最終更新日: 2023.09.27

営業管理ツールは、円滑な営業活動を支援するツールです。営業チームの業務を把握できずに困っている、顧客データを有効活用して営業成果の向上を図りたいといった課題を持っている場合に、おすすめのサービスです。

しかし、営業管理ツールは多種多様。自社の課題を解決するのに最適なツールが見つからない人も、多いのではないでしょうか。

この記事では、営業管理ツールの種類と選ぶ基準を解説し、課題解決に導くおすすめのツールを紹介します。

営業を管理するツールとは

営業管理ツールにもさまざまな種類があり、自社の目的に合ったものを選ぶことが重要です。主に以下の3種類があります。

  • SFA(営業支援ツール)
  • CRM(顧客関係管理ツール)
  • CDP(顧客管理プラットフォーム)

SFA(営業支援ツール)

SFA(営業支援ツール)は見込み顧客にアプローチする際に、営業担当者の営業活動や顧客情報を一元管理して分析するツールです。

具体的には以下のような機能があります。

  • 顧客情報の管理
  • 案件情報の管理
  • 商談情報・日報の管理

それぞれについて解説します。

顧客情報の管理

SFAは、会社名・所在地・電話番号・担当者・役職など、顧客に関する様々な情報を管理する機能を持っています。過去にどのような顧客にどのように接触したかが可視化できるため、顧客リストの整理に役立ちます。また、商談時に必要な情報を取り出しやすくなるなどのメリットもあります。

案件情報の管理

営業担当者が取り扱った案件を管理する機能を持ちます。この機能によって、案件が受注・失注するまでのプロセスを可視化できます。そのため、個々の顧客にどのようにアプローチするか、もしくは商材をどのような企業に対し営業するかなどの戦略を練ることができます。

商談情報・日報の管理

商談の内容や履歴を詳細かつ簡単に書き記すことができます。また日報の管理機能も備えているため、営業担当者の進捗の把握、成功事例の共有にも役立ちます

CRM(顧客関係管理システム)

CRM(顧客関係管理システム)は顧客との関係性を構築し、顧客とのコミュニケーションから得た情報を管理するツールのことです。SFAが商談から受注までの役割を担うのに対して、CRMは受注後の顧客との関係を強化することや、顧客の動きを把握することに用いられます。

ただ顧客情報を管理するだけでなく、マーケティング施策に活用したり、メールを送信し顧客と積極的にコミュニケーションを取ることもできます。

また、SFAとCRM両方の機能を持ったツールも数多く存在します。両方の機能を持つツールを使うと、営業プロセスを一元管理できるので便利です。

CRMは具体的には以下のような機能があります。

  • 顧客情報の管理と分析
  • マーケティングオートメーション
  • カスタマーサポートの記録保存

それぞれについて解説します。

顧客情報の管理と分析

SFAと同様に顧客情報の管理と分析を行えます。顧客属性や行動履歴の分析によって、それぞれの顧客にとって関心の高い情報を選定し、興味関心に沿ったメールを送信できるようになります。また顧客情報を活かして、マーケティング戦略を練ることもできます。

マーケティングオートメーション

CRMの中にはメール配信などのマーケティング施策を自動化するMA(マーケティングオートメーション)が備わっているものもあります。集めた顧客情報から見込み顧客のコミュニケーション履歴や属性を分析し、それぞれの顧客に合ったメールを自動配信できます。

カスタマーサポートの記録保存

商談成立後の顧客との会話の履歴や顧客の問い合わせ内容を一元管理し、蓄積できます。履歴の情報を活かし、顧客対応の質を高めることが可能です。

CDP(顧客管理プラットフォーム)

CDP(顧客管理プラットフォーム)は、顧客一人ひとりひとりの属性や行動データを収集・分析するプラットフォームのことです。CRMが既存顧客のデータを対象にしているのに対してCDPはより扱う対象が広く、オンラインでのリード(見込み顧客)もデータ収集の対象になります。ただWebサイト上の顧客データも追跡する関係上、営業よりはマーケティング担当が用いることが多いツールです。

具体的には以下のような機能を持っています。

  • 複数のチャネルからのデータ収集
  • 収集した情報データの統合
  • 統合したデータの分析

それぞれについて解説します。

複数のチャネルからのデータ収集

営業履歴だけでなく、オンライン上での行動履歴や、メールからのアクセス履歴などのさまざまな情報を収集する機能を持っています。複数のチャネルの情報を整理できるため、データ管理が楽になるだけでなく、より詳細な分析ができるようになります。

収集した情報データの統合

収集したデータを統合し、それぞれの顧客の詳細情報を一つのデータにまとめることができます。顧客データを細かく作り上げることによって、顧客分析の精度を高めることが可能です。

統合したデータの分析

収集・統合したデータを分析し、顧客のニーズやそれぞれの顧客に適したアプローチが何かをより正確に知ることができます。また、顧客データ全体の傾向や特徴をつかんで全体的な販売戦略を練ることも可能です。分析を通して営業戦略の質を上げていくことによって、営業の成果を上げたり、費用対効果を改善することができます。

営業管理ツールの選び方

営業で効果を上げるには、営業管理ツールを導入する目的を明確にし、目的に合ったツールを選ぶことが重要です。営業管理ツールの導入目的を定める際のポイントは以下の通りです。

  • 自社の営業組織の体制
  • 解決したい課題
  • 使いやすさ
  • サポート体制の充実度
  • 料金

それぞれについて解説します。

自社の営業組織の体制

自社の営業組織がどのような体制であるかによって、導入すべき営業管理ツールは変わります。

まず、営業組織が現在どのような段階にあるのかは重要です。例えば、新商品の営業など自社の営業組織が成長段階にある場合は、さまざまな機能があっても使いこなせない可能性もあります。そのため、最初はシンプルで安価な営業管理ツールを1つ導入するとよいでしょう。

反対に営業組織が成熟している場合は、高機能な営業管理ツールを導入するとよいでしょう。また既存顧客の囲い込みが重要になってくるので、MA(マーケティングオートメーション)を備えたCRMの導入はとても重要です。

営業手法もツール選びの指針となります。フィールドセールスが中心である場合、スマホでの入力に特化したSFAがあれば、外出先で案件の進捗を保存したり、商談のスケジュールを管理できたりするためとても便利です。

対して、インサイドセールスやセミナーが中心である場合は、MAを導入したCRMがあれば成果に繋げやすくなります。顧客とのコミュニケーションを記録し分析したり、分析結果を元に作成したメールを自動で送ったり、業務効率化やリード(見込み顧客)へのアプローチの精度向上につなげることができるでしょう。

解決したい課題

営業管理ツールを導入する前に、自社の営業組織が解決したい課題を明確にしましょう。

例えば、フィールドセールスの業務を管理したい場合は、商談の管理や日報機能を備えたSFAがあると、営業チーム全体の案件管理や、個々の営業担当者の進捗把握に役立ります。

また、営業活動のPDCAサイクルを回したい場合は、案件管理機能に長けたSFAに加え、CDAがあると役に立つでしょう。日々の営業活動の履歴に加えて、オンライン上でしか見えないデータの収集や統合ができます。これらのデータを分析をすることによって、顧客のニーズに適したアプローチ方法や新しいリード(見込み顧客)の発見もできるようになります。

使いやすさ

営業管理ツールが使いにくいと、導入しても営業担当者に使ってもらえない、もしくは業務の効率が下がるリスクが生じます。そのため、使いやすさは営業管理ツールの選定に大事な指標です。使いやすい営業管理ツールを見極めるには以下のポイントに注目するとよいでしょう。

  • 画面の操作性
  • 必要な機能の選定
  • 外部ツールとの連携
  • モバイル端末への対応

それぞれについて解説します。

画面の操作性

視覚的、直感的に使いやすいツールであれば、営業担当者は日々の業務に取り入れやすくなり、チーム内に浸透しやすくなるでしょう。たとえば営業成果やスケジュールがトップページに表示されると、ブラウザを開いてすぐに確認できます。クリックとドロップでレイアウトを変更できれば、ほしい機能だけがすぐに利用できるようになり、社員の使い勝手の向上、業務の効率化につながります。

必要な機能の選定

営業管理ツールは多機能であるものが多く、かえって使いづらいと感じることもあります。そのため必要な機能に絞ることも重要です。例えば、フィールドセールス中心の部署に、自動でメールを送るマーケティングオートメーションの機能が備わっていても使われず、メニュー画面が煩雑になるだけの場合もあります。

外部ツールとの連携

自社にすでに使っているツールがある場合、それらを外部ツールと連携すれば使いやすくなります。例えばGmailの履歴をSFAに抽出できれば、顧客情報管理が円滑に進みます。また、会計ソフトに売上を自動入力できれば、会計業務が大幅に楽になります。

モバイル端末への対応

フィールドセールス用にSFAを導入する場合、スマートフォンやタブレットに対応していることが大切です。商談中に必要な情報にすぐにアクセスできるなど、外出先ですぐにアプリを取り出せることが大事であるためです。

サポート体制の充実度

営業管理ツールは多く、使い方がわからない社員が出てくるなどといった不具合が生じる場合もあるでしょう。そういったときのために、サポート体制が整っている営業支援ツールがよいでしょう。

サポートの充実度は営業支援ツールによって異なります。自社社員のITツールへのリテラシーや、業務体制、導入したい機能の多さから、どの程度のサポートが必要になるか考えましょう。

ITツールに慣れていない社員が多い組織だと、メールだけでなく電話対応までしてもらえたり、無料セミナーがついているツール、夜遅くまで営業している組織の場合、夜遅くまで受付しているツールだと、社員が営業支援ツールを使う上での悩みの解決につながるだろう。

料金

中長期的にツールを使用するためには、自社の予算に合ったものを選ぶことも大事です。

多くの営業管理ツールは顧客データを収集し、分析することで、営業施策の向上を図る事ができます。そのため中長期的に利用することではじめて、効果を発揮できます。ランニングコストが高く継続できなかったという事態を防ぐためにも、ツール選びの段階で長期的にかかる費用を試算しましょう。

おすすめの営業管理ツール5選

ここまで営業管理ツールの特徴や、選ぶ上で重要なポイントを解説してきました。しかし、営業管理ツールはとても多く、選定には労力がかかります。そこで、以下におすすめの営業管理ツールを5つ選定しました。

  1. Sales Cloud
  2. Zoho CRM
  3. Senses
  4. kintone
  5. Treasure Data CDP for Sales

それぞれの営業管理ツールの機能も詳しく説明するのでぜひ参考にしてください。

①Sales Cloud

Sales CloudはSales force社が提供する営業管理ツールです。顧客情報や商談情報の管理のしやすさが強みであり、顧客の連絡先ややり取りの履歴に加えて、顧客のSNS情報も一元管理できます。

またSales force社の他のアプリケーションと連携し、必要に応じ新しい機能を付け加えられることも強みです。例えばセミナーでの営業にも力を入れたくなったときは、メルマガやソーシャルメディアでの配信ができるようになる同社のMarketing Cloudというツールを導入することができます。連携したシステム同士のデータは共有できるため、営業部隊同士の情報共有がしやすくなるでしょう。

1ユーザーあたり料金
Essential3,300円~/月
Professional9,900円~/月
Enterprise19,800円~/月
Unlimited39,600円~/月
スマホ対応iOS、Android
無料トライアル○30日間
機能顧客データの管理商談管理売上予測メールアラートや経費承認の自動化営業担当者のワークフローの構築

Sales Cloud

②Zoho CRM

Zoho CRMはZoho JAPAN株式会社が提供するCRMツールです。Webサイトやメール、電話など様々なチャネルの情報を一括管理できることに加え、MAの機能も備えています。

比較的安価で導入できるので、営業管理ツールを試してみたいという企業にもおすすめのツールです。ExcelやほかのCRMツールからのデータ移行も行えるため、ツールを乗り換えたいという方にも最適です。

このツールでは、顧客へのお礼メールの送信や通知の送信など営業担当者のワークフローも作成できます。また、メールの開封率を確認できるなど、SFAとしての機能も備えています。AIがワークフロー上のタスクの実績を分析してくれるため、業務改善にも生かすことができます。ほかのSFAツールを使っていたが、CRMも使ってみたいという場合にもおすすめです。

1ユーザーあたり料金
無料0円~/月
スタンダード1,848円~/月
プロフェッショナル3,046円~/月
エンタープライズ5,280円~/月
アルティメット6,864円~/月
スマホ対応iOS、Android
無料トライアル○15日間
機能リード(見込み顧客)の管理既存顧客の管理商談管理顧客のニーズ分析レポート機能営業担当者のワークフローの構築マーケティングオートメーション

ZOHO

③Senses

Sensesは株式会社マツリカが提供するSFA/CRMツールです。シンプルで見やすいフォントや、直感的で操作しやすいテーブルなど利用しやすいインターフェースが強みです。各営業担当の進捗状況や予定が一画面で把握できたり、クリック&ドロップで直感的に必要な機能だけを選択できたりする点が便利です。

また、GmailやOutlook、Slackなど様々なメールやチャットツールと連携することにより、商談の日程や記録を自動で入力できます。また、モバイルアプリからも簡単にデータを入力できます。使いやすさが支持された結果、利用継続率が98%と高いため、現場の営業担当者に定着しやすいでしょう。

商談のプロセスの可視化による業務改善や、売上予測レポートによる営業戦略の見直しなど機能面でも豊富で、多機能と使いやすさを両立したツールと言えます。

1企業あたり料金
Starter27,500円~/月
Growth110,000円~/月
Enterprise330,000円~/月
スマホ対応iOS、Android
無料トライアルあり、日数要確認
機能リード(見込み顧客)の管理既存顧客の管理商談管理顧客のニーズ分析レポート機能営業担当者のワークフローの構築マーケティングオートメーション

Senses

④kintone

サイボウズ社が提供するkintoneは、プログラミングの知識がなくても業務に必要なアプリを作成できるプラットフォームです。案件管理や日報作成などのSFA機能や、顧客情報・問合せの管理やメールの送信などのCRM機能も兼ね備えており、必要な機能だけを搭載したアプリを簡単に作成できます。

kintoneは財務会計や勤怠管理のアプリとしても使うことができます。営業のみに限らず人事や経理など複数の部署でアプリケーションを一括管理したい企業や、開発コストをかけずに様々なツールを作りたい企業にはおすすめです。

1ユーザーあたり料金
ライトコース780円/月
スタンダードコース1,500円/月
スマホ対応iOS、Android
無料トライアル○30日間
機能リード(見込み顧客)の管理既存顧客の管理案件管理問い合わせ管理顧客のニーズ分析日報機能勤怠管理財務会計機能その他

Kintone

⑤Treasure Data CDP for Sales

Treasure Data CDP for Salesはトレジャーデータ社が提供するCDPツールです。BtoB営業を行う企業向けに作られており、営業・マーケティング・カスタマーサポートなど社内のあらゆる部門で管理されている、さまざまなチャネルのデータを自動で統合することができます。管理できる情報の幅も広く、営業実績やWebサイト上の行動データはもちろん、すでに導入済みのシステムのデータやIoT機器のデータも管理できます。

さまざまなSFAとCRMと連携できることも強み。Webサイトを訪れた顧客企業を分析し、商品の受注確度を予測し、営業担当者がその情報をもとに営業活動を行うといった、オンラインとオフラインの連携ができます。このツールを活用することで、営業とマーケティングの部門間連携が可能になります。

1ユーザーあたり料金
Treasure Data CDP for Sales要問合せ
スマホ対応iOS、Android
無料トライアル○30日間
機能顧客データの管理商談管理売上予測メールアラートや経費承認の自動化営業担当者のワークフローの構築

Treasure Data CDP for Sales

営業管理ツールは自社の目的に合ったものを選ぼう

営業管理ツールにはSFA、CRM、CDPの3種類があり、利用したい機能により導入するツールは変わります。まずは自社が営業管理ツールを導入する目的と、必要な機能を明確にして、それに合ったツールを選ぶとよいでしょう。

また、フィールドセールスを中心とした部隊にはSFA、インサイドセールスを中心としたチームや、既存顧客とのやり取りに力を入れたい場合にはCRM、Web上の情報も取り入れて見込み顧客を増やしたい場合はCDPといったように、自社の営業体制や課題も営業管理もツール偉いの重要な指標です。

無料メルマガ登録
経営者向けの最新情報やイベント情報をお届けします。 弊社代表平野と、取締役川角を中心に、ここだけでしか話さない内容を日々投稿

    お問い合わせさぁ、良質なビジネスマッチングを今すぐ体験

    お電話でのお問い合わせ
    03-6821-7872 (平日10:00〜19:00)
    よくあるご質問