川島　直也

株式会社グルーヴ・アールは、『住まい』に関するインターネットソリューションを提供している会社である。具体的には不動産情報を提供するWebメディアの運営やそこで得たノウハウを基にした不動産会社向けのマーケティング支援事業が主である。このような事業を展開するに至った経緯から川島直也社長にお伺いした。

「学生時代の友人のお父さんが起業をされた方でその話を聞くうちに『おもしろいな』と思って、自分も起業したいと考えるようになりました。なので就職は、いずれ起業することを視野に入れて営業やマーケティング、ビジネス全般を学ぶことができる不動産会社に入社しました。
入社して3年くらい経った頃。不動産を購入する際に、まだまだユーザーが求める情報が足りてなく、情報に対するニーズがあるなと感じるようになりました。
不動産は高額な買い物ですから、購入する際にお客様が求める情報量も多いのが当然です。
例えば物件の口コミ情報や適正相場の情報を買う前に見られたらお客様も不安要素を払拭してから購入することができるのではないかと考えました。」

こうした川島社長の想いから生まれたサービスが『マンションレビュー』である。このサイトは主にマンションを買いたい人にとって他のサイトでは取得出来ないような詳細な物件情報を提供するWebメディアだ。

「たとえば、『マンションが5000万円』とだけ聞くと高いのか安いのか判断できないと思うんです。でも『去年は4000万円だった』と分かれば今は高いのだなということがわかりますよね。
『マンションレビュー』ではそうした過去5年間以上の相場情報や実際に住んでいる居住者が投稿した住み心地についての口コミ情報などを掲載しています。
また、マンションを売りたい人のための不動産売却一括査定サイト『ユスフル』も始めました。
このサービスでは新しい試みとしてセカンドオピニオンが無料で受けられます。どういうことかというと、売却活動中に不動産売却のプロが電話で相談に乗ってくれるのです。不動産会社には相談しにくいような質問でも、専門家が中立的な立場で答えてくれます。」

反対に、不動産会社向けにもホームページ制作や広告配信などを通じて、情報を還元している。

「ずっと不動産のWebメディアを運営してきたので、『どうやったらユーザーがたくさんきてくれるか』や『問い合わせがたくさんとれるか』というのがわかってくるんですよね。そのノウハウを提供しています。例えば不動産会社さんのオウンドメディア制作のお手伝いをしています。自社サイトとは別に、物件や地域の情報を発信するサイトの制作から運営までを弊社にて行う形となります。
住まいに関する色々な情報を発信したいと思っている不動産会社さんが多いのですが、日常の業務に追われて、サイトの運用まで手が回らないというケースが多いんですよね。
そのような会社さんに対し、弊社が持っているノウハウから日々の運用までを提供させて頂いていて、成果が出ています。」

「短期的な目標として、今期はクライアント数1000社を目標にしています。現在の約5倍の数字ではありますが、達成できない数字ではないと思っています。まだ世にないサービスを、私たちグルーヴ・アールが創り出していってゆくゆくは『住まいに関するwebサービスで、No.1のカンパニーになる』という目標達成をしたいと思っています。
そうした目標に社員一丸となって向かっていけるよう組織作りも大事にしています。常に心がけていることは『皆が意見を言える』ことです。年齢や役職に関係なく、自由にアイデアを出すことはとても重要です。うちは定時が7時までなのですが、その時間以降はお酒を飲みながら仕事をしてもOKというルールがあります。また、毎週金曜日には、オフィスにてみんなで1時間飲んでおしゃべりする時間も作っています。そういう何気ない談笑の時間に普段とは違うアイデアが生まれることもあるのでとても大事な時間です。新しい事業につながることもよくあるんですよ。」

同社の基本理念である「道険笑歩」（険しい道こそ、笑って楽しみ進んでいく）にも表れているようにこれからも楽しみながら、不動産業界を引っ張っていってくれるだろう。

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