株式会社Pro-D-use

小笠原亮太

企業把握するまで頑なに提案しないコンサル

個性的な社会実現と独自性を持つ事業作りを目指して
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今回は、中小企業向けにハンズオン型のコンサルティングを展開する株式会社Pro-D-useの小笠原氏にお話を伺いました。1社1社に合わせたコンサルティングを行う同社の取り組みについて詳しくお聞きしました。

株式会社Pro-D-use 社長 小笠原 亮太氏のONLY STORY


【経歴】

1986年生まれ。埼玉県入間市で育つ。高校で慶応義塾志木高等学校に入学し、そのまま慶応義塾大学商学部卒。幼少期から、アウトプットを前提とした学びを行っており、その時の経験から「実践するため、人のための実学を学びたい」という気持ちでビジネスを行っている。

新卒ではリクルートに入社し、人材募集の営業という切り口から様々な企業や担当者との接点を持ち社会を知る。その後、コンサルティング会社を経て「個性を尊重したコンサルティング」を目指して起業。

ハンズオン型の中小企業向け総合コンサル


–まず、株式会社Pro-D-useの事業内容からお伺いします。

小笠原氏:弊社は中小企業・ベンチャー向けの総合コンサルティングサービスを展開している会社です。クライアント企業の中に入って、一緒に施策を進めるハンズオン型のコンサルティングをしています。

–どういった業種のクライアントが多いのでしょうか。

小笠原氏:特定の業種が多いということはないのですが、「自分たちのコンセプトを実現したい」という想いを持っている人が多いですね。そのため勢いのあるベンチャー企業や企業の2代目・3代目の人たちから依頼を受けることが多いです。

ビジネスは、価値が、価格より少し上回ったときに成立します。その中で、経営者の人柄によって、どちらかを主軸に経営を見ているかは人によって異なります。目先の売上利益だけでなく、何を成し遂げないのか、ビジョンを価値から考えるのか、価格から考えるのかなど、その経営者の考え方を捉えた上で達成に向けてのご提案をすることで、企業の独自性を尊重した支援ができるように、日々試行錯誤しています。

–その独自性を実現させるために、何か工夫されていることはありますか。

小笠原氏:クライアントのことを的確に把握することです。具体的には、弊社のコンサルティングには2つの特徴があります。

まず、1つ目がヒアリングを徹底することです。通常の中小企業向けのコンサルティングは初回の訪問時にヒアリングを行うのですが、弊社の場合は3回×1日8時間をかけてヒアリングをし、クライアントの課題と特徴を把握します。こうした丁寧さが独自性をつかむためのポイントになります。

続いて、2つ目が週1の稼働スタイルです。週に1回クライアントの元へ向かうことでクライアントの現状を把握しています。

例えば、営業に課題があるクライアントに「〇〇してください」と伝えたとします。しかし、次に訪問したのが1ヶ月後で、その際に「実は問題がありできませんでした…」となったら、その1ヶ月の改善はわずかなものになってしまいます。一方で1週間後にきちんと話す場を設けていれば、「では、まずその問題を解決しましょう」となるんです。

–成果を効率的に出すためにも、クライアントの状況把握が必要なのですね。

そのほかに、御社のコンサルティングサービスにおいて差別化ポイントや強みはありますか。

小笠原氏:やはり総合力ですね。弊社がターゲットにしているような企業はきっちりと職務分掌がされていないところがほとんどなので、企業が自社のコンセプトを実現しようと思っても、実際にはどこから手をつけていいのかが明確でないことが多いんです。

だからこそ、コンセプトを重視する弊社の顧客に対しては総合的な判断が必要不可欠なんです。それができていることが弊社の強みだと考えています。

適材適所が実現する個性的な社会を目指して起業


–それでは、起業に至るまでの経緯をお聞かせください。

小笠原氏:私は中学生のころからコンサルティングに興味を持っていました。サッカーをする際にも自分でシュートを決めるより、だれかにラストパスを出すほうが好きなことを考えても、「何かを達成したい」と思う人をサポートするコンサルティングは自分に向いていると思っていました。

就活の時にも、コンサルティング企業を検討したのですが、そもそも誰が何で困っているのかを知らなかったため、業種や役職を問わず多くの人と話をすることのできる大手人材会社の求人広告部門に入社しました。そこでは、コンサルティングをするうえで必要な知識、見識を広く蓄積しました。

その後、次のステップとして、小さな飲食専門のコンサル会社へ移りました。飲食店は分業をしていないところがほとんどで、製造から販売まで全てをやらなくてはならず「作る」「売る」をはじめとして、バックオフィスの能力までが求められます。あらゆる企業の縮図とも言えるので、より多くのものを学べるだろうと思い飲食系のコンサルティングを始めました。

–その後独自性を重視する現在のコンサルティングを始められたんですね。

小笠原氏:はい、そうです。

「売上の向上」をコンサルタントの仕事と定義するなら、リニューアルをはじめ短期的に結果を出す方法はたくさんあり、それを繰り返せば確実に売上につながります。

しかし、それでは店名が違うだけで、内装、外装とも似通った無個性なお店ばかりが並ぶことになってしまいます。極端な話をすると、渋谷駅で降りても、池袋駅で降りても、同じような町になってしまう。

適材適所が実現する社会は個性的で楽しいはずで、私は「Your Industry Maker」をスローガンとして、その人らしい独自性を持った事業作りをサポートしたいと思い、起業しました。

経営者の力には社会に対する責任が伴っている


–今後の目標について教えてください。

小笠原氏:コンサルティング自体が壮大なマーケティングのようなもので、まだまだ勉強することも多く、しかも弊社のコンサルは難易度が高いこともあって、このまま労働集約型で運営するのは無理が生じます。そのため、今後はコンサルティング以外の新規事業や商品開発を視野に入れ、その準備を進めていきたいと思います。

–ありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小笠原氏:経営者は本音を言い合える相手がいないことも多く、カリスマ性があれば尚更で、問題を一人で抱え込みがちです。コンサルティングに限らず、相談できて直言してくれる人を作り孤独にならない環境で働いていただきたいですね。

また、経営者ともなればそれ相応の力を持っているはずですが、その力には責任が伴うことを認識してほしいと思っています。企業を成長させ、雇用を増やしたり、多くの人の助けになる事業を営んで欲しい。それが日本の発展につながればいいと思います。同じ想いを持つ経営者さまや学生さんと一緒に仕事ができればうれしいですね。

執筆=増田
校正=笠原

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