りべる株式会社
小堀 真保
POSTED | 2018.02.23 Fri |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:広告・マーケティング・制作 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:その他 |
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知られざるストーリーを引き出すのが「広報PR」
広報業界の質の向上を目指すTopics
一般社団法人PR Supporters 代表理事 小堀 真保氏のONLY STORY
PR広告業界の現状に危機感を覚え、PR Supportersを立ち上げた
PR Supporters は「ヒト」と「PRストーリー」を大切にすることをポリシーとしたPR事業を展開しています。私はPR Supportersを立ち上げする前、広告代理業を主にやってきた経緯を持っていましたが、独立してはじめて、PRパーソンやベンチャー企業の広報担当が一人で困っているような状況や、情報不足を目の当たりにし、衝撃を受けました。
個人のメディア化が著しい昨今において、メディアも日々変化を遂げています。本当に必要な情報を選択するために、PRは今こそ決して欠くことのできない手段になりました。広報PRの必要性は日々謳われ、非常にニーズが増えているにも関わらず、本当のPRパーソンが少ないという現状に危機感を覚えたのです。
私は前職で、個人で一部上場企業の人たちをサポートしてきた経験から、そういったノウハウとネットワークをより多くの人にシェアできる方法はないかと考え、一般社団法人PR Supportersを立ち上げました。
PR SupportersはPRエージェンシーと契約するよりも大幅に安い金額で利用できます。具体的にいうと、市場価値でいえば50万円ほどのサービスが3万円で受けられるのです。この手軽さは、人材不足や情報不足と言った問題を解決する糸口になったと思います。
また、広報PRは、イメージの通り華やかな仕事で、自分が取り組んだことが会社や人を大きく動かすという醍醐味があります。しかし、実際広告業界にいる人は、あまりそういった体験をしていないというのが現状で、雑務のように感じている人も多いと思います。
私自身は、会社を立ち上げる以前から広報PR業界でたくさんの楽しい経験をしてきているので、それを他の広報PR業界で働く人たちと共有したかったという思いも、会社設立の大きな理由のひとつです。
クローズドな世界をオープンにして、情報共有をサポートする
PR Supportersはあるようでなかったサービスで、広報PRセミナーの反応などを見ると、立ち上げて正解だったと思いました。PRパーソンの情報不足や経験不足、そして広報の楽しみを知らない状況を打破するために必要だったと思います。
広報PRはシェアされることが少なく、クローズドな世界です。一人一人の専門性は非常に高いにも関わらず、隣の人が何をしているのか見えないため、情報や経験に偏りが出てきてしまう。それをシェアできるのがセミナーです。オンライン上のコンテンツによる情報共有と、オフラインのセミナーの両軸で広報の専門スキルをシェアするサービスは、現在PR Supporters以外にありません。これからもセミナーの回数を増やし、さまざまな企業と連携を取っていきたいと考えています。
PR広報業務としては、根本的な分母として「これだけのメディアが存在します」という紹介をしています。業界の人も、どのようなメディアが存在し、自分が伝えたい情報をどのメディアで配信するのが適切なのか知らないことが多いため、そのメディアリストの共有を行っているのです。
それに加えて、自分の業種やサービス、製品を推薦してくれる第三者をリストアップしています。例えば携帯ショップが「このようなサービスを始めました」と自社で宣伝するよりも、日経トレンディの編集長がそれを推薦してくれた方がグッとサービスの価値が上がる、といったことが起きますよね。そういった候補者リストをどのようなジャンルでも提供しています。
他には、広報PRで必要なツールの提供も行っています。例えばPRコンサルジュという窓口を設けて、PRで困ったときの相談をオンライン上でできるようなサービスを展開しています。相談内容を入力すると、PRのプロたちがそれに回答してくれるというシステムで、これは事業の中でも非常に大きなもののひとつです。
リリースを書くだけではPRパーソンではない
PR Supportersの今後の展望は、フリーのPRパーソン、PRプロフェッショナルのメンバーの活躍の場を広げていくことです。PRパーソンは、自分がPRするべき製品やサービスのPR力には非常に長けているのですが、自分自身を売り込むことはなかなかできません。それを代わりにPR Supportersがサポートしていく形を取っていきたいと思います。
もうひとつは、PR業界全体の底上げへの寄与と質の向上を目指していきたいと考えています。具体的にいえば、コミュニケーション能力を上げると言い換えることができると思います。広報PR自体の価値をもっと世の中に知ってもらい、広告と広報PRの違いを事業主の皆さんに認知させることで、業界全体はより良いものになっていくと考えています。
そのためには、広報PRの効果測定が今後の課題として浮き彫りになってきます。効果をきちんと数値化して見せていくという研究を今行っているところです。それもPR Supportersが社団法人であるからこそできることだと考えているので、それをローンチしていきたいと思っています。広報PRの支援ツールも次々開発を行っているので、広報業務の雑務を軽減し、PRパーソンの業務支援もこれから一層進めていくつもりです。
冒頭にも言ったとおり、PR広報はこれからの社会と切り離せない重要な業務になると私たちは確信しています。「うちにはリリースを書けるような要素は何もない」と言う事業主の人もいますが、リリースを書くこと自体がPRではないのです。各企業、各製品が持つポテンシャルやストーリーを確実に伝え、そこに共感を生むこと。そして可能性を広げること自体が、広報PRです。
このことを、PRパーソンにも、PR広告の大切さを知らないクライアントにも伝えていきたい。広報PRが足りないことによる弊害を、社会からなくしていきたい。それによって、モノも人もよりスムーズに回るようになると信じています。そういった社会的意義を、これからも追求していきたいですね。