杉原 拓

初代経営者である杉原梅吉が横浜で「杉原ヘルプボーイクラブ」を始めたのが1907年。

それから110年が経った現在は、「株式会社スギハラサービスクリエイツ」

「有限会社スギハラサポートサービス」「有限会社パートナー」

「有限会社エイチ・ディ・エス」の4社からなるグループ企業へと成長いたしました。

これだけ長きにわたって成長を続けてこられたのは、やはり多くのクライアント様からの信頼と確かなつながりがあってこそだと感じます。

また、かつてはスギハラの社員が主導してクライアントのスタッフ教育を行い、オペレーションを回すなど「スギハラがなければ仕事が回らない」と言われた時代もあり、スギハラがいち早くアウトソーシングを行なってきたという誇りと自負もあります。

しかし、長年積み重ねてきた業績にあぐらをかくつもりはありません。

高度経済成長期真っ只中でホテル建設に湧いていた110年前と現代では、私たちを取り巻く経済状況、社会状況は全く異なります。

特にアウトソーシングは社会経済の影響をまともに受けやすいですから、「不景気だから」と切られてしまうようなアウトソーシングではなく、「スギハラだからお願いしたい」と言われるようなサービスを提供し、強い信頼関係を維持し続けることが重要です。

また、働く人たちが気持ちよく働ける環境を作ることも大事ですね。

クライアントと働く人、両方を高いレベルで満足させることが、それが5代目である私、杉原拓の使命であり、150年、200年と成長し続けられる企業のエネルギーだと思います。

弊社は110年という伝統ある総合人材サービス会社として、約3000人もの登録数を誇っています。これは業界の中ではかなり多い方です。

ただ、今は競合他社と限られたパイを奪い合っている状態で、他社と同じ土俵で戦い続けると、どうしても価格競争、消耗戦になってしまいます。

それを防ぐには、クライアントの壁を私たちの提案でいかに壊せるかが鍵になります。

そういう意味で、長い歴史というのはやはり大きな強みです。

スギハラサービスクリエイツにおいては、人材派遣のみならず人材育成代行事業、リクルート業務代行事業、アテンド事業、再就職支援代行事業と幅広い事業を手掛けていますが、こうしたリクルートや再就職などに関するサービスをご提供できるのも、大手ホテルをはじめ幅広い分野のクライアント様との信頼関係が構築できているからこそ。

長い歴史の成せるワザでしょう。

クローズを余儀なくされるホテルも多い中で、そこで働いていたホテルマンたちがスキルや能力を再び活かせるようにしてあげたいという思いは強いですし、別のスキルなどを身につけてることで活躍できる場が増えるのであれば、そうした協力もしてあげたいと思います。

特に英語が話せる日本人は、飲食業界に限らず幅広い業界から引く手数多ですので、日本人に対する英語教育を強化すれば、どんどん紹介につながります。

歴史という強みに加えて、従業員の一人一人への手厚いフォローとお客様への満足度の向上を追求して行きながら、時代の変化を敏感に感じ取り、変化にいち早く対応していきたいですね。

今後の課題は、やはり人材不足の解消です。

新卒採用を強化するためには、やはり魅力のある企業でなくてはなりませんから、人材採用の間口をさらに広げるために、やりがいや昇給、将来性など、「スギハラで働きたい」と選ばれる仕組みづくりを進めているところです。

中でも一人ひとりにスポットを当てて長所を見抜き、適材適所で活躍できる環境を提供することには力を入れています。

自分にスポットが当たり、活躍の場がもらえていることが感じられれば、人は誰もが自ら学んで成長するようになりますから。

日本人学生のみならず、これからは外国人留学生にも視野を広げていきます。

事業においては、既存の事業を守るばかりではなく、新しいことへの挑戦が必須です。

その一つ鍵になるのがクライアントの一般化であり、主婦層だと考えています。

毎日忙しい主婦が、一人でも店を創業できる仕組みづくりや、毎日の家事が楽になるような仕組みづくりなどを弊社で行い提供できれば、マーケットがぐんと広がっていくはずです。

今の人材派遣事業においても、社会人経験のある主婦は非常に頼れる戦力なので、新たな取り組みが既存事業の課題解決にも繋がっていくと考えています。

この他にも外国人向けオリジナルウェディング事業など、歴史が長い会社だからこそ、常にチャレンジ精神を持ってやっていきたいですね。