監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
行動量は足りているのに商談が増えない場合、問題は量ではなくやり方にあります。
商談を獲得できる営業の特徴と、手法・プロセス改善・組織づくりをまとめました。

商談を獲得できる営業とできない営業の違いを整理し、アウトバウンド・インバウンド・リレーション型の手法を解説します。営業プロセス改善の5ステップ、組織づくりのポイント、やりがちなNGパターンも紹介します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
行動量は足りているのに商談が増えない場合、問題は量ではなくやり方にあります。
商談を獲得できる営業の特徴と、手法・プロセス改善・組織づくりをまとめました。

営業活動は一般的に、リード獲得、アプローチ、商談、提案、クロージング、受注というプロセスで構成されます。
このなかで商談獲得は、見込み顧客との本格的な対話が始まる起点であり、営業成果を左右する最重要工程のひとつです。
なぜなら、受注数は「商談数×受注率」で決まるため、商談の数と質が確保できなければ、どれだけ提案力やクロージング力を磨いても受注は増えないからです。
また、商談獲得は営業パイプラインの入り口にあたるため、ここが細ると数カ月後の売上が確実に落ち込みます。
つまり商談獲得力は、目先の成果だけでなく、将来の売上を安定させるための先行指標でもあるのです。
営業組織のマネジメントにおいては、受注という結果指標だけでなく、商談獲得数・商談化率といったプロセス指標を常に監視することが欠かせません。
同じ商材、同じリストを扱っていても、商談を獲得できる営業とできない営業には明確な差があります。
その違いは才能ではなく、行動の設計にあります。
商談を獲得できない営業は、「自社サービスの説明をさせてほしい」という自分起点のアプローチをしがちです。
一方、商談を獲得できる営業は、相手の業界動向や経営課題を調べたうえで、「あなたの課題に関する情報がある」という相手起点の切り口でアプローチします。
買い手が会う価値を感じるのは、売り込みではなく、自社にとって有益な情報や視点を持っている相手です。
成果の出ない営業は、会いやすい担当者にばかりアプローチする傾向があります。
担当者との商談は獲得しやすい反面、決裁権がないため社内稟議で停滞し、受注までのリードタイムが長期化しがちです。
商談を獲得できる営業は、難易度が高くても、意思決定権を持つ経営者や役員、つまり決裁者との接点を優先的に狙います。
決裁者との商談は1件あたりの価値が担当者商談の数倍にもなり得るため、同じ活動量でも成果に大きな差が生まれるのです。
商談を獲得できない営業は、一度断られた相手をリストから外してしまいます。
しかし、断られた理由の多くは「今はタイミングではない」というだけであり、ニーズが消滅したわけではありません。
商談を獲得できる営業は、断られた相手とも情報提供などの緩やかな接点を維持し、相手のタイミングが来た瞬間に想起される状態を作っています。
ここからは、営業活動における商談獲得の代表的な手法を、アウトバウンド・インバウンド・リレーション型の3つに分けて紹介します。
自社の商材特性と体制に合わせて、複数の手法を組み合わせることが基本戦略です。
アウトバウンド型は、売り手から能動的に仕掛けて商談を獲得する手法です。
テレアポは即効性がある一方、接続率の低下により、リストの精度とトークの質がこれまで以上に問われています。
問い合わせフォーム営業は低コストで始められますが、テンプレート文面の一斉送信では読まれないため、企業ごとのカスタマイズが成果の分かれ目です。
また、経営層向けには手紙(レター営業)も有効で、デジタル接点が飽和しているからこそ、紙の丁寧なアプローチが差別化になるケースがあります。
インバウンド型は、見込み顧客側から接触してもらう仕掛けを作る手法です。
ウェビナーやセミナーは、課題意識の高い参加者と自然に商談へ進みやすく、営業とマーケティングの連携施策として定番です。
オウンドメディアやホワイトペーパーなどのコンテンツ施策は、成果が出るまで時間はかかるものの、継続的に商談機会を生む資産になります。
Web広告は即効性が高い反面、獲得リードの多くは情報収集段階のため、インサイドセールスによる引き上げ体制とセットで設計する必要があります。
リレーション型は、信頼関係を起点に商談を獲得する手法です。
既存顧客やパートナーからの紹介は、信頼が担保された状態で商談が始まるため受注率が突出して高いものの、発生が偶発的で計画が立てにくい弱点があります。
経営者コミュニティや業界コミュニティへの参加は、売り込まずに関係性を築きながら、中長期で商談機会を生み出すアプローチです。
そして、この紹介やコミュニティの強みを仕組みとして再現できるのが、決裁者マッチングサービスです。
決裁者マッチングについては後の章で詳しく解説します。
手法を増やす前に、まず既存の営業プロセスを見直すことで商談獲得率が改善するケースは少なくありません。
ここでは、営業プロセス改善の5つのステップを紹介します。
すべての企業に売ろうとする営業は、結局誰にも刺さりません。
受注実績を分析し、業種・企業規模・課題・決裁構造の観点から「最も価値を届けられる相手」を定義し直しましょう。
現在の商談相手の役職構成を確認し、決裁者・役員クラスとの商談比率をKPIとして設定します。
決裁者商談の比率が上がるだけで、同じ商談数でも受注率とリードタイムは大きく改善します。
アプローチの冒頭が自社紹介になっていないかを点検し、相手の課題仮説から始まる構成に書き換えます。
「何を売っているか」ではなく「相手が何を得られるか」を先に伝えることが原則です。
一度接点を持った相手への定期的な情報提供や近況伺いを、営業個人の記憶に頼らず、仕組みとして回るようにします。
タイミングが合わず商談化しなかった相手こそ、将来の商談の源泉です。
アプローチ数、接触率、商談化率、決裁者商談比率、受注率を週次で可視化し、ボトルネックとなっている工程に絞って改善策を打ちます。
感覚ではなくデータで営業活動を修正することが、再現性のある商談獲得につながります。
商談獲得力は、個人のスキルだけでなく組織の設計によっても大きく変わります。
属人化した営業から脱却し、チームとして商談を生み出す体制を整えましょう。
具体的には、リード創出を担うマーケティング、商談化を担うインサイドセールス、提案・受注を担うフィールドセールスの分業体制を敷くことで、各工程の専門性と改善スピードが高まります。
また、トップ営業のアプローチ手法やトークを型として言語化し、チーム全体に展開することも重要です。
一方で、分業体制の構築や人材育成には時間とコストがかかるため、リソースの限られる企業では、商談獲得の一部を外部サービスで補う判断も現実的です。
特に、最も難易度の高い「決裁者との商談獲得」を外部の仕組みで補完できれば、社内リソースを提案・クロージングに集中させることができます。
商談獲得の打ち手を強化する前に、成果を遠ざけてしまう典型的なNGパターンも確認しておきましょう。
自社の営業活動に当てはまるものがないか、チェックリストとして活用してください。
商談数をKPIにすること自体は正しいのですが、数だけを追うと、確度の低いアポや情報収集目的の面談が増え、営業の稼働が受注につながらない商談で埋まってしまいます。
商談数と併せて、決裁者商談比率や商談からの受注率といった質の指標を必ずセットで管理しましょう。
接点を持てた瞬間に商品説明を始めてしまうと、相手は「売り込まれる」と身構え、次の機会が失われます。
初回は相手の課題を聞き、役立つ情報を提供することに徹し、信頼の土台ができてから提案に進むのが、結果的に商談化への最短ルートです。
マーケティングが獲得したリードを営業が放置したり、営業が現場で得た顧客の声がマーケティングに共有されなかったりすると、商談獲得の効率は大きく落ちます。
リードの定義や引き渡し基準を両部門で擦り合わせ、商談獲得を全社のプロセスとして設計することが重要です。
ここまで述べてきた「決裁者との接点づくり」「紹介の再現性」「限られた営業リソース」という課題をまとめて解決できるのが、決裁者マッチングサービスです。
決裁者マッチングサービスとは、経営者・役員などの決裁者が多数登録するプラットフォームを通じて、条件の合う決裁者同士の商談を計画的にセッティングできるサービスです。
営業活動に決裁者マッチングを取り入れるべき理由を4つ紹介します。
通常、経営者や役員へのアプローチは受付やメール段階でブロックされ、営業個人の努力だけで突破するのは困難です。
決裁者マッチングなら、会う意思のある決裁者と直接つながれるため、営業活動の最難関工程をショートカットできます。
商談相手が予算と決定権を持つ決裁者であるため、初回から本質的な課題と投資判断の議論ができます。
担当者経由で起こりがちな伝言ゲームや稟議停滞がなく、受注までのリードタイムが大幅に短縮されます。
決裁者マッチングは、プラットフォームや運営の仲介によって信頼が担保された状態で商談が始まるため、紹介営業に近い高い受注率が期待できます。
偶発的な紹介を待つのではなく、ターゲットを指定して狙った商談を積み上げられる点が、営業計画上の大きなメリットです。
決裁者とのつながりは、その場で案件化しなくても、情報交換や相互紹介を通じて中長期の関係性資産になります。
売り込みではなくGIVEの姿勢で関係を築いておけば、相手のニーズが顕在化したタイミングで最初に相談される存在になれます。
商談獲得を「点」のアポ取りではなく「線」の関係構築として捉え直せることこそ、決裁者マッチング最大の価値といえるでしょう。
本記事では、商談を獲得できる営業の特徴、代表的な商談獲得手法、営業プロセス改善のステップ、組織づくりのポイントを解説しました。
買い手の購買行動が変化した今、営業の商談獲得は「どれだけ動くか」よりも「誰に、どんな価値を持って会いに行くか」で決まります。
なかでも、意思決定権を持つ決裁者といかに早く直接つながるかが、営業成果を分ける最大の変数です。
決裁者マッチングサービスを活用すれば、営業組織の規模にかかわらず、最難関である決裁者との商談を計画的に獲得し、紹介営業のような質の高い商談を積み上げられます。
まずは自社の商談相手の役職構成を確認し、決裁者商談の比率を高める打ち手として、決裁者マッチングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
A. 受注数は商談数×受注率で決まるため、商談の数と質が確保できなければ受注は増えないからです。
商談の数と質を分けて管理すると、どこを改善すれば受注が増えるのかを判断しやすくなります。
A. 自社説明ではなく相手の課題を起点にアプローチし、決裁者との接点を優先して狙う点です。
事前に相手の業界や経営課題を調べておくことで、相手に役立つ切り口で接点を作れます。
A. 多くは今がタイミングでないだけなので、緩やかな接点を維持しておくことが有効です。
断られた理由と時期を記録しておくと、再びアプローチするタイミングを判断しやすくなります。
A. 数だけを追うと確度の低いアポが増えるため、決裁者商談比率など質の指標も併せて管理します。
質の指標をあわせて見ることで、件数を増やす施策が受注につながっているかを確認できます。
A. いきなり売り込まず、相手の課題を聞いて役立つ情報を提供することに徹することです。
信頼関係ができてから提案に進むほうが、結果として商談化までの近道になります。
この記事の監修者
平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。