株式会社日の出光機製作所

平林 秀一

特許を取得したエレキギターのプラグを製造・販売

メイドインジャパンの社内再構築を実践する
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今回のインタビューは、自社製品のフォンプラグなどの個別通販を行う株式会社日の出光機製作所の平林氏にお話を伺います。事業継承に至った経緯から、業界の変遷、そして新しい製品の開発までの歴史、メイドインジャパンに対する想いなどについて語っていただきます。

株式会社日の出光機製作所 代表取締役社長 平林 秀一氏のONLYSTORY

頑丈で音の良いプラグが評判


―株式会社日の出光機製作所の事業内容を教えてください。

平林氏:弊社は製造業に従事しており、50%ほどはアマチュア無線のアンテナメーカーの下請け業、もう50%は自社製品のフォンプラグの販売を行っています。フォンプラグとはエレキギターなどの音響機器のプラグです。。弊社のプラグ商品は材料メーカーから原材料を仕入れ、自社工場で加工して製作しています。

―プラグ製品について、詳しくご説明いただけますか。

平林氏: 弊社のプラグはHKM(日の出光機マニュファクチャー)という名前で、特許を取っているのですが、「頑丈なプラグを作る」という開発コンセプトで作られました。これらは、ケーブルに直接はんだ付けをしているもので、部品点数が少ないのです。そのため、ダメージを受けるようなことがあっても壊れにくいという特徴があります。

これは偶然の産物なのですがこのプラグはとても音が良いです。部品数が少ない、少ないから壊れにくい、そしてその上音がいいという点が、私たちの作るプラグの強みだと思いますね。

―どのような点で他社と差別化をはかっていますか。

平林氏:弊社はゼロから事業を立ち上げているので、何のしがらみもなく新しい分野にチャレンジできるという点がですね。古いしがらみのある業界なので、それがなく、いろいろなことに挑戦できる自由さは大きなメリットだと思います。

―お客様からはどのような声をいただきますか。

平林氏::購入してくださる方もプロの方が多いのですが、音の評判が非常に良いですね。音のプロにそのような評価をいただけるのは、とても誇りに感じています。

業界規模が縮小、そこから新しい取り組みへ


―平林氏の経歴を教えてください。

平林氏:株式会社日の出光機製作所は両親の会社なのですが、実は、事業を継ぐという意思はそれほどなかったのです。そのため、私は大学を卒業後、7年間は保険会社でサラリーマンとして働いていました。

家業を継ぐことを考え始めたのは、父親が倒れたときです。私は長男なので、将来的にはやはり継ぐことを考えるべきだと思ったんですね。それから1年半くらい悩んで会社を辞め、株式会社日の出光機製作所に入社しました。入社して社長になるまで、10年間社員として働き、社長に就任してからはもう11年になります。
―社名の由来はどのようなものですか。

平林氏:ここは城北地区なのですが、城北地区には昔、光学関係の製造業者がたくさんありました。この会社も例に漏れず、光学関係に携わる「日の出光機」という名前からスタートしました。そのため、社名に光という字が入っています。
―事業を継承されてからの会社の変遷を教えてください。

平林氏:バブルのころからアマチュア無線のアンテナのメーカーの下請け業をしていたのですが、バブルが崩壊してからしばらく経って、携帯電話が普及し始めたんですね。その影響で業界の規模が10分の1まで縮小し、弊社の売上も落ちてしまったのです。

ちょうどそのころから、下請け業も価格が安い海外に移るようになってしまいました。業界の規模がどんどん小さくなる中で、自分たちはどのように売上を伸ばしていくか考えたとき、工場にケーブル加工設備があることに着目してプラグを自社開発し始めました。

メイドインジャパンな会社にしていく


―今後の目標について教えてください

平林氏:短期的な目標は年間2億の売上を達成することです。そのために、販路を拡大し、より手軽に商品をご購入いただけるシステムへと、徐々に切り替えているところです。

―どういったことを重要視しながら事業展開をしていきたいとお考えですか。

平林氏:メイドインジャパンを社内で再構築することですね。この「社内で」という点がミソなんですが、今は昔とは違って、全てのものを国内で作る環境はほとんどありません。やはり、安さだけにこだわっていくと、日本は海外には勝てないからです。それでも、私たちは社内での生産にこだわっていきたい。

実は、社内で全部品を生産すれば中間マージンを省くことができ、海外の安さと対等なレベルにまで落とすことができるのです。その上、良質なものをお客様に届けることができる。だからこそ、私たち株式会社日の出光機製作所はメイドインジャパンを新たに構築していきたいと考えています。


                                  執筆=スケルトンワークス

                                         校正=笠原

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