株式会社フォーピープル
田中 弘武
POSTED | 2021.01.23 Sat |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:人材(採用・派遣) 創立:11〜14年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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現役アパレル業界人のネットワークを活用した転職支援
日本のアパレル業界をもっと元気にTopics
今回のインタビューは、アパレル業界の転職支援を行う株式会社フォーピープルの田中氏にお話を伺います。アパレル業界の人脈を活用した転職支援が強みだと語る田中氏に同社の詳しい事業内容をお聞きしました。
株式会社フォーピープル 社長 田中 弘武氏のONLY STORY
▼自己紹介
名前 :田中弘武
生年月日:1987年5月7日
出身地 :石川県能美市山口町
最寄駅 :中目黑
趣味 :お酒、グルメ、ネコ、英語
好きな服:東コレ系デザイナーズ
好きな人:甲本ヒロト、沖本瞬
▼経歴
2009年3月:文化服装学院 アパレル技術科 卒業
2009年4月:レディースアパレル企業(5年) 営業・MD
2013年5月:株式会社フォーピープル設立
2014年4月:アパレルOEM系商社(2年) 営業・生産
▼事業経歴
2013年 5月:アパレルOEM事業
2013年 8月:ECプラットフォームへの出店取次代理店事業
2018年 2月:アパレル関係者限定のBAR「FashionTuesday」
2018年10月:アパレル特化型転職支援事業 (有料職業紹介取得)
2020年 4月:マッチ率で探せるアパレルマップ「Appartunity(アパチュニティ)」
アナログなネットワークが強み
-株式会社フォーピープルの事業内容を教えてください。
田中氏:弊社は、アパレル業界特化型の転職支援事業を行っている会社です。
-ありがとうございます。続いて同業他社と比較した際の御社のサービスの強みを教えてください。
田中氏:一番の強みは、現役アパレル業界人のアナログなネットワークを活用して、人脈伝いに人材を紹介できることです。
一般的に人材紹介会社は、企業の求人に対して主にWeb広告で集めた求職者をマッチングしていきます。一方、弊社はさまざまなアパレルの領域に関してネットワークがあるため、Webではなく人を介した紹介を行うことができるんです。
-人脈伝いの紹介にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
田中氏:メリットは大きく2つあります。
1つは優秀な人材を紹介できる点です。他の業界でもそうですが、優秀な人材は求人サイトに登録するよりも先に他者からのオファーがくるため、求人サイトから見つけることが難しいんですね。弊社ではそのような優秀人材、具体的にはアパレル業界で20年以上経験を積んだベテラン人材と業務提携を結んでいるので、いつでも企業に紹介できます。
そのため、たとえば「東京コレクションに出ているブランドの生産管理ができる人材が欲しい」といった要望でも、そのゾーンに強い人に探し企業にご提案することができます。
もう1つは「求人サイトには登録をしていない潜在的な転職希望者」を紹介できる点です。紹介できる人の母数が増えるため、ご要望に沿った提案が可能となります。
-他社が繋がっていないような優秀な人材を幅広い領域からご紹介できる点が御社の強みだということですね。
田中氏:そうですね。
またいろいろな人材紹介会社とアライアンスを組んでいますので、たとえば「SEになりたい」「保育士になりたい」など異業種への転職を検討されている方には、その業界に詳しい企業をご紹介したりしています。
-クライアントからはどのようなお声をいただきますか。
田中氏:最近ではインフルエンサーや芸能人を起用したDtoCブランドが次々と立ち上がっていますが、私たちは社員も全員アパレル出身なので、ビジネスのステージを踏まえた上で「今のフェーズではこういう人がいりますよね」とご提案することができます。
アパレル業界を知らない人材業界の方が紹介を行っていることがほとんど中で、アパレル業界の知見を活かした弊社のサポートには喜んでいただくことが多いですね。
一人ひとりの繋がりが貴重な財産に
-会社を立ち上げた経緯を教えてください。
田中氏:小学校の卒業アルバムには「社長になる」と書くような子どもで、小さい頃から漠然と社長になることを夢見ていました。「どのようなビジネスを手がけていくか」はまったく考えていなかったのですが、ファッションが好きになったことをきっかけに服飾関係に進もうと思い、服飾専門学校に入学しました。
その後、レディースのアパレルブランドで営業やMD(マーチャンダイジザー)の経験を経て繊維商社に転職し、アパレルの大手企業向けにOEM生産の仕事をしていました。
その頃、周りの友人から小ロットのOEMを受けて欲しいとオファーを受けていたのですが、当時の勤め先では小ロット生産はできず、「だったら自分でアパレルのOEM事業をやろう」と思ったのが起業のきっかけです。
-起業後、特に印象に残っているエピソードはありますか。
田中氏:自己資金で立ち上げたためキャッシュフローに苦戦しました。利益が0になることや、ものづくりに失敗をして300万円の損失を被ることもありましたね。経営しながら夜はコールセンターでアルバイトをして、日中は自分の仕事をして、睡眠時間を削って、すべてを仕事に費やしてなんとか目先のお金を作っていた時期もありました。
しかし人からいただくお話や自分が可能性があると思った事業には手当たり次第着手し、イベントやネットショップの代理店、BARの運営などたくさんの方とのご縁が繋がっていきました。そのようにして知り合った方々から「こういう人を知りませんか」というお話をいただくようになって、徐々に人材紹介の仕事にシフトしていきました。
これまで様々なことがありましたが、とにかく行動をして、人と出会い、そのときにできた一人ひとりとの繋がりを大切にしてきたことが貴重な財産となっています。
-事業を行う上で、大切にしていることは何ですか。
田中氏:弊社は「きっかけの創造」という理念を掲げ、一人ひとりの出会いを大切にしています。
その理念を形にしたのがアパレル関係者限定のBAR『Fashion Tuesday』です。ここにはアパレル企業に勤めている方をはじめモデル、インフルエンサー、服飾専門学校に通う学生さん、ファッション関係の経営者などが来店されます。BARでの出会いによって新たな発見につながるきっかけになれればと思っています。
アパレル人材紹介事業で業界1番を目指す
-短期的な目標を教えてください。
田中氏:アパレルに特化した人材紹介事業で業界ナンバーワンになることです。特にEC運用が好調なので、「アパレルといえばフォーピープル」というブランドを確立していきたいと思います。
-それに向けて現在、取り組んでいることはありますか。
田中氏:アパレルのECに関する人材育成に力を入れています。というのも現在、販売スタッフを中心に店頭スタッフからECの分野へキャリアチェンジをしたい方が増えているのですが、企業は未経験者の採用をしていないため希望のキャリアを歩めない方がたくさんいるんですね。
そこで弊社では専門講師によるオンラインカリキュラム「アパレルECアカデミー」を提供し、アパレルEC業界で働くために必要なスキルを身につけられる授業を毎週2時間行っています。
このカリキュラムのポイントは、授業で行った課題を自身のポートフォリオとして転職時に使えること。これにより高い内定獲得率を誇っています。
-長期的な目標を教えてください。
田中氏:アパレル業界を元気にしていくことです。ただそもそもアパレル業界が稼げるビジネスにならないと業界自体が盛り上がらず発展は難しいでしょう。なので挑戦したいと思っている人が挑戦しやすい環境をつくること、ファッション業界が収益のついてくる業界に変えること。この2つに取り組みたいと思っています。
多くのアパレル関係者と関わる中で、アパレル業界が他の業界と違う点を発見しました。それは「働いている人が業界に対する愛情が強いところ」です。ファッションが好きな人たちが、好きなことを仕事にしている業界だからこそ、環境が整えばより楽しく働ける人が増えるはず。日本のアパレル業界を元気にしていくことが弊社の使命だと思っています。
-ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
田中氏:アパレル業界以外の方からでも「アパレル系のブランドビジネスをやりたい」「ものづくりできる会社を探している」などご要望があればお気軽にご相談ください。
また弊社ではアパレル特化以外の人材紹介会社さまとも良い提携関係ができたらと思っていますので、ぜひご連絡ください。
執筆=山田
校正=笠原