コグニティ株式会社
河野 理愛
POSTED | 2018.07.11 Wed |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:IT・情報通信業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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あなたの営業トークお客様にちゃんと届いていますか?
営業トークを定量的に解析し可視化するサービスTopics
コグニティ株式会社 社長 河野 理愛氏のONLY STORY
【経歴】
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今回は、営業マンのトークを解析するサービス『UpSighter』を提供するコグニティ株式会社の代表取締役・河野氏にお話を伺います。
コンサルなしで、営業トーク力を上げるサービスとはどのようなものなのでしょうか。まずは、現在の事業に至るまでのお話を伺いました。
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インターネットでスポーツ業界のマッチングサービスを開始した10代
初めてウェブページを作ったのは14歳のときです。私は運動が苦手だったので、マラソン大会や地域のサッカー大会がすごく憂鬱だったんです。
その苦しみを解消するために思い立ったのがスポーツ科学の本を読んで、それを実践するということでした。それで実際に苦手を克服できたことにとても感動したんです。
その後もっと勉強したいという気持ちが膨らんで、選んだ手段がインターネットでした。しかしその頃はインターネット黎明期でウェブページなんて外国のスポーツ科学のページしかなかったんですね。
だったら自分が学んだことを溜めていくところにしよう、と自分のウェブページを作り始めたんです。
プロのスポーツ選手、科学者、医師といった、運動に関わる人たちが全国にとどまらず、海外にいる人まで訪れる。そうして、年間600件~800件にのぼる質問と相談が来るようになったんですね。
そこで私は巨大な掲示板を作って、医師や科学者と、困っているアスリートや子供のプレイヤーをマッチングして情報を共有するようなサービスを始めました。そのサービスを通して年間1000件近いマッチングが成立しました。
そのサービスを本格的にマッチングビジネスへと転換させたのが、18歳のときです。大学在学中にNPO法人にしたのですが、自分の志としても限界を感じて、企業に就職することにしました。
それから企業で働いている間にさまざまなことを考え、やはり自分で世の中のために有益なものを作りたい。会社を立ち上げようという想いに至ります。
世の中が良くなるもので、世界で勝負ができて、ビジネスとしても強い業界を模索して、2013年に会社を立ち上げました。
ローコストで営業改善!営業トーク解析サービス『UpSighter』
当社の事業は、一言で言うとAIでの文脈解析です。
具体的には営業マンのトーク解析を行なっています。『UpSighter(アップ・サイター)』というサービスで、売れる営業マンと売れない営業マンの営業トークをまず可視化して、売れる人の話し方の傾向を解説します。
そのあとに、中間層から下位層の人たちと比較することで、その会社の営業トークが今どういう状況なのかレポートで渡すという流れになっています。
普段の商談やプレゼン、ロールプレイなどをスマートフォンで録音して、それをアップロードするだけでネット経由で結果を受け取ることができます。
例えば、上位の特徴を見ると、話している量が多い、深掘りした説明が多いといったポイントがあって、それに対してあなたはここが足りてないので、もっとこういうふうにしたほうがいいですよ、というような比較をするんですね。
上司にフィードバックされなくても、レポートを見ることで自己成長を促すという形になっています。このサービスを月に一回受けてもらえば、先月に対し自分はどのように営業トークがよくなったのか、上位にどう近づいたのかということを定点観測できます。
このサービスによって、そもそも売れる営業と売れない営業の話し方にどのような違いがあるのかわからないという問題、売れる営業マンが部下の指導に時間を取られて営業にいけなくなって本末転倒になる状況、指導する人によって評価の軸が変わるといった課題を解決することが可能です。
スマートフォンで録音するだけなので、コストの削減にも繋がります。たとえば会社にコンサルを入れると半年から1年かけて2千万円ほどで教育を行っていくと思うのですが、私たちのサービスは3週間35万円で確実に課題の見える化ができます。
自動採点なので指導コストが軽減し、その時間や労力を別の仕事に回すことができるという点も大きなメリットだと思います。
現在の導入社数は60社以上になり、業種は多岐にわたります。営業がいる限りカバーできますからね。最近特に多いのは不動産会社や製薬企業、保険会社、中古車販売など、いわゆる単価が高いビジネスですね。
他のサービスとしては、医療従事者向けサービスを展開する大手会社とタイアップした商品の開発なども進めています。また、営業の改善にむけてのAIの導入などについて、当社の成功モデルを共有するためのセミナーなども行っています。
情報の偏りをなくし、フェアで納得感の高い世界を作る
今後の目標としては、まず今年は売上拡大を狙っていきたいですね。社員もパートナーも揃ってきているので、2021年に上場するという展望に向けて仕込みを始めたいと考えています。
それに伴って、海外展開と、地方展開を併せて行っていきたいと思います。地方展開については、私の実家がある徳島で、7月10日に県知事と地方拠点設置の調印式を行いました。
上場を目標として掲げているのは、たくさんの人が働ける環境で、そして社会に対して良いものを作っていくことには、すごく意義があると思っているし、自分もそうありたいと思うからです。だからこそ、会社をどんどん拡大していきたいんですね。
働ける場所としても大きくしたいので、そのためにはまず事業規模が必要です。その通過点の一つとして、IPOがあると思っています。
長期的な展望としては、情報の偏りや思い込みが判断を鈍らせないような世の中にしていく事業を展開したいですね。その手助けができるようなツール、技術を開発していくことが当社のミッションだと思っています。
重要な意思決定から、あるいは今日のお昼ごはんは何を食べようかな、というような身近な意思決定まで、さまざまな範囲で“判断をする”という事柄に使えるサービスを展開したいと思います。
「自分はこれを食べようと思ったけど、この栄養が足りないらしい」など、そういうことがわかると、人の考え方自体が平和になるのではないでしょうか。思い込みに左右されない世界を作りたいという思いが一番にありますね。
だからこそ、AIによる解析をもっと身近なものにしていくサービスを展開していくのが、私達の長期的なビジョンであり、それを以て、もっとフェアで納得感の高い世界を作りたいと考えています。