最終更新日: 2023.10.13

受注分析とは、受注に至った理由を分析し、受注につながる傾向を明らかにすることです。受注分析を行って営業の勝ち筋を見つけると、受注率の向上につながります。組織全体の営業力向上にも役立つため、定期的に営業活動を振り返り、受注分析を行うべきです。

今回は、受注分析を行うメリットと分析手法を解説します。受注分析を効率よく行えるツールも紹介しているため、営業力を強化したい方はぜひ参考にしてください。

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受注分析とは

受注分析とは、その案件が受注に至った理由を分析することです。受注できる案件の特徴や傾向などを見出し、営業活動をどのように進めれば受注につながりやすいかを理解するために行います。

例えば、AとBの2つのトークスクリプトを使用して、営業活動を行ったとします。結果を分析し受注につながった案件の8割がBを利用しているとわかれば、AではなくBが有効であると判断できます。

営業活動は、やみくもに行ってもなかなか安定して成果を出せません。受注分析によって、勝ちパターンを見つけることが大切です。

売上分析との違い

受注分析と売上分析の違いは、以下のように整理できます。

分析する対象分析する目的分析を行う人
売上分析事業別に見た売上の推移商品・サービスごとの売上顧客別の売上営業における目標を設定し、戦略を策定する営業部長や経営層など
受注分析受注につながった個別の案件の特徴や傾向勝ちパターンを見つける営業担当者やマネージャーなど

売上分析は、売上を分析して業績を評価するというマクロ的な視点で行います。目標の設定や戦略策定など、上流工程に関わります。

一方、受注分析は、ミクロ的視点に立った分析であり、営業担当者個人が日常的に行うのが特徴です。個別の案件について「どうすれば受注につなげられるか」を、営業担当者やマネージャーが理解するために行います。

失注分析との違い

失注分析は、受注に至らなかった案件を分析します。失注分析と受注分析とは真逆の分析方法ですが、受注率を上げるためには、両者ともに欠かせません。

失注分析では、失注した要因や課題を洗い出して対策を立て、今後の営業活動に活かすことを目的としています。失注分析ができていない場合、受注率を上げようとさまざまな施策を講じても、再び同じ理由で失注する可能性が高いでしょう。

失注要因としては、主に以下の2つのパターンがあります。

  1. 営業方法や営業担当者の技量に問題があるパターン
  2. 市場の状況や顧客の事情が原因であるパターン

このうち、営業担当者がコントロールできるのは1.です。案件ごとに失注のパターンを振り返り、適切な対策を検討しましょう。

受注分析を行う3つのメリット

受注分析を行うメリットは3つあります。

  • 自社の強みを理解できる
  • 効率的な営業活動が実現する
  • 営業組織全体の営業力強化につながる

自社の強みを理解できる

受注分析をすると、商材やサービスの魅力的や、競合の中から選ばれた決め手など、自社の強みがわかります。

顧客から見た自社の強みを理解できれば、商品・サービスのアップデートや営業資料の作成、商談でのアプローチ方法の見直しに役立ちます。強みを伸ばすことにより、受注率のより一層の向上も期待できます。

効率的な営業活動が実現する

受注分析によって、受注しやすい会社の属性やアプローチ方法などが明らかになり、営業リソースをどのように配分すべきかが判断しやすくなるため、営業活動をより効率的に行えます。

テレアポよりもメール営業の方が受注に至りやすい場合、テレアポに割いていた時間をメール営業に充てればいいと判断理解できます。受注が難しい業種がわかれば、その業種の企業をリストから外す、優先順位を下げるなど対処できます。

営業組織全体の営業力強化につながる

受注分析の結果を記録すれば、ノウハウを蓄積でき、組織全体の営業力強化につながります。

営業活動は、営業担当者のスキルや経験に依存しがちで、よって成果に差が生じることが多く、属人的しがちです。ノウハウの共有により属人化を防ぎ、組織の営業力を強化できます。

また、再現性の高い営業のコツを共有すれば、個々の営業成績も上がりやすくなり、社員のモチベーションアップにつながるでしょう。

受注分析を行う3つの方法

受注分析は、以下の手順で行います。

  1. 案件のデータを収集する
  2. データを分析し、共通点や傾向を見つける
  3. 受注に至った要因を明文化する

ここでは、それぞれのステップについて解説します。

1.案件のデータを収集する

まず、受注分析に必要なデータを収集しましょう。

具体的には、以下のようなデータが必要です。

  • 顧客情報
  • 受注内容
  • リード獲得の手法
  • リード獲得から受注までの期間
  • 顧客からヒアリングした、購入・契約の決め手

上記はあくまでも代表例です。他にも必要なデータがあれば取得しましょう。

2.データを分析し、共通点や傾向を見つける

データを分析し、受注した案件の共通点や傾向などを見つけます。データ分析の手法については、次の章で詳しく解説します。

共通点や傾向を見つけるには、売上に関する要素を洗い出すことが大切です。要素の洗い出しを行ってからデータを分析すると、受注に至る傾向を詳細かつ具体的に把握できます。

例えば、以下のように要素を洗い出します。

<顧客数>

  • 新規顧客数
  • 既存顧客数
  • 業種ごとの顧客数

<単価>

  • 業種ごとの単価
  • 機能ごとの単価
  • 割引率

<購入頻度>

  • 曜日別の購入頻度
  • 時間帯別の購入頻度

その他、以下のような条件も細かく分析しましょう。

  • リード(見込み客)を獲得したチャネル(テレアポ、DM、既存顧客からの紹介など)
  • リードタイム(リード獲得から受注までにかかった日数)
  • 競合の商品・サービスの導入も検討していたか
  • 決裁者とも面談したか

3.受注に至った要因を明文化する

受注に至った要因がわかったら、明文化して記録します。また、それぞれの要因が受注にどの程度貢献したかをスコアリングすると、要因がよりわかりやすくなります。

受注に至った要因は、以下のように記録するのがおすすめです。

<リード獲得手法>
テレアポであらかじめニーズをヒアリングし、アポイントにつなげるかのフィルタリングを行った・・・70点
<トークスクリプト>
Aのトークスクリプトを利用した・・・50点
<決裁者へのアプローチ>
決裁者と直接アポイントを獲得し、商談できた・・・90点
担当者との3回目の商談で、決裁者に同席してもらった・・・70点

こうした分析を地道に繰り返し、受注につながる勝ち筋を見つけることにより、営業力を強化できます。

受注分析に使える4つの手法

受注分析は、以下のような手法を使うといいでしょう。

  • 重回帰分析
  • ABC分析(パレート分析)
  • パイプライン分析
  • アソシエーション分析

それぞれを解説します。

重回帰分析

重回帰分析とは、結果に影響を与えるとされる複数の要因のうち、どの要因がどのくらい影響を与えているのかを分析する手法です。重回帰分析を行うと、受注につながった要因のうち、どれのインパクトが大きいのかがわかり、営業活動をより改善しやすくなります。

重回帰分析は、以下の手順で行います。

  1. 目的変数を決定する:受注分析であれば受注数のこと
  2. 説明変数を考察する:受注に影響を与えるさまざまな要因のこと
  3. エクセルや専門のツールを使って分析する

重回帰分析を行う際は、説明変数を増やしすぎないことが大事です。説明変数を増やしすぎると、それぞれの要因が結果に与える影響が小さくなってしまい、有用なデータを得られなくなります。1度の分析につき7つ程度に絞り込み、説明変数を変えて複数回分析しましょう。

ABC分析(パレート分析)

ABC分析(パレート分析)とは、売上・コスト・在庫といった指標を大きい順にランク付けし、どの商品やサービスが自社にとって重要かを把握する手法です。ABC分析の根底にあるのは、「売上の8割は全体の2割の商品で生み出している」という「パレートの法則」です。

ABC分析を行うと、売上につながる主力商品・サービスを把握理解できます。そのため、在庫管理に活用することが多い手法です。

ABC分析は、受注分析以外にも応用できます。例えば、顧客が購入・契約を決めた最も大きな要因を明らかにできます。購入・契約の決め手には、コストパフォーマンスがよかった、セキュリティ対策がしっかりしていた、営業担当者が信頼できたなど、さまざまな要因が考えられます。

ABC分析によって、どの要因が特に重要だったか理解できれば、今後のアプローチ方法を決める際に役立つでしょう。

パイプライン分析

パイプライン分析とは、「見込み客(リード)の獲得・育成→商談→受注」という営業活動の各プロセスにKPIを設定して、達成状況を分析することです。どの過程に強みがあり、どの部分を強化すべきかを明らかにできます。

パイプライン分析では、プロセスごとに以下のようなKPIを設定しましょう。

  • リードの獲得・育成:架電数、メール開封率、アポイント獲得数、ナーチャリングメールの送信数、メルマガ開封率 など
  • 商談:営業機会数(訪問件数)、商談数、商談化率
  • 受注:受注率、顧客単価、受注期間

パイプライン分析の結果、商談化率が低いと判明すれば、受注確度の低いリード(見込み客)を多く獲得していると考えられます。

アソシエーション分析

アソシエーション分析は、複数のデータ間の関連性を分析する手法です。前提と結果を仮定した上で、データ同士の関連性とその強弱を分析します。

例えば、受注分析でアソシエーション分析を用いると、以下のようなことがわかる可能性があります。

  • 成約からサービス提供までの日数を質問してきた顧客は、受注につながりやすい
  • 過去にAプランを利用していた顧客は、Cプランにアップグレードしてくれやすい

コンビニでお酒を購入する人の多くが一緒におつまみを購入している、と導き出すのがアソシエーション分析です。顧客の行動と受注の関連性を明らかにできれば、受注につながる案件のパターンが見えてくるでしょう。

受注分析にはSFAツールを活用しよう

受注分析には、SFAツールを活用するのがおすすめです。

SFA(Sales Force Automation)ツールとは、案件管理や顧客管理などの営業管理を効率化できるツールです。主に以下のような機能があります。

  • 顧客情報の管理機能
  • 案件管理機能
  • 商談の進捗管理機能
  • 日報機能
  • 売上予測・予実管理機能

営業活動におけるあらゆる情報をデータで蓄積し、管理できるのが魅力です。営業担当者の行動や商談記録などを細かく蓄積できるため、受注分析に必要なデータの収集に役立ちます。

中には、行動データや案件データの抽出や、レポート機能で受注傾向を自動的に分析ができるものもあります。導入すると、日々の営業活動や受注分析の効率化に効果的です。

受注分析についてよくある質問

最後に、受注分析についてよくある質問を2つ紹介します。

Q.受注分析で得たノウハウはどのように管理・共有すべき?

A.ナレッジ共有ツールを活用するのがおすすめです。

ナレッジ共有ツールとしては、社内wikiやビジネスチャット、ナレッジ共有専門ツールが挙げられます。ツールを導入して終わりにならないよう、必要な情報をすぐに参照できる使い勝手のい良いツールを選びましょうぶことが大切です。

Q.案件が失注してしまう主な理由は?

A.主な失注理由として、以下の6つが挙げられます。

  • 提案が曖昧で顧客のニーズに応えられなかった
  • 信頼関係を構築できなかった
  • 顧客の稟議をサポートできなかった
  • 決裁者を見極められなかった
  • 納期やスケジュールの提示が曖昧だった
  • 競合他社のサービスの方が魅力的だった

その他、予算や既存サービスとの兼ね合いなど、顧客の事情で失注することもあります。顧客事情による失注はコントロールが難しいですが、顧客の反応から失注の可能性に気づけなかったかを振り返りましょう。

受注分析で営業の勝ち筋を見つけよう

受注分析について理解しておきたい要点は、以下の4つです。

  • 受注分析とは、案件が受注に至った要因を分析し、受注できる案件のパターンを見つけること
  • 受注分析を行うと、営業活動が効率化する
  • 組織全体の営業力強化にも役立つ
  • 受注分析を効率よく行うためには、SFAツールを活用するのがおすすめ

受注分析で営業の勝ち筋が見つかれば、受注率を上げる高る方法がわかり、営業力を強化できます。

受注分析の手法には、重回帰分析やABC分析などがあります。明らかにしたい事項に応じて、適切な手法を選びましょうぶことが大切です。

また、受注確率を高めるためには、決裁者に直接アプローチするのが効果的です。決裁者に商品やサービスの魅力をアピールできれば、スムーズに受注できる可能性が高まります。

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