ぜひ、経営者同士で交流する習慣をつけましょう。
メンタルケアには、プロによるカウンセリングが非常に有効です。
専門知識を持ったカウンセラーは、経営者が感情や考えを客観視し、ストレスを緩和するサポートをします。
経営者は、部下や外部の人間には口外できない情報や悩みを抱えている場合も多いですが、カウンセラーには守秘義務があるため、安心して自身の悩みや課題を打ち明けられるでしょう。
経営者専門のカウンセリングを実施しているカウンセリングルームもあります。
経営者特有のストレスやプレッシャーに対し、有効なアプローチを行ってくれるため、メンタルの不調を感じていない場合でも、定期的にセッションを受けるのがおすすめです。

ここまで、経営者のメンタルの不調の原因と対処法について紹介してきました。
経営者がメンタルを健全に保つには、悩みを共有できる環境作りが不可欠です。
日頃から積極的に経営者同士のつながりを持ちましょう。
経営者とつながるには、オンリーストーリーが提供する「チラCEO」の利用がおすすめです。
「チラCEO」は、企業の決裁者同士をつなぐマッチングサービスです。
年間マッチング件数は10,000件を超えます。
その80%以上の登録者が取締役以上であり、経営者も数多く登録しています。
オンラインで全てが完結するため、業務の合間にマッチングできるのも魅力です。
経営者のメンタルヘルスは、組織の健全な運営と直結しています。
そのため、経営者のメンタルケアは企業を継続させていく上で不可欠です。
経営者のメンタルの不調の原因や不調によって生じる問題・課題、メンタルの不調の解決方法には、次のようなものがあります。
少しでもメンタルの不調を感じたら、睡眠や息抜きの時間を確保し、周囲に相談して負担を和らげましょう。
悩みの相談できる経営者仲間を作るには、チラCEOがおすすめです。
チラCEOが提供する決裁者の検索やマッチングイベントなどを通して、多くの経営者との接点が作れます。
また、ビジネスの面においても、自社が求める企業の決裁者に直接アプローチし、案件の受注につなげられます。
興味のある方は、ぜひご利用ください。
A. 情報の収集や分析、状況判断の能力が鈍り、判断ミスから業績悪化につながる恐れがあります。
不調のサインに早めに気づけるよう、日頃から自分の状態を振り返る習慣を持ちましょう。
A. 仕事の抱え込みすぎ、業績の悪化、責任者としてのプレッシャー、悩みを相談できない孤立感です。
原因に合わせて、仕事の任せ方や相談できる相手を見直すことが大切です。
A. 就寝前の電子機器やアルコールを控え、夕食は3時間前、入浴は2時間前までに済ませます。
毎日同じ時間に起きるなど、生活のリズムを整えることも睡眠の質の改善につながります。
A. 日記に具体的な出来事と感情を書き、感情に名前や数値をつけると客観視しやすくなります。
書き出した内容を後から見直すと、自分がどんな場面で負担を感じやすいかが分かります。
A. カウンセラーには守秘義務があり、不調を感じていなくても定期的に受けることが勧められています。
早めに相談できる相手を持っておくと、不調が大きくなる前に対処しやすくなります。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。