受注とは顧客から注文を受けることです。顧客に商品やサービスを提供するまでの業務量が多いため、時間がかかると注文がキャンセルになりかねません。受注フローの効率化に頭を悩ませる担当者もいるでしょう。
そこでこの記事では受注フローの全体像を述べたのちに、効率化のポイントを解説します。
受注とは顧客から注文を受けることです。顧客に商品やサービスを提供するまでの業務量が多いため、時間がかかると注文がキャンセルになりかねません。受注フローの効率化に頭を悩ませる担当者もいるでしょう。
そこでこの記事では受注フローの全体像を述べたのちに、効率化のポイントを解説します。
まず、受注のフローをステップ別に解説します。
ステップ | 詳細 |
見積もり書の提出 | 契約を締結する前に商品・サービスの見積もりを行う。 |
在庫・リソース確認・検品 | 問題なく商品を発送するために、在庫確認と検品を行う。 |
納品日・支払い条件などのすり合わせ | 発注書を受け取る前に納品日や支払い条件などをすり合わせておくとトラブルを回避できる。 |
契約書の取り交わし | 見積もり内容をもとに契約書を取り交わす。 |
受注 | 注文書や発注書を基に受注の手続きを進める。 |
出荷指示 | 配送やサービス導入の担当者に出荷の指示を出す。 |
納品書の作成・梱包・発送 | 「納品書」は商品と一緒に納入する書類である。商品の種類や数量を記載しよう。 |
サービスの開始 | サービス業務の場合、取引先との初回ミーティングで、受注時に確認した内容の再確認、導入後の具体的な進め方やスケジュール、役割分担などの詳細を確定する事が多い。 |
検収書の受領 | 「検収書」は注文内容と相違がないか確認する書類である。 |
売上伝票の作成・請求書の送付 | 商品の出荷完了、もしくはサービスの提供開始の段階で、代金の請求を行う。 |
入金確認 | 発注元からの入金を確認する。 |
まず、費用を提示するために見積書を作成します。提供するものが商品の場合、まず商品の基本価格が考慮されます。基本価格は原価や配送費など、さまざまな要素を加味して導き出されます。コンサルティングやITサービスなどの場合、作業の範囲、必要な時間、担当者のスキルなどが価格の変動要因です。
BtoB取引の場合、見積もり額は取引先の要求に合わせることが多く、複数回行うことがあります。大口の取引や競合他社が安く価格を提示している場合、見積額を引き下げることもあるでしょう。ただし、値引きをする・しないの判断は、相手企業の財務状況によって異なります。予算に余裕がある場合、少し高めの価格に設定しても受注できることは少なくありません。
在庫確認は在庫数が注文数量に足りているか、検品は商品に不具合がないかを確認する作業です。在庫数が注文数量に満たない、もしくは商品に不具合がある場合、すぐに仕入先へ発注を行いましょう。
在庫管理システムを導入することで、リアルタイムで在庫状況を把握でき、受注時の確認作業も迅速になります。ただし、検品作業は人の目で行うため、担当者を用意するか外注する必要があります。
なお、サービス業務の場合は、物理的な在庫や生産の問題は生じませんが、人員の確保や業務のスケジュール調整が必要となることが多いです。
続いて、納品日と支払い条件などを確認します。納品日や支払い条件はトラブルが発生しやすいポイントなので、取引先に十分な説明をした上で認識をすり合わせておくことが重要です。
また、遅延が発生しないように、スケジュールと照らし合わせ、確実に納品できる日を指定しましょう。
取引先に十分な説明をするためには、ミーティングの時間を作ってもらうとよいです。Googleカレンダーなどを使うと、相手企業に予定を共有しやすいためおすすめです。
諸々の認識をすり合わせられたら、商品やサービスの価格、納期、契約期間や解約条件などを契約書に明記し、両者が納得した上で契約書を作成しましょう。契約書を作成しておくことで、のちのちのトラブルを避けやすくなります。
契約書は受注者と発注者の権利と義務を明確にすることが重要です。また、弁護士など法律の専門家に意見を聞き、法的に問題がないか確認してもらうとよいでしょう。
契約を締結したら受注を完了したことになります。受注金額や内容、受注日時などの情報は見返せるように保管しておきましょう。受注の情報を一元的に管理できるシステムを導入するのがおすすめです。
また、取引先に受注した旨を知らせるために、メールを送っておくと丁寧です。受注内容の確認を促すことにもつながるため積極的に活用しましょう。
多くの企業がデジタル化を進める一方で、一部の企業はITに慣れておらず、FAXでの発注を強く希望するケースもあります。受発注のデジタル化を進める場合、取引先の理解を得ることがポイントです。
受注が完了したら出荷指示書を作成します。出荷指示書は商品の種類、数量、納品先の情報など出荷に関わる重要な項目が記載された書類です。出荷指示書の内容が間違っていると、取引先とのトラブルにつながるため注意しましょう。
出荷指示書の完成後は倉庫へ出荷の指示を出しましょう。出荷指示書の自動作成システムを導入することで、手間を削減し、ミスを減らせます。商品の種類や出荷量が多い場合は、事前に出荷の優先度を明確にすることで、効率的に進められます。
続いて発送作業に移ります。納品内容を記載した納品書とともに商品を梱包し、発送します。商品の破損を防ぐために商品に応じて適切な梱包材を使用し、丁寧に梱包しましょう。
梱包や発送業務は比較的単純な作業であるため、予算に余裕があれば代行サービスを利用することを検討してもよいでしょう。また、納品書の記載内容は出荷指示書と重複する部分が多く、内容を共有することで効率的に書類作成できます。Googleスプレッドシートを使うなどして、内容を共有できる体制を整えましょう。
サービス業務の場合、受注後にサービスの提供を開始します。
取引先のニーズや要望に適した人材の選定や業務スケジュールの調整を行いましょう。顧客の課題の解決状況を定期的に確認することも重要です。課題や問題を迅速にキャッチすることで取引先との信頼関係を維持し、サービスの品質を保てます。取引先への定期的な報告や、コミュニケーション機会を確保するなどしましょう。
商品やサービスの納品が完了したら、相手に検収書を発行してもらいましょう。検収書は商品が注文どおりの内容であることを証明する書類です。納品時点で問題がなかったことが証明されるため、トラブルやクレームの防止に役に立ちます。
検収書はトラブル防止のために念入りに内容を確認する必要があります。手早く確認するためには、共通のフォーマットを用意し事前に共有しておくとよいでしょう。記載位置がわかりやすくなり、簡単に確認できます。
検収書を受け取ったら売上伝票を作成しましょう。売上伝票は、販売した商品やサービスの詳細、数量、価格などの情報が記載された文書で、企業の会計や経理業務において役に立ちます。
売上伝票を基に請求書も作成します。請求書は金額とその詳細、支払いの期限や方法などの情報を明記した書類で、発注側に送付し入金を指示します。請求書は紙ではなくデジタルのものもあります。送付の手間やコストを削減し、迅速に発注側へ情報を伝えられます。
入金が確認できたら領収書を発注側へ送付します。これにより取引が正式に完了となります。
複数の取引が行われている場合、誤って違う取引の入金として認識する可能性があります。入金者と金額は念入りに確認しましょう。
次に受注のフローを効率化するポイントを解説します。
まず、商品の受注フローを見える化し、業務の内容や工程を把握することから効率化が始まります。
業務の具体的な内容、担当部署、作業場所、作業時間、担当者数などを確認し、非効率な業務や不必要な工程を特定しましょう。取引先との連絡の回数が多いか、社内の承認フローに時間を要していないか、人的ミスが発生しやすい業務が存在するかなどを確認します。
また、見える化した業務フローをもとに、業務マニュアルを作成するとよいでしょう。マニュアルを整備することで、作業手順のばらつきがなくなり、業務の標準化を図れます。
紙ベースの書類を使っている場合、取引書類を電子化しましょう。取引書類の電子化の最大の利点は業務工数の大幅な削減です。書類の作成、印刷、郵送やFAX送信といった多くのステップを省き、オンライン上での一斉処理が可能になります。
取引のスピードが向上し、郵送費や通信費などのコスト削減にも貢献できます。
商品の受注フローの効率化のために、受注業務のシステム化も重要です。手動での受注業務は人為的ミスが起こりやすく、人材の確保と人件費の増加などの課題もあります。受注管理のソフトウェアなどを導入すれば、注文内容の確認、在庫や納期の管理、出荷指示などの作業を自動化できます。
企業の生産性が向上し、リードタイムを短縮しやすくなるでしょう。また、商品や金銭の流れを可視化し、進捗状況も容易に確認できるなどの利点もあります。
受注フローの効率化には顧客データベースの作成も重要です。取引先の基本情報から取引履歴、コミュニケーションのログまで、全ての情報を一元的に管理することで、業務の改善や効率化に活かせます。
例えば、過去のデータを基に、どの取引先がどのような商品やサービスに関心を持っているのかを分析し、提案を行えば、追加受注できる可能性が高くなります。
ただし、顧客データベースを有効に活用するためには、定期的な更新と整理が不可欠です。データベースが古くなると、情報の正確性が低下するため、最新の情報を常に反映させる体制を整えることが大切です。
受注フローの効率化の一環として、アウトソーシングも有効です。アウトソーシングとは、特定の業務を専門的な外部の業者に委託することを指します。これにより、企業は自社の得意分野に集中できます。
例えば在庫管理、梱包、配送、納品書の作成などのプロセスを外注することで、従業員はそれぞれのコア業務に集中できます。
さらに、アウトソーシングを利用することで、コスト削減できる可能性があります。自社でシステムを導入したり、人員を確保したりするよりも、外部業者に特定の業務を委託する方が、経費を抑えられる場合があるためです。
受注フローに関するよくある質問をまとめます。
それぞれについて解説します。
A.エクセルでの自動化システム作成は可能です。エクセルには、組み込み関数やVBA (Visual Basic for Applications) というプログラミング言語が内蔵されているため、これを使用することで、さまざまな自動化が可能となります。
具体的に受注業務の自動化を考えた場合、以下のような機能がエクセルで実装可能です。
これらの機能は、一定のエクセルの知識とVBAのスキルがあれば実装可能です。
しかし、エクセルを受注業務自動化システムとして使用する際、以下のような課題や注意点もあります。
このように、エクセルでの受注業務自動化は一定の範囲内であれば十分に実現可能ですが、ビジネスの規模や社内リソースに応じて、専用の受注管理システムの利用を検討することも重要です。
A.受注フローは以下のようなフォーマットにまとめるとよいでしょう。
フォーマット | 詳細 |
フローチャート | フローチャートは、各工程や業務の流れを視覚的に捉えやすくするツールである。各工程間の関連や条件分岐、ループなども明確に表現できるため、複雑な業務の流れも簡潔に表現可能である |
ガントチャート | ガントチャートは期間を持ったタスクやプロジェクトの進捗を視覚的に捉えるためのツールである。各タスクの開始日と終了日をバーで表示し、それらの関連性や重なりを一覧で確認できる。 |
業務手順書 | 詳細な手順や注意点、条件などを文章や図解でまとめる。業務手順を細かく記せるため、業務の標準化や人材育成などに役立てることができる。 |
受注フローを見える化する形式は、業務の特性や関係者のニーズに応じて柔軟に選択すべきです。複雑な業務フローの場合、全体像がわかりやすいフローチャートと、文章で手順を表現できる業務手順書が、進捗の確認や調整が頻繁に必要な場合、ガントチャートが有効です。
A.受注業務のアウトソーシングの費用を考える際には料金形態が重要です。主に固定報酬型と従量課金型の2つの料金形態が存在します。
固定報酬型はその名の通り、月額や年額として固定の費用が発生する料金形態であり、業務の量や質に関わらず、あらかじめ設定された金額を支払うことになります。受注の量が安定している場合や、一定の業務量を維持したい場合に適しています。
一方、従量課金型は業務の実際の量や内容に応じて費用が発生する形態です。受注の量が月によって大きく変動する場合や、予測が難しい場合に向いています。
しかし、アウトソーシングにかかる費用は、会社によって大きく変動します。最も確実な方法は、実際にアウトソーシング会社に直接相談することです。複数の会社に相談し、比較することより、自社のニーズや予算に合った最適なアウトソーシングサービスを選択できます。
ここまで、受注業務の効率化について説明しました。中でも営業活動を効率化したい場合、アポイントの質が重要となります。
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ここまで受注フローの全体像と効率化について説明しました。まずは受注フローの見える化からはじめ、営業活動の見直しや業務の電子化・自動化を進めましょう。
また、受注業務を効率化するためには、以下のポイントに注意することが重要です。
最後に、受注につなげるには商品やサービスの営業の成功も重要です。営業の成功には決裁者への質のよいアポイントが欠かせません。決裁者へのアポイントで悩まれている方は「チラCEO」を検討してみてはいかがでしょうか。